正田佐与の 愛するこの世界

神戸の1位マネジャー育成の研修講師・正田佐与が、「承認と職場」、「よのなかカフェ」などの日常を通じて日本人と仕事の幸福な関係を語ります。現役リーダーたちが「このブログを読んでいればマネジメントがわかる」と絶賛。 現在、心ならずも「アドラー心理学批判」と「『「学力」の経済学』批判」でアクセス急増中。コメントは承認制です

2012年06月

 6月26-27日、姫路で2回目の「企業内コーチ育成講座 基礎コースA」を開催。


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 9名の優秀な管理者の方々が集まりました。



「どの業種も消耗戦の時代です。こういう学びを徹底的にやって組織のすみずみまで浸透させたところが勝ちます」

と2日目の冒頭に正田より。


 この回の講座では、同内容の企業内研修をそれまで2回にわたって行った企業様の最後の1班の方と、他の企業2社様の方が混在。


 「やはりオープンセミナーはいいですね。他社の方がいらっしゃると空気が引き締まります」


と、企業内研修の流れで参加された方の弁。



 お1人お1人に見せ場がありました。席替えでは教育力のある受講生さんの力を活かすよう配置を考えましたが、最終的にはどの方がどう、というのがないくらい、皆さん優れた「コーチ」でした。


 最後のワークの中でコーチ役を務めたある人に


「あなたはずうっと微笑んでいましたね。」


声を掛けましたが、その意図は


―私もおそらく同じように微笑むだろう。この志の正しい有能なクライアントさんには。―


ということでしたから。



 それでは、オープンセミナーの場合の恒例、アンケートのご紹介です。

 「公開可」のアンケートのみご紹介しています。



◆非常に良かった・非常にわかりやすかった・非常に面白かった

最も役立ったこと:
人のタイプにより承認の仕方を変える 受け止め方が違えば、理解力が変わる

気づき、すぐにやってみたいこと:
聴く事が重要で、話し伝えることはさほど重要でない。皆が話しやすい、聴き方で話します

追加で聞いてみたい点:
各ソーシャルスタイル別の接し方
※P⇒Aのように、特定させた指導の仕方、注意点など

ひとことコメント:
楽しい講習でした。吸収力が倍増してよかったです。
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◆非常に良かった・わかりやすかった・面白かった

最も役立ったこと:
話の聴き方と質問の仕方

気づき、すぐにやってみたいこと:
Iメッセージ。
部下に対して個人的にどう感じたとか今までこういったことは表してこなかった。表情にあらわれる変化を確認してみたい。

(山根琢哉様)


◆良かった・非常にわかりやすかった・面白かった

最も役立ったこと:
承認が改めて大切なことを学びました。
同じ内容を同じ職場の仲間と受けれてよかったです。(後日、課題を共有できる)

気づき、すぐにやってみたいこと:
叱る前に承認・傾聴の時間を持つことを考えてみます。

ひとことコメント:
傾聴・承認を十分に行うにはリーダーが元気(特に気力・気持ち)ことが必要です。今回のような研修にリーダーのモチベーションアップの部分をつけると尚よいのではと感じました。

(N.T様)


◆良かった・非常にわかりやすかった・面白かった

最も役立ったこと:
実習がとても役に立ちました。
実際にやってみないとわからないので、実習が多かった事がとてもよかったです。

気づき、すぐにやってみたいこと:
可能ならば、上司にコーチングをしてみようと思います。
「気づき」は、研修すべてを通してありました。
2日間を振り返ってしっかり復讐します。
(普段、研修に参加してもなかなか見返しませんが、今回は頑張ります!!)

