正田佐与の 愛するこの世界

神戸の1位マネジャー育成の研修講師・正田佐与が、「承認と職場」、「よのなかカフェ」などの日常を通じて日本人と仕事の幸福な関係を語ります。現役リーダーたちが「このブログを読んでいればマネジメントがわかる」と絶賛。 現在、心ならずも「アドラー心理学批判」と「『「学力」の経済学』批判」でアクセス急増中。コメントは承認制です

2012年08月


 メールニュースで「叱る」「叱られる」どんな思い出がありますか?と、問いかけたところ、

 さっそく、大手OA機器メーカー営業所課長の柏原直樹さん(37歳)より、レスポンスをいただきました。

 ご了承をいただいて、掲載させていただきます:


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正田先生


いつもお世話になっております。C社の柏原です。
暑さがまだまだ厳しいですが、お元気ですか。
いつもブログ読ませていただき、色々な気づきがあり
勉強させていただいております。

先生が以前のいじめの事に書いてあるところで、

人は「場」次第で良くも悪くもなる存在であり、
「場」をどういう性格に保つかは、場の主宰者次第

という言葉に私も課員や事業所をまとめている立場として
自分の責任の重さと影響を改めて考えさせられました。

又、責めて終わりにする風潮、それでは永遠に問題は解決
しないだろうって書かれてる事にはそのとおりだなぁと
思って私は解決する側になりたいし、課員や家族にも
そのようになってほしいと思いました。

今回の叱るについてブログを読んだ感想です。
つたない文章ですが、読んで思った事です。

私は永井さん、中川さん、正田先生に出会うまで
叱るではなく感情的に怒っていました。
今はなぜその事を伝えないといけないのか分かって
言わなければならない事を信念もって言える事と
相手の良さを認めたうえで伝えています。
私の表現がへたくそで口が悪い為みんなに申し訳ないと思っていますが
叱る事は遠慮無く行っております。

あと私が叱られた当時を考えた時に、申し訳ないですが
人をみてた所がありました。
この人に叱られるなら素直に聞こう、この人に認められたい
って思っていました。
部下達が素直に聞ける大事なところはコミュニケーションですが
特に先生の承認のコーチングではないかと思っています。
叱る側は承認の力のある人になるように、普段(仕事でも家庭でも)でも
変わらない態度と自分自身を磨く努力をしないと
いくら正しい事を伝えて叱っても相手に伝わらないなと思います。

叱れない親と上司が多いとの事ですが、先生の承認のコーチングが
もっともっと広まったらいいのになっと改めて思うのと
何かお役に立てれたらと思っています。


下手な文章ですみません。
これからもご指導よろしくお願いいたします。


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 柏原さんありがとうございます。「一部抜粋で」と言われていたのですが全部掲載してしまいました。

 しばらく「じいん」となって、すぐにはお返事が書けませんでした。お忙しいかたわら大変心のこもった、柏原さんの人柄そのままの真っ直ぐなてらいのないメールで。


 こういう柏原さんであれば、きっと今も営業所は上手くいっていらっしゃるだろう、という安心感とともに。


 正田からのお返事です:


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 柏原さま


いつも、こちらこそお世話になっております。
またこのたびは、お忙しい中、心のこもったメールを下さり
ありがとうございます。とても嬉しかったですよ。

柏原さんの今回のメールに大変力をいただきました。
前にもお話したかもしれないけれどマネージャーさんにも色々な人がいます。
ブログやメールニュースでお伝えしたようなことを、
自分には関係ないと、鼻で笑うような人もいます。
(略)

柏原さんのように現場で日々課員の顔を見、人をまとめる努力をされている方から
こうして賛意を表明していただくと、本当にほっとします。
ちゃんとこういう方がいらして、
その方々に役立ちたいがためにこの仕事をしてるんだと・・・、
すみません、感謝をお伝えしながら自分の話になってしまっていますけれども。

現場にいると、日々心動くことがあると思います。
言い過ぎたと思うこともあるだろうし、
あとで何度も反芻して悩まれることも多々あると思います。
お客様に近ければ近いほど、きっとそうした心の浮き沈みを経験されるので
柏原さんのお歳で日々ご自分を律して過ごしておられるのは
本当にご立派なことだと思います。
(略)


企業内コーチ育成協会 正田

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 本当、現代はなんとモザイク状に、人が分布していることでしょうか。

 昔もやっぱりそうだったのでしょうか。


 柏原さんが書かれていたように、「承認」は結局は大事ですし、

 それから

「普段(仕事でも家庭でも)でも
変わらない態度と自分自身を磨く努力をしないと」

と言われていたのは、

 まさしく!と言う感じで。


 どこでも誰に対しても態度を変えない、というのは
リーダーシップやコーチングの世界で、「統合性(integrity)」といいます。

 人格的成長の最高の到達点、のように言われます。


 教えられてできるものではないと思うけれど、柏原さんはすでに心がけておられる。さすが。


 

 柏原さんありがとうございました。またこれを励みに精進させていただきます。




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

 

お世話になっている皆様



 おはようございます。
 企業内コーチ育成協会の正田です。



2030年時点の「原発ゼロ」を望む声が政府の行った意見公募や意見聴取会の会場アンケートで87−81%に上ったとか。このほか討論型調査(テーマについて一定時間討論し考えを深めたあと調査をとるもの)では討論前と討論後で、「0%」の支持が41%→47%に増えた、といいます。


 専門家からは調査が準備不足だとの声もあります。一方で毎金曜に首相官邸付近で行われる反原発デモ。先週金曜には10万人(主催者発表)に膨れ上がりました。身近でも、NPOの発行するメルマガには反原発ハンスト参加への呼びかけが載っています。


 専門家によっては、「地球上の化石エネルギーはあと1000年はもつ。どんどん電力を使いましょう。地球温暖化は今がピーク、自然サイクルのこと」という楽観論も。一方でこの夏の猛暑、そして北極の氷面積が減ったとの報道もあり、CO2のことを気にしないでいいのかな?と心配にもなります。


 さて、何を選択すればいいのでしょうか―。

 ともあれわたくし正田の現実は、自宅作業のときはエアコンをつけっ放しの毎日です。
  



※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させ

ていただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。ご不要の方は、メール末尾にありますURLより解除いただくか、このメールに直接「不要」とご返信ください。




 本日の話題は:



■「褒める」と「叱る」どう思いますか?
 褒めるブームの蔭に、叱れない親と上司



■兵庫工業会 第30回管理監督者大会の講師に正田が登場します!



■今後の講座予定
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA(10月23日、24日)


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■「褒める」と「叱る」どう思いますか?
 褒めるブームの陰に、叱れない親と上司


「仕事は感情でやっちゃダメなのよ」


 ある日、年配の女性経営者さんが言われました。

 どういうことかというと、「若手管理者が部下を叱れない」というお悩み。

「仕事ではしなきゃいけないこと、してはいけないことがあるの。管理者になったら叱って指導しなきゃいけない。それを感情で『したくないから』とか言ってちゃ、ダメなのよ」


 なるほど、そんなに「叱れない」は今、ポピュラーなお悩みになっているのでしょうか―。


 昨28日付読売新聞生活面では、「『叱る』ためらう上司・親」「パワハラ恐れ指導敬遠」の記事が大きく載りました。
 このメルマガ読者のかたで、お読みになったかたもいらっしゃるでしょうか。


 そこでは、「部下の話は、きちんと傾聴するよう厳しく言われていますよ」「無責任な言い訳ばかりで腹が立つこともありますが、じっと我慢ですね。パワーハラスメントで訴えられたら大変ですから」と自嘲気味に話す課長さんなどが登場します。


 
 「褒める指導」数年来ブームです。また少し上の世代のかたにうかがうと、「親業」というのをご存知のかたも多いです。「親業」は心理学の行動理論からきているのですが、そこでは「褒める」を強調するかわり、「叱る」についてはっきり位置づけているとはいえません。


 一方でビジネスの現場ではミスがお客様に大きな迷惑をかけたり、会社にとって致命的になる場合があります。「叱れない」では、規範を維持できず、会社にとってたいせつな価値まで損なってしまうかもしれませんね。さて、どうしたらいいのでしょうか。


 わたくしの経験では、「褒める指導」あるいは「コーチング」もそうなのですが、親御さんや上司のかたがこれらを学んだとき、
「相手と良い関係を保ってコミュニケーションをとる」
ことに気をとられるあまり、「叱る」ことがおろそかになる例は多いです。


 心理学では、「叱ると相手は萎縮し、あるいは反発し、決して望ましい行動はとらない」ということが言われます。しかし、「教育」としてはどうか、あるいは「倫理道徳」としてはどうか、と別の視点で考えてみる必要もありそうです。


 ここは、読者の皆様にお尋ねしてみたいと思います。「叱ったこと」「叱られたこと」どんなご経験をお持ちですか。ぜひ、お聞かせください。

 ご意見・体験談は メール info@c-c-a.jp まで。(本メールへのご返信で結構です)
 


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■兵庫工業会管理監督者大会の講師に正田が登場します!



 兵庫のものづくり企業を支援する、公益社団法人兵庫工業会様の第30回管理監督者大会(1泊2日)。

 今年は、来る9月12日(水)〜13日(木)に、三洋電機株式会社塩屋研修センターで行います。

 今年は2日間とも「マネジメント・組織づくり」に重点を置いた内容。1日目の分科会の1つを、わたくし正田が「コーチング(承認・ほめる)」として、担当させていただきます。


 製造現場のリーダーの方にとっては、部下を伸ばすうえで「褒める」ことも大切なのですけれども「規律を維持する」「最高の品質を追求するために、あえて減点法で指導する」ことも求められます。

 
 「褒める」だけではなく「厳しさ」も包含する、それらを一貫した軸で行う「承認」というコンセプト、手法が、リーダーの皆様にお役に立つことを願っております。

 詳細とお申し込みはこちらのページより行ってください:

 http://www.hyogo-ia.or.jp/training/index.html


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■今後の講座予定
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA(10月23日、24日)




 引き続き、現代の諸問題を解決する力のある優れたリーダーを創る「企業内コーチ育成講座」を、姫路にて開講いたします。

 ここでは、最重要スキル「承認」のほか、リーダーの決断力を高める「質問」、情報収集力を高める「傾聴」をお伝えし、それぞれをしっかり身に着けていただくとともに自在に組み合わせて使っていただけるようになることを目指します。

 下記をご参照いただくほか、もし「私の町で開催してほしい」というご要望がありましたら、極力お応えしたいと思います。その場合は info@c-c-a.jp まで、メールでお知らせください。




★10月23日(火)・24日(水)
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA
 〜コーチの眼・耳・心を身につける2日間〜
 各日10:00〜17:30
 姫路・じばさんビル会議室
 受講料42,000円
 詳細とお申し込みは ⇒ http://c-c-a.jp/info2/index.php?nw2=0

 「承認」「傾聴」「質問」と、基本の3大スキルを実習を交えてじっくり学べ、
 これだけで職場のコーチングは十分こなしていただけます。
 中でも「承認」は一般的なビジネスパーソンの常識を覆す学びとなることでしょう。
 すべての管理者、経営者、部下・後輩をもつ立場の人にお勧め。


 皆様のご参加をお待ちしております!!


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★去る7月、「安全」と「サービス」そして「承認」について語ってくださった、全日空(ANA)客室本部長・河本宏子氏へのインタビューをホームページに掲載しました!
 まだご覧になっていなかった方、この機会にぜひご覧ください。

 http://c-c-a.jp/kyoukai/interview.html





※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び
代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・
当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方に
お送りしています。

今後ご不要の方は、
空メールをご返信いただくか、こちらのページ

http://www.webcordial.com/bn/tk.html

より解除していただければ、
購読リストから外し、次回から送信されないようにいたします。


※このメールは転送歓迎です。
もしこのメールを新たに購読ご希望のかたがいらっしゃいましたら、
info@c-c-a.jp まで、「メールニュース希望と書いて
お申込みください。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!



