正田佐与の 愛するこの世界

神戸の1位マネジャー育成の研修講師・正田佐与が、「承認と職場」、「よのなかカフェ」などの日常を通じて日本人と仕事の幸福な関係を語ります。現役リーダーたちが「このブログを読んでいればマネジメントがわかる」と絶賛。 現在、心ならずも「アドラー心理学批判」と「『「学力」の経済学』批判」でアクセス急増中。コメントは承認制です

2008年09月


 娘の高校体験入学につきあい、空き時間に読んだのが

『残業ゼロ授業料ゼロで豊かな国 オランダ』(リヒテルズ直子、光文社)

でした。


「はじめに」という、いわばツカミの部分からの引用で恐縮です。


 子どもたちの幸福度を測ったところ、オランダは先進国21か国中総合1位。(2007年2月、ユニセフ調べ)。

子どもたちの幸福度を、6つの観点、すなわち

(質的な豊かさ
健康と安全
6軌蘚豊かさ
げ搬欧簍Э佑箸隆愀
ダ直年の行動とリスク
主観的評価による幸福

という指標で測っています。特にオランダの子どもは、主観的評価による幸福 で、1位だったということです((質的豊かさでは10位)。


 一方で日本の子どもはデータ不足でランキング外だったということですが、とくに主観的評価による幸福 の項で、自分を「孤独」だと感じる子どもの比率が、約30%で24か国1位。2位アイスランドが10.3%だったので、日本の子どもがいかに「孤独」と感じているかがわかります。


 さらに大人に目を転じると、

 自殺率では、WHO調べの人口10万人当たりの自殺者数は日本が24.0なのに対し、オランダは9.3と低い。


 また時間当たりの生産効率は、OECDのデータで、日本が1時間当たり国民総生産額が35.6ドルなのに対し、オランダでは51.2ドルに上る。


 労働時間では日本が労働者1人当たり年間平均労働時間は1784時間、オランダでは1391時間と、ほぼ3分の2強。


 ということで、テキパキ働き、5時には家路につき、家族全体で夕食の食卓を囲むのがオランダ流、なのだそうです。


 
 オランダがこうなったのにはもちろん歴史的、民族的背景があり、そして1982年の「ワッセナーの合意」があり…といういきさつは、ぜひこの本を読んでください。




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 NHKの「週刊こどもニュース」で、今回の丸大食品製品回収のもとになった、中国での牛乳・乳製品へのメラミン混入のからくりを紹介していました。


 以下は、その受け売りであります:


 生乳に水を加えて文字通り「水増し」し、濃度検査を通過するために、メラミンを混ぜる。

 濃度検査では、タンパク質濃度を測るのだけれど、その指標として、各種栄養素の中ではタンパク質にのみ含まれる、窒素の量を測る。

 すると、窒素を分子内に多く含むメラミンを加えておけば、タンパク質濃度が高いように見える。しかもメラミンは原料としては安い。


 こうして、
「牛乳を水で薄め、メラミンを入れて一見タンパク質濃度の高い牛乳を作る」
ことがまかり通ってしまったのだそうです。


 
 そして腎臓に蓄積しやすい性質をもつメラミンが、赤ちゃんの腎結石や死亡例を引き起こし…、、、


 きけばきくほど、ひどい話です。
 
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 NPO法人企業内コーチ育成協会の「プレ理事会」をしました。

 理事の稲田さんは残念ながらお身内の不幸でお休み。副代表理事の川島惠美先生(関西学院大学人間福祉学部専任講師)と私の2人になりました。

 
 川島先生はNPO設立後の2月21日(土)、定例勉強会の講師をしてくださることになりました。


 その他プログラムなどについて意見交換…、


 川島先生は、心理学関連のほとんどのプログラムについて源流からの流れをご存じで、プログラム作りのとても心強い味方です。

 
「今、若い人に必要なのはアサーションなんですよ。周りに気を使って『自分はこう思う』というのを全然言えなくなっている。うちの学部でもこの秋からずっとアサーションですよ」


