正田佐与の 愛するこの世界

神戸の1位マネジャー育成の研修講師・正田佐与が、「承認と職場」、「よのなかカフェ」などの日常を通じて日本人と仕事の幸福な関係を語ります。現役リーダーたちが「このブログを読んでいればマネジメントがわかる」と絶賛。 現在、心ならずも「アドラー心理学批判」と「『「学力」の経済学』批判」でアクセス急増中。コメントは承認制です

2012年03月

 『「当事者」の時代』(佐々木俊尚著、光文社新書)という本を読んでいる。


 メディア出身者の人のメディア批判、そして「当事者性」のむずかしさの気づき。一言で言ってしまえばそういう本。


 「今時の新聞記者は質が低下した」と嘆くことは易しい。人減らしをし、一人の記者がカバーする範囲が増え、狭く深く掘り下げる仕事ができなくなった。

 しかし、その次元の話をしたいのではない、と著者はいう。


 この本で言う「マイノリティ憑依」という概念。社会の辺縁にいる弱者や特異な人、病んでいる人をことさらに取り上げ、そこに感情移入するスタンスにメディアが安住することで、既存メディアは社会の大多数から離れてしまった、そして存在意義を失いつつある、と著者。


たとえばその「マイノリティ憑依」の例として、『飽食窮民』という、バブルの真っただ中に共同通信で連載した後単行本化された書籍を挙げる。


 この『飽食窮民』は、当時のバブル社会の流れについていけなくなって脱落してしまった人たちからの視点で貫かれている。描かれているのは次のような物語、次のような人たちだ。

 ノルマに追われた証券会社の営業マンがサラ金に手を出し、ついに失踪してしまう話。

 買い物中毒に陥った妻が貯金を全部使い果たし、借金もつくった挙句にマイホームを手放したというコピー機営業マンの話。

 コンピュータを使いすぎて思考が機械のようになってしまい、感情に揺さぶられることがなくなったというシステムエンジニア。

 コンピュータの職場で頻発する強姦事件。「男の人が感情がなくなってしまった」と打ち明ける女性プログラマー。

 深夜に食べては吐きを繰り返した挙句、食料が足らなくなって万引で捕まってしまう過食症の専業主婦。

・・・



 なんとも「びっくり人間ショー」のようなおどろおどろしい事例がこれでもかと登場する、これがあのバブルという時代なのかといえば、「ン?」となるでしょう。今振り返ってバブルの異常さは決してこういうことを言うのではない。


 ―そういえば「強姦が頻発」は、阪神淡路の震災のときにも言われたし東日本大震災でも言われたが、本当のところどうなのだろうか。―


 著者のいう「マイノリティ憑依」とは、例えば上記のようなことです。常軌を逸したことを好んで取り上げ、そちらに感情移入する。


 この結果、

「〈マイノリティ憑依〉した記事からは、総中流社会のゆがみはまったく見えなくなってしまう」(p.407)


「このメディアの〈マイノリティ憑依〉に日本社会は引きずり込まれ、政治や経済や社会やさまざまな部分が浸食されてきた。「少数派の意見を汲み取っていない」「少数派が取り残される」という言説のもとに、多くの改革や変化は叩きつぶされてきた。

 そういう構造はもう終わらせなければならない。」(p.428)


政治的にやや微妙なところもあるものの、でも各方面の改革がすすまない背景の一つに「改革のもたらすマイナーなデメリット」を過大評価するメディアの報道姿勢も確かにあると思います。


 さて、個人的に本書に共感するのは、「マイノリティ憑依」をもうすこしマイルドに言うと「周辺性」という言葉が頭の中でずっとぐるぐる動いてきたからで、

 数年来プレスリリースに苦労しながら、実感として「メディアに取り上げられやすいのは、『周辺的』現象だ」ということ。

 「話題性とは、イコール周辺性である」とでもいうか。

 
 それこそ「総中流社会のゆがみ」ではないけれど、ブルーカラー、ホワイトカラーを問わず勤め人の大多数が関わる「マネジメント」については、極めてメディアの題材になりにくい。とりわけ、ハラスメントのようにわかりやすい形で「マネジメントの失敗」が出てくると記事にしやすいけれど、

「マネジメントを正常化させるための至極まっとうな地道なとりくみ」

を記事にしていただくことは恐ろしくむずかしい。そして、記者にも選択眼がなく、何がそのなかでも王道なのかを話題にすることはない。

 しかし、現実にきわめて多くの人の幸福も不幸も。それこそ生老病死に「マネジメント」がかかわっているのだが。もちろん業績も。
 一方でM&Aのような、本来は経営の中の「周辺的」現象は記事になりやすい。それこそが経営という活動だ、と思っているふしすらある。経済記者の野心や手柄や出世もそこにかかっている。


 そしてまたこの分野の「営業」「購買」もまた、「話題性」という魔物に支配される。いいかえれば「周辺性」なのだが。



 もうひとつはよのなかカフェとの関連で、例えば以下のような文。


 「実のところ、新聞記者が本当に好きな『市民』は、プロフェッショナルな市民運動家ではない。彼らが好きな『市民』は、無辜の庶民のような市民なのだ。

 記者に対等に意見を述べたりせず、論争はせず、地道に暮らし、地に足着けて労働し、文句も言わず黙々と生きているような人たち。

 しかし、そんな人たちは本当に存在しているのだろうか?」(p.180)


「難しいのは、自分の問題と社会の問題の間に橋を架けて、自分の問題と社会の問題を同じ地平で接続させていくことだ。それも、抽象的な空理空論ではなく。」(p.238)



 そう、よのなかカフェは新聞記者の嫌うような種類の市民運動なのかもしれない。

 変に知恵があって、政治や経済や社会を自分の言葉で語れる市民など、新聞記者には可愛げがないのだ。大衆がそんな「市民」になることなど、新聞は望んでいないのだ。


 でも、だからこそ彼らに好まれるような可愛げのある「活動」になる必要などない、とも思う。

 新聞が決して奨励しない、賢い市民をつくることは実は価値あることなのだ。

 それは先人たちもやってきたこと。


 「江戸時代、日本人は討論していた―『江戸後期の思想空間』をよむ」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51677640.html 



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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 元「もしドラ女子高生」こと長女が大学入学に旅立つ日が近づいている。


 高校時代、2つの部活の部長をし、いずれもつぶれかけていた部を自分の代で部員を入れて再生させ引退した女の子。


 2つ目の部、邦楽部(お琴の部)がとうとう部員自分1人になって、それでも半年耐え抜いた精神力。翌春に1年生を3人入部させた。高校のエントランスでたった1人、浴衣姿でお琴を演奏し、風邪をひいて1日学校を休み、翌日登校したら部員が入っていた。


 その前の部は文芸部だった。学祭に間に合わせて部誌をつくるため、自分が入れて大所帯となった部員たちと連絡をとりつづけた。家のPCに一太郎しか入ってない、ワードがない、という部員たちの原稿をまとめるため、WEB上のワードで統一した。そして変態チックな原稿を書く問題児のオタク君とは対決し・・・、


「あんた、良くやってたよ。あれだけ変な色んな人たちとよく一緒にやる、と思ったよ。私にはできないことをやってるな、この子は、と思ってたよ。いずれ就活のときでもなんでもあの体験は自慢できるよ」

「・・・ありがとう」


 そういう長女は家計の状態を心配して日雇いのバイトに精を出し、このところ家では疲れて倒れている。ベッドの上から返事。

 勉強もしないといけないのだが。


 実家の母は「ダブルバインディング」というやつだった。娘が自己実現することを、表向き喜び、裏では何かと足を引っ張った。

 自分がそういう母親になっていないか、いざ娘が進路を選択するようになった今、繰り返し問いかける。PCを購入するときの選択、入学式に着るスーツの選択、できるだけ娘の好みを尊重して選ばせた。土壇場でおかしな天邪鬼が自分の中で頭をもたげないように、注意を払う。


 ――とうとうFXはさせてやれなかったなあ。

 個人デイトレーダーが儲けられる世界じゃない、という記事をわざわざ読ませてやりたがる娘に水をかける。本当は私自身が金融に疎いせいもあると思うが。


 20歳になったら自分の口座をもつことを許可してやろうか。


 一緒にいられるのはあと数日、と思うと、殊更娘が可愛い。周囲の人にも、「娘が遠くに行くときはもう帰ってこない、と覚悟するものですよ」と言われる。
 


 この娘の部長時代を見守った日々に比べると、大人向けの教育研修業など、所詮できることは知れている。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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お世話になっている皆様




おはようございます。NPO法人企業内コーチ育成協会の正田です。


陽は差したけれどまだ寒かった春分の日。皆様、どうお過ごしでしたか。
 



 本日の話題は:

 

■増殖する「自己愛クン」どう指導するべきか


■NPO法人企業内コーチ育成協会 賛助会員のお願い


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■増殖する「自己愛クン」どう指導するべきか



 NPO法人企業内コーチ育成協会では、人を伸ばす手法「コーチング」の中でも、「承認=人の行動や存在価値を認めること」を、もっとも重点を置いてお伝えしています。非常に汎用性が高く、コーチングだけでなくマネジメント上のあらゆる活動を強化するはたらきがあるので、ぜひマネージャーの皆さんに習得していただきたいものです。


 しかし、それをお伝えすると現職のマネージャーの方からはよく、複雑な反応が返ってきます。


 大きく分けてその反応には二通り。

(1)従来のわが社の上司、管理職にはそんな行動様式はなかった。

(2)承認したくてもできない、「こんな部下」にも、承認しなくてはならないのか。


 (1)については、「従来の日本企業にはなかったものだけれども、時代の変化に対応するためやらなくてはならないことなのです」とご説明することになります。

 おおむね、その「時代の変化」をきちんとご説明すると、わかっていただけるようです。


 さて、(2)のほうは…。


 「こんな部下」すなわち、マネージャーからみて承認したくてもできないような、問題のある部下というのは、例えばどんな人なのでしょうか。


 企業活動のために必要な行動がとれない、約束を守れない、仕事ぶりと要求する報酬がミスマッチ、叱られたら逆ギレする…といった「困った若手」。その人格上の問題を集約すると、「(過剰な)ナルシシズム」と呼べそうです。


 増えているといわれるこうした若手には、「承認」は無力とまでは言えませんが、ひとひねりした使い方をしなければならなそうです。さて、その使い方とは。



 (株)帝国データバンク発行「帝国ニュース兵庫県版」巻頭コラムの「企業内コーチ育成のすすめ」を更新しました。


 第42回 ナルシシスト若手社員、指導のコツは「事実ベース」「チーム指導」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa-column/archives/4238798.html


 
 …ただし、この記事にもやや舌足らずな感がある、と反省をこめて思います。

 最後のパラグラフに、「じゃあ、どうしたら」という「ソリューション」を書かせていただきましたが、現実にはこのソリューションを実行できるマネージャーというのは、普通の人向けの「承認」の王道コースを一通りできるようになった人です。


 このように、ものごとを実際のマネジメント実務に落とし込むには、かならずその習得のすじみちがあるもので、むかしからある「守、破、離」なのです。下地のない人を対象に「ナルシシストはこう指導しよう!」というタイトルの単独の研修をするということは、お客様の安全のために、お引き受けできません。
 
 
 

