正田佐与の 愛するこの世界

神戸の1位マネジャー育成の研修講師・正田佐与が、「承認と職場」、「よのなかカフェ」などの日常を通じて日本人と仕事の幸福な関係を語ります。現役リーダーたちが「このブログを読んでいればマネジメントがわかる」と絶賛。 現在、心ならずも「アドラー心理学批判」と「『「学力」の経済学』批判」でアクセス急増中。コメントは承認制です

2008年07月


 ニュースでみた護岸のようすが近所の住吉川に似ている、と子どもたちが言い、


お隣灘区の「都賀川」を検索すると、いくつかの紹介サイトが出てきます。


「親子の遊び場ガイド 都賀川」というサイトでは、

「水のきれいな川

・ 一年中水量が豊かで水質がよく、震災時は生活用水として使われた。
・ 毎年5月に地域の子どもがアユを放流し、産卵、孵化するようになった。
・ 川魚やカニやタニシなどの水生小動物、夏には川鵜などが見られる。
・ 水深が浅く、河川敷が整い、遊べる川になっている。 」

という紹介文があり、

そのあと

「雨天後は増水が激しいため注意を要する。雨が少ない年は水質が落ちることもあり、灘区役所に水質を聞くと教えてもらえる。 」


という注意書きがあります。


 今日のこの日記では、だれをも責めたくないのだけれど、

「親子連れのための魅力的な遊び場」


が、一瞬で惨事の現場に変わるこわさ。


 つい先日まで、小学生3人を連れて住吉川や芦屋川に足を浸してうろうろしていた身には、


 亡くなった子どもさんがたの恐怖、御家族や連れていた大人のかたの無念さをおもうと、本当に言葉がありません。



 正しいリスク情報、というか、過去にましてわずかな確率のリスクに神経をとがらせなければならない時代なのでしょうか。


 東京から日の高いうちに空路、神戸へ。


 雲ひとつない天気、珍しく羽根に視界をさえぎられない位置の窓際で、下に広がる地上の景色を楽しんでいました。


 青々とした山と、それを切り裂くように稲妻状に流れる川の筋。


 不思議。人家の集落の中に、きらっ、きらっと輝く点があります。


 東から西へ向かう飛行機の、それらが前方に見えるうちは鋭い光をはなち、飛行機が近づいて真下に見えるにつれ光を失って景色の中に消えていきます。


 あれは何だろう。


 名古屋上空を飛んだときには、市街地じゅうにひときわ輝く点が散らばり、地上が冬の満天の星空のよう。続きを読む

 ひき続き「ヒューマンキャピタル2008」から。


 3日目は「個と組織の活力をどう高めるか〜これからのマネジメントとマネジャー育成のあり方」というセミナーに行きました。


 三井物産常務・田中誠一氏の講演と、同氏に加え日産自動車・大日本印刷の人事責任者のかた3人でのパネルディスカッション。


 三井物産の人事評価制度で「定性8・定量2」という言葉があまりにも有名になりました。


 「改良型成果主義」とでもいうべきもので、結果ではなくプロセス、「何をやった。何をやらなかった」を評価するというもの。


 
 これは、1999年の成果主義への大幅移行後に起きた、ふたつの大きな不祥事への反省からきた、といいます。続きを読む



 こまかいことで感想。


 組織について提言するとき、

 トップリーダー育成の観点で発言する人と、
入社1〜10年の人のモチベーション向上の観点の人では、まったくべつべつのことを言っている感があります。


 同じフォーラム内にいることが不思議なような。


 この2つを統合してワンフローでできるやりかたがあるのではないか

 (…みなまで言うな)