 と、川島先生。
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 王監督の勇退。

 やっぱり、感慨ぶかいですね。


 個人的に印象ぶかいのは、本塁打世界一、WBC優勝など数々の栄光の瞬間よりも、

 ダイエー(現ソフトバンク)監督に就任してからさらに5年間Bクラス続きで、ファンに卵をぶつけられていた屈辱の姿であります。


 さすがに、エリート球団での優勝経験も通用しなかったか、とみられたのですが、

 じわじわっと選手を育て、優勝に導いたのでした。

 
 正直、途中、「あれ、まだやめはらないの?」

 と思ってみていたときもあります。

 常勝チームになってからのいつかのドキュメンタリー番組で、

「ある時期から選手と飲みにいくようになり、会話を大事にした」

と、柔らかな表情で言っていたのを思い出します。

「世界の王」は、決して、表街道だけしか歩けないひよわなエリートではなかったのでした。

 起用し続けた球団も、えらかったですね。




 そして今日は、麻生内閣組閣。

 二代目、三代目宰相の「こらえ性のなさ」がいわれますが、どうなるでしょう。



 新米支局長になった家人が一時帰宅。


「留守番の仕事が多くて、時間が長いんや〜」


と言いながら、「コーチング支局長生活」を語ってくれました。



家人「こないだ、歳の近いデスクの人に『支局は今、いい雰囲気ですね』と言われたんや。

 とにかく、ほめてるよ。

『あ〜、あんたがこれやってくれたから助かるヮ』

『このスペース埋めてくれたのあんたやな、助かったヮ』

『こんな頼りないオレを支えてくれてアリガトウ』


って。気がついたらすぐほめるようにしてる。世界一ほめる支局長かも。


 これが、しんどい時はしんどいな。うーっ、と思う時があるよ。自分が疲れてる時とかは。でも極力その場でほめるようにしてる。あんたのお蔭だよ」


私「えらいな〜。私がその立場になってできるかどうかわからん」


家人「いらいらっとする時もあるよ。そういう時どうするかっていうと、


『あんたはこういうところで頑張ってくれてる。

でここのところは、もうちょっとこうした方がいいんやけどな』


 本当は後半を言いたい。でも前半をあえて言うことで、全体としてプラスの雰囲気になるように。


 あと、決めたのは『絶対に機嫌の悪い顔を見せない』っていうことやね。オレが不機嫌な顔してたら、支局全体が暗くなるでしょ?


 イヤなこともある、それは正々堂々と言葉で伝える。さっき言ったみたいに。不機嫌な表情で見せたりしない。雰囲気でわからせようとかしない。


 それはテクニックというより、『正々堂々』とか、心で伝えるみたいなものだね。オレ最近、マネジメントってこういうことじゃないかな、と思ってるよ」


私「ふ〜ん。それでみなさん機嫌よく仕事してくれはるの?」


家人「一応、『いい雰囲気ですね』って言われたよ。

あとは、支局の人が書いた原稿を社会面に売りこんであげたいんや。やっぱり、自分の書いた記事が県版だけじゃなく社会面に載ると、『全国紙の記者だ』って感じになるでしょ。

ところがこれがボツになるんよね〜。うちの地方発の記事は。なかなか載らないね」


私「まだ1か月じゃん。いや1か月にも満たないじゃん」

 

…と、仕事の話をしているうちは機嫌がいいのでした。

 そのほかは家のテレビの画面が小さいので見ても楽しくないとか最近米のごはんを食べてないとか愚痴がつづきました。
 


 大雨洪水警報の出る中、『コロー 光と追憶の変奏曲(コロー展)』に娘たちと行ってきました。


 神戸市立博物館ほかの主催。


 コローは、「真珠の女」が一番有名ですが、ほんとうは風景画のほうが圧倒的に点数が多い。本人も風景画家を自認していたようです。



 落ち着いた深い緑や褐色を基調にした、同系色の濃淡で自然を表現します。


 その灰色がかった遠景の緑の美しいこと。また、近景の植物の精密な色形の生命力に満ちていること。


 こういう色彩感覚は、とため息をつきながら思います。


 「エコ」なのかもしれない。

 ごくわずかな光、色彩、わずかな形の躍動感で、深い喜びを得ることができる。

 なんだか画家の世界観をこのましく思えてしまいます。



「私たちはあのかくも善良なる自然を、しばしの間、ともに堪能できましょう。自然は、それを求める者なら誰にでも、美しく魅惑的な姿を現すのですから。誠意と素朴さ万歳!それが真実と崇高なるものへと導く唯一の道なのです」
(1849年友人への手紙、同展図録より)



 図録の年譜や評伝を読むと、コローは一生妻帯せず絵画に人生を捧げ、一方娼館にも足しげく通ったとあり、その部分を読むと女性ファンとしてはちょっとがっかり、なのですが。