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■NPO法人企業内コーチ育成協会 賛助会員のお願い


 
 このところ、「よのなかカフェに行きたいが都合がつかないので行けない。開催報告を楽しみにしています」といったお便りをよくいただきます。


 当メールニュースでよのなかカフェ開催後、開催報告のURLをお知らせしたタイミングにも、当該記事のアクセス数が増え、ご関心の高さを伺わせます。

 
 ここで、メールニュース読者の皆様にもご相談させていただきたいことがあります。


 当協会は、「よのなかカフェ」を開催の都度、ここでのやりとりを記録に残すことがわたしたちの社会の進化につながる、と考え、写真入りの開催報告をウェブ上に作成し残しています。


 ただ、優秀なビジネスパーソンの皆様ならご想像いただけるように、そのことにも手間とコストがかかっています。


 本来ならイベントに来場するお客様からいただく参加費がその原資になることが筋ですが、昨今のイベントの参加者減に加え、詳細な開催報告を毎回作成していることが、「無理に都合をつけて参加しなくても、別の都合を優先し、よのなかカフェはあとで開催報告を見ればいいや」と、参加意欲を低下させる方に作用してしまっている感がなきにしもあらずです。


 また、昨今の気象変化で、集中豪雨、地滑りなど予測される自然災害の数、種類ともに増え、ちょっとした雨量の増加でも参加を見合わせ会社待機する、という経営者の方も増え、「参加者減」につながっています。


 当協会は公的機関等からの助成金をいただかず、お客様からいただく参加費、受講料、研修費等で運営している団体ですので、このままでは資金が枯渇してしまいます。


 そこで、開催報告の作成や無償公開は今後も行いますが、

「イベントには行かないがブログの開催報告を読んでいる」
「正田さんのブログ、メールニュースを通じて勉強しており、マネジメントに役立っている」

という方には、一口3000円で「賛助会員」になっていただくことをお願いしたいと思います。


 NPO法人企業内コーチ育成協会賛助会員についての規定はこちらです

 
 http://c-c-a.jp/profile/teikan.pdf

 もし、「賛助会員」をご希望の方は、このメールへのご返信にて,名前△勤め先・お役職ご住所い艦⇒軅茱瓠璽襯▲疋譽后修鬚知らせください。


 ご希望された方には、年度明けに3000円の郵便振替用紙をご送付いたします。手数料なしでお振替をいただけます。


 何卒どうぞよろしくお願いいたします。
 
 


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★姫路で「承認」を学びませんか?
 企業内コーチ育成講座in姫路 受講募集中!



 引き続き募集中です!

 
 今、業績を伸ばすうえでもリスクマネジメントとしても欠かせない手法「承認」。

 その「承認」を中核に据えた、NPO法人企業内コーチ育成協会の2日間講座「企業内コーチ育成講座」は、単純

なコーチングではなく、忙しい現役のマネージャーの日常に活かすスキルの統合パッケージ。過去に受講された

マネージャー様方から、効果・使いやすさ・満足度いずれも、高い評価をいただいています。


 その最初の入門編「基礎コースA」は、「コーチの目、耳、心を育てる2日間」として、姫路・じばさんビルに

て4月24・25日に開講します。


 詳細とお申し込みはこちらです

 http://c-c-a.jp/info2/index.php?nw2=0


 姫路で本格的コーチングを学ぶチャンス!皆様、振るってご参加ください。


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※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び
代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・
当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方に
お送りしています。

今後ご不要の方は、
空メールをご返信いただくか、こちらのページ

http://www.webcordial.com/bn/tk.html

より解除していただければ、
購読リストから外し、次回から送信されないようにいたします。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!







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神戸のコーチング講座
特定非営利活動法人企業内コーチ育成協会
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 「幸福」を考える1つの手がかり。


『心が活きる教育に向かって―幸福感を紡ぐ心理学・教育学』(子安増生編、ナカニシヤ出版、2009年)と『幸福感を紡ぐ人間関係と教育』(子安増生・杉本均 編、ナカニシヤ出版、2012年)は、京都大学のグローバルCOEプログラム「心が活きる教育のための国際拠点」の中心メンバーによる論考とエッセイ集です。


 この中では前者『心が活きる…』の中の松下佳代氏(京都大学高等教育推進センター教授)のエッセイ「能力と幸福、そして幸福感―強さと弱さ」がおもしろかったので、ご紹介したいと思います。


 幸福とは。まともに問われると困ってしまいますが、これまでは「自分は有能だと感じる=有能感」を軸にとらえる考え方が主流でした。

 
 「有能感」はまた「力による自己実現」ということでもあり、たとえばイチローのように天才バッターとして能力を発揮できるのが幸せか?スティーブ・ジョブズのように独自のアイデアやコンセプトで世界を変え、富も名声も手に入れるのが幸せか?という話です。


 ところが、ここに「弱さの力」という興味深い考えが出てきます。


 その前提として、「OECDキー・コンピテンシー」の受容の際の変質、という興味深い現象があります。少し長い引用になりますがわが国での新しい概念の受容のとき往々にして起こる現象として、とりあげておきたいと思います。


 さて、OECDの能力概念や調査結果(正田注:ここではとりわけ2003年PISA学力調査をさす)は、日本の教育政策をゆとり教育から学力向上策へと転換させる引き金となり、2008年に改訂された新しい学習指導要領にも影響を及ぼしている。しかし、OECDの能力概念が日本の学力向上策に移しかえられる際に変質が生じていることを見逃してはならない。

 わが国では、PISAリテラシーを「PISA型学力」として積極的に導入しようとする一方で、他のキー・コンピテンシーについてはほとんど注目されていない。たとえば、「異質な人びとからなる集団で相互に関わり合う」ことは学力と両立困難なもの(あるいは、学力に対して副次的な価値しかもちえないもの)とみなされ、学力の方を優先させるという教育政策がとられてきた。その端的な表れが学力向上策としての「習熟度別授業」である。また、新しい学習指導要領でも旧学習指導要領で提唱されていた「生きる力」が引き継がれているが、その説明では、「生きる力」を「OECDが知識基盤社会に必要な能力として定義した『主要能力(キーコンピテンシー)』を先取りした考え方」(審議のまとめ)としている。だが、そう説明される「生きる力」の内容は、「基礎・基本を確実に身につけ、いかに社会が変化しようと、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力」「自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性」「たくましく生きるための健康や体力」である。そこでは、キー・コンピテンシーのもっていた異質なものとの交流、対立や矛盾の調整といった視点が欠落し、コンピテンシーの獲得による社会の変革という志向性もみられないのである。(『心が活きる…』pp.48-49、松下佳代「能力と幸福、そして幸福感」より)


 さてこのことのどこに問題があるのでしょうか。


 そこで、「有能感」にもとづく幸福感とはべつの幸福感、「依存性の幸福感」ともいうべきものが登場します。

 この論文では古代ギリシア哲学、キリスト教思想の研究で知られる岩田靖夫(1932〜)を引用しながら、


 (岩田は)幸福をまずは「道徳的に優れていることを核としながら、各人が素質的にもっている優れた能力を、可能な限り十全に発揮すること」(岩田、2005、p.8)と定義する。岩田はこれを「自己実現」としての幸福ともいいかえている。
(中略)
 しかし、岩田の幸福論の焦点は実はその先にある。岩田は、「実は自己実現には、人間の本当の喜びがない」とし、生きる喜び、幸福はむしろ「他者との交わり」のうちにあるという。
(中略)
 さまざまな「力」による武装をはずした弱者と弱者の間にこそ本当の人間の交わりが起こりうる、それが人間の本当の喜びであり幸福なのだ、と岩田は述べる。(同、pp.49-50)



「依存性」をも「力(能力)」としてとらえる考え方はデューイにもみられたといいます。自らの力を恃みにする個人は自己充足的になり他者との関係について鈍感になる、自分ひとりで生活できるという幻想は名前のない狂気である、という意味のことを述べています。

 ―このところ私をとらえて離さない「ナルシシズム」を想起することもできるでしょう―


 「依存=悪」。日本の教育の中にあるこの公式は最近に始まったものではなく、高度経済成長期にもあったものだといいます。そこではもっぱら「強さの力」(自律性・有用性)が強調されてきました。


 「生きる力」には「自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し」「自らを律しつつ」「たくましく生きる」といった、個人の独立性、自律性、自助努力を強調する文言が並んでいる。デューイが述べたような、個人の独立性の増加によって社会的能力が減少することへの危惧はそれへの対応は、みられない。他者との関係性への視点は、ないとはいえないまでも、「協調」や「思いやり」にとどまり、「対立」や「依存性」の肯定的意味は無視されている。(同、p.52)



 「強い個人」の総和によって「強い社会」をつくろう、という思想。

 現実には多数の社会的ひきこもりを抱える社会であります。そこで現代の子どもたちが抱える「社会的ひきこもり」などの困難の背景には「強さ」志向があるとし、人生を幸福に生きるための能力として、「弱さ」のリテラシーを提案する立場が出てきます。


 
「弱さ」とは、多様性やあいまいさから得られる豊かさであり、また、他者との境界部分が柔らかい感じやすい状態(ヴァルネラブルな状態)でもある。したがって、自己に全体性を求めず他者とのネットワークを必要とする。「弱さ」のリテラシーとは、このような「弱さ」にふれ、表現し、読みとる力のことである(同、pp.52-53)



教育・哲学の分野の方々のこうした思索はこのところの「日本人=不安とつながり」説を基盤として考える私にも大いにうなずけるところです。
 あえて「日本人=不安とつながり」説の側からいいかえるなら、遺伝子的に強い不安感をもって生まれてくる大多数の日本人にとって十分な「依存」は何物にもかえがたい宝であり、後天的に「強い個人」を志向するべく鍛えるのも切磋琢磨させるのも、その基盤なしには成り立たない。まためでたく後天的学習によって「強い個人」になり得たといっても、いつでも「依存」に戻れる安心感は必要なことなのです。

 さらには、「弱さ」のリテラシーという概念。これは、従来「感情研修」の中で「恐れ」の感情とのつきあい方をいくら強調しても足りなかったのですが、「強い個人」「自立した個人」が多くの日本人にとっては本来は現実と遠い理想像である、どんなに鍛えた後であっても生得的な不安感と依存志向は存在し、それらに強く支配される場面が出てくる。そのとき「弱い自分」をどれだけ率直に認められるかが、地に足のついた質の高い意思決定や行動につながる、というお話です。


 企業活動の中では、生存競争のために「強さ」を志向するベクトルはつねに必要ですが同時にこうした「弱さ」の人間理解をどれだけ組み込めるかが、企業活動を持続するために決して無駄ではない重要なファクターだ、とどこかで気が付かなければならないでしょう。


 もうひとつ私なりの見方をするなら、高度経済成長期の男女分業を正当化するために恐らくは「強い男」という共同幻想が必要だったのではないか、そのために弱さから目をそらし、弱さが生み出す矛盾をすべて「女」「家庭」に押し付けるようなメンタリティが出来上がり、そのつけがまた家庭教育に回り現代の子ども・若者の弱体化を招いたのではないか、とも思うのです。

(ここでまた現実的な楽しくない連想。「弱い自分」「甘えてる自分」を認めた後、次の段階で「弱いから、甘えていいんだ。このままで一切是正する必要はないんだ」と「居直り」を起こしてしまったら、何の成長もないだろう、と思います。「あるべき姿」を意識するプロセスが必要です。非常に残念なことに、「自分は怖がりだから」と自覚した後、グズグズクドクドと言い訳がましい長口舌に終始する人、恐怖に駆られて相手の言葉をさえぎって一刻を争う形でしゃべり、自分のしゃべりでものごとを誤魔化し通そうとする意地汚いしゃべり方の人、も見かけます。こういう人には「くどくどと言い訳することは男らしくない、みっともない。表面的なおしゃべりで真実から目をそらし続けることはやめなさい。時間の無駄遣いだ」という、かなり強圧的な教育が必要になります・・・残念ながらそれは一研修講師の任にたえることではありません・・・また、「甘えてる自分」を認めた後、結論としては「非営利教育を標榜する女性NPO代表には、『泣いて(無償奉仕して)』いただこう」と、カネを払わないで無償のネット上の文章を読み続けるという形の「甘え」を自ら是認する人、というのもきわめて多数いらっしゃるわけです。こういう人には、「カネを払えよ。受益者負担だよ」と、やんわり厳しく言ってやる作業が必要になります。実はこういう「正論」を言うことにも結構な勇気が要るわけで、現代日本はこの「勇気」のある一部の人に大多数がおんぶにだっこ、甘えまくっている社会だといえます)