 先日、このブログに書いた書評に著者さんから直々にコメントをいただいてしまいました。汗。

 
 決してそういうこと意図してしていたわけではないけれど、ブログってやっぱりすごいメディアですね。いえ、チェックされていた著者さんもすごいです。


 著者の意図を比較的正確に受け止めた(と思われる)文章だったようで、助かりました。


 本日も引き続き「ヒューマンキャピタル2008」を聴講して帰ります。


 東京の「ヒューマンキャピタル2008」に来ています。


 日経BP社主催。


 午後からの特別シンポジウム「革新する組織を考える」で、野中郁次郎・一橋大学名誉教授が講演されました。


 ここでは、「変革の賢慮リーダーシップ」「フロネシス」というものについて言われました。


 フロネシスとは、アリストテレスの提唱した概念で、

「価値・倫理の思慮分別をもって、個別のその都度のコンテクスト(文脈)のプロセスで、最適な判断・行為ができる実践的知恵(高質の暗黙知)である」

「『何が善いことか』についての判断(judgement)を、個別の状況のなかで発揮できる能力である」


と定義がありました。


 フロネシスの賢慮型リーダーシップとは、いうなれば倫理的判断力リーダーシップということでしょうか。


 正田ちょっとわが意を得たり。続きを読む

 『モチベーション企業の研究―「働く野性」を引き出す組織デザイン」(野村総合研究所、東洋経済新報社)。


 以前、


「『承認論』は一点突破主義だけれど、ひじょうに正しい一点突破だ」


というようなことを、このブログに書いたりよそで言ったりしたと思います。


 
 この本は、「承認論」もおおいに視野に入れながら、その次の段階の組織づくりやモチベーションの持続までを論じています。


 その視点は、


「『働く野性』を生み出す経営とは、単なる従業員満足度経営ではない」


「非経済的原動力の構築に失敗する理由」


などの項目に詳しいです。続きを読む


 CLS5周年記念事業の勉強会「部下力」「ビジョンマッピング」が終わりました。


 ビジネスパーソン40名が参加。


 第一部「部下力」は、「上司を嘆くより部下の自分が何ができるか考えよう!」という、明快なメッセージが残ります。


 第二部「ビジョンマッピング」では、世界の変動を視野に入れながら、

「個人のビジョンと組織のビジョンを『接続』すること」という、より遠いテーマを投げかけました。


 どちらも、「今」という時代にしっかり足を踏みすえながらビジネスパーソンにとっての「よりよい生き方」を提唱したものだといえましょう。


 会場では、終了後もしばらく講師の吉田典生氏と参加者の会話が盛り上がっていました。


 恒例アンケートの紹介です:続きを読む


 あす19日、吉田典生さんをお招きしての勉強会「部下力」「ビジョンマッピング」には40名余の方が申し込まれました。


 新聞記事に

「組織改革を支える『個人の力』に詳しい吉田典生氏を招き…」と紹介され、


いささか大上段かな、とも思ったのだけれど。



 「自覚ある個人」同士のつながりが、ここから生まれることを願ってやみません。


 もし、まだ予定は空いているんだけど行ってみようかな、という方は…、


 こちら http://c-l-s.jp から、お申し込みください。

 日経新聞夕刊に今週から、東京日産自動車販売社長・林文子さんのインタビューが載っています。


「ほめて育てる経営貫く」というタイトル。


 林さんは、車の女性トップセールスを経て支店長、BMW東京社長になり、ダイエーの会長にスカウトされました。


 
 支店長時代はワースト支店をトップ支店へ、社長としては赤字会社を黒字転換へ。


 お話をきいても(←講演を2回聴いたことがある)エネルギッシュで、

「おもてなし」
「育てる」

両面で人に対するなみなみならぬ情熱を感じさせる方。続きを読む



 構想しているNPOの「社員」になっていただけるかどうか、現CLSの正会員のかた何名かにメールでお問い合わせし、こころよいお返事をいただきました。


 そうか、支持していただいてるんだなー。


 このところ「信頼」とは何か、と迷いが出ていた私。


 少なくとも自分からは人の信頼を裏切らないつもりできました。

 ただほかの人からはどうみえているかわからない、と思っていたけれど。


 
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 「アサーティブ・トレーナー養成準備講座」の最終日。


 NPO法人アサーティブジャパンの代表理事、森田汐生さんにNPO設立当時について、ご質問してみました。


 
 いくつかアドバイスいただいた中のひとつは、


「代表理事の強力なリーダーシップは必要よ。代表理事はだれよりも勉強してなきゃだめよ」


 ということでした。


 
 講座内容のほうで印象的だったのは、

 トレーナーの1人の方が体験談として話された、


「アサーティブネスを使いつづけたとき起こったこと」


という、いわば副作用のようなお話でした。


 大事だ、これはコーチングについても、と正田はおもいました。


 そして、研修機関の「内省力」のようなものを保持しつつ、強い意志で統一したプログラムを見せているAJさんはすごい、と思うのでした。


(森田さんはそこについては、「とにかく話し合いですよ」ともおっしゃいました)
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 CLS副代表のオオマエさんと話。