わかりにくかった点:
「コーチング」の研修は初めてですが、とてもwかりやすかったです。

ひとことコメント:
初めは私の立場で、受講して良いものか…と不安がありましたが、先生のご配慮や皆さんの優しさで、とても楽しく受講できました。ありがとうございました。

(W.K様)


◆良かった・わかりやすかった・面白かった

最も役立ったこと:
コーチングの必要性。
今までイメージだけだったものが、現実的に理解できたこと

すぐにやってみたいこと:
人間関係づくりの承認、傾聴、質問

ひとことコメント:
コーチングの大切さを教えていただきありがとうございました。すぐにうまくいくかわかりませんが、継続してがんばっていきたいと思います。

(山村吉樹様)


◆良かった・非常にわかりやすかった・非常に面白かった

最も役立ったこと:
承認するという重要性がよくわかった。人それぞれ、価値観も立場も違う。職場で認め合う、お互い尊敬し合うということができれば自然にいい雰囲気で活気のある職場になるような気がした。

すぐにやってみたいこと:
まず家族の間でこの「承認」をためしたい。それから支店内でメンバー全員1人1人にも「承認」し、反応を確かめてみたい。

追加で聞いてみたい点:
年上の部下に対する事例をききたかった。

(神姫バス(株)社支店 支店長 渋谷克彦様)


◆非常に良かった・非常にわかりやすかった・非常に面白かった

最も役立ったこと:
承認というプロセスを経ることで相手の考え方などを深く引き出せることが理解できた。

すぐにやってみたいこと:
4つのソーシャルスタイルのどれに該当するのかを見極めつつ、各々にあった接し方を心がけていこうと考えています。

追加で聞いてみたい点:
例えば、いわゆる「問題社員」と接する場合のケーススタディなどを聞いてみたいと思います。(遅刻をくり返す、自家用車運転中に重大事故をおこした、会社の方針に一々つっかかる、など)

ひとことコメント:
少し自信をもって新しい職場に着任できる気がします。ありがとうございました。

(Y.N.様)


◆良かった・非常にわかりやすかった・面白かった

最も役立ったこと:
・ソーシャルスタイルについて
・現在の課題について(自分の)よく分かりました

気づき、すぐにやってみたいこと:
・話を聞いてやります。
・感じた時、すぐに伝えて行こうと思います

わかりにくかった点、追加で聞いてみたい点
・目標達成のための質問集
・質問のしかた

ひとことコメント:
今まで、支店の仲間になんて失礼な態度で接していたんだろうと反省しています。


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 以上です。

 素晴らしい受講生の皆様ほんとうにありがとうございました!


 また受講生様方をご派遣くださった企業の皆様、


 この講座を支えてくださったスタッフの田村聡太郎さん、じばさんビルの皆様、同ビル2Fロバストのオーナー中安さん・店長小宮さんにも御礼申し上げます。
 


企業内コーチ育成協会 http://c-c-a.jp



P.S.

講座の中でぽろっと漏らしたこと、

「分を守る、分を尽くす」

は、たぶん日頃自分自身について思っていることが出たのでしょう。

50近くになってなんの才能もなく体力もなくこんなことやってる自分。だからできることは精一杯やらなければならない。

 「厳しさ」について、引き続きお尋ねをいただくことが多い。


 一般論として「フィードバック・叱り方講座」で扱う内容のことは言える。


 ただ一般化しきれない色んな場面での「叱り」はある。これがなかなか体系化しきれなくて、一度にお話しすることはむずかしい。


 「自分の子なら、こんな場面では叱る」

というのは、わりあい言いやすい。


 以前にも何度か書いた、共感力のない某うちの娘を両親が揃って叱り飛ばして生きた心地もさせなかった、という話。


 最近思い出すのは、鬱に2度なった娘。症状のひどい時期はとにかく大事に大事に、「承認・傾聴」で話したのだが、

 治りかけで社会復帰の道が見えてきた、というときは


「あんたのために回りがどれほど気を遣ってるか知ってるのか!」


と、何度か叱り飛ばした。このあたりは本にも書いてない。


 もちろんそうしようと思ってしたわけではない、娘がそういうきっかけを作った。そういう時期に元気が出てきた娘はちょこちょこ「逸脱行為」をやったのである。弟に変な攻撃をしかけるとか。


 目の前でみてるから、どっちが悪いかははっきり分かる。


 どんな人でも、決して心根のわるいわけではない人でも、周囲が自分に気を遣ってくれる状態が常態化すると、感謝の気持ちがなくなり、自分のしていい範囲がわからなくなってしまうのではないかと思う。