 
 さて、このあとはまたべつな話題で、教育現場の「ほめる教育」いわば「肯定志向」が、子どもの心を不安定にしている、という話が出てきます。

 良い点ばかりを指摘する指導のために何が克服すべき課題かがみえないことが不安をよぶ、と。


 これも非常に議論の分かれるところです。一般的な「強み教育」の理解では、強みに焦点を当てるほうが人はよく伸び、弱みには目を向けないのが正しいことになっています。

 ところで、「大学受験」のような場面では志望の大学の基準を満たすために自分の弱みを潰すことが受験指導としてなされます。

 どこかに切り替えラインがあるのです。強みだけに目を向けて本人のやる気や幸福感を重視した指導から、弱み克服をさせる指導へ。

「ほめる教育」「強みに目を向ける教育」は、歴史の浅いものなので、まだその限界がみえていないのではないかとも思います。


 私個人としての実感では、―といっても謙遜ではなくわずか3人の子を育ててみたぐらいの実体験しかないのですが―「強みだけに目を向ける」のは、幼児期からせいぜい小学校低学年くらいまでに妥当な教育法で、その後は徐々に「強みだけでなく、課題にも目を向ける」指導法にスライドしていくのが良いのでは、と思います。


 ただ「強みに着目するのが上手い先生」と「弱みに着目しやすい先生」と、指導する先生の側にも個性があり、どちらかにバイアスがかかりやすいように思います。バランスよく目配りするにはやはり訓練が必要です。



 
神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


お世話になっている皆様




おはようございます。NPO法人企業内コーチ育成協会の正田です。



 あの震災から1年。「3・11」を、皆様はどうお過ごしでしたか。

 お叱りを受けるかもしれませんが、わたくし自身は、メディアに流れる怒涛のような量の報道をまともに受け止めかねて過ごしました。


 これはメディアが悪い、というわけではなく、決して忘れてはならないことだからこの時期に、ということで取材し大量に流すのだということはわかるのですが、身近な人を失くされた方々、住む地を追われた方々の痛みをともに感じると、それがしばらく持続すると、自分の中の気力がふら〜っと弱まるのが感じられるのです。わたくしの弱さです、はい。


 大きなことは言えませんがせめて今年も何らかの機会に被災地を訪問させていただければ、ボランティアでも観光でもどんな形でもお役に立てれば、と願っております。



 本日の話題は:

 

■5月といえば「こどもの日」。「子ども」について考えませんか?(5/13)



■あなたはいくつ試しましたか?バナナダイエット、納豆ダイエット、リンゴダイエット…



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■5月といえば「こどもの日」。「子ども」について考えませんか?(5/13)


 雛祭りも終わったばかりで気が早いですが…。


 おなじみ「よのなかカフェ」では、5月13日(日)15:00〜17:00、「子ども」をテーマに取り上げます。

 題して「子どもたちが危ない!」


 http://c-c-a.jp/cafe/index.html



 これは、わたくし個人が長いこと温めていたテーマです。

 今、大学生から高校生になる自分の子どもがまだ乳児〜幼稚園の時期ですが、「子育て」の場が様変わりしていることに驚きました。


 「公園デビュー」から始まり、母子でどこかの家に延々とたむろする、幼稚園に入っても母親の派閥次第で子どもの友達を決める、おけいこ事も子どものやりたいことより親の見栄で選ぶ―、と、自分の子ども時代よりはるかに「親の関与」が大きくなっています。


 子どもをターゲットにした犯罪発生により、防犯意識が高まり、大きくなった子どもでも通園通学の送り迎えや、公園遊びに親が付き添い、とその傾向に拍車をかけます。


 子どもは勝手に外へ出て遊び野山を探検するもの、それが子どもの特権じゃん、と思っていた田舎育ちの不肖わたくしにはかなり不本意な子育て時代でした…


 それは既に15〜6年前のことで、そして現代。「与夢(あとむ)くん」「光宙(ぴかちゅう)くん」といった、珍奇な「キラキラネーム」が学校現場を席巻し、芸能人志向、叱れない親・先生、そして学級崩壊、教室で寝っころがる子、といった「末期症状」が出ているといいます。


 決して、人様のことをどうこう言えるような立派な親とはいいがたいわたくしですが…、

 よのなかカフェ主宰者の山口裕史氏とわたくしは、ともに40代の現・元ジャーナリストで、3人の子持ち同士というところも同じ。だれかを責めるという形にはしたくないね、と申し合わせました。


 今回の子どもカフェは、偉い先生の講演をじっと聴くというタイプのセミナーではありません。地域の現役の親、学校の先生、スポーツのコーチ、など「関係者」が、一堂に会し、自分の言葉で語り合う、ということを大切にします。


 子どもはわたしたちの未来。心ある皆様、どうぞ振るってご参加ください!

 http://c-c-a.jp/cafe/



 ※今回のカフェはお茶・ケーキ付2000円です。

 ※託児サービスはありません。ご了承ください。
 
 

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■あなたはいくつ試しましたか?バナナダイエット、納豆ダイエット、リンゴダイエット…


 
 さて、「ダイエット」の話題は、男性より女性のほうが詳しいかもしれません。


 数年前、「納豆ダイエット」を紹介したTV番組が情報改ざんの疑いがあり打ち切りになったこともありました。その後もバナナダイエットブームで一時期バナナが棚から消えるやら、「○○を食べるだけダイエット」、「巻くだけダイエット」、「寝るだけダイエット」といった、「だけダイエット」の方法は次から次へと現れては消えていきます。


 読者の皆様は、これらを実際に試してみられましたか?


 『デブの帝国―いかにしてアメリカは肥満大国となったのか』(グレッグ・クライツァー著、バジリコ、2003年)

(ふざけたようなタイトルですが、良心的なジャーナリストの書いた、マクドナルド・コカコーラといった大企業による消費喚起戦略とアメリカ人の肥満の相関、そして解決に奔走する人々を緻密に描きだしたいい本です)


によると、アメリカでも「低炭水化物ダイエット」「高タンパク質ダイエット」等、ありとあらゆる、細かく栄養学の知識を引用したダイエット法や、「芸能人流ダイエット」が目まぐるしく出ては消え、今も現れています。とりわけ、「自制心=食欲を抑える、運動するといった=ゼロのダイエット法」が人気が高く、それぞれ一時的に市場を席巻するようです。


 ご想像のように、このような「マーケティングありき」の口当たりのよい、目先を変えただけのダイエット法は、結局効果を生みません。あるいは、極端なものはリバウンドを起こし、さらに問題を深刻にしたりします。




 一方で、「肥満問題は貧困問題」として子どもを対象に実際的に地域に腰を据えて取り組む人々の解は、

「幼少期や思春期の肥満に対する総合的な治療は、事後テストの結果から、中程度の効果を上げていることがわかった」


 ―要は、「食事量を減らし、適切な運動をする」という古くて新しい生活習慣の改善が結局は功を奏するのであり、この方法を辛抱強く息長く普及させるしかない。堂々めぐりのすえに、そういう解になるのでした。そして実際にそれに取り組んでいる人びとがいます。



 ここまでの内容を、ご理解いただけましたでしょうか。


 まさか、賢明な経営者の皆様であれば、自社の社員のメタボを減らすために「バナナダイエット」「納豆ダイエット」の類を勧めたりはしないと思います。


 

 しかし、残念ながら、こういう発言は不遜なようですが、教育研修の世界では「バナナダイエット」「納豆ダイエット」の類のものが現れては消えます。

 そしてさらに残念ながら、それは「市場」があるから成り立っている、ということです。

 最近、経営支援団体に勤める知人にきいた話によれば、企業の人材育成担当者が集まる席では、例えば「コーチング」のような古くて新しいものにはもういい、わかった、という話になり、


「もっと新奇なものはないのか」

と言われるのだそうです。


 わたくし自身も、当協会の「企業内コーチング」「承認中心コーチング」を、企業の方に取り入れていただくには人材育成担当者の方にお願いにまわるわけですが、そこでは


「もっと面白いものないの?」「珍しいものないの?」

と言われることがすくなからずあります。



 そこで、冒頭の「バナナダイエット」「納豆ダイエット」の連想が出てくるわけです。


 実は、「肥満」を「人材」「組織」に置き換えてみても、事の性質はそんなに変わりません。



 もっと言えば、一般的な疾病と治療のメカニズムもそんなに変わりません。


 ある治療法が効果を上げる機序があってそれが優れているとき、有効性があり再現性があるとき、また有害事象/副作用が少なく重篤なものがないとき、またクオリティオブライフ―その治療法を取り入れたときに生活に大きな不便がないか―も良いとき、


 「普通は」、その治療法を第一選択とするわけです。


 ただ、医療界をみても「正しい治療法」が全国的に周知されるまでに30年かかったというケースもあり、それは恐らくその世界の派閥の論理とか当事者の面子によるわけですが。


 
 「もっとも正しい治療法」と思われるものを知っているからには、他にバナナダイエットや納豆ダイエットに相当するものをメニューに載せない、自分の良識に懸けて正しいものを売る、というスタンスがあっていいと思います。当協会はそういうスタンスをとっています。

 ―「もっとも正しい」という表現や考え方が不遜に思われたとしても。これは、例えば技術の世界であれやこれや試行錯誤のすえに何らかの真理にご自身で行き当った、というご経験をお持ちの方なら、きっとご理解いただけることと思います。―



 今年初めにお出ししました、不肖わたくし及び当協会の今年のメッセージを改めてご紹介いたします:


「100年後まで、わが国が世界に誇れる人材育成を―2012年新年のご挨拶」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51782172.html 


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★1月に発行した小冊子『最高のプロの2日間の授業』に、柏原直樹さん(36歳・大手OAメーカー営業販売課長)から嬉しいご感想をいただきました!

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51793519.html


 「コーチングに興味があって自分で色んな本を読んだのですがどうも内容に納得いかなかったです。でも永井さん(注:現京都営業所 部長)から教えていただいた正田先生の考える承認を入れたコーチング、人格を尊重しあったコーチングは素直に受け入れられて僕も本当のコーチングだと思いました。」


「自分では数字を持たなくなりました。みんなで数字を作ったほうが業績が上がると分かったから」と語っていた柏原さん。元上司の永井さんとともに「企業内コーチ師弟コンビ」としてご紹介したことがあります。




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 引き続き募集中です!