 やっと、夜には少し涼しい風が通り抜けるようになりました。

 今週後半には関西も25度以上の「熱帯夜」を脱する日もあるようになるとか。

 秋はもうすぐ、と信じましょう。

 皆様にとって素晴らしい1日になりますよう。



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神戸のコーチング講座
特定非営利活動法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
代表理事 正田 佐与
----------------------------------------
Email:info@c-c-a.jp
TEL: 078-857-7055 FAX: 078-857-6875
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ブログ「コーチ・正田の 愛するこの世界」
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「承認大賞2011プロジェクト」
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「企業内コーチ育成のすすめ」
(株)帝国データバンク社『帝国ニュース兵庫県版』
2008年〜2012年 長期連載このほど完結
http://blog.livedoor.jp/officesherpa-column/
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26日は、姫路師友会で会長の田中昭夫先生による「人物に学ぶ―春日潜庵」のご講義。


春日潜庵(1811-1860)という人は、19世紀の京都の漢学者(陽明学者)。維新の思想に深い影響を与えたとされます。


この日は資料-10として「幕末・維新前夜年表」 B4・5ページにわたるものをつけてくださいました。

江戸期のはじめから国内のうごきが幕府・朝廷・水戸学・勤王諸般 と分かれ、左端には西欧列強のうごきが載っていて、江戸期をつうじてロシアはじめ西欧諸国が日本にチョッカイを出してきた歴史と国内の動向が如実によみとれます。

こういう資料ははじめてみました。大変な労作とおもいます。


途中、春日と10数年手紙のやりとりを続けていた森田節齊という人物が訪れてきて明け方まで飲んだ。節齊は帰り道に千鳥足で帯剣を落として気がつかなかった。それを七言絶句の漢詩に詠み、塾生と戯れている。


と、酒飲んで剣を落としてそれをネタに漢詩を詠む、むかしの人は剛毅で教養があったんだなと思いますが、このくだりを田中先生が得意の朗々たる詩吟で披露してくださいました。


2012年8月、人道地に堕ちた時代にあって、姫路「サラト」社の会議室で30数名ほどが集まり維新前夜の漢学者について学ぶ。

なんだか目の奥に焼き付けたい一瞬でした。


「聖学を修むれば、賢は賢なり、愚は愚なりに人物が出来る。」(「金鶏講堂餘録」)



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「脱原発依存を『過半数の国民が希望』
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201208280123.html


「討論型世論調査」 というものを今月4,5日に政府としては世界で初めて行った。読売新聞などによると、その結果「脱原発依存」の意見が41%から47%に増えたという。

討論型どんなやり方をしたんだろう。とても興味津々。


上記の記事によると、世論調査は固定電話にかけて行うため、固定電話をほとんど持っていない20代の意見がとりこめていない。20代では、原発現状維持派がわりあい多いのだそうだ。


「うちの息子(現在16歳)」みたいなひとたちなのかなあ。

よのなかカフェにもなかなかこの世代を巻き込めないでいる。何かきっかけがあるといいのだけど。


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読売新聞では、「『叱る』ためらう上司・親」の記事。


早晩そういう話になると思っていた。

「行動理論」や「親学」では、「叱る」ことを上手く位置づけていない。

行動理論では「罰」は反発心を生み良くない、と否定的なのだが、
それを例えばビジネスにまったく応用できるかというとそうではない。

それは教える側教えられる側に截然と距離があり、
生徒が先生に共感できていない、
もっというと、
「なぜ、これをやってはいけないのか」
を、自分ごととして考えられていない場合なのではないかと思う。

ビジネスに入ったら、
たとえばお客さんを失ったらくいっぱぐれになる、
「会社の死」になり、
それがイコール「自分の死」につながるかどうかわからないが、
困る。

いずれにしても、
指導する側にまずは「褒める」を含む「認める」を植えつけ、
その次の段階で「叱る」ことも行動に取り込むよう計らう必要がある。

結局人を指導するということは、トレーニングが要るのだ。
それも短時間のではなく。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


 NHK「週刊ニュース深読み」の中の特集「STOPいじめ」をぼーっと見ていた。

 記憶を頼りであまり正確ではないが、尾木直樹さん他数人の識者のかたが次のようなことが述べられていた。(間違っていたらごめんなさい)


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・今のいじめはネットを使った「サイバーいじめ」の形をとる。被害者と加害者が早いスピードで入れ替わる。今の子は「親友に本音を話せない」という。

・ケータイへの依存度がすごい。防水ケータイも普及。「風呂に入ってるとき話やメールができなかったら困るから」。逆にそこまでのめりこんでいたケータイをいじる回数が減ったら、いじめられているサインかもしれない。あまりにもひどいメールが入ってきて見るのが怖くなるから。

・今、高校生でケータイ普及率95%。中学で40%代、小学生で15%。高校にケータイが普及したとき爆発的に高校でいじめが起こった。今からは中学だろう。


・何かの調査で小学生から高校生までを調査したところ、9割の子がいじめに何らかの形でかかわっていた。いじめるか、いじめられる側になっていた。

・アメリカでは去年マサチューセッツ州でいじめを苦に女の子が自殺すると、大問題になり、3か月後には同州で「いじめ撤廃法案」が可決された。その後続々と追随し、今では全米30以上の州で同様の立法がされている。日本はいじめに対する認識が甘すぎる。

・兵庫県川西市では10数年来「子どもの人権110番」を市長直轄でつくり、心理士や弁護士などが入っている。いじめの訴えを受けると学校との間の橋渡しをする。学校がいじめを否定しても、「いや、それは第三者的にいじめですよ」と言ったり学校への勧告権をもつ。ある程度機能している。

・教委がいじめを隠す例は多い。教委の6割以上の職員が教職員で、現場に戻ることも考えられ、かばい合いになりやすい。

・先生の事務仕事がどんどん増えている。子どもの成績評価も、点数以外に提出物が遅れた回数、挙手の回数など根拠が細かくなって書類仕事になる。報告書類。備品を何をどれだけ使ったとか。そして教員免許更新のための研修。子どものほうを向いている時間がない。

・学校の評価制度、教員の評価制度、それぞれが、いじめを隠す要因になってしまっている。いじめがあったら評価が下がる。だから先生は知っていても1人で抱え込む。助け合い教え合うようにならない。

・子ども同士だけではなく先生に対するいじめもある。「レイプするぞ」などという匿名メールが来て、子どもからきたか同僚から来たかわからない。そうして孤立する。


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 なんと、くらい現状認識のオンパレードでしょうか。

 最後に尾木さんが、「生徒会を機能させ複数人で『この学校にいじめを起こさせない、みんなが安心して登校できる学校に』と呼びかけるしかない」と提言していたが・・・、


 くらい現状認識を徹底させたうえでの提言なので、そう的を外していないように個人的にはおもいました。決してポジティブで言っているのではない。(ちなみに「複数人で」と強調していたところに、以前ブログでご紹介した、『心でっかちな日本人』(山岸俊男)の影響を見いだせなくもない。「場」の変革には複数人の声が必要です)


 見ながら連想していたのは、恐らく既に社会人の若い層にも蔓延しているだろう「いじめ体質」そして「悪口体質」のようなもの。

 悪口を言うことが日常化し、「人の悪口を言うのは悪い事だ」というまともな倫理が通用しない。とにかくサイバー上で文字情報として回ってくるから。そして「被害者になるくらいなら加害者になれ」という原則があるから。

 
だから、上司世代も「どんな悪口を回されるかわからないからこの世代の子を叱りたくない」という。これは直接きいてはいないが河合薫さんの本にありました。

 叱られた不快感を「悪口を言う」ことで処理していたら、それは無反省な、成長しない子だろうな。


 また、大学教育関係者などがいう「うちにくる子は大人しい」という言葉。「おとなしい子」というのを、ひょっとしたらいじめの影響を疑ってみるべきかもしれない。「出る杭は打たれる」を徹底して経験してきたら、「おとなしい人格」が出来上がるかもしれない。


 ここでまた、「日本はいじめについて認識が甘すぎる」という尾木さんの言葉がリフレインする・・・



 嫌な現実を目をそらさないで見よう。下り坂のこの時代、そういう精神で当たるべきなのだ。

 やみくもにポジティブな、景気のよい提言に逃げてはいけない。

 日本人はいつから、こんなにポジティブになってしまったんだろうか。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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 今月10日に林義記さんの介護施設で「承認研修」をさせていただき、その宿題と事後レポートが届きました。ずっしり。



 コーチング研修は何度目かです、とレポートに書いている方もおられましたが、それとは別に、今回のきわめて時間の限られた研修、そして宿題には真摯に取り組んでいただき、


 そして、成果を出してくださいました。


 なんだかんだ言って、コーチング研修で「成果を出す」というとき、第一歩の成果は承認がもっとも手っとりばやいのではないだろうか。


 いつもの「共有ファイル」を作り、ご返送しました。

 林さんが宿題と事後レポートにつけてくださった送り状には、こうありました:


 
研修以後、施設内では承認の言葉の量は、増えていると思います。まだまだ各自が「承認使い」にはなれていませんが、参加したスタッフの間で「承認」という言葉が共通言語になっています。

「さっき、承認してみたんだけど」「それ承認やん」「承認って難しい」といった具合に、普段の会話の中に「承認」という言葉が使われるようになっています。

 このような変化の芽を枯らすことなく、育んでいくこと、行動で続けていけるように、私自身、「承認」の出し手になることを続けていこうと思っています。(林さんの送り状より)



 いいですねいいですね。「承認」という言葉は、行動を伴わず言葉だけ残ったら、それは研修失敗だったということ。皆さんが実践していて、それをまだ無意識に出る状態ではなく意識して使っている段階だから「承認」という言葉も出る、というのが望ましい。大変素晴らしいお取り組みぶりではないでしょうか。

 
 ひとつの施設丸ごとで「承認」が飛び交うようになったら、それはどんな素晴らしい施設でしょうか。


 林さんの施設にお役に立てて、良かった。

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 こんどは、『もっとバカはなおせる―最新脳科学で頭が良くなる、才能が目覚める、長生き健康になる!』(久保田競著、アスキー・メディアワークス、2010年3月)という本を読んでいます。


 こちらは脳科学の権威(京大名誉教授)の本で、遺伝学ではなく脳科学だと、かなり「環境論」つまり後天的努力で人はいかようにもなる、という論調です。


 それについて反論も湧くのですがそれはさておいて、

 この本では「人を育てる」という行為が、育てる側の人、いわば「コーチ」「教師」のほうの頭も良くする、というお話が何度か出てきます。いわくおとしよりの認知症治療で小さい子やペットのお世話をさせると良い治療効果がある。人を褒めたりして育てることは、相手から良いフィードバック(成果)が返ってくるので育てる人の脳の報酬系も活性化され、意欲が湧いたり頭が良くなる。


 みなさん、おききになりましたか。

 これは経験とも合致していることで、これまで会ってきた、おこがましくもお育てしてきた企業内コーチの方々は、人を育てる能力があるだけではなく、非常にあたまがよかった。情報を広く求め、得た情報をバイアスなく正確に評価し、良いことも悪いことも、それに基づいて判断する力があった。


 もともとそういう人だからこういう学びに身を投じたのかもしれないけれど。


 承認がそれをするご本人の脳をどう変えるか、わたし的には興味ぶかいテーマなのです。利他的行為ではあるが、ご本人も恩恵を受けているはずです、回りまわってではなく、ダイレクトに脳に良い変化をもたらす、という意味で。


 ・・・でやっぱり、「やめると落ちる」というのも思います。 スポーツや語学の勉強と一緒で。
 企業研修でご一緒した人としばらくぶりに会って話すと、認識の盲点が増えている、情報の評価能力が落ちている、とか。



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 ANAの客室本部長、河本宏子さんにインタビューのお礼でお菓子をお贈りしたところ、

「この度は、憧れの「つまがり」のお菓子をお送りいただき、ありがとうございました。皆で楽しみながら、頂戴いたします。」

と、丁寧なお礼のメールを、たぶん届いたその場のタイミングで、いただきました。

 良いもの美味しいものは沢山ご存知でいらっしゃるだろうに。なんと品の良いお礼の表現でしょう。

 また改めてANAのファンになってしまいました。


神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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 『遺伝子の不都合な真実―すべての能力は遺伝である』(安藤 寿康著、ちくま新書、2012年7月)という本を読みました。


 本書では、行動遺伝学(教育学の一分野)という立場から「行動にはあまねく遺伝の影響がある」と言い切ります。


 これはこの分野特有の「ふたご研究」―多数の一卵性双生児を調べ、別々に育った場合と一緒に育った場合である行動が似るか、似ないかをみて、別々に育った場合にも似ていることが統計的に確かめられれば、その行動には遺伝の影響がある、と考える―からわかったもの。

 
 たとえば

 
読書時間、家庭での勉強時間、勉強への意欲、テスト問題が解けなかった時に後からよく考え直してみること、運動をする、朝ご飯をきちんと食べる、毎日歯を磨く、教会やお寺に行く、選挙に行く、どの政党に投票するか、職業選択、職業満足度、職場の雰囲気を良いと感じる、何か問題が起こった時の対処の仕方、部屋の散らかり具合、人気者の友達がどれくらいいるか、離婚、初めてセックスした歳、タバコやお酒への依存、不倫や性の放逸、麻薬に手を出す、麻薬中毒になる、人生に幸せを感じる度合い、同性愛、殺人、強盗、非行、そして収入・・・・



 これらがすべて、行動遺伝学の研究で少なくとも25%以上の遺伝の影響が報告された、といいます。


 著者の安藤氏はもとはバリバリの「環境論者」―遺伝は決定的でない、環境(教育)によって人はいくらでも変わり得、それによって社会問題は解決し得るとする―でしたが、研究につれてあまりにも多くのエビデンスが遺伝の影響を指し示すので、遺伝論者にくら替えしたといいます。


 そして、「遺伝の影響」を強調すると、当然「優生思想」と同じことになり、ナチが犯した過ちを繰り返すことになるのか、ということにも繰り返し良心的に言及しながら、

 現実に今、多くの遺伝子検査が商業化され、出生前遺伝子診断、着床前診断も可能になり映画「ガタカ」の世界が現実になりつつある。

 そのことを踏まえれば、遺伝の影響、操作の可能性、そして社会がとるべき態度というものを論じていかざるを得ないだろう、という立場をとります。


 この本はこうして、「遺伝と教育」の問題に踏み込んでいきます。すべてが遺伝に影響されるなら教育は無意味ではないのか?「学業成績」はとくに遺伝の影響があらわれやすい分野だといいます。