 この病気の人は、闘病中に「自分中心に考えて」というメッセージをたくさん貰うわけだが、これは考えてみると「自己愛」の考え方と一緒。社会復帰していくためには幼児的な「自己愛」を脱する必要がある。


 そういうときの「叱り」は、薄氷を踏む思いである。何しろ相手は病人しかも鬱で、いつ自殺するかわからない。でも逸脱は修正しないといけない。


「親以外にだれもこんなことできないだろうな・・・」


と思いながら叱った。またお客様のもとでも鬱の事例を見聞きし、やはり復職しても自分を甘やかす傾向があるのを知ると、


「親でも、こういう時に叱る親なんて今や化石人類なのかもしれないな・・・」


と思った。



 さて、日本人は今から強くなる余地はあるのだろうか。


 例えばうちの娘たちが妊娠したら、


「妊娠は病気じゃないからね。」


 自分が言われたことは、言ってやる積りではあるが。

 (もちろん、経過が順調な場合の話。異常があればまた別。ああややこしい)




 一度に「叱り」の事例で思い出せるのはこれくらい。ときどき散発的に書きます。




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

 16日は、昼は高校PTAの模擬店手伝い、夜は大阪で上の娘の大学の保護者懇親会と、プライベートながら忙しい1日。


 保護者懇親会の前に学長も出席する大阪地区保護者説明会があったのだが残念ながらそちらには出られなかった。でも懇親会には、大学事務局の方々や就職したOGOBの方々が来られ、保護者とともに懇談した。

 
 大阪以外にも東京、名古屋、福岡、札幌で同様の説明会・懇親会がある。ご夫婦ペアで出席される保護者さんも多い。一見過保護のようだが田舎の全寮制にわが子を送り込んだ親としてはありがたく、地区としては年1回だけのかけがえのない機会。


 事務局の方とのお話が大変おもしろく、メディア的に有名な大学でも内実はこんなことが・・・とかなりオープンに話してくださったのだが、やはり「今時の若い子」の話に。


 学内カウンセリングルームを訪れる学生が今年になって増えている。去年の1.4倍。理由不明。


 キャリアカウンセリングを受ける子でも、周囲に人がいる部屋ではなく個室を希望する。個室をのぞきこみ、だれもいないのを確認してそーっと入ってくるという。


 今時の「トイレで1人弁当を食べる」とか、周囲を信じられないで不安感でいっぱいというやつなんだろうか・・・


 そういうのは決してここの大学特有の現象ではなくどこの大学でもはるかに早くからみられた現象で、ここの大学にもいよいよそれが及んできた、ということです。


 あと他大学出身の子で、せっかく自動車メーカーに総合職採用で就職したが昨年の震災後の状況で長く(9か月)工場勤務が続いたところ自殺してしまった子がいるとか。


 また「英語力」の話題になり、笑い話としてこの大学の卒業生が就職先であだ名をつけられたのが「Bちゃん」。理由は、会社で英語が「B」のクラスに入ったから。TOEICの出来がわるかったらしい。(ちなみに「A」のクラスは東大や京大出の、留学経験のない人たちだったそうだ。つまりTOEICはそういう試験なのだ)


 就職率のいいことで知られる大学だが、就職後の定着率もかなりよく、卒業生を出し始めて3年間でこれまで辞めたのは10人程度という。(1学年は150人) 


 やはり、たくましい根性を植え込んでいるということか。この大学がメディアに取り上げられた当初の1期生の子は、インタビューで「何が変わりましたか?」と問われ、「辛抱して辛抱して、やっといいことがある(正確な表現は忘れたがそんな感じの言葉)」と言ったとか。「グローバル」とか、「コミュニケーション」とかかっこいい言葉ではなかったので、大学当局も喜んだそうだ。


 席替えでOGの人(神戸の某大企業に就職1年目)が来られ、そこでは大学内の「恋愛」問題について真剣に質問攻めにあった(一番質問したのは私かも^^)。答えはないしょ。「大学で学んだことをさっそく仕事で活かせています」と、輝いている、コミュニケーション能力の高い素敵な女の子だった。



 高2の息子はクラスのステージ発表の時間をとうとう言わないで家を出たが、PTAでプログラムを配布してもらったお蔭でみることができた。クラス全員で少女隊を踊っていて壮観だった。

「一生懸命って美しいよね。なんの欲得もない一生懸命って」

などと言い、連日夜遅くまで練習していた。そうかそうか。先生に感謝。



 ひどい大雨の日だった。そして今日は晴天。


 雨も陽ざしも、富める者にも貧しい者にも平等に降り注ぐ。仕事で輝いている人にも認められない悲しみを抱いて出勤する人にも、努力する人にもそうでない人にも。


 最近そういう考えにはまっている。(無常観かな?)