 
 今、業績を伸ばすうえでもリスクマネジメントとしても欠かせない手法「承認」。

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なコーチングではなく、忙しい現役のマネージャーの日常に活かすスキルの統合パッケージ。過去に受講された

マネージャー様方から、効果・使いやすさ・満足度いずれも、高い評価をいただいています。


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※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び
代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・
当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方に
お送りしています。

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


3月は「去る」、気ぜわしい日々をお過ごしのことと思います。
皆様くれぐれもご自愛ください。



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神戸のコーチング講座
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に好評連載中
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 先日リリースした当協会の小冊子『最高のプロの2日間の授業』について、柏原直樹さん(36歳・キヤノンシステムアンドサポート株式会社 神戸営業所 課長)より、ご感想をお寄せいただきました。ご許可をいただいてこちらに転載させていただきます。


************************


正田先生


おはようございます。キヤノンの柏原です。
大変遅くなりましてすみません。「最高のプロの二日間の授業」の対談を
読んだ感想です。

4年前にマネージャーになってからいつも本や雑誌、新聞を読んだり、色々な人
との会話の中でヒントになればと思う事をノートに書き続けて、仕事をやってるなかで
何度も見直しして次の行動のヒントにしているのですが
その時書いた箇所です。

・先生になってから、生徒以上に学ばなきゃならない。
教えるという事は教える人からだけ学ぶのではなく色々な方から学べる。
・自己批判と承認が裏面、表面の両面。
・クリティシズムという言葉。

今会社で違和感を感じるのは、目先の業績を上げる為だけの行動や発言を
する他のマネージャー達です。(どちらかというと40代半ば以上の人達が
多いです)
現状の数字をあげる事は管理職としての義務でもあるのですが
マネージャーとして評価されるのは、自分がいなくなった後で
将来何を残せたかだと思うので、目標達成率とか実績はあがる事は
営業マンなので私もうれしいですが、今は自分で数字を作っているわけでは
ないので、部下達がその結果を出すまでの行動や成長を感じる時が
一番うれしいです。
目標値を部下と握ってそこに達成するまで追い詰める、自分の様になれって
上から目線で部下をみるマネージャーが多くて、自分はそんな事で
仕事してなかったし、そんなマネージャーになりたくなくて違うやり方
探ってました。
コーチングに興味があって自分で色んな本を読んだのですが
どうも内容に納得いかなかったです。でも永井さん(注:現京都営業所 部長)から教えていただいた
正田先生の考える承認を入れたコーチング、人格を尊重しあった
コーチングは素直に受け入れられて僕も本当のコーチングだと思いました。

永井さんと中川さんから教えていただき、先生からは何も授業受けてなくて
勝手に本やブログから学んでいる身ですが、僕と関わる人達(仕事だけでなく)
に良い影響与えられる人になりたいと思って生きてますので
これからもご指導よろしくお願いいたします。

コーチングって形あるものじゃないので、伝える事、広める事は非常に
難しいので先生の御苦労分かります。
何かお手伝いできたらと思ってますのでよろしくお願いいたします。


変な感想ですみません・・・。


**********************

柏原さん、こちらこそありがとうございます。

今も巷、巷に、「自分と関わる人たちに良い影響を与えられる人になりたい」と思って生きておられる人がいるんだな、と、また感無量です。

そういう人達は、一般社会全体としては少ないですが「ラインマネジャー」の中には比較的多く存在するように、私は思います。

柏原さんは上の文章からも分かるように大変な努力家です。ご本人の資質に加え、キヤノンの上記のグループ会社さんには、元々代々良いマネージャーの系譜があり、「あの人のようになりたい」と思って若手のうちからマネージャーを志向する人たちがいるそうです。永井さん―柏原さんコンビは、そんな中での「企業内コーチ」の師弟でした。

おもしろいことに、以前にも書いたと思いますが京都の永井部長の下で7か月一緒に仕事をしたあと神戸に課長として赴任した柏原さんは、旧知の人から「話し方が見違えるように良くなった」と言われたそうです。
「良い上司」の下で仕事をすることは、良い研修を何回も受けるくらいの値打ちがあることなのです。


・・・でも、「お任せします」とご許可をいただいたとはいえこうして実名でお出ししてしまって良かったのかな?



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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 このほど政策研究フォーラム発行の月刊誌「改革者」3月号に、『日本人の教養』(中嶋嶺雄著、朝日新聞社)の書評を書かせていただきました。同フォーラムよりご許可をいただき、こちらに転載させていただきます:


****************************


 大学人が「教養」を論じた書は多い。その中で本書『日本人の教養』は、「国際教養教育」を提唱し、国内初のオール英語で講義する大学にして、100%の就職率を誇る秋田・国際教養大学を自ら設立した中嶋嶺雄氏の実体験をもとに書かれている点が異色。現実に同大学のカリキュラムを構成するとともに、著者自身の骨太の行動を裏付けてきた実体ある教養論、そしてリーダーシップ論でもある。

 「リーダー」の条件として、ゞ詰椶あること、△修靴銅囲がそれを尊重するような人格があること―を本書は挙げる。また「グローバル化、IT化の時代だからこそ人間性の根源に触れる思考=リベラル・アーツ(教養)を」と説く著者は、日本の大学学部教育から教養科目が消えつつある流れに対抗するかのように2004年、「国際教養」を掲げる同大学を開学した。

 卒業までに必ず1年間の留学を義務付けられる同大学の学生は、就職面接で「話す内容が個性的だ」と企業サイドから評価されるという。ではその「個性」とは何か。何かに属した、あるいは何かを究めたといった、何かに裏打ちされた自己認識(=アイデンティティ)を複数持つことが個性につながっていくのだ、と本書はいう。

 そのような認識の下、本書のいう「国際教養」とは、,気泙兇泙奮慳篳野にまたがる広汎な基礎知識英語教育をはじめとする外国語教育、E計的思考と霊感、と稟重思考、シ歃僉修ら成り、現実にこれらが国際教養大学のカリキュラムとなっている。

 とりわけイ侶歃僂魯罐法璽。著者自身が幼少時から触れていたスズキ・メソードを正式な授業科目とし、世界的なヴァイオリニストが自ら演奏しながら少人数クラスを教える授業もある。

 統計学による「量的論証」ではつかみきれない「本質」があり、それをつかむ知性、すなわちアートをもつための道筋を、著者は「芸術」に見出しているように見える。

 本書の終盤に、「アジア太平洋大学交流機構(UMAP)の国際事務局を1999年までに日本国内に作る」という課題に著者が東京外国語大学学長当時、直面したくだりがある。用地をめぐって国内各大学との交渉が難航する中、著者は国際的な利益、すなわち「公共」を念頭に置き、繰り返し話し合いを持った。そして最終的に東大教養学部に事務局を設置する。著者によれば、何が「公共の利益」かを見出すこともまた「教養」なのだ。

 「リーダー不在」が叫ばれて久しいわが国に教養あるリーダーを送り込む存在となるか。(了)

(「改革者」2012年3月号 所載)



***************************


「教養」は、たしかに、「意思決定の質」に、痛いほどかかわります。

震災の渦中には、「即断即決」こそがリーダーの資質であるかのように錯覚した政治家たちがいたようにみえました。

ところが、その意思決定を多面的に支える「教養」がそこには感じられず、結果として「蛮勇」を振るっていただけ、のように当時も今もみえています。

意思決定のスピードと質、このうち主に「質」を担保するのが「教養」でありますが、まわりまわって「スピード」にもかかわってきます。

「教養」、これは生半可な教育研修では得られません。若いころからの読書をはじめとする学びの集積です。


2000年代のわが国に突如として出現した、学生たちを山の中にカンヅメにして猛勉強を強いる大学。その教育の真価が問われるのは、卒業生たちが「リーダー年齢」に達するころでしょうか・・・



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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 また少し日付が戻って、9日(金)日経新聞夕刊にホイットニー・ヒューストンの「追想録」が載りました。


 「人種の溝拡大、居場所失う」という見出しです。オヤオヤという感じです。

 以下、記事を引用します:


***********************


 人気スターが薬物で道を誤る。芸能界にありがちな転落劇は昔もあったし、これからもあるだろう。ホイットニーの死から読み取れるものは、米社会の保守化がもたらした人種の溝の広がりだ。


 差別撤廃を掲げた1960年代の公民権運動を受け、70〜80年代の米音楽界はマイケル・ジャクソンやライオネル・リッチーら、白人に愛される黒人歌手を輩出。ホイットニーもその一人だった。


 レーガン革命と呼ばれる保守運動の台頭で、80年代半ばから流れは反転する。白人はカントリー、黒人はヒップホップへとすみ分け、ジャンルにとらわれずに音楽を流すラジオ局は急減した。

 
 ケリー・クラークソンら白人歌手にファンを奪われたホイットニー。不良っぽさが売り物だった黒人アイドルのボビー・ブラウンとの結婚を経て、作風を黒人マーケット狙いに変更した。欧州中心のカムバック・ツアーを組むなど新たな居場所づくりを試みたが、結果ははかばかしくなく、結婚生活も破綻した。


 薬物の道に引き込んだ元夫の弁を聞こうと、全国ツアーの会場に足を運んだ。「命は命として、ときには振り返らないことも大事だ」。すっかり太った元アイドルは黒人女性の変わらぬ声援に包まれていた。

(ワシントン=大石格)
(日本経済新聞2012年3月9日夕刊)


***********************


 ホイットニーの元ファンとはいいながらこのあたりの事情に疎かった私です。


 そうですかそうですか・・・


 80年代から90年代初め、「ブラック・イズ・ビューティフル」の象徴のように光り輝いていたホイットニー。

 しかし、それは黒人歌手隆盛の歴史からみれば最後の輝きだったかもしれなくて。

 「差別撤廃」は人類の歴史からみれば決して長いものではありません。


 脳科学者のガザニガだったろうか、ダマシオだったろうか、


「人類の脳の機能のうち退化したほうがよいと思うものもある。それは人を人種、性別で敵味方、上下を見分ける機能だ」

と言ったのは。


 それはごく近距離で敵対する部族に分かれていたころ、また男女の役割が狩猟―農耕・採取ときっちり分かれていたころの名残で、現代は不必要な機能だ、と。


 しかし脳機能として残っている以上、「差別撤廃」のスローガンはまだまだ脆弱なもので、簡単に元に戻る可能性があるのです。


 そしてわたくしがこのところしきりにブログに書くのは、わが国で再び「性差別」が強まってきている、ということであります。

 もともとは母系社会で、女性中心でものごとを決めていたものが、ある時期に武力をもつ男性中心にかわり、そして「女性支配」を恐れるあまり女性を弾圧するようになった、という説もどこかでみたことがありますが。


 フランスの人口学者によれば、(あ〜、名前が出てこない)日本人の歴史的な識字率の高さは、家庭教育における母親の権威の高さによるものだ、というのもみたことがありますが。


 しかし「伝統的に弱い男性」そして「強いマザコン社会」加えて近年の「ロリコン文化」―つまり、「対等な男性と女性」という関係がそもそもない―、その土壌に加えてこの不況・人減らしの下では、再度「女性を家へ」の流れになるのも、自然なことです。


 相変わらず、某大新聞の一面のコラムには「嬶(かかあ)」という字をいじくった文章が載り、「女性不在のところで男性同士が女性をネタにした冗談で憂さ晴らしをする」文章が白昼堂々と人目に触れるのです。

 こういうことについてリテラシーのないセンスの持ち主だから「明治の女性の無私の心」なんていうのも平気で垂れ流す。


 わが国においては、そもそも「性差別撤廃」なんていうのは借り物の建前論だったし、その揺り戻しがきたときになんの疑問もなく受容してしまう感性なのでしょう。


 やっぱり、女の子は海外で就職させるに限ります。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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 7日(水)、次回よのなかカフェのことで山口裕史さんと打ち合わせ。


 次回はひと月とんで5月13日(日)、「子ども」をテーマにすることになっています。

 
 「子どもたちが危ない!」という過激なタイトル。


 切り口として、

・「与夢(あとむ)くん」「光宙(ぴかちゅう)くん」といった、珍奇な「キラキラネーム」をつける親たち。それによる教育現場の混乱。

・先生方は気弱になっている。叱れない。(山口氏によると、少年野球の監督さんが「学校がやらないので自分たちが代わってやらないといけない。怒るべき時はびしっと怒る」と言っていたとか)

・犯罪の低年齢化(?要統計参照)

・学級崩壊、制服で座り込む子、教室で寝っころがる子(昨年、神戸新聞で記事になった)

・子どもを芸能人にしたがる親。昔からある代償行為として、というほかに、就職機会が狭まっている反映?