 
 実際に、現代日本にあるようなマスの教育は、遺伝による差別を助長しやすい仕組みに既になっている、と著者。

 そして「イチロー」を例にとり、野球の才能にすぐれたイチロー(もちろん「努力する」ことも才能の一種として)と、野球場のトイレを毎日きれいに掃除する人の間には、互いに相対優位の才能を使って補いあうことで、「互恵的利他性」が成り立っている。

 ここにロールズ(マイケル・サンデルが引用する政治哲学者)の格差矯正の思想が出てきます。


 
生まれつき恵まれた立場におかれた人びとは誰であれ、運悪く力負けした人びとの状況を改善するという条件に基づいてのみ、自分たちの幸運から利得を得ることが許される。



 「遺伝的に優れた人は遺伝的に恵まれない人を助けねばならない」

 
 これが人間社会で既に成り立っている、ということになります。

 ノブレス・オブリージュの思想、とでも言いますか。




 なお、「教える」という行為は人間だけのものだそうです。チンパンジーなどには「模倣学習」はある。子どもが大人のしている行為を真似することはあるが、大人は子どもの学習のためにお手本を見せたり、説明したりほめたりしかったり、という行為をしない。「背中で教える教育」という、厳密には教育といえないことだけをしている。お手本をみせ説明をし、・・・という「積極的教示行動」をするのは人間だけです。


 そこで学校教育が遺伝の影響を受けやすい「一般知能」だけを教え評価していることへの話になります。


 本来ならば、一般知能だけではない膨大な遺伝的なバリエーションによって、学習経験の中で時々刻々表現しているはずの遺伝的才能を教師がみつけて評価し(まともな教師なら日々していることですが)、本人も徐々にそれに気が付いて、それらを利用して学習者ひとりひとりにとって夢のある人生、そしてその夢を現実に追うことが他の人の果たせない夢をかなえることにもつながる人生の物語を作ることのできる文化的知識の蓄積がなされなければならないでしょう。(p.221)



日々の対話や営為を通じて、子どものその子だけの才能を見出し、それが発現するよう機会を与えたり励ましたり。

 ごくまれにそういうことのできる先生に出会って「夢を実現できました」という幸運な人に出会います。


 しかし本来「一般知能」に恵まれて努力して一流大学に行ける一群の人を除けば、人口の多くを占める人びとについて学校や先生ができることは実はそういうことではないのでしょうか。

 それは人の多様な個性への理解や見出すまなざし、「一般知能」だけではない幅広い教養、そして本人の心に火をつける情熱、といったものを持ち合わせたきわめてすぐれた先生ということになりますが。


 
 さて、そういう先生に巡り合えず、またひょっとしたらスポーツや音楽といった、比較的見出しやすい才能や個性をもたなかった膨大な人が企業社会に入ります。


 あとは「上司」との出会いがものを言います。


 ノブレス・オブリージュとしての「承認」、そして「コーチング」。わたしの頭はまたここに戻ります。

(もちろん、ハイパフォーマー同士でもそれらは必要なんですが、もっと切実に必要な側面があり、それはハイパフォーマー側は気がつきにくい、ということです)



 全体的に真摯で良心的なトーンに貫かれている本書のこの一節、


 
私たちを生かしているこの社会を構成する知識の総体を、私たちのもつ遺伝的多様性の総体が、ひとりひとりにあらわれた遺伝的条件の利己性を満たしながら学習し、全体として互恵的利他性を発揮し合い、つぎつぎに起こる社会的問題の解決のためにその都度使い、社会全体としてのバランスをふだんに取る工夫をしつづけていく必要があります。(p.223)



大事なのはあなたが、知識を使えるような形で持つこと、そしてそれを実際に使うことでなければ意味がありません。少なくとも、そのための学習がいつでも自由にできる制度、しかるべき教師(専門の職業教師はもとより、人は教育的動物ですから、あらゆる人が教師になることができます)が教育による学習に関われるような文化の創出を工夫し続ける必要があると思います。それが教育のなすべき課題です。そして、そうしてなされる行動や仕事への評価や報酬が、著しい不平等感や不公正感を生み出さないような社会的・経済的制度の探求も必要です。(p.225)




この苦渋にみちた結論部分はとても心に響きます。

 きっと私自身こうしたことを漠然と意図しながらやってきているのだ、という思いと、周囲にいる名もなき「教師」―プロ、アマ問わず―の方々がこの時代に見せる高貴な振る舞いと。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


 




 

 


 


お世話になっている皆様



 おはようございます。
 企業内コーチ育成協会の正田です。


 夏も後半になって、竹島・尖閣諸島と、近隣諸国との国境問題が頻発しています。

 大統領が上陸、市民活動家が上陸、などのニュースをきくと、嫌〜な気分になりますが、今日の日経新聞「春秋」にいい文章がありました。

「人の心にはもう1つ癖がある。強い衝撃を体験すると、思考が『自閉モード』に入り、状況を客観的にみられなくなってしまう。毅然とした対応は国家として当然だが、愛国心には思考停止のワナも潜む。」


 そう、悪ノリするかのように煽る、便乗するのはやめて、かつ起こったことには毅然と対応、としていただきたいものですね。
 

※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。ご不要の方は、メール末尾にありますURLより解除いただくか、このメールに直接「不要」とご返信ください。




 本日の話題は:



■よのなかカフェ「たくましい若者の作り方―獨協大生にガッツを!」開催しました

「獨協大活性化」と「即戦力は幻」再度「育てる経営のすすめ」
http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51821874.html


■今後の講座予定
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA(10月23日、24日)


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■よのなかカフェ「たくましい若者の作り方―獨協大生にガッツを!」開催しました

「獨協大活性化」と「即戦力は幻」再度「育てる経営のすすめ」
 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51821874.html


 
「今の若い子にガッツがないなあ」

と、思われている現役のビジネスパーソンの方は多いかもしれません。

 現代の若者の「たくましさ」は、どうつくられるのか。そして地方私大の活性化は。

 その2つの問題意識をドッキングしたよのなかカフェ「たくましい若者の作り方―獨協大生にガッツを!」を、姫路・ロバストで開催しました。


 当の姫路獨協大から元学長と、地元の経営者・管理者計13名での賑やかな議論になりました。

 こういう話題でこのメンバー、人数が集まって「盛り上がれる」のは、姫路の底力ですね。


「即戦力は、結局『まぼろし』ですね」

「伸びそこなった子を褒めて寄り添うと、変わっていく。」

「挨拶と、『わからないことは訊く』姿勢さえあれば」


等々、この場ならではの多彩かつ率直な議論が出ました。


 こちらのブログに議事を公開しています。よろしければご覧ください

 
◆「獨協大活性化」と「即戦力は幻」再度「育てる経営のすすめ」―よのなかカフェ「たくましい若者の作り方」開催しました!

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51821874.html


 またUstreamで動画を公開しています。こちらからご覧いただけます

(1) http://www.ustream.tv/recorded/24766320(前半1時間30分)


(2)http://www.ustream.tv/recorded/24767668(後半30分)


 お時間があれば、ご覧になってください。


 姫路地域では、このほかにも「獨協大」を中心に教育活性化の取り組みが立ち上がっているようで、今後も注目したいものです。




 さて、
 よのなかカフェは、(今回も学識経験者のかたが来られましたが)基本的に、一方通行で偉い人の話を聴く場ではなく、自分を含めさまざまな人が発言するのを聴くことで、多様性に目を開かれたり自分の意見、見方を成熟させていける場です。


 今回のように多様な方が集まると、それは特定の専門家の話を聴くのと同じかそれ以上の学びになります。

 
 お蔭様でこのところ、フェイスブックでのお友達が他地域で「哲学カフェ」をはじめられたり、「自分の地域でも立ち上げたい」とお便りをくださるようになりました。嬉しいですね。


 新聞記事になるようなインパクトはありませんが、「相互理解」「成熟した市民づくり」の対話の場があちこちにでき、この時代を乗り切る原動力になってほしいものです。
 


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■今後の講座予定
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA(10月23日、24日)



 1人1人の「良さを見つける」「褒める」「認める」―。

 上記のよのなかカフェの議事の中でも重要なポイントとして出ましたが、決して大学、学校だけで大事なのではありません。

 人の発達は生涯のこと。企業のリーダーも、これらを身に着けると劇的に人が伸びるのを実感されます。また、リーダーご自身も視野がひろがり、「器が大きくなる」のを実感されることと思います。


 引き続き、現代の諸問題を解決する力のある優れたリーダーを創る「企業内コーチ育成講座」を、姫路にて開講いたします。

 下記をご参照いただくほか、もし「私の町で開催してほしい」というご要望がありましたら、極力お応えしたいと思います。その場合は info@c-c-a.jp まで、メールでお知らせください。




★10月23日(火)・24日(水)
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA
 〜コーチの眼・耳・心を身につける2日間〜
 各日10:00〜17:30
 姫路・じばさんビル会議室
 受講料42,000円
 詳細とお申し込みは ⇒ http://c-c-a.jp/info2/index.php?nw2=0

 「承認」「傾聴」「質問」と、基本の3大スキルを実習を交えてじっくり学べ、これだけで職場のコーチングは十分こなしていただけます。

 中でも「承認」は一般的なビジネスパーソンの常識を覆す学びとなることでしょう。

 すべての管理者、経営者、部下・後輩をもつ立場の人にお勧め。


 皆様のご参加をお待ちしております!!


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※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び
代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・
当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方に
お送りしています。

今後ご不要の方は、
空メールをご返信いただくか、こちらのページ

http://www.webcordial.com/bn/tk.html

より解除していただければ、
購読リストから外し、次回から送信されないようにいたします。


※このメールは転送歓迎です。
もしこのメールを新たに購読ご希望のかたがいらっしゃいましたら、
info@c-c-a.jp まで、「メールニュース希望」と書いて
お申込みください。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!



「夏バテが出てしまって…」というお声もきかれるようになりました。

 きつい猛暑に耐えてきた身を労わりながら、もうひと踏ん張り。

 今週が皆様にとって素晴らしい1週間になりますよう。



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神戸のコーチング講座
特定非営利活動法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
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代表理事 正田 佐与
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(株)帝国データバンク社『帝国ニュース兵庫県版』
2008年〜2012年 長期連載このほど完結
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 17日、よのなかカフェ「たくましい若者の作り方―獨協大生にガッツを!」を姫路・ロバストにて開催しました。


 
2262



 姫路獨協大より元学長の大塚健洋教授(播磨総合研究所所長)が出席、その他地域の大学関係者・経営者・管理者・人材育成担当者・若手社員、経営支援団体より12名が参加。


 熱気のこもった議論になりました。

 (今回は、大学関係者・経営者は実名で、管理職・社員は仮名で掲載させていただきました)


2308



 姫路経営者協会・村瀬専務理事より趣旨説明。

 「子どもの教育というものが最近しっくり来てない。会社に入ってくる若手にガッツがないなーと感じている。くらいついてくるようなガッツのある子は育てられないのかな」


 当初はうっかり口を滑らした、ということが話が大きくなり、この集まりになった、と村瀬氏。

 この話題がこんな広がりを見せるのが姫路の良さでしょう。


 大塚教授より姫路獨協大の現状。


「地方の私大共通の悩みで、学校は多い、子どもは少ない。するとどうしても偏差値で輪切りになっているので、学力レベルの低い学生も入ってくる。すると今までの大学の教育システムでは育たない学生も入ってくる。ただマッチングすると大化けする学生もいる。教育システムを作り直す時期に来ている。」


 具体的には、医療関係の学部では国歌試験合格を目標にすることにより、また外部での実習があることによりモチベーションを持たせ高い合格率を出している。文系ではそれができていない、という問題意識がある、とのこと。

 地元出身者の比率は25%〜3分の1。留学生が現在150人程、圧倒的に中国から。

 獨協大学を誘致したのは姫路工業大学がなくなり地元に大学が1つもなくなった時期。当時、「産業都市から文化都市へ」と転換を図った時期だった。また優秀な若者が他地域に流れ、「地元に優秀な若者を定着させたい」という問題意識もあった。いわば「地学地就」を当初から掲げた大学。


 インターンシップは、姫路経営者協会などの協力を得、姫路市役所などに行かせている。ただ受け入れ数に限りがあり、予備選抜もあってすべての子を行かせるわけではない。


 Hさん(会社員、卒業4年のOB):「地元出身、近いから獨協大を選んだ。法学部出身だが、やりたいことはやらせてもらえた。周囲には勉強しない人もいたがぼくは自分で頑張って勉強し、何人か一緒にやる友達がいた。やる気のある子にはいい大学。」


 
 ここから企業サイドの方々の現状認識―。


2296



井上さん(製造業経営者):「中小企業だが20年くらい前から学卒の人を採用する取り組みを始めた。そのための体制として会社の外観、内装や設備も一新した。今後は技能伝承をしっかり出来るよう、社員の教育もすすめていきたい。

私は企業で採用を担当する一方、今春大学へ行ってマナーの講師もした。そのとき『知識だけではなく、企業はこういうところをみてるよ。現場ではこういうことがあるから、こういうところに気をつけなくちゃいけないよ』という話をした」


2278



竹原さん:「最近の若者はと言われるが、頑張る若者は頑張る、頑張らない若者は何とかしてあげないかんなあと思う。期待をしてあげれば頑張ると思うんでなるべく姫路市内の企業が採用してあげて若者に働く場を提供してあげる。県立高砂南高校の評議員を10年ほどしていた。周囲の高校に比べ成績のわるい子とレッテルをはられていたが、躾をきっちりやり、約束を守る子、あいさつのできる子をつくろうという教育をした。三菱重工高砂製作所では高砂南高校の学生が入社率100%だった。学生さん、生徒さんの良さを引き出すよう、世の中のほうを少し変えていかなきゃいけないんじゃないか。」


