「お母さん、自分が自分のこと一番知らないって思ったことない?」
長女のハルカがきいてきました。
「うん、しょっちゅう思うよ。ハルカは自分のことそう思うの」
「うん、大したことじゃないんだけど。体育でリレーの練習をしていて、あたし運動部の人たちと一緒に第一走者だったの。てっきりビリだ、と思ったのに、2着だったの。それで」
ハルカはそういって考え込んでる風情です。
「お母さんの思ってること言っていい?」
「うん言って」
「ハルカは、何がいいことか悪いことかよくわかってて、判断力もあるしリーダーシップもとれるし、何をしても大丈夫な子だと思うよ。
お母さんの場合はやけど、『通訳さんになりたい』って言ってたけど、あれは今思うと自信のなさの表れやったね」
「あー、わかる気がする」とハルカ。
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