 高校の美術科1年に通う長女は大喜びで、珍しく絵のついたキーホルダーやマグカップなどグッズをおねだりしていました。


 警報で電車も止まったお蔭か、日曜としては人も少なく、ゆっくり鑑賞できました。



 子どもたちに「すきな先生」をきくと、

 
「テンション低めで、善悪のけじめをはっきりつける先生」


という、答えが返ってきました。


 今持っていただいている先生がそういう方みたいです。


 振り返ってみると、この子たちの小学校のころから、

 子どもたちがいきいき勉強にもスポーツにも取り組むような先生の個性とは、


 「善悪の裁定がぶれない。悪いことは悪いとはっきり叱る」
 「公正」

 というのが、あったようです。

 このブログにもなんどか出てきたと思います。続きを読む


 台風一過。


 秋晴れの中、こどもたちの中学の体育大会(運動会)です。


 長縄や騎馬戦、竹の棒を横にわたして4人で持ってコーンの周りを回転して走る競技など、

「協力」

をテーマにした競技が続き、


以前だったらそこに込められた教育的意味を感じ素直に喜んでみていたのだけど、

今年は、

「リーダーの子は大変やろなあ」


と、変なところに関心がいき、複雑な思いでみます。続きを読む



「ずくだんずんぶんぐんゲーム」


というのが、子どもの中学で大はやりのようです。


 お笑い芸人「はんにゃ」のネタ。


 ちょっと形容しがたい大きな特異な動作をつけて、

 「ずくだんずんぶんぐん…」

 と言いながらする。最終的には「にらめっこ」のたぐいの2人あそびらしい。

 中学の廊下で

「ズッチーズッチーズッチーズッチー…」

 という、このゲームのイントロを男子が言い合っていたと娘が報告します。

 おさえておいて損はないかも。


「はんにゃ」は、「ヘタレ」とか「負け惜しみ」とか「豹変」とかの、人の弱さをデフォルメした芸で笑いをとり、今中高生に大人気の2人組み。


 ツッコミを入れやすいようにふるまう人、って、実は頭がいいのではないかと思う。

 正田はどうかな。続きを読む



 神経科学は人の自己中心主義を擁護する。


 これは少し前、7月15日付日経新聞の「経済教室」に載せられた松島斉・東大教授の議論でした。


 神経経済学という学問分野ができ、人の脳が感じる快楽に基づいて制度設計をするべきだと主張し、一見正しそうにみえる。


 ところが、これは19世紀末のベンサムの「利己主義」に基づく経済学と基本的には同じものだといい、神経科学の経済学への応用には限界がある、というのが、7月の松島教授の論です。続きを読む

 この夏休み、実は告白すると『ハリー・ポッターシリーズ』全7巻ばかり読んでいたのでした。


 理由は不明。おかげで『ローマ人の物語』を読むという家人との約束はまた先延ばしになりました。


 『ハリー・ポッター』は、最終巻が出て完結した時点で第一巻から読むと、みごとに伏線がはりめぐらされ破綻なく事実関係が組み合わさっていることに気がつきます。

 こういうことが人間技で可能なんだな、と感嘆するほどに。


 翻訳のほうで少し混乱があった(ペチュニアおばさんはハリーの母の姉なのか妹なのか、とか)のはご愛敬。


 
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 淡路島、明石大橋のみえる岩屋漁港の近くのレストラン「GENPEI」で。



GENPEI 2


 パフォーマンスたっぷり、話好きのバーテンダーさんたちの作る鉄板焼きを家族でいただきました。

 写真は、お料理にリキュールをふりかけて火をつける「フランベ」をしているところであります。

 
 淡路ビーフと魚介と野菜たっぷりのコースは、本土では絶対ないお値段。


 牛肉玉ねぎ魚介が自慢の淡路島では食べるものすべて美味しく、何を食べても、

「美味しいと言わせるんだ!」

という、情熱が伝わります。続きを読む



 今年の2月ごろ、大阪大学で開かれた「哲学カフェ」でのこと。

 真っ暗にした会場で、

 安部公房の小説『良識派』が朗読されました。



 あらすじはおおむね次のようなものです:


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 原始、ニワトリは自由で、そして外敵の危険にさらされていた。