神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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 公益財団法人・ひょうご産業活性化センターの「成長期待企業・グローバルの会」様でお話をさせていただきました。


 お題は今年の持ちネタ「日本の企業を『つながり力』で変える!」です。


 
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 参加者は兵庫県が今後成長を期待する錚々たる中小企業の経営者の皆様。お話ししても大変聡明な方々です。


 最初に「このロジックはまだ正しいかどうかわからないんですよ」と、皆様に付箋をお配りし、講演を前半後半と分けてそれぞれの後に議論していただきました。


 「人材育成という言葉を使うのは、私は限界を感じているんです。人材育成というと、二軍の話だろう、まだ先のことだろう、と思ってしまわれる。本当は一軍の動きがわるくなっている、このままでペナントレースを勝てるのか、というお話なんです」

と、冒頭に申し上げていつもの論法―。


 
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 なんと、わたくしの駆け出しの頃のお客様、2003年には企業内コーチの第一回のパネルディスカッションにもパネリストとして出られた英貴自動車(株)の代表取締役専務、山城雅照さんも来ておられました。山城さんはその後会社を大きくされ中古車販売の会社もつくられ、昨年には中国とロサンゼルスにも進出。

「まあ、立派におなりになって・・・」

 と、感動の再会。


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 皆様、大変気持ちよく議論し納得してくださいました。感謝。


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 このたびお声がけいただきましたひょうご産業活性化センター 前総括コーディネーターの吉岡昭一郎様、成長期待企業・グローバルの会 会長の下土井康晴様(明興産業株式会社代表取締役会長)、それに温かくご準備いただきました同センター 成長期待企業発掘・育成担当シニアマネージャーの江良泰治様ほかセンターの皆様に厚く御礼申し上げます。


 
神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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P.S.
決して体力のあるほうではないわたくしは、
これからも1つ1つのお出会いを大切にして生きてまいります。
皆様に沢山の幸せが訪れますように。

 このブログを長く読まれているかたや、古手の受講生さん方はもうご存知のことと思いますが、


 当協会方式の「承認」では、相手の才能や人格をほめることを「承認」の中に含めていません。


 たとえば受講生さんにお渡しする定番のシート「承認の種類」の中にも、人格をほめる言葉は入っていません。


 何故かというと、これも有名な心理実験で、


「あなたは賢いわね」

などと能力や性格をほめるほめ方をすると、その子どもは難しい問題にチャレンジしなくなることがわかっている。


 「賢い」と言われた自分のイメージを崩したくない、ゆえに失敗したくない、という気持ちが働いてしまう。


 そうなると、ほめたことが逆効果だったことになります。


 どういうほめ方を推奨したいかというと、「よく頑張ったね」と、相手の行動や努力をほめることであり、このようにほめられた子どもは繰り返し難しい課題にチャレンジすることがわかっています。




 当協会が「100年後に誇れる人材育成を」という言い方をするときは、やはり経済復興のために努力する「強い日本人」をつくりたい、という願いをこめて言っているので、

 ナルシシズムのために努力をやめてしまうような弱い人をつくりたいわけではありません。






 往々にして、ほめるプロ、商業教育のプロなどは、「人格をほめるほめ方」が得意です。


 (私はこういう仕事をしていますがそちらはあまり得意ではありません。なのでそういうお仕事の方々とご一緒すると居心地がわるくなり、あまりご一緒しないことが多いです)