・学校教育・家庭教育の責任の押し付け合いになりがち。そうはしたくないな

・「けしからん」と論を立てるのをやめたい


・・・と、いったことでした。


そしてゲストやお客様を集めることになりました。


正田は、以前上の子たちがお世話になり著書『認めるミドルが会社を変える』にも登場していただいた、A先生(仮名)の勤務校にお電話してみたところ、異動してはりましたがなんとか異動先をききだし、お電話がつながりました。

A先生は教委勤務になられていましたが、イベントの趣旨をお話しすると大変気持ちよくきいてくださり、事前情報集めのインタビューに応じてくださることになりました。


以前ブログにも書かせていただきましたが、子どもたちをよく褒め、ときに怒鳴りつけ、細かく小テストをして学力を上げる達人のA先生は著書をお送りしたあと半年後にお葉書をくださり、

「大変参考になる本で貼った付箋が20枚を超えました。
もう1冊購入して職員室で回覧しています」

と、嬉しいご感想をくださいました。

現役の心ある先生にとっても違和感のないものだったんだ、と嬉しかったと同時に、
褒め言葉としても、なんと素直に喜べる、具体的で力強い承認の言葉ではありませんか。さすが達人。


そのA先生と久しぶりにお電話でお話しすると、このたびもよく憶えていてくださり、

「ああ、あの校長先生(=これも著書の登場人物)とは私もよくお話しましたよ。よく話を聴いてくださる方でしたねえ」
「そうですか、あいちゃんは2度目の鬱ですか。しかしご本人にとってはいい経験でしたねえ」

と、すぐに共通の話題がよみがえるのでした。



ちなみに今回のカフェは、岡本の喫茶店「珈琲 春秋」で行いました。これまではスタバ的な「カフェ」でやっていたんですが、どうも周囲が開放的すぎると集中力が今いちだ、片側に壁があるとか少し閉鎖感があるほうがいい、と正田が言いだし、場所をかえてみました。そんなふうに、話し合いのロケーションに最近ちょっとこだわっています。


・・・


 医療関係の方が当協会の事務所(自宅兼)に打ち合わせに来られ、


 子どもの受験をいいことにしばらくお客様をお迎えすることをさぼっていたわが家兼事務所の片づけは大仕事でした、というか行き届かないことおびただしいものでした。ああ恥ずかしい。


 さすが研究の世界の方々、うちのリビングの一角(テレビの周辺)にある「本の摩天楼」に目をやっても驚くでもなく・・・、


 面白かったのは、
「このところ企業の方にご説明していることですが」
とPC画面上で「日本の企業をつながり力で変える!」のパワーポイントをお見せしながらご説明すると、

「日本人の特性、不安感」と「日本人の労働生産性」の関連のところで、

「医療でも最近同じようなことが言われています」
とおっしゃったこと。

 つまり、アメリカ式にすべての選択肢を提示し患者さん自身に選択してもらうやり方が、実際にやってみると日本人にはどうも根づかず、ある程度医師や専門家に答えを出してもらいたいのだそう。

 わるくいえば「依存的」なのだろうし、アメリカ人ほど「自己選択する」ということにモチベートされない、むしろ不安感のほうが出てしまう民族性なのだともいえます。

 
 だから、「単位制高校」っていうのも、本当はどうなのかな、と思うんですけどね。アホ息子の行っている高校ではすごい労力をかけて時間をかけて「説明」し、実際にはある程度「コース」を作ってあげて「文系で国公立ならこれ、理系で私学ならこれ」と、選択をシンプルにしてくれています。完全オーダーメード、というのが好きな人は好きなんでしょうけれど恐らく日本人では個体差の問題、というか少数派だということです。アメリカでは、先年も『選択の科学』っていう本が出て「選択することでドーパミンが出る、やる気になる」と盛んに喧伝してましたが。もちろん日本で少数派だとはいえ、「完全オーダーメード」をしたい人の権利は守られる必要があるでしょう。


 …それは余談で、
 もうひとつ有難かったのは、医療関係の方だからなのか来られた先生(と職員さん)のご性格によるのか、
 お話ししたことが「理」にかなっていると思えば「同意」してくださること。

 変なプライドで、「ああ言えばこう言う」というのがありませんでした。

 やっぱり好きだな理系世界。


・・・

 
 突然また電話が鳴ったと思ったら秋田の国際教養大学(AIU)学長・理事長の中嶋嶺雄先生でした。最近、先輩の紹介でさるところに中嶋先生の著書『日本人の教養』の書評を書かせていただいたので、そのお礼のお電話でした。

 競争率20倍にもなる、今年のAIUの受験者は併願先が東大・京大だったそうです。わずか開学8年にして。
 IT以外の分野で、日本でこれほど華々しい「ベンチャー」の事例があるでしょうか。


 AIUが先陣を切って行ってきた「秋入学」も、東大ほかが後追いするようになり、「入学式といえば桜」という日本人の常識をAIUが変えてしまうことになったのでした。


 北川正恭・元三重県知事のほか、村井嘉浩・現宮城県知事のお子さんも今、AIUの学生だそうです。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

お世話になっている皆様




おはようございます。NPO法人企業内コーチ育成協会の正田です。



 先日このメールニュースでご報告させていただいた「よのなかカフェin姫路」、その後も多くの方から注目していただきました。


 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51791307.html


 上記・開催報告のブログにも多数の方にアクセスいただき…、


 しばらくご無沙汰だった友人から電話をいただいて


「姫路でのカフェ、良かったんだってね。行った人からきいたよ」。


 ご来場の上お知り合いに口伝えに伝えてくださった方、またそれをお知らせくださった方、ともに感謝いたします。たくさんの方の共通認識にしていただければ幸いです。


 また、これも「シンクロニシティ」というのでしょうか。このところ何人かの友人から会社のようすをきかせてもらった時に、そこで起きている現象が、「姫路カフェ」でお話させていただいた内容とあまりにも一緒なので、


「あなた、それは最近私があっちこっちで話していることよ」

と、なったのでした。

 想像以上に、同じことが日本の企業・組織のあちこちで起きているのかもしれないのです。



 本日の話題は:

 

 

■早期特典2000円が本日まで!3月25日(日)、注目のスピーカー続々登壇・神戸大学ワークショップ「社会イノベーション―経営学の社会的意義」


■今、凋落からもがいて上がる。そのときリーダーの力は―伊丹敬之氏、三枝匡氏講演



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■早期特典2000円が本日まで!3月25日(日)、注目のスピーカー続々登壇・神戸大学ワークショップ「社会イノ
ベーション―経営学の社会的意義」



 いつになく「バナナの叩き売り」のようなタイトルで恐縮です。


 本メールニュースでもご紹介した、神戸大学経営学博士(4月より京都大学研究員)、瓜生原葉子氏が神戸大学で主催するワークショップ「社会イノベーション―経営学の社会的意義」(3月25日)。

 詳細はこちらのページでご覧いただけます


 http://riam.jp/workshop/?p=416


 本来10000円するこのワークショップ。神戸大での同様のワークショップにわたくしも以前「痛っっ」と思いながら10000円払って参加したことがありますが、今回はなんと「瓜生原さんの知人です」とメールに書けば、特価2000円で受講することができます。


 その大変ありがたい「早期割引特価」、本日までです。直接の知り合いでなくてもOK、ということなので、メールニュース読者の皆様も、どうぞ振るってお申込みください。


 メールのあて先はこちらです:

 bi@riam.jp

 (神戸大学現代経営学研究所)

 必要事項は、お名前・人数・ご住所です。

 
直接の友人・知人にもお話したのですが、このワークショップの目玉は何と言っても、多忙を極める現職の広島県知事・湯崎英彦氏が登壇されること。瓜生原氏の高校の同期、ということで実現しました。


 同知事は最近、「漢方薬型組織改革」として日経ビジネスに取り上げられたのも記憶に新しく、また神戸市民にはお馴染みの樫野孝人氏ほか民間の有能な人をどんどん県庁組織に招聘し取り込んで成果を挙げていることでも知られます。


 その他、現役の経営者・コンサルタント・メディアなど各界で活躍する方々、主催者の瓜生原氏も登壇。神戸大学の島田智明准教授や、おなじみ金井壽宏教授もご挨拶される豪華な日曜の午後です。

 
 しつこいようですが「特価2000円」は今日までです。お早目に上記のメールアドレスへ。

 


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■今、凋落からもがいて上がる。そのときリーダーの力は―伊丹敬之氏、三枝匡氏講演


 
 これはわたくし個人の学びのご報告です。


 先日(6日)、東京でのDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー創刊35周年記念セミナーを聴講に出かけました。


 「リーダーの役割と使命」として、伊丹敬之・東京理科大学教授(経営学)と三枝匡・ミスミグループCEOが講演・対談されました。


 「今、日本の経営の現場はかなり腐っている」(伊丹氏)

 「悲惨なまでにフレームワークがなくてダメ」(三枝氏)

 ―「ダメだ」という認識で両者は一致。


 そこからいかにもがいて上がるか。そこにやはり「リーダーの力」をみます。会社に当事者意識をもつ「エリート」が少なくなった、という現状の中、その「リーダーの力」を、いかにして開発することができるでしょうか…


 こちらにご紹介をさせていただきましたので、ご興味のある方はご覧ください:


「リーダーの自己鍛錬とは教育者を目指すこと」―伊丹敬之氏講演
 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51792856.html



 いまもっとも重要なのは日本企業の「組織を軽くする」こと―三枝匡氏講演
 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51792866.html 


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 続いて行われた三枝匡(ただし)・ミスミグループCEOの講演もまた、ずしっと容量のある、聴きごたえのあるものでした。

 三枝氏は、ご存知『戦略プロフェッショナル』『V字回復の経営』等、企業改革をテーマとしたビジネス書の著者であり、自らコマツ、ミスミグループでそれを実践する経営者。ミスミでは就任4年で売上高を500億円→1000億円に。またリーマン・ショックで09年には落ち込みを経験しましたが、2年でV字回復をなしとげています。

 同氏講演の結論部分には、

「"Small is Beautiful" ―日本企業の『組織を軽くする』ことへの取り組みは、いま最も重要な『戦略』課題」


という言葉が出てきます。

「それが日本再生の手がかり。自分たちの事業を『手に負える大きさ』に分けること」


もうひとつ、

「エリートとは、自分の所属する組織に責任を感じる集団」


という言葉も心に残りました。この存在がいなくなった。自分の会社がいかにぐちゃぐちゃであろうとそれを変えるのはオレじゃない。個人の痛みにならない。


 ここだけを見てわかったような気になる(私のような)人もいることと思いますが、やはりそこへ行くプロセスにも多くの見どころがありますので、順を追ってご紹介させていただきます。


「日本企業がダメになったわけ」

これを、最近正田は組織・人材育成の側から説明したわけですが、三枝氏は同じことに戦略面から切り込み、大変説得力のあるものでした。また、大いに同感のところがありました。