村瀬専務:「メーカー勤務時代は最後は総務だったが大半は設計。そこで見た若い人でいうと、本当に賢い、成績優秀な人は研究職へ行って伸ばしていけばいいんですけど、一般的な四年制の大学を出た技術職の人は、機械であれ電気であれ、そこそこのレベルなんですね。会社に入ってからが勝負。そういうときものに取り組むときの姿勢とか心構え、そこに尽きるなあという感じがしてました。もっとわかりやすく言うと、大学出てきてもお前やる気あるんか!っていうのがよくありまして、ぼくは実は高卒の元気のいい奴が大好きで、そういう奴をこつこつと頭を叩きながらいじめながら育てるというか、それで育つ奴が今でもやっぱり可愛いですね。会社に残ってるやつでも『ああお前ええ感じになったな』と。そういう人を育てる人になりたい、というのが私が会社時代に思っていたこと。そこから今日のこういう話題の提供になった」





メーカー経営企画:「連続TV小説(朝ドラ)で梅ちゃん先生をやってますね。その中で梅ちゃんの隣の家が典型的な町工場で片岡鶴太郎が親父さんで、東北からの集団就職の話が出てきます。鶴ちゃんが『大事な息子さんを預かってるんだから一人前に育てなきゃ』と言ったり家族同然に住み込んだり。その若者が朴訥で本好きで、いつも『自分は役に立っていない』と思って夜中にこそっと仕事をしたりする。それをまた鶴ちゃんが『そんなことせんでいい。ちゃんと一人前に育てたるから』みたいに言う。そういう育てる文化、伸ばす文化が今はなくなって、即戦力を求めるようになった。私の会社でも人が足りないとなれば派遣を使いコストを削減する。そういうところをやっぱり変えていく必要がある。それは企業側もそうですし、はたらく側も意識を切り替えて責任ある態度を養っていく必要があるんじゃないか。」


2315



Tさん(営業会社総務部長):「言われた通りで、私自身が入社した当時は3年かけてじっくり育ててもらった気がする。しかし今は創業4年目の中小企業で、即戦力ということを求めざるを得ないというのがジレンマ。自分が育ててもらったように育てられたらいいが、営業会社なので目の前の数字を作ってくれる人を求める。現実に入ってくる子は、我が社の場合中途採用で、転々としてる子。すごい素直でいい子。具体的にどうやって営業成績を上げられるかがテーマ。」


2295



正田:「2つのことを感じた。今お2人の言われた、育てながら使うという視点はとても貴重だと感じる。今日は企業の現場からこういう人を育ててほしい、という注文をきくときに、『完成品を作ってほしい。うちでは育てないから育てる必要のないやつを作ってほしい』という話になったらどうしよう、と思っていた。皆様がそう思われているということは本当に貴重。先日江戸時代の商家の職業倫理の話をメールニュースでご紹介したが、そこでは企業が教育機能をもっていた。小学校ぐらいの歳で丁稚奉公にあがり、奉公先で徳育も知育も全部教えてもらう。それが結構機能していた。その後明治維新、工業化で職住分離が起こり企業と教育が分断された。今それが機能不全が起きているのではないか。


また、Tさんの今のお話の後半部分は、転職市場、第二新卒市場にいる子たちというのは大人しい子が多いということでしょうか?」


Tさん:「私が採用を決めているわけではなく、うちでは営業責任者たちが面接をして決めている。その責任者たちも若く、自分が育ててもらった経験をしていない子たちで、色々模索しながらやっている。その責任者が『この子なら、この子と一緒に仕事したい』と思う子を入れるので、各拠点によっても違うが営業未経験でも素直でやる気がありそうな子を採用していると思う」


 ここで、少し違う視点からの問題提起がありました。「頑張りたいのに頑張れない、そういう若者を置き去りにしていないか?」とても大事な視点です。


2299



Uさん:「私も6年ぐらい前まではそう思っていました。いま思うのは、学生さんも本当は頑張りたい、一生懸命働きたいと思っているだろうと思うんです。その中でどうしたらいいのかわからなくてつまづいてる。そこを1人ひとり探らないと前に進まないんじゃないかと思う。これは私が親として思うことで、学生さんたちがつまづいている。それは何かというと自信がない。踏み出すきっかけがない。だれか後押しをしてくれる人がいない。こうすればいいんだよというところを示してくれない。それともともとの障害があるかもしれない。親がそこにどうかかわってきたのか。小学校、中学校、高校、そして大学の先生はどう関わってきたのか。そこをわからないでただ『ガッツがない』と言ってしまうのはちょっと酷なんじゃないか。『そうしたいんだ、でもできないんです』と訴えてる子が沢山いるんです。実は私の子どももそうなんです。一時期働いていました。でも疲れてしまってはたらけなくなり、いま家にいる状況です。学問はあるんだけど対人能力が低くてうまくやれない。頭でものを憶えるんだけど五感で感じることはちょっとできない、だから仲間外れにされた。うまく協調できない。若い人から見たらそういうこともあるんだよ、企業の採用する側の論理だけじゃなくそういうこともみてほしいと思う。学生さんがどう感じているのか聴いてやってほしい。

社会的に人をどうとらえるか。ある分野でとんでもない能力を持っている人もいる。金太郎あめのような人ばかりではない。そしてそういう人を捨てていくことはできなくなっているのではないか。そういう人は増えつつあるのではないか。

先ほど企業研修(インターンシップ?)のお話がありましたがそういう形で人物から体験させてもらうというのは非常にいいことなのではないかと思う」


2322



高見すま子氏(短大講師、社会福祉専攻):「私の見てきた短大の学生さんはコミュニケーションがとれない人もいるし、それにダメダメばかり言われていまだかつて褒められたことがないという学生さんもいます。短大の2年間で勉強よりも自分に自信をもって社会に入ってほしいと思う。本当に胸が痛くなる、この人たちの責任なのか?ということをずっと思います。褒めてあげればいいやん、って思うんです。少しでもいいところを見つけてほめてあげたらいいのに、あかんあかん、態度が悪い話を聴かんとか。話を聴かへんというのはそれは教える側の責任ではないかと思ったりもします。聴いていようといまいと話を進めるというのを大学の授業ではなされるんですけど、私は双方向の授業をしたいと思うんです。だから(学生が)本当に色んな話をしてくれます。私は8歳のときに父親を事故で亡くしまして、貧困の母子家庭で育ちましたので、そういう話も平気で学生にします。そうすると男子学生が研究室に来て、突然『先生おれんちも母子家庭。おとんがいつの間にかいなくなった』とか、それから大きな体格の男子学生が、ぽろぽろ泣くんですね。小学校5年生のときに両親が突然離婚したと、何にも言ってくれなかったと。でも20歳だからそれをとっくに解消できてるのかと思ったら、その思いをずーっと引きずってるんですね。いまだに元に戻ってほしいって。だから彼は小学校5年生のときから全然その思いを消化できていないっていうか。

 だから今、即戦力になるような学生さんを送り出してほしいと企業の方ではそうお思いになるかもしれないが、私が接している学生さんは本当に、本当にさまざまなことを抱えています。

 それと、私が育った年代と今の平成生まれの学生さんでしたら、世の中もコロッと変わっていますから、私たちの価値観をそのまま学生さんに押し付けていいのかなという思いもすごくあるんです。男性も女性もおじさんもおばさんも、マナーとかすごく悪くなりましたよね。電車で向い合わせの4人掛けの席で、奥の窓際の席に『失礼します』って座る人はまずいない。そんなときに『失礼します』って言ったら本当に心が和む。どうしてそういうことを忘れちゃったのかなあ。だから学生にはいつも、『ひと言失礼しますって言ったら、男前がより男前に、べっぴんがよりべっぴんに見えるのよ』って言うんですけど。社会が変わってしまったなあ、これは学生さんだけの責任ではない、といつも感じております。どうしたらいいんだろうと。」


2287



大塚:「学生と接していていつも感じるんですが、自分を見つめることができていない。いい素材を持ってるんだけれども、自分はいいものを持ってるという自覚を得られないんです。自分を対象化することを今までやってこなかったんだなあと。

 つい最近の例ですが消防士になった学生がいるんです。1年の時から私のゼミをとってまして、最初は金髪に染めてヤンキーでした。でも2年生ぐらいからだんだん変わってきまして、消防士になりたいんだと。なんで?ときいたら、実はおばあちゃんが自分の目の前で心臓発作を起こして倒れて、救急隊員の人が一生懸命救命してくれた。亡くなってしまったけれどその姿が忘れられない。それをきいて『この学生は通る』と思った。最初の初一念がありますから。それに向けて何をしたらいいか、というのを色々アドバイスしました。学生も自分で考えて普通救命講習に行ってきました、とか言うんです。次には東北大震災の現場に行きました。そして学内のそういう受験のための講座をとって、頑張れよ頑張れよと声をかけていたらとうとう最後、通った。これほど化けるとは思わなかったですねえ。通って就職したら、『先生、これ初任給で買ったビールや』とビール6缶ほど持ってきてくれました。お母さんも『先生に合わなかったら子どもはこうはなってなかったと思う』と言ってくれました。これは教育の醍醐味だなと思いました。

 そういう幸運な出会いばかりじゃないんですけれども、その子の相性のあう先生に当たるとぐっとその子の良さを引き出してあげられる。良さを引き出して次のステップどうしたらいいのかとアドバイスをしてあげる。と、本人もあとで考えてその通りと思ったら実行するんでしょうね。

 大学の教育の中では色々なことがあります。同じような先生ばかりだとダメですんで、いろんな個性の先生がいて、学生がその中で選べるような形にする。そしてゼミで育てていくと。そういう接し方ができれば、悩む学生も少なくなってくるんじゃないかなあと思っています。」


正田:「ありがとうございます。高見先生、大塚先生に出会われた学生さんはお幸せでしたねえ。誰かがいいところを見つけてあげれば、伸ばしてあげれば、寄り添ってあげれば。」


高見:「『先生変わり者』って言われるんです。大抵、先生方みんな上から目線っていうんですね。でも先生は人の話聴いてくれるやろ。人の立場になって聴いてくれるやろ。だから変わり者って。

 でも本当に学生さんが愛おしいんです。本当に愛おしいんです。何とかして頑張って就職してほしい。

 『先生、ぼく結婚する』って言うんです。やっと20歳で就職したばかりなのに。ぼくパパになる、やっと守る者ができたって。でも介護福祉士だから、現実には食べていけない。そういう現実もあるんです」


2300



田中さん(製造業経営者):「私も大企業にいて中小企業にきて、結局『即戦力はダメだ』『即戦力は幻だ』ということを思います。やっぱりそれぞれの企業、それぞれの職場で合うようにするには育てるしかない。私はいまたまたま2人入れましたけれど、幼稚園と一緒です。私は大学ノートを作りましてね。これは以前、10数年前にある社長の息子を預かりまして、いまひとつ出来が良くなかったので、大学ノートに毎日日誌を書いて、あったことを書いて、1年半ぐらいやりました。
その経験を活かして今、同じようにしているんですけれども、その中で学校の先生にもお願いしたんです。やっぱり今の学校は偏差値だけで価値判断をされてるんですが、人間は高見先生が言われたようにいいところを見てあげれば伸びるんで、指導者はどう人のいいところを見てほめていくか。上から見ればダメです、というのはいくらでも言えるんですけど、その人を育てるという気持ちがないと良さがみえてこないんでね。それを言うとその人たちが心を開いてきいてくれる。高見先生の言われるように、上から目線で「オレが上司だ」という気持ちで言っていては、自己マスターベーションだけで相手本人の心に入っていってないね。

 学校のほうにお願いしたいのはやっぱり今の人たちはコミュニケーションがとれない。基本はなにかというと、挨拶ができない。私がいつも『おはよう』と言っても返ってこない。返ってこなくてもとにかく言い続ける。言ったことに対しては必ず返事しろと言ってね。返事ができないんです。これはやはり基本的なことで、核家族になったからとか、ひとつの現実だと思う。とにかくいろんなことをするとき挨拶を言って次にいくんですね。挨拶抜きでいきなりストレートに言ったらなかなかぱっと入っていかない。こういうことを学校のほうで指導していただければいいのではないか。

 それから、わからなければ訊くということ。質問が出てこないんです。何かすると『きいてなかった』と。お前わからんかったんか、と。挨拶と、わからなければ訊くという、この2つがあったらどこへでも行ける。

 ものづくりをしてますから専門知識も欲しいんですけど私は人間性をみて決めまして、何を見るかというとやっぱり目です。面接して短時間で決めるのはなんで決めるか、騙されもしてきましたが、良さをどう見つけるか。

『君は何でもくらいつくところがあるから、決めたんや』と言っています。そのためには知識がなくても教えることもしながらね。そういうふうに言うとごっつやる気をもってしてくれるなあと。

 育てるということは本当に気が長く要るなあと。偏差値、研究者ならそういうのが要るんですけど。あとはただ訊いてくれて、くらいついてくれるなら、なんでもできるんちがうかなと思うんですが。」