 ほめられるとドーパミンが出る、という脳科学の有名な実験がありますが、これはよくみると人格をほめる言葉をMRIの中の人に表示して見せるということをしています。


 なので人格をほめるとドーパミンが出、嬉しい気持ちになるのだということはわかります。実感値としても人格をほめられるというのは嬉しいものです。ただし、それでパフォーマンスが上がることが証明できているわけではありません。


 「嬉しい」と「パフォーマンスが上がる」はイコールではないのです。


 パフォーマンスが上がるかどうかは、やはり今のところ行動理論、行動科学、行動分析学の実験でみます。


 そこでは行動に即した褒め方をします。


 私はマネージャーさん方が行う、美辞麗句でない武骨な承認がすきです。そうしたものが、実は一番部下のパフォーマンスを上げます。


 当協会の主催してきた「承認大賞」でも、結局そういう種類のもの=行動承認=が部下のパフォーマンスを上げ、会員のマネージャーたちからも得票し、賞をとってきました。



 ああ、今日もこれがらみの話題を書いてしまった。


 まあ、人格をほめられて嬉しくなったらそこの業者さんを採用してください。




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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 「このまま決断できなかったらただのデブ」


と、野田首相が政界の信頼する人に言われて奮起したという記事が「週刊文春」に載り。



「人を奮起させる叱り方は難しいですなあ」


 このところよく話題に上る。


 さて、ブログの読者の皆様は、

「自分、このまま決断できなかったらただのデブやで」

と言える相手が身の回りに何人いらっしゃるでしょうか。


 どんな文脈、どんな関係性のもとでそれは可能になるでしょうか。


 このあたりは当協会名物「叱り方講座」こと「企業内コーチ育成講座基礎コースB」の中身に触れる話になるけれど、


 まずは、言う相手(つまり「ただのデブ」と呼ばれ奮起する側の人、この場合は野田首相)が、強い目的意識を持っている、そのことが疑いようがないことが前提になります。


 そのへんでうだうだネットしているうちの息子あたりに「ただのやせっぽち」と呼んだって糠に釘なのです。


 かつ、上記の記事では言った側の人は「政界で野田首相の信頼する人」とあったので、

 ふだんは良識ある発言をし、是々非々でものを言い、間違っても口を開けば毎度毎度他人を「ただのデブ」呼ばわりして傷つけるタイプの人ではないことが想像つくでしょう。ふだんはこれよりはるかに親身にものを言う人だったに違いない。

 
 そう考えれば、たった1回の「ただのデブ」発言が功を奏するためには、言ったこの人は何年にもわたって「信頼」の貯金をしてきたはずなのです。


 「人を叱って奮起させるのはむずかしいですなあ」

は、いいかえれば、

「叱って奮起させるためにはたくさんの貯金を長きにわたってせねばなりませんなあ」

と、いうことです。


 というわけで、当協会のオープンセミナーの受講生様方は、引き続き「承認」に励んでくださいませ。

 
 わたくしが四半世紀前、社会人1年目にに習ったこと。犬が人をかんでもニュースにはなりません。人が犬をかめばニュースになります。


 「承認」はもう既にニュースにはならない話題かもしれませんが、幸い世間には「2020年には二宮尊徳が再来する」という説もあるようで、「報徳精神」の価値は200年の歴史を超えてかわらないのです。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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「あんた、自腹切ってるやろ」。


 2004年。もう8年も前のこと。むだに長く生きてるなあ。


 私は講師としてよんでいただいた先の異業種交流会で、企業内コーチングのパネルディスカッションのチラシを配っていた。


 前年の2003年に初めてこの種のパネルディスカッションを開催してその年は2度目。前年は、ドーンセンターの会議室で、わずか21人のお客様の前で、私たちのマネージャーのための自主勉強会のメンバーが企業内コーチングの成果を語ってくれた。その直後、1人のメンバーのもとで「1位」現象が起きた。


 「部下がこんなにも成長した。言うことの内容も変わってきた、しっかりしてきた」と、きらきら輝く顔で語った女性マネージャー。その人が副所長を務めるNTT系の80人のコールセンターが、関西12支社中サービス指標(その業種では売上に相当する)1位となった。