************************


 歴史から説き起こすと、「日本企業の組織劣化は、80年代初めに始まる」と三枝氏は言います。戦後成長路線が天井に達し、余ったカネの投資先として多くの新規事業や外部投資を行った。そして多くの失敗や放ったらかしの山ができた。


 新日鐵が遊園地を作った。・・・っていうのは「スペースワールド」でしたっけ。


 そこで日本の「経営パワーの危機」が顕在化した、と三枝氏。

 リスクをいとわない人材。
 失敗経験を積んだ歴戦の人材。
 死の谷を越えておくための戦略能力。
 (「経営リテラシー」を身につけた人材)

 こういうものが当時の経験からは育たなかった。

 そして「バブル」に突入していきます。


 一方、米国では同じころ何が起きたか。実は「米国流七転び八起き」(注:これは正田が命名)がありました、という。このあたり私にも新鮮なお話。


 凋落期。1960年代から30年間、米国は日本企業に頭を叩かれ続けた。初めは「日本人」に負ける屈辱感でいっぱいだった。

 経営セオリーでは常に世界を先導し、70年代は戦略論の時代だった。経験曲線、プロダクト・ポートフォリオ、セグメンテーション、SBU(戦略的事業単位)、差別化戦略、マトリックス思考、など。

 こうして、多くの「フレームワーク」が米国で立ち上がりました。ただ、まだこのころは日本が強い。

 米国コンサルタントたちは強い日本企業を必死で観察します。観察から多くの学びを得ました。

 目の前で起きている事象の「抽象化、理論化、敷衍化」すなわちフレームワーク化をし、さらに経営現場で使える「ツール」に落とし込みました。「ツール」にすることで会社の実践の場に渡していくことができます。


 この当時米国が日本から学んだものは玉石混淆で、コンセンサス経営、稟議書、社訓、社歌、終身雇用、年功序列、企業内組合、などがありました。(「こんなものが強みなのか?」と三枝氏)


 このころマッキンゼーのコンサルタントらが著した『エクセレント・カンパニー』(1982年)という本には、米国企業の反省として1.アクション 2.顧客に密着 3.自律性と起業家精神 4.人を通じての業績向上(人を大切に) 5.明確な価値観の提示 6.余計な事業に手を出さない 7.シンプル組織、小さな本社 8.ルーズさと厳密さの共存―などを記し、これは現代の日本企業こそ同じ反省論を必要とする、と三枝氏は言います。


 80年代、米国はベンチャーが雨後の筍のごとく生まれるものの・インスタント拝金主義・ハイテク勝負で消耗戦・大企業は財務ゲーム―という病に侵され、日本優位が続きました。日本企業は多少効率が悪くてもじっくり取り組んで品質の高いものをつくる、という組織の継続性と、生産技術で圧倒していました。


 そして80年代後半に入ると、日本転落の予兆が出てきます。
 キャッシュ余剰現象から、「くだらないベンチャー」の続出。

 いっぽういまだもがき続ける米国は、
 ・リストラの嵐
 ・日本の経営に学ぶのは無理(よく分からない国)
 ・理論:「現場の仕事の流れに」に近づいていく
  *価値連鎖、顧客満足、タイムベース競争

 そして80年代に「リエンジニアリング」の理解と実践の時代に入っていきます。

 「リエンジニアリング」とは、何あろうトヨタ・カンバン方式のことです。


 米国では、自動車のみならず、電機、物流、PC、フィルム、航空機、医療機器と、日本では考えられないさまざまな分野で、「カンバン方式」が応用されました。

 「日本人は時間の戦略を生きている!」(タイムベース競争)

 という気づきが、日本以上に多くの応用を生んだのです。


 ビジネスプロセスを早く回すことが戦略になる。

 そして90年代、日米逆転の時代となります。

 三枝氏が中国の金型工場で現地の社長と対話していて、耳を疑った言葉がありました:

「ミスター・サエグサ、タイム・イズ・インポータント」

 これは80年代、アメリカ人が色んな業種でカンバン方式の実験をして製造を台湾に委託し、その台湾人が中国に行って6兆円の産業を生み出した。カンバン方式は業種を替えて海を渡った。それに日本人が気が付いていない。

 またマイケル・デルとの会話で

 「あなたは5日後に商品(PC)が大連から着くと言ったけれども、それはトヨタ・カンバン方式ですよね」
 「Yes, We experienced twice stock crisis (そうです、我々は在庫の危機を2回経験した)」


 カンバン方式という宝を国内に持ちながら、それをフレームワーク化し敷衍することを怠った日本人は、6兆円産業、5兆円産業のビジネスチャンスを逃したのでした。


 
 これらを総合して三枝氏は、

「日本の経営は悲惨なほどの『抽象化、理論化、敷衍化』の不足、『フレームワーク』の不足に苦しんでいる」

「日本人は経営手法の知的創造で負けた」

といいます。最後の牙城、ものつくりも危うい、と。


 米国ルールの輸入を続けても勝ち目はない、と。


 そして「人」の力量。

 集団依存の因果応報、エリートの消滅…、ここで冒頭の

「エリートとは、自分の所属する組織に責任を感じる集団」

 という言葉が出てきます。


 まとめとして、

 「日本企業の『組織を軽くする』ことへの取り組みは、いま最も重要な『戦略』課題である―それが日本再生の手がかり。自分たちの事業を『手に負える大きさ』に分けること」

 とします。

 「一人のリーダー」の下で活き活きと動ける組織規模とは?との問い。



 ここまで講演の中の歴史認識と、それを踏まえた提言の部分をご紹介しましたが、

 
 これに対してミスミグループで実際にやっている取り組みがあります。


 三枝氏は、「経営リーダーをつくることこそ、会社を伸ばす道」として、非常に意識的に経営リーダー育成に取り組みます。
 

 経営リーダーの個人の具備要件として、「論理性(戦略性)」と「熱き心」を挙げ、先天的に熱い性格でないとリーダーにはなれない、知識は後天的に習得することができる、とします。


 この具備要件を、経営現場で試し、経験を蓄積する(因果律をとりこむ)、困難・修羅場の経験をすることで、学びは加速化する、といいます。

 志のつよい人は自らリスクに近づく、そのためすばらしい経験のループが起きる、といいます。


 強い経営リーダーとは何か?

 三枝氏は、経営者の力量は「なぞ解き能力」で決まる、とします。眼前の混沌を「単純化」する。それを解くのはフレームワークの適用である。「この問題は、こういうことなんだよ」説明し、熱く語る。

 フレームワークの引き出し(蓄積)をたくさん持っているリーダーほど、部下に解決の道筋を早く提示できる。組織の解決行動を迅速化できる。

 

************************
 
 
 いかがでしょうか。

 ここからは正田個人の感慨で、


 「フレームワーク」という言葉をいきなり突き付けられると、ふだんは「また、米国ビジネススクールの受け売りか」とぷい、と横を向いてしまう正田ですが、こうして日本企業の凋落の歴史を押さえながら話していただくと、素直に腹落ちしました。読者の皆様は、いかがでしょう。


 また、「承認」「コーチング」という一種のフレームワークを売り物にしている自分の仕事についても内省をいたしました。例えば「承認」で上手くいかない場面、人が往々にしてあるのを感覚を研ぎ澄ませてみていると、そこに「ナルシシズム」という別のフレームワークが必要になってくる、という認識に現在たっているのも、ブログ読者の皆様はご存知のとおりです。


 

 また、「企業改革リーダー」という存在について。

 今、切実にどの企業でもその存在が求められていることでしょう。


 これは三枝氏の言葉ではなかったかもしれませんが、


「自分の会社を自分の力でどうにかしたい、と思う。職位にかかわらず、そう思った人がリーダーなのだ」―

 最近出会った何人かの尊敬する友人の顔を思い浮かべ、反芻する私です。




 さいごに、

「アイデア」というものについて。

 三枝氏のリーダー育成論の中にも、経験の蓄積の重要性について触れていましたが、

 私が以前から愛用する失敗学の畑村洋太郎氏の言葉で、

「アイデアは責任を伴わない。行動は責任を伴う」(残念ながら、どの文献に載っていたか忘れた)

 ―これは、どういうときに私が使うかというと、NPOの役員会とか総会でだれかが新しげなアイデアを出してきたときに私が「却下」するときにつかいます。だって、その人たちは自分がそのアイデアをやろうと思ってないもん。「正田さんがやってくれるだろう」と甘えてるんだもん。
 
 ブレスト法などでアイデアを出すことはできても、「創造的・斬新なアイデア」は、そのままではなんら価値を生みません。その次の段階で、死に物狂いでやり続けることが必要で、

「やり続ける」ことの中には、たんにあちこち訪ね歩くだけではなく、また時間的に長くやり続けることだけでもなく、「人を説得し、腹落ちするまで説明することのむずかしさ」が入っています。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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 6日、DIAMONDハーバードビジネスレビュー創刊35年記念セミナー・「リーダーの役割と使命」に行きました。東京・椿山荘フォーシーズンズホテルにて。


 伊丹敬之(ひろゆき)・東京理科大学教授と三枝匡(ただし)・ミスミグループCEOの講演と対談。


 いずれも「濃い」内容で楽しめました。2回にわたり、その模様をご紹介します。

************************


 伊丹氏の講演で最も印象的だったことは、

「リーダーの鍛え方」として、

「名経営者はかならず名教育者。教育者を目指すのが、一つの鍛え方」

ということでした。


「経営と教育、二つの作業の本質が似ている。
たんに、人材育成の大切さが共通点の本質ではない

経営の要諦:
(a) 部下たちに仕事全体の方向を指し示す
(b) 部下たちが仕事をしたくなる、やりやすくなる環境を整備する
(c) その後は、彼ら自身が自分で仕事をやるプロセスを刺激する、応援する

教育の要諦:
(a) 学生たちに学習全体の方向を指し示す
(b) 学生たちが学習をしたくなる、やりやすくなる環境を整備する
(c) その後は、彼ら自身が自分で学習するプロセスを刺激する、応援する

(ほら、「学生」を「部下」、「学習」を「仕事」に置き換えても全然問題ないでしょ?と伊丹氏)」

経営も教育も、ともに人を動かすこと。」


と、いうのでした。


このあたりは正田の実感とも大いに符合しました。


私的にまた我田引水すると、コーチング研修の意義とは、単にマネージャーたちに人を育てるノウハウを憶えてもらうことではないのです。

経営者として、人を動かし人を通じて経営をすることを憶えてもらうことでもあるのです。

だからミドルマネージャー研修であると同時に、次期経営者育成コースでもあるのです。

こういうことを経営学の側から言ってくださる伊丹氏はまた、名著『よき経営者の姿』(日経新聞社、2007年)の著者でもあり、この本はエグゼクティブ・コーチングのお客様にプレゼントしたことがあります。

この日冒頭に講演したHBR誌編集長によれば、かつてH・ミンツバーグ(これも私の私淑する人です、はい)にインタビューした時、

「君、日本にはイタミがいる。私はイタミほどスマートな日本の経営学者に会ったことがない」

とミンツバーグは言ったそうであります。



 このほか伊丹氏講演の要旨:


 リーダーシップの鍛え方は、まず自分を鍛えること。また外から学ぶとすれば、学び方には3通りあり、

1)特定のリーダーの言動を深く学ぶ
2) リーダーシップ理論を深く学ぶ―あまりお勧めしない
3)さまざまな事例から学ぶ

 そして1)のよいリーダーの事例として「本田宗一郎」を挙げます。伊丹氏は本田宗一郎の評伝を書いているそうです。  ・・・私自身も「スパナで人を殴る」タイプかも、と思うときがあります。はい、すみません。