村瀬:「私の会社時代のことで、若干語弊は覚悟、ある面非常に厳しいことはあるんだよということで。育てる、これは絶対大事なんですけど、鍛える。鍛えざるを得ないんです。勝負に負けてはならないんです。勝たないといけないんです。

 ですからちょっと極端な表現ですけど、25年前のわたしのいた部署では死屍累々、それを踏み越えてでも前に行くしかなかった。それも問題はあると思うんですが、そこで刀を打つがごとく、打って打って鍛えられたものが通用して、会社の総合力になっていく。厳しいんですがそれが現実としてはあるわけです。そこからはみ出るヤツはたくさんいて、それは会社のほかの部署に出るわけですけど。

 そういう厳しい場面でたたかうということは現実にあります。そういうことも私の経験から。」


2265



Nさん(人材育成・採用担当):「採用の担当になって5年ほどになります。企業が求めている人材と自分自身個人的に一緒に仕事をしたい人材とは別のものだな、というジレンマはあります。企業が求めるのは即戦力とか、将来的に先に立つ人材とか。人柄、人間性というところは結構2番手、という感じは受けています。私が担当しているからには基本的な人間性、挨拶、行動・言動をみながら採用していきたい。

 地元の中小企業なので、アットホームなやんわりした人間が多いのですがトップに立とうとしている企業もありますので、どういった企業が合っているのか学生の間に見極める必要があるかと。学生さんの個性を見出していただくことを大学様にもお願いしたい。大塚先生のお話にもあったような、『この子はこっちが向いてるんじゃないか』と言えるような、1人1人とのかかわりを積極的にもってほしい。

 私も個人的に、甥っ子が大学を中退して消防士になったんですが、そのきっかけもやっぱり同じで、大学に入ったんだけど自分が何をしたいのか何をしようとしてるのか良く見えてない。そこで話をする中で自分がやりたいことがわかってきた。そこで方向転換したということなので、大学に行くことが働くことにつながるわけでもないと思ってますし、色んな人とのつきあいの中で人を育てていくんじゃないかと思っている。大学様だけに学生の成長を求めるのはきびしいかなと。

 面接をしていても、会社に来たときの姿を見ても、個人差はあります。10分、20分の面接で人を決めるような力は私どもも持ってません。どのところを見るかというと、最初の会った印象や挨拶、身ぶりそぶり、姿勢、といったところを第一に見るようなことになります。普段の行いが何かのときに出る、そういった考えをもってますので、基本的なところをもう少し見てやってほしい。やはり勉強できるできないでは人を判断できませんので、そういうところをお会いしてみて判断するようにしています。やはり就職活動のときだけいい恰好してもそれはばれると思うので。

 インターンシップのお話も出たが、学生様が企業で仕事をして社会人としての自覚をもつ。企業にとっては1−2週間、あるいは1日学生様をお預かりして仕事をしていただくということでは、学生さんとお会いできていい機会ですが、学生さんにとってそれが本当に就労、社会人の勉強になってるかいうのは、そのかたの意気込みにかかっていると思う。

 インターンシップよりはアルバイトのほうで社会経験をされる方もおられるので、インターンシップだけがウエートが重いということではなくて、社会勉強をされるうえではアルバイトなどもされてはどうかなと。

 あとは部活動の中で上下関係であるとか、規律面などの勉強も必要ではないかと思う。」



竹原さん:「先ほどから即戦力の話が出ているが、一部の中間採用、通年採用を除いて、即戦力を望んでも詮無いのではないかと思う。上の人が、村瀬さんがおっしゃるように鍛えるしかない。学校側が、『社会に役立つ大学』を掲げているケースもありますけれど、企業の立場から言うとそんなのほとんど役に立たないので、学校がすべきことは2点だと思うんです。大学院の博士課程を除いて小学校から大学院の修士までは、基礎的な学問、基礎的な学力をきちっとする。あとは人間力、自分のためでなく人のために頑張ろうと。大学はその2点をすべきです。世の中の動きを追っかけても、世の中の動きが早くて企業もめまぐるしく変わるから、追っかけようとしても追っかけきれないです。」


正田:「大変重要なポイントをありがとうございます。」


ここで、大室さんと竹原さん、お2方からそれぞれ「私案」を発表いただきました。


2323



大室さんは「農業」に軸足を置いた就労機会創出について。

また竹原さんは、「クラブ活動・ゼミを活性化し一流化(ブランド化)」「他大学のベンチマーク」「市民サポーターづくり」など、本格的な詳細にわたる大学活性化案を出してくださいました。

それに対して、大塚元学長からこれまでの施策(取組み)について説明などがあり、また今後の取り組みについて意欲を見せました。


・・・・


 ここでお時間となりました。


 非常に貴重な、企業の皆様からの実感のこもった「若者観・育成観」、そしてよのなかカフェとしてはエポックメーキング的な私案の発表、と盛りだくさんの、熱気あふれる2時間でした。名言がいっぱい出ました。


 ご参加の皆様、本当にありがとうございました。また会場のロバストさん、写真撮影・Ustream担当スタッフの手配などもしていただき、本当に助かりました。ありがとうございました。



 今回のよのなかカフェは、Ustreamでこちらから視聴いただけます:

(1) http://www.ustream.tv/recorded/24766320(前半1時間30分)


(2)http://www.ustream.tv/recorded/24767668(後半30分)




 さて、途中で司会の役割を逸脱して「企業の教育機能」について私見を述べてしまった正田ですが、その後また新たに思ったこと。
 
 今月はじめのこのブログの記事で


 「見えない競争力」を磨く―工業会・池田会長講演(8月5日、※講演は7月31日)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51819670.html


 こういう視点が、必要なのではないかなとぼんやり思いました。これは企業にも、大学にも。我田引水めくでしょうか。

 (このブログを続けて読まれている方なら、おわかりですよね・・・)


 あと、「女性」がやっぱり正しいことを言いますね(私の事じゃないですヨ)「女性」抜きでものごとを語ったり決めたりしてはいけませんね。改めて実感でした。




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp







 


 


 

 夏休み。お盆。終戦記念日。
 ブログ読者の皆様はいかがお過ごしですか。


 正田は相も変わらず勉強に明け暮れています。

 正直、いま何を勉強したらいいのか途方に暮れるまま。


『第一感―「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』(マルコム・グラッドウェル、光文社、2006年3月)という本を読みました。


 この本に出てくるある専門家は、夫婦の会話のビデオを5分見るだけで、その夫婦の15年後が予測できるという。「7年で別れるな」「もう、子どもの養育権について弁護士に相談したほうがいいな」とまでわかるとも。

 専門家は、20種類の感情を些細な手がかりからあぶり出す。怒り、悲しみ、回避、好意―、

 結婚生活を維持できる夫婦の間のプラス感情とネガティブ感情の比は5:1だという。

 かつ、最も決定的に危ない、つまり結婚生活を危機にさらす感情として専門家が注目するのは、防衛、はぐらかし、批判、軽蔑、の4つであり、中でも「軽蔑」は決定的に重要だそうな。


 この専門家によると、軽蔑が現れると結婚生活は持たない、カップルのどちらかが軽蔑の感情をたびたび表出していると、相方は免疫系をわるくし、風邪をひきやすくなるとも。


 ここでまた、このブログに繰り返し現れるフレーズと結びつく―。

 「愛」の反対は「無視」だとマザー・テレサは言う。

 私的にいうと、「承認」の反対は2つある。「無視」と「見下し」である。


 「見下し」すなわち軽蔑は、相手より上に立ちたい、上下関係をつくりたい、という衝動によるものだけれど、それは本書で「相手の免疫系を弱める」というぐらい、破壊的な力がある。もちろん、身体的だけではなく、メンタルな病も引き起こしうるだろう。

 だから、このブログでも「見下し」を繰り返し戒め、「承認」そして「謙虚」を称揚する。ここでいう「承認」は尊敬、リスペクトの感情を含んでいる。

 表面的に言葉で褒めていても見下していれば意味がないのである。

 (また往々にして、「褒める」と「見下し」は共存している場合がある)

 「見下し」を厳しく自己に戒めた姿として「承認」はある。

 実は「見下し」をしやすい性格の人というのもいて、どういう資質の組み合わせかというと・・・(略)

 
 またさまざまな要因により「見下し」の感情を表出してくる相手とは、私は人間関係を維持できない。この仕事をやって長年そうしたものに晒されてきて疲れているから、自分の体力気力を維持できないのがわかっているから。



 「見下し」ばかり取り上げましたが、


 本書に出てくるさまざまな分野の「プロ」は、「贋物を見ると何ともいえず気分がわるくなる」(キュレーター)、「投資不適案件をみると背中がいたくなる」(投資家)と、自分の「直感」を独特の身体症状で感じます。その中身を説明できないことも多いのですが、その身体感覚を信頼した結果、その人たちは高いレベルの仕事をします。

 こうした現象は、少し前の記事で「断言する専門家は信用に値しない」と言っていることと矛盾しているわけではないと思います。そこで言っていたのは「予測」に関すること、ここで言うのは「今、ここ」で重要な手がかりが物語っていることにきちんと耳を傾けているか、ということです。


 本書は決して「第一印象」をやみくもに称揚する種類の本ではなく、訓練を受けた専門家でない一般大衆が陥りやすいバイアス、たとえば「感覚転移」(ブランドのパッケージによって中身も良いものだと思う。[だから、研修では「講師紹介」が意外と大事なんです])や、自分の受けた印象について大方の訓練を受けていない人は理由を説明できないことなどにもきちんと触れています。


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 「集合知」に関する本を何冊か読みました。

『「みんなの意見」は案外正しい』(ジェームズ・スロウィッキー、角川書店、2006年1月)

『「多様な意見」はなぜ正しいのか』(スコット・ペイジ、日経BP社、2009年1月)

『集合知の力、衆愚の罠』(アラン・ブリスキン他、英治出版、2010年12月)


 以前からある概念、「集団思考」が、「集団的浅慮」とか「衆愚」につながる集団の陥るワナについて言うことが多いのに対して、近年の概念である「集合知」は、専門家でない一般人の感覚の集合体は割合正しい、ということを言っています。


 いろいろ引用するのは省きますが、「集合知」が正しいのは、一般人をふくむ多様性のある集団がそれぞれの知を、他から影響を受けない形で持ち寄った場合、ということになるようです。個々人の優秀さよりも、多様性を反映させた意思決定のほうがすぐれている、とも言っています。



 たとえばわが社の「承認大賞」では、「一次審査」で会員にWEB投票をしてもらうのですが、これは相互に干渉を受けない形で意見表明してもらうので「集合知」ということになります。

 
 これまでの経験では、確かに一次審査の結果というのはそんなに間違いません。二次審査で手を加える必要というのはほとんどありませんでした。

 二次審査は合議なのですがこれは過去に色々問題があり・・・(詳しくは省略)、3回目の2011年には結局わたしがほぼ一次審査の結果を基に決めるということになりました。合議の場合に起きる問題というのは、上記の「感覚転移」のようなものでした。


 このほか集団が間違うときについての考察は、これらの本ではあまり重要視していないようにも見えますがところどころ触れています。

 たとえば『「みんなの意見」は・・・」の本では、「情報カスケード」という問題について触れています。ようするに、「みんながやってるから、私もやる」というやつです。


 1840年代、まだ馬車が輸送手段だった時代に、「プランクロード」という板張りの道路が導入され、たちまちカナダ〜アメリカを席巻しました。プランクロードは轍だらけのドロドロの道路よりはるかに効率よく大量輸送できるスグレモノとみなされ、10年もたたないうちにほぼアメリカ全土に広がり全米で1000社以上のプランクロード会社が設立されるほどになりました。

 ところが、現代のわたしたちの予想どおり、プランクロードは4年の寿命しかなく、維持コストがかかりすぎたのですぐに廃止されました。

 短期的には問題解決のためによい手段だとみられたプランクロード。これが「情報カスケード」の典型的な事例です。

「情報カスケードが抱える根本的な問題は、ある時点を過ぎると自分が持っている私的情報に関心を払う代わりに、周りの人の行動を真似することが合理的に思える点にある。みんな自分の知っている情報に基づいて判断をしていると思っているけれど、実際には先人が知っていると自分が思い込んでいる情報に基づいて判断をしている。」(p.82)
  


情報カスケードはわるさをするばかりなわけでもなく、もう1つ1860年代のセラーズという技術者が規格化された質の良いネジを導入し、アメリカ海軍など影響力の大きい顧客をターゲットに据えて、5年かけて自分のネジを普及させた話も紹介されています。(アシックスの「頂上作戦」みたいなものですね。)


 「集合研修」もいわば「情報カスケード」を利用して教育をしようとしているのかもしれない・・・ただわたしはなるべくその合間に個人が自分のもっている情報を参照してもらえるよう、「間」を置くんだけれど。


 さて、わたしたちは「情報カスケード=赤信号みんなで渡れば怖くない」に影響されず良い決断をすることができるのでしょうか。先にもわが社の事例でみたように、対面の合議の形をとるとこれが意外にむずかしいのです。

(ネット上では「日本人は情報カスケードにとりわけ弱いのではないか?」とかかれたページもありました)

 
 結局ひとりひとりが自立し、自分の手元の情報のもつ価値に耳を澄ませながら、ほかの人の言うことも聴く、という高度なことをしなければなりません。


 また『集合知の力、衆愚の罠』という本は、「傾聴」の重要性をなんども協調する一方で、間違ってしまう集団のあり方として、

「自分たちは賢いと思っている」
「2項対立をつくり、その場にいない敵をつくってしまう」
(たとえば村の飢えの問題を解決するのに隣村と戦争しようという)