 翌04年は、パネルディスカッションに出席予定の生保支社長のもとで「目標達成率1位」が起きた。

 もう、前年のようなさびしいイベントにはしたくない。この話は絶対に沢山の人にきかせたい。と、張り込んで両面カラーのチラシを作った。会場は大阪国際会議場のホールを除いて一番大きい会議室。この年のお客さんは72人だった。


 そのチラシを受け取った、異業種交流会のメンバーのある経営者さんが、冒頭の言葉を言ったのである。

 ・・・実際そのとおりで、当時は任意団体と個人事務所の2足のわらじだったが、どちらもかなりのどんぶり勘定で、個人事務所の売上を任意団体に湯水のようにつぎこんでいた。(注:今はNPO会計はきびしいので、ちゃんと経理の人に記帳してもらい税理士の先生もお願いしてやっています)


 この経営者さんはすぐイベントに参加のお返事をくださった。

 ちなみに、著書や小冊子に登場する現関西国際大学准教授で当時は地銀支店長だった松本茂樹さんが「企業内コーチング」に初めて触れたのはこの回のパネルディスカッションのときのこと。

 ご本人は認めていないけれど、やはり同じ業種の支社長さんが支社の営業マンを活性化させた話は、相当インパクトがあったのではないかと思う。松本さんはその後6か月、6回にわたるコーチング講座を多忙の中を縫って受講し、1年後には見事「優秀賞」、その地銀の地方支店カテゴリーの中のトップ支店を獲得される。さらに翌年は「目標達成率150%」と「金融検査優秀成績」というおまけをつけて。


 コーチングは、ちゃんとやれば必ず成果は上がる、理論上は。ただ、マネージャーさん方をどう本気で動機づけしてもらうかが大事なのだ。



 閑話休題、

 冒頭の経営者さんからその後、「盛和塾・神戸」へのお誘いをいただき、ありがたく入塾させていただくことになった。


「動機善なりや、私心なかりしか」。

 西郷南洲の言だという、盛和塾でよくいわれる言葉は以後自分がなにかをするときつねに座右の銘となってきた。

 コーチングと、分野は違えど志をもって仕事をすることが自分を強くしてくれると思ったのだ。

 理念経営の重要さもわかり、フィロソフィのような微に入り細をうがちというものではないが、

 4項目のミッション(現在はそれに4項目の行動規範を追加)からなる任意団体の理念をつくり、それについてはメンバーから「ボトムアップで」という声もあり残念がった声もあったようだが、了承してもらった。

 あまりにも小さく若い組織であり、かつ教育の団体であり、いわば「建学の祖」の想いがすべてである組織というものもある。それは世間の大企業が意識改革のために理念をつくりなおす作業とは少し違うであろう、という思いがあった。

 ・・・残念ながら数字(と整理整頓)には異常に疎い私は、「実学経営」のほうはとんと身につかなかった・・・


 以来8年。さまざまな迷いのすえ、今春、私は盛和塾を退塾し、塾生ではなくなった。


 その理由はあえて書かない。


 誘ってくださった経営者さんは神戸の重鎮の1人であり、申し訳ないとは思ったけれど。


 本当はもっと早く辞めたいと思っていたが、その経営者さんのお気持ちがありがたくて踏み切れなかっただけだった。


 
 ダイヤモンド・オンラインに興味深い記事が載った。

 「日本航空の株式上場は本当に正しいのか」
 http://diamond.jp/articles/-/19743


 経営学(や、人材育成)の世界でよくある論理上の誤り―

「原因帰属の誤り」

「暗黙の前提の見落とし」



 詭弁からは距離を置きたい。

 今年、人の助けを得て学術調査を始めることになった、そのことは本当に有難い。


 上の記事でJALの競合であり、不公正競争の一方の走者とみられているANAは、昔から「承認のマネジメント」をすることで知られる。


 拙稿「企業内コーチ育成のすすめ」の以下の記事を参考にしていただけると幸いです:

 「ある女性マネージャーの闘い―企業文化を変える難しさ」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa-column/archives/349461.html 


 「『期待の言葉』はなぜ人を動かすのか―今年の承認大賞事例より(2)」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa-column/archives/1314405.html




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

 

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