 オオマエさんもうすぐ36歳はこの6月に自分の会社の常務取締役になっていました。


 なので、残念ながら今構想しているNPOの役員になることはできません。


 そういうことが確定して「ゴメンナサイ」の場でありつつも、


「これからもCLS(とNPO)をよろしくね。外部トレーナーの立場かな」

「はい、よろしくお願いします」


 そして、9月に予定しているリーダーシップの勉強会のレジュメを見せてくれました。緻密に、しっかり目配りしたいい内容でした。


 オオマエさんはずっとCLSのコーチングの考え方に沿いながら自分の部署で部下の力を伸ばし、そのプロセスを企業研修や勉強会、また打ち合わせの席で話してくれていました。


 私にとってそれがどんなに力になったことか。


 ただし彼が目配りしている先は「部下育成」だけではなく、経理やマーケティングにも関わり、しかもそれぞれがまた「部下育成」に緊密にからみあっています。


 オオマエさんの人物評は基本的に良いところをみるのですがきのうは今までより少し辛口が混じり(だれかに似てきたかもしれない、ははは)、

 ああ責任ある立場について見方が広がったんだな、と感じました。それは私の受け取り方として。


 
 「組織の中に序列は必要。ただし序列間の格差を縮める努力をしているのが良い組織であり、高業績を収める」


 これは、以前にもご紹介した『あなたの職場のイヤな奴』(講談社)の一節であります。


 序列間の格差をちぢめる努力、とは、アメリカ的にはCEOと一般従業員の間の極端な給与差を縮めることも含まれますが、


 日常できることとしては、上司が謙虚に、部下に対して敬意や尊重や思いやりをもって対すること、権限委譲をすること、などがあります。


 …なんのことはない。


 ただそれは、通り一遍のコミュニケーショントレーニングをしたから身につくことではなくて。


 長いながい心の学びになります。
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「自由」は、比較によって得られる相対的な感覚だ、と言ったのは哲学者の土屋賢二氏で、


 ある女性の集まりに行って、

「私は現実に今『自由だ』と感じています。なぜなら家にいないからです」


と言って、笑わせました。



 哲学の人はおおむね、「自由」という言葉を容易には使わないようです。注釈つきとか、カギカッコつきで使うようです。と正田も、限られた哲学関係の人とのおつきあいの中からですが、思います。


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 三宮のバル「ボン・シャンス」に一人で入ってみました。


「女性1人で入るのにいいところだよ」


と、家人のおすすめ。


 ここでは、カウンター沿いにスツールがあって座れ、また壁際に小さいテーブルとイスがあります。


 ワインを1杯とサーモンの炙り焼きとアヒージョ(魚介のオリーブオイル似)をいただきました。


 タパス(総菜)は一皿500円程度で、たしかに1人で入っても気楽に飲み、食いできそう。カウンター席にはほかにも女性の1人客がいてました。続きを読む

「イツキ!また朝練遅刻するよ!!あんた市総体出さしてもらって朝練遅刻するようじゃ嫌われるよ」


「はいはい」


 ここ数日、息子のことを怒鳴りまくりであります。
 
 どうも、きっちり朝練に7時30分に間に合わなければならないという気が薄いらしいです。


 そして遅刻するのは新入部員でかれ1人らしい。


 見ていると身支度の途中で手足が止まる瞬間があるらしく、「もう20分!」「22分!」と声をかけないといけない。


 お弁当を姉の分も当番でつくっているのは、偉いんだけど。続きを読む


「アメリカ人は『協力』をどう教える?」


「おしえて!goo」に、かつてこんな質問が載りました。


 これにアメリカ在住36年の人が答えてその答えがなかなかに深くて…、



 もし、ご興味があれば、こちら


http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1326968
をご覧ください。


 はい、質問しているのは何を隠そう私です。


 今から3年前、2005年4月のことです。


 全然進歩してないなあ〜。



 回答者のかたは、今もお元気でしょうか。この当時めちゃくちゃ感謝しました。
(はい、今もしています)続きを読む


 猛暑日。

 気温をきいて、


「なるほど、やる気が出ないわけだ」


と言ったら、家族におお受けでした。


 
 読者のみなさま、お元気でお過ごしですか。


 関西地方の梅雨明けもまぢかかもしれません。


 よい1週間をお過ごしください。


 今日は七夕。


 競泳用水着でスピード社に「完敗」したミズノの社長さんのインタビューが日経新聞朝刊に載っています。


 ちなみにこの社長さん、水野明人さんは、地元甲南大学のご出身だそうで、うちの子どもらの中学(←ただの公立中学ですが)の創立20周年式典に講演に来てくださったことがあります。