理論から学ぶリーダーの条件として、

リーダーに必要とされる三つの資質:
A. エネルギー
   土光敏夫のバイタリティ公式 
    バイタリティー=知力×(意力+体力+速力)
  ※なぜ知力が×になっているのかというと、論理性が大切だから。

B. 決断力
   決断力=判断力+跳躍力
C. 情と理のバランスよきミックス

そして現代に育つ経営改革リーダーにも、三つの要諦があるのだとします。
A. 論理性
B. 原理(理念)の大切さ。経営の具体策=原理(理念)×環境
   ※環境が変わっても原理を変える必要はないことが多い。
     原理まで変えよという「アメリカではの守」の愚かしさ
C. 決断。捨てる決断も大切
  

・・・だんだん、レジュメの丸写しのようになってきたので以下省略しますが、このほか印象的だった言葉言葉をご紹介します。


「本田宗一郎は戦後浜松での『第三の創業』翌年に『世界一になる』とぶちあげた。その志はどこから来たか。大きな志をもつ人のそばにいると、大きな志が生まれやすい。当時水泳の古橋広之進(浜松出身)が、プールを1往復ぶっちぎって優勝し、日本人の心に火をつけた。」

「リーダーの育つ条件として、仕事の場の大きさがある。考えるスケールを変える。現代の不幸は仕事を細かく切り刻み低成長。無理やりにでも仕事の場を大きくしないといけない」

「人は、志の高さに応じて、日ごろの仕事の大きさに応じて、日ごろ考えることの深さに応じて、育つ。小さいことを考えている人は、小さく育つ。大きいことを考えている人は、大きく育つ」

当たり前のことを、多くの人々に(他人に)きちんとしてもらうことのむつかしさが、経営のむつかしさ。戦略を考えるよりも組織構造を考えるよりも大切。」

「仕事の現場には、つねにカネ、情報、感情という三つのものが同時に流れている。この三つをつねに総合して考える、「三眼の発想」が必要。しばしば、カネの流れという見えやすいものに過大な注意が集中する。どうやってカネの流れを軽視してみるかが要諦


「(よき経営者の姿で使った)『リーダーの切断力』という言葉の由来を対談で三枝氏に問われて。決断力のある経営者に話をききながら、『完全に断ち切るにはどうしたら』という言葉があり、それを反芻していたら『切断力』という言葉が出てきた。決断力では弱い、切断力という言葉を使った。ずるずる悪くなっている状況、みんなが見て見ぬふりをしている状況をどこかで「切断」する。それができる人は明らかに性格。切るのはだれかに小さな苦しみを与える。しかしあとで喜びを与える。その足し算、引き算ができる人」


「『偏界曾て蔵さず』。あまねくこの世界のどこにでも、真理は蔵されずにじつはあらわれている。それが見えないとすれば、それは見る側の意識と心の問題。この言葉は道元禅師が、宋の国寧波の寺の典座阿育王からきき、終生この言葉を座右の銘とした」



上記の「偏界曾て蔵さず」の言葉について思うこと。このところまた「脳科学本」にかぶれている正田ですが、「セロトニンの足りない状態(鬱のような状態)の人は、長期的報酬を考えられない。短期的報酬に飛びつく」という知見があるそうです。


「お金が足りないからコーチング研修を受けれない」「時間がないからコーチング研修を受けれない」という人は、研修の数か月後に得られる業績(お金)や効率(時間)という長期的報酬を考える力がないから言っているのかもしれません・・・
(それは、研修参加者が「学ぶ」「実践する」という要素に依存するものではあるものの、「こういう教育」を通じてしか起こり得ない好ましい変化なのです)



講演・対談終了後にはまた図々しくお名刺交換に行き、
「ミドルマネジャーの支援をしております」
というと、
「それはいい。ぜひ支援してください」
というお言葉が返ってきました。


・・・「正田のコーチング」は、このあたりの賢い経営学者の言うことと矛盾が起きないようにつくってあるのです。


ここまで書いて伊丹氏による本田宗一郎の評伝『本田宗一郎―やってみもせんで、何がわかる』(2011年、ミネルヴァ日本評伝選)を注文してしまいました。


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お世話になっている皆様




おはようございます。NPO法人企業内コーチ育成協会の正田です。


 天皇陛下が退院されました。

 「3・11」の式典に間に合わせたい、と強い決意をもって心臓バイパス手術に臨まれ、非常に経過良好とのこと。


 目標を持っている人は強い、といいますね。
 



 本日の話題は:

 

 

■初の「姫路カフェ」、凄い回になりました!


■「想定外カフェ」で考える、合理的思考法と19歳ファシリテーター


■姫路で「承認」を学びませんか?
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■初の「姫路カフェ」、凄い回になりました!


 先週は2回にわたり「よのなかカフェ」を開催しました。


 2月28日(火)、姫路・ロバスト(じばさんビル内)にて、初のよのなかカフェ「日本の企業をつながり力で変える!」。


 経営者協会、連合兵庫、そして地域の経営者・管理者の方々、アカデミズムの方々…と、錚々たる顔ぶれの14名でのディスカッションとなりました。


 こちらの記事より様子をご覧いただけます:


 「凄い回になりました 姫路カフェ『日本の企業をつながり力で変える!』」


 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51791307.html


 Ustream配信・録画もいたしました。こちらのサイトでご覧いただけます:


 http://www.ustream.tv/channel/%E5%A7%AB%E8%B7%AF%E7%89%88-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%8A%E5%8A%9B%E3%81%A7%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B


 
 今回ご参加の方の中には、約1年前、兵庫工業会でのセミナー以来不肖このメールニュースを愛読くださり異業種交流会での経営者仲間に回覧してくださっていたという方がいらっしゃいました。カフェにお知り合いを誘って駆けつけてくださいました。

 

 姫路の皆様の温かいお迎えに深く感謝をしております。


 細やかに会場設営にご協力いただいた、フレキシブルな時間設定も魅力な会場のロバストさんにも厚く御礼申し上げます。


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■「想定外カフェ」で考える、合理的思考法と19歳ファシリテーター


 
 続いて3月1日、三宮で失敗学をテーマとしたカフェ「『想定外』について、考えてますか?」を開催。


 お客様・スタッフ計11名で議論しました。

 
 「失敗学」の提唱者である、畑村洋太郎・東大名誉教授を委員長とする「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」が昨年末まとめた中間報告書をもとに、フリージャーナリスト山口裕史氏から報告。


 その後皆さんでディスカッション。



「『想定外』はコストに制約される。納得のいく合意形成を」


 何度か出たご意見ですが、シンプルにコストパフォーマンスだけを判断材料にできれば、大いに合理的な判断なのです。しかしそれを難しくする「組織」「人」の問題があります。


 最後は「人」をどうするか。

 
 堂々巡りのようですが、わたしたちが繰り返しここに立脚するゆえんはここにあります。


 「想定外カフェ」のブログ記事はこちらです

 「『想定外』に合理的判断を阻害するのは、やはり『人』―想定外よのなかカフェ 開催しました!」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51791878.html
 

 Ustream動画はこちら

 http://www.ustream.tv/channel/%E6%83%B3%E5%AE%9A%E5%A4%96-%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6-%E8%80%83%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B


(注:番組冒頭部ではマイクを使用するのを忘れたため、音声が入っておりません。開始約10分後より音声が入っています)


 「英国からみた日本の責任社会とオーバーリアクション」

 「大学教育の外部検査」

 をめぐる議論も、興味深いものでした。


 ご参加の皆様、ありがとうございました!


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■姫路で「承認」を学びませんか?
 企業内コーチ育成講座in姫路 受講募集中!


 
 今、業績を伸ばすうえでもリスクマネジメントとしても欠かせない手法「承認」。

 その「承認」を中核に据えた、NPO法人企業内コーチ育成協会の2日間講座「企業内コーチ育成講座」は、単純なコーチングではなく、忙しい現役のマネージャーの日常に活かすスキルの統合パッケージ。過去に受講されたマネージャー様方から、効果・使いやすさ・満足度いずれも、高い評価をいただいています。


 その最初の入門編「基礎コースA」は、「コーチの目、耳、心を育てる2日間」として、姫路・じばさんビルにて4月24・25日に開講します。


 詳細とお申し込みはこちらです

 http://c-c-a.jp/info2/index.php?nw2=0


 姫路で本格的コーチングを学ぶチャンス!皆様、振るってご参加ください。


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★姫路カフェにご参加くださった方々からは、その後

「承認が出来ていなくて社員の活性化がなされていない事が
はっきりわかり、反省の上、今後はトップダウンだけではなく
グループの活性化する行動をするつもりです。」


…と、熱いメッセージをいただきました。


 すべてをご紹介できず、申し訳ありません。


 正田から、ご参加の皆様にお出しした御礼のメールです:


「皆様、昨日は寒い中、またお忙しい中、
よのなかカフェにご来場いただきまして、誠にありがとうございました。

素晴らしい錚々たるご参加者の皆様にめぐまれ、
2時間半におよぶカフェを終えることができました。

(略)

大人数でのカフェでしたが
皆様が、思いのほか率直に職場で悩んでおられることをお話くださり、
また自分の言葉で語られ、
有意義な場だったと思っております。

非常にさまざまなお悩みを伺わせていただきましたが、
それらにほぼ共通する解決策が「承認」であることに
驚かれた方もいらっしゃるでしょうか。

そう、「組織」「人」にかかわる諸々のものごとの深層を1枚めくると、
はじめて現れる非常に汎用性の高い解決法、
それが「承認」です。
それは、ふだんより1段階だけ深く考えると、わたしたちの前に現れてきます。


わたくし個人は、この自分には持ち重りのするものを11年間背負って
走り続けてまいりました。

いまだに、自分がこれほど大きなものに出会ってしまったことを
信じかねております。

昨日ご来場くださった皆様が、このことの重要性に気づいていただけるなら
大きな喜びです。」






※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び
代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・
当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方に
お送りしています。

今後ご不要の方は、
空メールをご返信いただくか、こちらのページ

http://www.webcordial.com/bn/tk.html

より解除していただければ、
購読リストから外し、次回から送信されないようにいたします。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

本日からあすまで関西は激しい雨のようです。皆様、お足もとにはくれぐれもお気をつけください。


今週が皆様にとって素晴らしい週でありますよう。





*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*
神戸のコーチング講座
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代表理事 正田 佐与
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 1日、第32回よのなかカフェ「『想定外』について、考えてますか?」を三宮・アロアロにて開催。


 
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 お客様・スタッフ計11名で「想定外」「失敗学」について議論しました。フリーライター、大学教授、高校教諭、ミュージシャン、大学生と多士済々な顔ぶれ。

 ときに鋭くときにしみじみ、非常にいい議論になりました。


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 今回のファシリテーターは、史上最年少・ハルカ19歳。

 隣で「ささやき女将」になっている私。



 
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 冒頭、問題提起者のフリージャーナリスト、山口裕史氏から発表。

 山口氏は神戸新聞記者時代、阪神淡路大震災を経験し、そのとき明らかになった問題点を踏まえ昨年の「3・11」後の福島第一原発事故の経緯にも関心をもったそうです。


 同事故を受けた事故調査委(座長・畑村洋太郎氏)による中間報告書を題材に。


「日本社会には、失敗を恐れ、失敗を恥じ、失敗を隠そうとし、失敗から学ばない。明治以来欧米の真似をすることで失敗を避け、効率よくキャッチアップしようとしたため。」

「なぜ対策が不十分だったか。民間企業による自主保安だと、経済性と安全性のせめぎあい。専門分化・分業の弊害。」

「なぜ自主保安に任せたか。油断。周辺住民からの訴訟を起こされたときに安全ですと言ってしまっている。安全性を高めるために改良を加えようとするとこれまでの過去を否定することになる 」