 そこへ人間が檻をつくり、

「ニワトリさん、ここで暮らしなさい。ネコやイタチから守ってあげますよ。えさもありますよ」

 と呼びかけた。続きを読む


「疲れた子犬はいい子犬」

 
 と、愛犬家の間では言うそうです。

 お散歩などでたっぷり遊ばせたあとは、いたずら盛りの子犬も大人しくなり、素直にじゃれついて素直に寝る。


 中学1年、陸上部の息子は、熱心な顧問の先生の指導のもと、夏休みじゅう練習と試合つづき。


 きょう、あすの土日も2日続きの試合で、1500Mに出場します。
 お天気が少し心配。


 部活と学校の体育祭の練習に明け暮れる日々、息子の家での態度は割合素直です。


 私:「持ち物着るものはきょうのうちに揃えなさいよ!」

 息子:「うん、もう揃えた」

 私:「おや、えらい」

 以前と比べて、「わかってるよ」と露骨にいやな顔をしなくなった。



 それでも朝出るときは

「もう7時20分だよ!!遅刻は嫌われるよ!!」

 怒鳴りづめ。

 これはどこのお母さんも結構そうみたいです。

 女の子のときは全然そんなことなかった。続きを読む

 二女が「クラスのコーラスでソロを歌うの」と言いました。「流浪の民」だそうです。


 今学年はすっかり元気になり、授業にも体育祭練習にも参加し、またパンフのイラストを描いたりしています。


 クラス担任の先生との交換日記を覗くと、毎日先生から


「すごい!」
「意欲的だね!」
「その調子!」


と、褒めのコメントをいただいています。

 先生、ご苦労様です…。



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 「特定非営利活動法人企業内コーチ育成協会」の申請書類を、地元県のNPO法人係さんに持っていきました。


 案の定大量の「直し」が入り、設立趣旨書、定款はじめほとんどの文書が対象になりました。



 文書をみて修正点をみつけるというお仕事は、才能がないとできないと思います。しみじみ。


 そして郵送で再提出しましたが、さてどうなるやら。


 うまくいけば、今月中受理、そして12月に認証ということになるようです。

 
 こんなこと書いていいのかどうかわかりませんが、なんとなく、係の人と「あ、わかりあえた」と思う瞬間があって。続きを読む

 特定非営利活動法人(NPO)企業内コーチ育成協会の設立総会が終わりました(6日)。


「リーダーシップ論」の勉強会のあとを受けて、カフェ「プランタン」で開催。


 当日出席の方6名、委任状提出の方4名で社員の方全員出席のありがたい船出となりました。


 設立趣旨書、定款、役員、事業計画書、収支予算書などを承認していただき、

 そのあと少し正田からお話ししました。


「NPOを立ち上げるということは、株式会社を立ち上げることと比べてお金は要らないが、人のご縁が要ります。自分のやりたいことを1人で言っているうちは簡単なのだけど、賛同してくださる方が10人いらっしゃるというのは大変なことです。これまでCLSが5年間、ぶれずにやりつづけたことが、みなさまから評価していただいたということだと思っています。ありがとうございます」


「去年、自分の家族がうつになるという経験を通して、改めて組織というものが、これほどまでに人の幸福に影響を与えるということを知りました。組織の中で人が幸せであるような社会をつくりたい。これからも応援よろしくお願いします」


 


 CLS第25回勉強会「組織にスイッチ・オン!実践主義の強力リーダーシップ論」が終わりました。


 CLS副代表で会社役員の大前和正さんが講師。


 カフェ「プランタン」での開催で、50代の役員クラスから若手ビジネスパーソンまで、12人が集まりました。


 
 大前さんのリーダー経験は、いつもながら面白い。


 辞めたいと言っていた3人の部下が辞めなくなった経緯。

 前の上司とのコミュニケーションがうまくいっていない、

 その中身を見ると、


「話を聴いてくれない」

「提案してもほっておかれる(棚上げされる)」


 など。続きを読む


 
 ブログに目を通してくださっているコンサルティング会社の管理職のかたから、心に沁みるメールをいただきました。


 お許しをいただいたので、引用させていただきます:


「承認論は、私も正田さんのブログを見て、最も核になる人間の欲求では
ないかと再認識をしています。いろいろなモチベータがあることは現場の声で聞き知りましたが、突き詰めていくと承認論が非常に大きな基盤として人の心に横たわっているような気がします。
これは、昔からそうかもしれませんが、特に今の不安な時代を反映している
面があるような気もしています。

(略)本当にこの問題と取り組むには、組織的な鬱病というか、ネガティブな面に対しても向き合わないと駄目だと感じています。人間の弱さとか苦しさがわからない
と、本当はこの問題を語る資格がないのだと自省しています。
大きな喪失感や、どうしても思いどおりにならない想いなどを、強烈に経験
していないと、さらに深いコンサルティングには至らないと感じています。

その意味では、すくすくと育ってきたコンサルタントには欠けているものがあり
ます。自身を含め、メンバーの若手もまだまだ人間の組織に対する洞察を
深める努力を、公私にわたってしなければいけないと想います。」

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