(…はい、それ以上の接点はないです。)


 
 この記事によると、ミズノとスピード社はある時期まで一緒に水着開発をしていたが、ミズノがスピード社とたもとをわかち独自ブランドで攻勢に出た。

 けた違いの資金力をもつ米ナイキや独アディダスと、サッカーやバスケットボールでは勝負にならないが、小規模のスピード社とは勝負になると読んだ。


 ところがスピード社の商品開発力がぶっちぎりの力を見せた。



 「小兵力士がんばる!」

 みたいな、どうも日本人的にはスピード社のほうに感情移入しやすそうです。
 「ランチェスター戦略」かな。続きを読む


 餃子をお盆に2杯分作って、半分を水餃子にして食べました。

 
「あっさりして、美味しい」


と食がすすみます。


 残り半分はお好み焼き用の鉄板で鍋貼=焼き餃子にしようかな、と言ったら、


 娘が「揚げ餃子がいい」と言い、

 自分で台所に立って揚げ物鍋を出し、揚げはじめました。


 「これ、うまい!!」


 揚げ餃子、みんなに大好評。



 台所に立っていた娘は最後まで食べられず、お盆一杯の餃子を全部揚げ終ってから食卓について食べだしました。


 
 食べ残った揚げ餃子は夜中まで映画をみる家族のアテになり、朝には数えるほどしかなくなっていました。



 ちなみにわが家の餃子はタネに豚ミンチ、むき海老、白菜、しいたけ、白ねぎ、にらを使い、しょうゆとオイスターソース、ごま油で味つけします。


 中国留学中に北方出身の先生のおうちで習いました。皮のつくり方はとうとうおぼえませんでしたが、たねは美味しいといわれます。続きを読む


 芥川賞作家の平野敬一郎氏が、ネット殺人を扱った長編『決壊』についてのインタビューで、


「9.11(の同時多発テロ)で自分たちの交渉の可能性すらない、圧倒的に遠い他者が出現した」


 また「ブログ」「SNS」など「ウェブ2.0」が到来したのが2003年で、

「どこまでも多様で、際限なくバラバラな他者像が見えてきた」


と語っています。



「どこまでも多様で、際限なくバラバラ」


 という言葉が、とくに組織の融和などをすすめていると心につきささります。



続きを読む

「自分は緊張すると能力を発揮できないところがある」。



 平泳ぎ100M新記録の期待がかかった試合で、記録を出せなかったブレンダン・ハンセン選手が、会見で。


 ファンだったわけでもないのに不思議と、人間性がぐいっと心に飛び込んできました。

 失敗を失敗、負けを負けと認め、自分の弱さを認めること。それはアメリカ文化的ともいえない掘り下げの仕方。自分の心の意識の深い所にみずから潜るような。



 TVではみられませんでしたが、この言葉のあとこう続いたようです。


「今日の観衆は世界新を望んでいたし、私も出したかった。これは(ゴルフの)全米オープンで優勝パットを決められるか、と求められるようなもので、タイガー・ウッズはそれができる。私もそういう人に学んでいるところ。まあ、五輪を見ていてください」


 自分の弱さを認め、「学んでいる」と認めることは、すがすがしいです。

 私自身忘れかけた何かのような。

 いえ、始終なにか学んでいるつもりではあるんですが。
続きを読む

 どうも社会全体の攻撃性が増しているかもしれない。


 などと考えてちょっと暗くなっているとき、

『やる気が「モリモリ」わいてくる本』(藤田徳人、KKベストセラーズ)を読みました。


「モチベーションとはイコール・テストステロンのことである!」


と、喝破している本です。


 おぉ、ついにここまで来たか。続きを読む

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