 事故の発生とそれを初期鎮圧できず拡大してしまった経過を振り返り、

「なぜ、SA(シビアアクシデント)を想定したAM(アクシデントマネジメント)ができなかったか?」を問います。

「人は、物事を考えるときに『ここまでを考える』と、考える範囲を決める。そしてその範囲内のことをじっくりと考えるが、範囲外となったことは考えなくなる。」

――それが、事故拡大を招いてしまったのだと。


 早速会場では活発な議論。


4341


「自分の言葉にぼくも縛られていると感じる。こうあってほしいという願望。それを皆さんに納得してもらうには。」

と、高校の先生。


「権威者の言葉がひとり歩きする。みんな納得する。そして何か起こったとき想定外ですとなる。それは学校でも大いに起きる。いったい誰がどうして責任をとっていけるんですか。」


「ポジティブな予測と権威者の言葉が結びついたときに『想定外』が起きる、ということでしょうか?」


4350



「大学で『想定外』といえば、学校に行ってから休講になってたとか(笑)PHSを使っていたら電池がなくなったとか、連絡手段を確保することは大事だと思う」


と、就活中の大学生さん。


「身につまされることがある。専門のことをやっていると案外横の連絡がとれなかったり自分の専門に埋没したりする。世界的にそう、専門ばか。それに休講の話も身につまされます。英国では授業料がただだったときは休講にクレームはなかった。授業料20%負担とすると、休講のたびクレームの山。」

「日本がこんなに危ないところだと思わなかった。ヨーロッパ全体で自然災害が少ない。津波が10Mもあるとだれが想定したでしょうか。防波堤を築いたら海がまったく見えなくなるし地元に反対が起きるでしょう。」


日本の場合は反省がすごく長い。そして責任問題にしやすい。ヨーロッパは自己主張が強いです。日本は責任社会です。」


「日本は責任社会、というところが大変印象的です。昨年10月によのなかカフェへ来られたスウェーデン人研究者のアンベッケン女史も同じことを言われていました。スウェーデンでは日本のように政治家個人の責任を問うことはない、よほど悪ければ政党が交代するけれども政治家個人の攻撃にはならない、同じ人間なんだから、と。やはり日本の特徴的な現象なんでしょうか」


4345



「責任に関して思い出した。最近売っている商品にも注意書きがすごく多い。責任をメーカー側にあるという流れがあるからか。」


4342



私は昔から責任をだれかのせいにするって大嫌いだったんです。この原発事故について調査して責任を明らかにするのは大事なことですが、友達が南相馬市にいて、そこに生活している人達のことを考えたら、責任がだれにあるかなんてどうでもいい。生活の問題を解決してほしい」


「日本が責任社会だというのは違和感がある。責任逃れをする人が多いから。本質を見ようとしないのが本当ではないか。二元論で何か語って理想像を真摯に語ると言う風潮が欠落しているのではないか


「想定外についてもっと単純に考えられないか。10Mの防波堤を超えてきたらどうしたらいいの?それを考えていれば今回のことは起きなかったんじゃないの。日本の象徴天皇制は責任を負わされるためのお飾りでしょう」


「TVからの情報しか得られないが4−5年先に東京で地震が起きるということも想定内にするためだと思うが、きちっと想定してるのか、どうなんだろう」


4396



「結局責任逃れのために数字を入れているとしか思えない 想定外ってなくならないと思う どこかで線引きしないといけない その代りきちっと説明する 防波堤のために景色を犠牲にしていいか 模索しないといけない 想定の範囲内でしかないものを絶対と言っちゃうから想定外になるわけで。何か起きたとき 自分の責任範囲もあるということを 考えて生活せざるを得ないのじゃないか」


 ここで神戸新聞の松井記者登場。


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「最近の天気予報頭いいなーと思うのは 降水確率30%だとか 間違ってると言えない あれは賢いような気もします」

「パーセンテージで出すことは教育の世界でもすごく多いんです 偏差値 大学入学時は出すんですが卒業時は出さない あれば便利なのは確か あれも英国にはないんです 日本って便利な国で。日本人は理数系が得意なんで パーセンテージを出すというのは うまいですね」


「データというのを出すから想定外ということが出てくるんじゃないか」


「そうだろうか?私は絶対安全と言われるよりは、安全確率80%と言われたほうがそうかと思って多少用心する。」


「ヨーロッパは地震がないのですが テロというのはものすごくあります あれは全部想定外です テロに関しては非常に警戒を持ってます 地震については全然想定してないので 何かあったら崩れると思います」


「リスクを想定できるかできないかは コストの問題が大きくて 今日も安い飛行機が飛んだというニュースがありましたがあれもコストを抑えているのでリスクマネジメントおろそかにならないかなと」


「コストというのが際限なくあれば巨大な岸壁をつくればいいが 境界をどこかで作らなきゃいけない コストは境界を考えるときの大きな要素


想定外の問題には人的問題が入ってくる。例えば貞観年間に15Mの津波が来たことを指摘した人がいたが、黙殺した。それは絶対安全と言った過去を否定するというか、過去に意思決定した上司や先輩を否定することになってしまうから


「その通りで、報告書では経済的制約で境界が設定されるが 明示的ではなく関係者間の暗黙の前提もまた境界をつくる」 


「リスクがあるうえでいかに最大公約数的な合意形成をいかにできるかなんですけど リスク、メリットデメリット、きちんと整理したうえで合意形成すればいいのに、暗黙の前提なんかを作っちゃう。日本は同質化が顕著で違うということを受け止め合う教育をしていない 今度の原発の問題を機に いかに違いを受け止めて 質の高い合意形成をできるかだと思う


「以前(3年前)のよのなかカフェで 新インフルエンザの時 想定外というより オーバーリアクションという問題だった。コスト的にあらゆることを想定してやっていくのは恐らく無理。あらゆる部分で想定外はなくならないだろう。ただ慣れてるか慣れてないかだけで。慣れてないことに対してはオーバーリアクションになる


「想定を超えるリスクというものはあるものだ、ということを認識しておくような教育をしていくことが必要だと思う」


「英国でも専門家は凝り固まって外をみない。ただ日本と違って外部検査が頻繁にある。日本にはそれがほとんどない。原発もいわば身内検査なので、どうしても甘くなる。僕らも3年に1回外部検査を受けるがものすごくしんどい。大学の検査はまったくの外部です。文科省でもない。日本では外部検査は?兵庫県には公立高校には入ってる 私学にも2年後には入る」


「松井記者自己紹介 想定外は 折り合いをつけるということが必要なのかな 原発でも折り合いをつけることがひとつの落としどころで想定 折り合いだから絶対ではないので」


「外部検査ということについて、国家権力の横暴とかみてても外部から検査する誰かが必要だと思うがそれもたぶん癒着しちゃう。格付け会社なんかもうさんくさいし。結局個人が指標に対してリテラシーを持ってするしかないと思う」


「外部検査は3年ごとにエグザミナーが変わっていくんです。そして結果をすべて公表する。癒着をなくすために外部エグザミナーを選べないんです。そこまでのは日本にはないと思います」

「日本の場合外部検査と言わないですね。第三者評価といいます。公表はしていますが、公表したものを日本人はみないんじゃないですか」 

「原発の問題に戻りますと、保安委員会がもし完全な外部で3年に1回なり結果を完全に公表するとかすればかなりのインパクトがあると思います。大学の外部検査は他の大学の哲学の教授です。負担は大きいです。書類作成がすごく多くて。でももう100年それが続いています それがなかったら英国の大学はダメになっていただろう」


 そろそろお時間になり、「最後に皆さんから一言ずつ」お願いしました・・・


「私の最大の想定外は27歳で難病になって フルートの仕事を一時期やめていました 私自身にとっては明日が普通にやってくるということが幸せ ミュージシャンの世界はどんどん厳しくなっていく みんなそこで何とか生き残る。不安定な中でみんな頑張っているので 毎日が私達想定外 大阪市の交響楽団がこんどなくなるし、友達がそこにいます 」


「ボーイスカウトの中で「備えよ、常に」という言葉があります」

「この問題は今日すごく考えさせられました もし今福島第二原発でテロが来たらまた想定外なんじゃないか」

 
「私にとって線引きするっていうこと自体が考え方を固めてしまうことにつながるんじゃないか。それはお話を聴いたあとも私には理解できない」


「インフルエンザのときのオーバーリアクションの話。何か起きた時リアクションをしてしまい、それがオーバーになったときまたそれを修正する 融通がきくということが大事なのかなと思った」


「自分が地震がきたときやはり備えられていないな、ということに気づきました」


本日の発表者の山口さんは:

「言葉を使う仕事なので繰り返し考えたい。最近きいたことで、除染という言葉を使うとそこに汚染がなくなるような気がするが、移染といってどこかへ移すだけだということがわかるようにしたい。言葉ひとつとっても 境界を皆さんに作ってしまう


正田から

「本日は皆さん素晴らしい議論をしてくださいました。1つ付け加えたいのは、失敗から学ぶということについてこの報告書のようではなく、切実に実践している会社は少なくない、先日も工場見学に行きましたが、つねに失敗しそこから学んでいます、と言われます。そうしなかったらその人たちは死ぬんです。そういう産業界でプラスの努力をしている人のお声も聴けたら良かったと思います。この報告書は、やっぱりT電さん独特の甘さもあると思います」


一同、重厚な発表をしてくださった問題提起者の山口裕史さんに拍手。そして自分の言葉で議論に参加してくださった皆さん、100枚余りの写真を撮ってくださったカメラマン山口元子さん、そして会場のアロアロさん、ありがとうございました。


19歳ファシリのハルカも皆さんに支えられ、無事大役を終えました。


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れいによって正田の後出しジャンケン的感慨・・・


何度か「納得できる合意形成」という言葉が出ました。
正田ももちろんそれに賛成ですが、カフェの中でもお話ししたように、そこに私たちを合理的でなくする、人的要素が非常に大きく入ってきます。公開のカフェは組織っぽくない場なので、その人的要素があたかもないもののように発想することができます。でも現実の組織はそうではありません。

それは「人的要素が入るから、だから無理だ」ということを言っているのではなくて・・・

「人的要素」を、努力して小さくする、それによって「科学的・合理的判断」に近づけることが大事なのだと思います。


努力して小さくするにはわたしたちが賢くならなければなりません。

具体的には変な「面子」でものごとを考えないとか、
人間関係の摩擦を最小化するとか
(・・・そのために必要な教育研修とは、何でしょうか・・・)


「想定外」の反対は「オーバーリアクション」だ、という指摘もまた、新たな重要な気づきでした。
新型インフルエンザについてはよのなかカフェ発足間もない2009年5月に急遽取り上げ、そこに北中教授が足を運んで英国からの視点で発言されました。英国では患者発生後もすぐに平静を取り戻し報道も小さくなり、ジェル状の手消毒液が出回りました。日本の騒ぎが異常に見えた、「ケガレ」の発想にみえた、というお話。このときも非常に有意義でした。



今回のカフェはUstream配信をしました。こちらから録画を視聴していただけます:

http://www.ustream.tv/channel/%E6%83%B3%E5%AE%9A%E5%A4%96-%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6-%E8%80%83%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B


(注:番組冒頭部ではマイクを使用するのを忘れたため、音声が入っておりません。開始10分後より音声が入っています)


よのなかカフェ次回は5月13日(日)、15:00〜17:00、
テーマは「子供たちが危ない!」です。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
































 

 


 

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