というのを挙げていました。

 「その場にいない敵」―、

 先日、子どもたちの問題行動は学校の問題か家庭の問題か、という話になると、男性だけでつくる場ではその場にいない家庭のお母さん方を敵にすればいい、という話になりやすいのですけれども。

 (あくまでいじめの話に絞ると、39のご家庭のお母さん(お父さんでも)が頑張って躾をしても、残り1のご家庭からいじめっ子が出ればいじめは起こり得る、ということを考えるとご家庭に責を問うのは当面得策ではない。あるいは人々は躾よりも「場」により大きく左右される生き物である。もちろんご家庭の躾も大事ですが)



 ・・・なんて、色々勉強してもさいごはその場しのぎになるんだと思いますけどね。何を怖れているのか正田。



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河合薫『上司と部下の「最終決戦」―勝ち残るミドルの”鉄則”』(日経BP社、2012年6月)という本を読んだ。日経ビジネスオンラインの人気連載をまとめたもの。


 私と似た分野の人、河合さんのほうが週刊だし、WEBで数ページにもわたるから大変だ。真摯な考察だな、とうならされることも多い。

 ミドルマネジャーの窮状を訴え、出世競争から「下りた」ミドルの発見した生き方として、「承認」のようなことも取り上げる。


(この本の「はじめに」にある、「管理職の死亡率がここ5年で70%増」というショッキングな研究については、元連載がまだWEB上にあるので是非参照されたい。

 http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20120425/231382/?rt=nocnt



 影響されやすいので、ぱくりだと言われないように気をつけないと。


 ぱくりでなくまじめな引用ということでお許しいただいて、

 
 この本の中に「真面目賛歌」と呼べるような一節がある。


 私は工場(あるいは生産現場)に行くと、無性に感動する。取材の時だけでなく、講演会などに呼んでいただいた時も、可能な限り工場を見学させてもらうのだが、現場に足を踏み入れると決まって胸が熱くなるのだ。


 恐らく工場で働く人たちの実直なまでの真面目さに、心が揺さぶられるのだと思う。ひたすら頑固なまでに、彼らは決まった仕事を決まった時間に繰り返す。何事も起こらないように働くことが、彼らに課された最大の使命だ。だから、彼らは決められたことを、ミスのないように、徹底的に真面目にやる。彼らからは、「上司に評価してもらおう」とか、「いいところを見せよう」とか、「他人をおとしめてやろう」といった、卑しさや野心を微塵も感じることがない。「日本という国は、こういう人たちに支えられているんだよなあ」とつくづく感じる。(p.102)



人間は同じことを繰り返すと、飽きる。慣れて、手を抜くこともある。だが、真面目に働く人は、飽きることなく、手を抜くことなく、何度でも繰り返すことができる。

 本当は飽きることもあるだろうし、手を抜きたくなることだってあるだろう。だが、真面目に働く人は、その欲求を封じ込める努力をするのだ。

 しかもやっていることが昨日と同じようでも、実際には、昨日とは全く同じなんてことはない。天気も違えば、働いている人の精神状態だって、体調だって変わるだろう。毎日使う機械だって、100%同じなんてことはあり得ない。油も減れば、歯車だってすり減るだろうし、機械が置かれている室内の湿度だって変わるはずだ。同じことをやるためには、そのわずかな変化を感じ取って対応する能力が求められる。

 結局のところ、どれだけ毎日、真面目に真剣勝負で取り組んでいるかが決め手となるわけで。同じことを続けるとは、いわば、同じことを続けられる環境を作り出す日々の努力なくしてなし得ないことなのだ。(pp.108-109)



 どうでしょう、この「真面目愛」ともいえる文章。でもわたしも好きだ、真面目。


 その「真面目」に立脚しているはずの日本企業が洋風のマネジメント手法をとりいれた結果―、と、この文章は続くわけです。大いに共感。


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きょうはクリストファー先生の英会話教室。


正田は”Acknowledgement-based coaching"(承認中心コーチング) というものをやっている、というお話をしました。


 英語にするとちょっとかっこいいですね。 本当は"Fact-based-coaching" (事実ベースのコーチング)というふうにも言いたい。でもかっこつけすぎかな。


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 『脳には妙なクセがある』(池谷裕二、扶桑社、2012年8月)という本を読みました。


 気鋭の若手脳科学者(でもこの「脳科学の解説」という分野では重鎮)。新しい発見がいくつもありました。たとえば「催眠」という現象について解説があります。

 「催眠は、いわば人工認知症」

と、いいます。


 面白いことに、催眠状態ではスツループ効果が消えるのです。これを発見したのはコーネル大学のラズ博士らです。この時、前頭葉の「帯状回」という脳部位の活動も抑えられていることがわかりました。帯状回は「矛盾」を発見する部位として知られています。・・・つまり、催眠とは注意力が低下して「状況の不一致や不自然さに気づけない状態」とも解釈できます。(p.296)



 催眠にかかった人は想起力が低下しています。しかし、まったく思い出せないわけではありません。たとえば、催眠中に見た映画について、内容は思い出せないことはあっても、映画を見た状況については思い出せるといいます。

 なんとも不思議な精神状態ですが、神経生物学者のデュダイ博士らは「この解離的な健忘症は、老人に見られる認知症と似ている」と指摘しています。つまり、催眠は、いわば人工認知症なのです。(同)



 ・・・このブログをしばらくお読みになっている方は、ここで何が言いたいかおわかりでしょうか・・・


 多くのコーチングセミナーや類似の心理学セミナーで参加者が「酔った」ようになる状態というのは、どうも「催眠状態」に近いのです。そこでは、講師の言うことと現実の間の矛盾に気づかなくなったり、セミナー参加前に自分を律していた「社会人コード」やご家庭や学校での「躾」まで忘れたような状態になります。「幼児化か、老化か」という記事で観察したように、それは認知症に似ています。


 その手のセミナーでは、「講師の先生がすばらしい人だ」というのはしっかり刷り込まれるのですが、習ったことをできるようになる、という本来の意味の学習にはほとんど役立ちません。「コーチングって難しいですねえ」と言うばかりです。


 本書によれば、催眠にはかかりやすい人とかかりにくい人がいるということであり、わたしも某・高度な心理学セミナーで組み込まれている催眠のワークに参加しクライアント役になったこともありますが全然かかりませんでした。逆にセミナー、ワークショップで異様に「ノリの良い人」というのはいるもので、催眠と銘打ってなくてもスピリチュアル系のセミナーで、「ヨーコ、君は鳥になって飛んでいる!」と講師に言われると本当に飛んでいるしぐさをする人もいます・・・


 結局「催眠にかかりやすい層の人」を喜ばせるためにこういうワークショップ、セミナーはあるんじゃないだろうか・・・

 本書によれば、本当にかかりやすいのは全体の10%くらい、20%は全くかからない、残り70%は催眠術師の腕次第、なのだそうです。


 コーチングという、人の成長を意図したコミュニケーションの方法を教えたり学んだりするのになんで催眠状態とかつかわなきゃいけないんだろうか。「武田建のコーチング」でいいじゃないか目的が明確で、兵庫ローカルだけど、とわたしなどは思うのです。



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 「信仰と神話のまち」、東大阪市の石切。


 実は、わたくし正田は、今月9日に訪れたのが初めてでした。元ANAの寺田まさごさんがいわば「石切大使」になって招きよせてくださったのだから不思議なものです。


 なんとも不思議なまち。ご存知のかたはご存知とおもいますが、わたしの目に写った石切の不思議タウンぶりをお伝えしましょう。


 「石切さん」こと石切劍箭神社への参道がまちの中心をなします。近鉄奈良線石切駅からは、車道ですが細い下り道が続きます。


 (ちなみに、同線のおとなりの額田駅から石切駅までは、電車から見下ろす大阪の夜景の美しいところとして知られているそうです。高台を走ってるんですね。これも初めて知りました;;)


 さて、この参道の両側にならぶお店がとっても独特。京都・奈良にもないえもいわれぬ不思議さが石切です。


 まずは、目につくのは占い館の多いこと…。


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上は、道の両側が占い館。




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 お好み焼き屋が集まった 「お好み村」みたいに、占い館ばかり集まったビルもあるんです♪

 こんなに占ってほしい人がいるのか〜!私もなにか悩んでみたくなりました(嘘)




 それに、「こんなご商売よく成り立つなあ」というお店のかずかず。


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胡麻・雑穀専門店



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手前に「ひじきごはん」の札がみえる



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つけもの専門店。店構えがしぶい



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こよみの店



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つけもの横丁


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ねこグッズの店。はるか喜びそう



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「しばらくの間夏季休暇とさせていただきます」の貼り紙。「しばらくの間」というフレーズが素敵。



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漢方薬局。「○○藩士 阪本昌胤」のロゴがなんだかかっこいい
 


 そんな素敵なお店、お店に目を奪われながら歩いて20分ほど、ようやく「石切さん」に着きました。


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 本殿前のクスノキは樹齢470年とか・・・でも、参道にくらべると割とふつうの感じの神社さんです。


 腫物封じとか、お百度石が有名です



 
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 さて、3つ前の記事に出てくる寺田まさごさんのレストラン「テラス石切」は、その参道を石切駅へ3分の2ほど上った右手にあります。

 黒いビルの1階に和食の「梅ヶ丘」、2階がイタリアンの「レガーロ」になっています。ここは、普通に正統的な建物です。

 
黒米うどん



 「梅ヶ丘」の名物、黒米(古代米)入りの「梅ヶ丘うどん」。こんにゃくのような外観、歯ざわりはしこしこと強いコシがあり香ばしいお味です。お出汁は豆乳で、湯葉が浮いています。「添加物はきらいなんです」という寺田さん、手打ち、手作りのメニューがならびます。


 
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 寺田さんのレストランから通り1本上がったところに「石切大仏」。「日本で三番目に大きい大仏」と表示があるが…、兵庫大仏といい勝負です。愛すべき石切。


 ご訪問した日は「9の日」だったので、お休みのお店が多く、石切の真髄をまだ見ることができませんでした。修行が足りん正田。また行こうっと。




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本日(11日)の日経新聞朝刊五輪面に、なでしこジャパンの強さの秘密を探る「駆けたなでしこ(上)個を高め合うチーム力 心通わせ守備進化」という連載記事が載っています。




 この記事から引用をお許しいただきますと:


 悲願だった五輪のメダルをつかんだ女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」。体格や身体能力がぱっとしない日本が、なぜ快挙を達成できたのか。技術の高さ以外に秘密があるはず、と海外メディアは質問攻めにするが、「チームワークです」と佐々木監督の答えは明快だ。


 「明るくて、正義感が強く、リスペクトする。結集するとあんな子たちでもすごいパワーが出せる。それが『なでしこ』のチーム力」




 決勝で敗れて涙にくれた後、表彰式にはお互いの肩に手を載せ一列につながり合って明るい表情で出てきた「なでしこ」たち。その「つながり」を体で表現した姿に、なでしこ独特の強さを重ねあわせた人も少なくなかったでしょう。


 試合中に何度もみせてくれた、2人や3人で体を共有しているのかと思うような見事なコンビネーションプレー。


 ただ、その「つながりパワー」は、「チームワーク」と一般的に片づけられるような生易しいものではない。というのも、この記事の中からは窺われます。


 自分がどんなプレーをすべきか。味方にどんなプレーをしてほしいのか。宮間(岡山湯郷)や大野(INAC神戸)を中心に、選手はしつこいほどミーティングを繰り返した。4強入りしてロンドンの選手村へ移動してきたときは、8畳余りの佐々木監督の部屋に選手が押しかけ、ミーティングルームと化した。

 自室に戻るのがはばかられた指揮官は、あてなく廊下をうろうろとぶらつく羽目に。「自分が入ると悪いなと思ってね。特にDF陣やGKを中心によく考えてくれていた」

(中略)

 仲良しクラブだったわけではない。時に意見の対立もあった。だが、全員でいい準備をして、被る危険の選択肢を狭めてこそ日本は世界の強豪と渡り合えた。堅固な守備システムは、濃密なコミュニケーションから生まれた。

 1年前は前線でわがままなプレーが目立っていた大儀見(ポツダム)は今大会3得点。チームのために献身的に動き続け、自分を生かし組織も生かせるストライカーに成長した。この進化は、ピッチ内外で大儀見の意見を聞き入れた主将・宮間が支えたものだ。そんな化学反応があちこちで生まれた。

 「自主性をもってやるから団結力がある。だから楽しくゲームをしているように見えるのでは」と佐々木監督。一丸という言葉では陳腐過ぎる。際立った個性が互いを磨き合い、良さを引き出し合う有機的な協業がなければ、銀メダルへの道もかなわなかった。
(岸名章友)



 はい。この記事をこんなに長く引用してしまったのは、恐らく日経新聞独特の目線での「掘り下げ」―すなわち、体格や個人技に劣る日本が経済分野でもどう世界に伍していくかという問い―を感じたからであります。


 「濃密なコミュニケーション」という言葉が出てきます。おそらくそれは、コーチング研修で教えるような少々のテクニックを超えた、「日夜をわかたずコミュニケーションを取ろう」という強い意志から生まれるものです。

 
 これは、水泳女子400Mリレーの選手たちの間でも「何日も合宿して生活をともにしてお互いのことを全部解りあった」という言葉が出ていたように、半端ないレベルのコミュニケーションです。


 上の記事から、ホンダの「ワイガヤ」のようなものを連想した方もいらっしゃるでしょうね。


 ・・・何が言いたいかというと、ワークライフバランス流行りの昨今。どうも、ここ数年来のブームであるものが、今年に入って一段と勢力を強め(台風みたいな表現だ)周囲でも会話時間を短縮しよう短縮しようという流れになってきている。しかし、体格に劣る日本でそれは本当に正しいか?というわたしの中の問いであります。


 以前にも、

「『トヨタ、人材育成で残業解禁』に思う」(2010年10月)

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51630407.html


の記事でご紹介したように、削ってはならない必要な時間というのはあるのでした。それは、人材育成やチーム作りに必要な「コミュニケーション/対話」の時間であります。


 わたしは決してワークライフバランスきらい人間ではない積りです。育児、介護といった「生老病死」にかかわることに人々がきちんと時間を割くことは、社会を維持するために当然必要なことです。

 ただWLB専門家のかたがおっしゃるような、育児や介護をしてない人にとっての自己啓発のための余暇活動を育児介護と同等に扱えという論調には同意できないし、職場での「会話」をむだ時間として削れ、早口でおざなりなしゃべりをしろという妙な圧力も賛同しがたいのです。


 世の中にはむだ話をして仕事時間を長引かせるタイプの人もいるしむだなおつきあい残業をする人もいる、残業を美徳と思っている人もいる。そういう明らかにむだなものは削ればいいだけのこと。


 今年はちょっと、ワークライフバランスがイデオロギー的に突出してきているのかなあ。ひらひら服現象と一緒で。くみせんとこ。



 きのうは、介護福祉施設での夜からの研修。

 職員の皆さんが、利用者さんの夕食が終わってからやっと集まれる、というので19時からのスタートになり、2時間半で「承認」をお伝えしました。

 真摯に「時間がない」というお客様に対しては、私は時間短縮のご要望に応じるのはやぶさかではありません。そこでは、「せっかく承認に出会った皆様が末永く使ってくださいますように」と著書も無料でお配りしました。


 21:30まで正規の研修とし、そのあと「個別のご質問ご相談がある方はお残りください。私も残りますよ」と呼びかけると、若手リーダーの2人が残られ、結局22:30ちかくまでご相談時間となりました。

 短縮できるものと、決して短縮できないものがあります。切り分け、大事です。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


お世話になっている皆様



 おはようございます。
 企業内コーチ育成協会の正田です。



 神戸を含む関西地域は、まだまだ暑い昨今です。
 皆様、お変わりなくお過ごしですか。



 「なでしこ銀メダル」そしてロンドン五輪も終盤となりました。TV局が編集した、ここまでの日本選手たちの熱闘の映像をみていると、つい胸が熱くなってしまう…のも、きっとわたくしだけではないでしょう。


 そんな中、消費税上げをふくむ一体改革法案がきょう成立しようとしています。


※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。ご不要の方は、メール末尾にありますURLより解除いただくか、このメールに直接「不要」とご返信ください。




 本日の話題は:



■夏休み読み物。

全日空(ANA)の客室本部長・河本宏子氏にインタビューしました!

「ANA流『安全』と『サービス』そして『承認』
    ―河本宏子・客室本部長にきく―」

■おすすめ図書
『ドラッカーに先駆けた 江戸商人の思想』(平田雅彦著、日経BP社、2010年)


■今後の講座予定
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA(10月23日、24日)


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■夏休み読み物。

全日空(ANA)の客室本部長・河本宏子氏が、当協会のインタビューに応じてくださいました!

「ANA流『安全』と『サービス』そして『承認』
    ―河本宏子・客室本部長にきく―」


 昨年「承認大賞2011プロジェクト」から生まれた、不思議なご縁。

 「柔らかい、自然体のサービス」でファンの多い全日空(ANA)の中に脈々と受け継がれてきた、「承認」の文化がありました。

 その謎を解明したい!とこのたび、同社の河本宏子・上席執行役員 客室本部長にインタビューを申し込んだところ、こころよく受けていただいたのでした。

 そのもようをブログに掲載させていただきました。

 少し長いですが、日本を代表する航空会社の1つ、ANAがどのような努力を重ねて今に至っているのか。ご関心のあるかたは、お時間のあるときにご覧ください:



プロローグ―「承認大賞」から生まれたインタビュー

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51820115.html


(1)CAは約6000人の巨大組織

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51820117.html


(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51820124.html


(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51820131.html


(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51820132.html


(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51820133.html


(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51820136.html


エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51820139.html


あとがき:石切にて

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51820351.html


 本インタビューの実施・原稿作成・掲載に関しましては、インタビューに登場される河本氏・水田氏のほか、ANA客室本部・広報室の各ご担当者のかたに大変にお世話になりました。改めてお礼申し上げます。



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■おすすめ図書

『ドラッカーに先駆けた 江戸商人の思想』(平田雅彦著、日経BP社、2010年)

http://www.amazon.co.jp/dp/4822248097


 「はたらく」こと、商家の「躾」を人格向上の手段としてとらえた江戸商人とその使用人。すがすがしい読後感があります。こうした労働観を継承していきたいものですね。題名の「ドラッカー」は2年前の流行か、ややご愛嬌。


こちらに書評を載せました。よろしければご覧ください:

「『はたらく』ことは苦行ではなかった―『ドラッカーに先駆けた江戸商人の思想』」

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51615118.html

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■今後の講座予定
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA(10月23日、24日)



 引き続き、現代の諸問題を解決する力のある優れたリーダーを創る「企業内コーチ育成講座」を、姫路にて開講いたします。

 下記をご参照いただくほか、もし「私の町で開催してほしい」というご要望がありましたら、極力お応えしたいと思います。その場合は info@c-c-a.jp まで、メールでお知らせください。




★10月23日(火)・24日(水)
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA
 〜コーチの眼・耳・心を身につける2日間〜
 各日10:00〜17:30
 姫路・じばさんビル会議室
 受講料42,000円
 詳細とお申し込みは ⇒ http://c-c-a.jp/info2/index.php?nw2=0


 「承認」「傾聴」「質問」と、基本の3大スキルを実習を交えてじっくり学べ、
 これだけで職場のコーチングは十分こなしていただけます。
 中でも「承認」は一般的なビジネスパーソンの常識を覆す学びとなることでしょう。
 すべての管理者、経営者、部下・後輩をもつ立場の人にお勧め。


 皆様のご参加をお待ちしております!!


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※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び
代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・
当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方に
お送りしています。

今後ご不要の方は、
空メールをご返信いただくか、こちらのページ

http://www.webcordial.com/bn/tk.html

より解除していただければ、
購読リストから外し、次回から送信されないようにいたします。


※このメールは転送歓迎です。
もしこのメールを新たに購読ご希望のかたがいらっしゃいましたら、
info@c-c-a.jp まで、「メールニュース希望」と書いて
お申込みください。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


もう既に夏休みに入られた方、これからお休みという方も、
よいお休みをお過ごしください。



*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*
神戸のコーチング講座
特定非営利活動法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
代表理事 正田 佐与
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ブログ「コーチ・正田の 愛するこの世界」
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愛する日本を、人が元気になる国にしませんか。
「承認大賞2011プロジェクト」
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「企業内コーチ育成のすすめ」
(株)帝国データバンク社『帝国ニュース兵庫県版』
2008年〜2012年 長期連載このほど完結
http://blog.livedoor.jp/officesherpa-column/
*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*



 ここで、このインタビューのきっかけになったエピソードの主・元CAの寺田まさごさんに再度ご登場いただきます。


 寺田さんは現在、東大阪市の「石切さん」こと石切劍箭神社の参道沿いにあるレストラン「テラス石切」の社長。またご主人の経営する介護老人保健施設「石きり」の理事を務めておられます。


  9日、「テラス石切」の中の和食ダイニング、「創作美食 梅ヶ丘」にうかがいました。


 柔らかい声、お客様1人1人に、小さなお子様にいたるまで目を合わせ微笑みながら接客するオーナーの寺田さんがいらっしゃいました。


 
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 「河本(宏子)さんは私の後輩ですが、本当に立派な方。上から吊り上げられて役員になったわけではなく、下の人がみな『この人なら』と推薦し、押し上げたんです」


と、寺田さん。


「今回のインタビューは本来、神戸の一NPOがANA様にインタビューに行かせていただくなど考えられなかったんです。そういうお人柄だからなんですねえ」

感嘆して私は言いました。


 よく決断してくださった、とやはり思います。

 長さん、寺田さんお2方からのお口添えがあって、とも伺っています。


「ただ、一か所残念ながらクリアにならなかったところがありまして。ANA様がこういう『承認のマネジメント的なもの』に舵を切られたのが2000年頃、というお話だったんですが、長さんと寺田さんのエピソードはそれより前だったですものね。それ以前から脈々と受け継がれてきたものがあったはずだったんですが」と私。


「それは、私ではもう記憶があいまいですから、お答えしないほうがいいでしょうね」

と、微笑みながら寺田さん。


 ここはついに玉虫色になりました。おそらく、2000年以前のANAでは承認は「なんとなく受け継がれてきたもの」。一部の上司・先輩はそうだったし、そうでない人も中にはいた。2000年以降はカードなどを使ってより意識的に文化、価値観として定着させようとした、ということなのでしょう。


「あえていえば、こういうCAやスチュワーデス、パイロットなどの職種はとても特殊で、特殊な社会になりがちでしょう?河本さんや私は、それを『普通の感覚の組織』にしようと努力してきたんだと思うんですよね」


 寺田さんは今は、レストラン経営の傍ら90床の老健施設の理事として、施設の経営にも意見を言う立場。


「こういう医療とか介護の世界もそうです。私たちの施設はお蔭様で地域で高い評価をいただいていますが、すごい専門性があり、特殊な世界になりやすい。それをどう、普通の経営の感覚を入れるか。今もやっていることは同じなんです」


 寿退社した寺田さんとANAに残った河本さん、道は違えどやっていることは今も同じなのだと。



 
 「承認大賞」に20年も前のANAのエピソードを応募してくださった長直子さんの想い。そして日々の努力のすえ、6000人の組織に脈々と受け継がれてきた文化。河本さんの決断、そして水田さんや担当者のかたの温かいご協力。


 
 さまざまな方のお蔭でこのインタビューを外に出せました。


 改めて心からお礼申し上げます。
 



今年の当協会のスローガン:
 「百年後に誇れる人材育成をしよう」


ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

プロローグ―「承認大賞」から生まれたインタビュー

(1)CAは約6000人の巨大組織

(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は 

エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ

あとがき・石切にて






神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


 

ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―


エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ


インタビュー登場人物


河本 宏子氏(全日本空輸株式会社 上席執行役員 客室本部長=当時。2014年4月より常務取締役執行役員、以下同じ) 
水田 美代子氏(同 客室本部 副本部長 兼 グループ品質推進部長)


ききて:

正田 佐与(NPO法人企業内コーチ育成協会 代表理事)
田村 聡太郎(カメラマン)



エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ


 インタビュー後、水田さんより客室本部のオフィスをご案内いただきました。

 ここでは、CAの方々がフライト前のブリーフィング(小会議)を行ったり、フライト後のレポート作成を行ったりしています。大人数のため個人所有の机はなく、PCも共用のフリーライドなオフィスです。長い通路を隔てて、応接室から向かって左側にCAさんたちがブリーフィングしたり個別インタビューする机の島、そして右側(窓側)にマネジメントの人達が座る机があります。お話の中ではこのマネジメントの人達の机の配置を変えてみたりしていたよう。

 マネジメントの机には大きな名札が。CAさん達はフライト業務が中心で、マネジメント層との接触時間が少ないため、なかなかマネジメント層の名前をおぼえられない。名前がわからないと話しかけづらいからと。


BlogPaint


マネジメント層の机。大きな名札(約10cm四方)が、針金の高さ30cmほどのスタンドで掲示してある(赤丸印)



「かつては、この中で課長を一番手前に座らせたりしていたようです。今はまた課長が一番奥になっていますね。試行錯誤のすえ」と水田さん。


 マネジメントの机の上に記入した「グッドジョブカード」を入れる箱が。失礼して、1枚のグッドジョブカードをみせていただくと:

2204



「FLT TIMEの短いソウル便において、最後までCABINでも笑顔を絶やさず、慌ただしくなりがちな雰囲気の解消に繋がっていました。お客様にもクルーにも安心感を与えるマネジメントを今後も継続していって下さい。」





 CAさん達のブリーフィング風景もみられました。

2206


フライト前に搭乗者数、気象状況などを確認しあう。



 7月の安全標語は、
「気づきを声に出そう」。これが社内のポスターや、PCの壁紙になっていました。
具体的な「気づきの言葉」として、

「それ、いいね!」
「大丈夫?」
「何故?どうして?」
「助かった!ありがとう!!」


などの例が挙げられています。


水田さん曰く、
「これは、まさに『安全』と『承認』の融合ですね。私たちは、『おせっかいCA』をつくりたいんです。今の若い人はお互い関わる力がやや弱いかなというところがありますので」


 そして、「とってもアナログでしょ?ずうっと試行錯誤の連続なんです」と、謙虚におっしゃったのでした。

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(了)


ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

プロローグ―「承認大賞」から生まれたインタビュー

(1)CAは約6000人の巨大組織

(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は 

エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ

あとがき・石切にて



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は

■基本は個々の関係づくり
■怒られ慣れていない若い人には
■「厳しいけれど、冷たくない会社」
■マニュアルにないサービスを―お客様の声を励みに


インタビュー登場人物


河本 宏子氏(全日本空輸株式会社 上席執行役員 客室本部長=当時。2014年4月より常務取締役執行役員、以下同じ) 
水田 美代子氏(同 客室本部 副本部長 兼 グループ品質推進部長)


ききて:

正田 佐与(NPO法人企業内コーチ育成協会 代表理事)
田村 聡太郎(カメラマン)


(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は

■基本は個々の関係づくり


正田:最後のご質問になってしまいました。ゆとり世代と言われるここ数年入社組の新入社員、厳密にはここ2年ですか3年ですか、「承認」はどのように効果を及ぼしていますでしょうか。これは一般的に交通・運輸に限らない他社様で、どこでも頭が痛いっておっしゃる問題なんですが、いかがでしょう。


水田:あまりゆとり世代という方々の特徴という風にはとらえていないですし、明確にこの2−3年の傾向として、それまでと大きく違ってきているというふうには受け止めてはいないです。

それぞれ自分が何を求められ、どういうステージにいるかというところで、例えば、入社して、新しい仕事をおぼえるということもそうですし、何年か経って国際線の資格をとって、さらに業務領域を拡大したり、あるいは、先程申し上げたようなチーフパーサー、責任者となっていくときには、責任の重みが増すですとか、そういう1つ1つのステップの中でのプレッシャーなり、責任の重さみたいなものに対して多少大変だと思うような人達が出てくることはあるかもしれません。

そういう時に、1人1人に対して個々の関係を管理職層がつくり、悩んでいる人に対してのアプローチをすることによって、周りがサポートしながら、いい状態に持っていこうという、そういうことは日々のマネジメントの中でやっています。

2158



正田:それはそれは。すごいことですねー。


■怒られ慣れていない若い人には


水田:ただ、(若い人は)資質としては、すごく優しかったり、ナイーブだったりします。


正田:彼(撮影スタッフ・田村)も優しいんですが(笑)


水田:大切に育てられていて、怒られ慣れていない、そういう傾向は、この何年かの中には感じるということはございます。そういう人達に対して、昔風の、それこそ上から下に「何やってるの!」というようなことをやってしまいますと、ヘナヘナヘナと…(笑)


河本:折れちゃう。


水田:そういうことに対して、気は使っております(笑)。


正田:大変興味深いので教えてください。例えば水田様が入社された当初のころは、ミスした時にはどんな風に怒られましたか。


水田:それは、まずこう、(強い口調で)「あなた何やってるの?」という感じですね。


正田:はあ、今のような口調で。


河本:こんこんと。


水田:はい、お説教されるような感じで。


正田:ではもし、今の新人さんが同じようなミスされるとどんな感じですか。


水田:「(穏やかに)どうしてそういう風なことになったのかなあ」「少し振り返ってみましょうかー」みたいな感じでしょうか。(一同笑)


2191




正田:そうですかあ(笑)


水田:それで、自分の中に「ここが間違っていたのか」と考えさせていくような感じです。やっぱり怒られることになった結果がありますから、どこかが違っていたということだと思うんですね。そこに対して、本人に気づかせるということです。


河本:だからと言って、今、全部が「どうしたの?」というわけではありません。ティーチングとコーチングを使い分けるようにしていますし、憶えるべきことを憶えてもらわなければ困るという意味では、かなりスパルタ的にティーチングでやっているところはあります。また、それだけではないマネジメントというものも考えて人を育成していくということを推進しています。すべてがそんな風(「どうしたの?」)ではないですし、「こっちかこっち」ではなくて、使い分けですね。

 成長の段階によって、そしてまた個人差もありますので、1人ずつをきちんと見て行くということをやっていかなければならないと思っています。

 やっぱり「人」なので。「ANAはこうだ」ということよりも、1人1人が集まってANAになっていくということですので、1人1人がブランドの代表として、1人1人が自分を律して、行動をとってくれる人に育ってほしいという思いをこめています。

 厳しく「何やってるの!」から、「(優しく)何があったの?どうしたの?」(笑)という、そこを見ていくという、両方ですね。


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正田:そのスパルタの場面もぜひ拝見させていただきたい(一同笑)


■「厳しいけれど、冷たくない会社」


河本:やはり訓練の場面などは厳しいですね。パイロットもそうですし、整備もそうですけれども、先輩が後輩に対して、やるべきことをきちっとやっていないと、そこはやはり厳しいですね。ベースには安全というものがありますし、これも色んなところでよく言うのですが、私たちは「厳しいけれど、冷たくない会社にしよう」と、先輩に言われたことがあります。


正田:厳しいけれど、冷たくない会社。


河本:やはり厳しさは必要ですし、ただ、人としてはつねに血が通ってるというか、何のためにそれを言っているのかというと、自分の成長、会社が永続的に発展するために自分の先輩は今これを自分に伝えてくれているんだ、ということを感じられる、そういう育成をしていきたいなと思います。


正田:素晴らしいです。


水田:そこを感じてくれている人はいますね。色んな厳しいことを言ったかもしれないけれど、あの先輩は自分のことをちゃんと考えて、自分のために言ってくれているということが伝われば、しっかりそれを受け止められるんだと思います。感情的に自分のものをぶつけるようなことを言わないようにしないといけないですよね。


河本:だからと言って、感情がなかったら、それはそれで無味乾燥ですよね。やっぱりはらが立つときははらが立つし、嬉しいときは笑うし、悲しいときは泣くし、苦しくても泣くし。やっぱりそういうふうにみんなが活き活きと働ける職場でありたいと思います。

 先程グッドジョブカードのお話が出ましたけれども、この表彰式を3か月に1回ぐらい実施します。そのときには、本当にみんなが「この仕事をやっていて良かった」「ANAでこんなお客様に会えたことが幸せだ」ということとともに、「この賞をもらえたのは、今まで支えてくれた人がいるからです」「私がフライトでこのことができたのは、そのとき周りに仲間がいたからです」ということを、べつに強制して言わせているわけではないんですが、本当にみんながそういうコメントを表彰式のときにしてくれるんです。それは私にとっても、いいなと思う場面ですので、そういう意味でお互い認め合って、これからもどんどんいい方向に使っていきたいなと思っています。

 先ほどから「素晴らしいですね」というお言葉を何度も発してくださっているんですけれども(笑)、中身はそんなに素晴らしいことばかりではなく、つまずいていることも一杯あります。完璧ではないんですけれども、それをずっと続けるということを地道にやっていきたいと思っています。その積み重ねが、あとで振り返ったときに「ああ、こういうことだったなあ」となればいいと思います。


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正田:もう気持ちの中に素晴らしいっていうのが充満してしまっていまして、本当にありがとうございます。本当に貴重なお話を。

 よろしければ田村さんからも一言。


■マニュアルにないサービスを―お客様の声を励みに


田村:先日、6月末に伊丹から羽田に「ポケモンジェット」に乗らせていただいたんです。最後尾に座っていてポケモンの絵のついたカバーの写真を撮らせていただいておりましたら、客室乗務員の方がポストカードをお渡しくださいました。それはポケモンジェットにしか載ってないポストカードだったんです。知人の子どもにすごいポケモン好きがおりましたので、そのポストカードを上げると「あっ(喜)」と。


河本:嬉しいです、そういうこと(ポケモンジェットのポストカードのプレゼント)が行われているということが。それはマニュアルにはないけれども、そのときに、(シートカバーを)見ていらっしゃる姿に寄り添うことができれば、ということで、客室乗務員が判断したのだと思います。私たちはマニュアルにない、その時にできる、あなたらしい最高のサービスをしてほしいということをいつも伝えていますので、今のようなフィードバックで、「ああ、実践されているんだな」と思います。そういうお客様の声が私たちの宝物で、そういった宝物があるから、次のANAがあるのです。ありがとうございます。またそういうお話を伝えていきたいと思います。

 本当にそれが何よりのモチベーションで、「なんでそんなに頑張れるんですか?」と聞かれた時に、そうやってお客様が「ありがとう」と言ってくださったり、温かい言葉をかけてもらえることが、私たちの励みだと思っています。


正田:ありがとうございます。今日のお話でも6000人のアテンダントの方がいらっしゃるんだということ、こんなに軍隊的な組織というのは(笑)その中のマネジメントをここまで血の通ったものにしておられるのが、日々のご努力が凄いことだなあと思っておききしておりました。6000人の方々が血の通った、心のこもったサービスをされるために、マネジメントの皆様本当に汗を流しておられると思います。ご苦労様でございます。


河本:いえいえ、応援して頂ければ(笑)。こんどは、逆に厳しいご意見なども、いつでも頂ければ。

繰り返しになりますけれども、本当に行き届かないですし、今日こうしたことをお話させていただくのも、決して「私たちはできているから」ということではなく、「こんな取り組みをしている」というご紹介の気持ちですので、そのように受け止めていただければなと思っております。何卒よろしくお願いいたします。


正田:また今後を楽しみにさせていただきます。応援しております。今日は本当にありがとうございました。



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(エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ につづく)


ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

プロローグ―「承認大賞」から生まれたインタビュー

(1)CAは約6000人の巨大組織

(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は 

エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ

あとがき・石切にて

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ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

■安全文化評価調査、社員満足度
■「安全」「規律」と「個性」「自由闊達」





インタビュー登場人物

河本 宏子氏(全日本空輸株式会社 上席執行役員 客室本部長=当時。2014年4月より常務取締役執行役員、以下同じ) 
水田 美代子氏(同 客室本部 副本部長 兼 グループ品質推進部長)


ききて:

正田 佐与(NPO法人企業内コーチ育成協会 代表理事)
田村 聡太郎(カメラマン)



(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

■安全文化評価調査、社員満足度




正田:そうですか。ありがとうございます。

 こういった承認のマネジメントの下で離職率や社員満足度、顧客満足度というのは、他社様との比較というのはございますでしょうか。


河本:離職率は、年によっても社会環境によっても違います。就職が難しい時代などは離職率は低くなりますし、そういう意味では幅はあります。

 社員満足度、顧客満足度は、年に1、2回の調査を行っています。自分たちの健康診断ではないですけど、定期的に行い、特にそれを他社と比べるということはしていません。ただ、自分たちANAの強み、弱みは何なんだろうという分析は、他社を参考にしながらするときはあります。また、他社がなさっている顧客満足度の調査方法や他業種のやっていらっしゃる手法については、十分参考にさせていただいております。

 それに加えてもう1つ大事なのは、安全文化評価調査というものもやっております。安全文化をつくるためのアンケートですね。


2094




正田:安全文化評価調査。どういったものですか。どんな設問なんですか。


水田:主として安全に対して、どのような意識でやっているかですとか、安全を高めるために自分がどんなことを行っているかとかです。こうした問い掛けに対する答えの中に自分自身の意識だったり、会社全体の風土に関わるようなことが見えてくるということです。


正田:非常に興味深いです。自己評価でいらっしゃるんですよね。


水田:はい。かなりの量の設問ですけれども、結果としましては、経営に近い層と、中間管理職的な人と、一般職という、それぞれのくくりの中で、意識の違いがあるとか、安全に対するとらえ方が違うといったことがあります。例を申しますと、「すごくよくやっています」「こんなに制度を整えて安全を高めています」という意識が強い層がある一方、「そこまでではない」といった層もありますね。そういうことについて、違いがあるということはちゃんと認識しておかなければならないと思います。「できている、できている」と思っているのはやっぱり良くないです(笑)。そういう結果のフィードバックもしています。


河本:そういう調査をやっているのは、やっぱり自分たちがどういう状況にあるかということをきちんと把握して、次につなげていこうという手法として使っているということですね。経営管理指標にもしていますし。スコアを高めていこうというのは、私達も目標としては持っていますけれども、数値ありきというよりも、品質がきちんとしていれば、結果として数値はついてくるだろうという考え方ですね。


正田:そうなんですか。安全文化評価も、これもまたすごく興味深いです。設問が沢山あるとおっしゃいましたが、大体何十問ぐらいですか。


水田:50(問)を超えるぐらいあったのではないかと。


正田:それは多いですねー。


水田:疲れるぐらいあります(笑)。似たような設問を繰り返すというところがありますね。

社員満足度も少し似たような感じです。例えば上司との関係ですとか、そういうふうな設問もあったりしますので、そこからやっぱり意識の違いというのが見てとれたりします。


正田:例えばもしこのお1人のIM(インフライトマネージャー)のもとで、乗務員の方からわるい評価が続いたという場合は、どんなふうに。


水田:1人のIMの下に大体60人ぐらいの客室乗務員がいまして、そこまで細分化したデータは出てこないのですが、課の単位ですとか、部の単位ですと出てまいります。ただ、課や部によって違うというところはなく、管理職またはマネジメント層側の認識と若い人との認識の違いということがあるかもしれません。

 例えば「自由闊達な雰囲気」があるかないかということのとらえ方の違いが、長年指摘されてきているんですけれども、どうしてそういう違いが生じているのかなということを、私達なりに結果をみながら考えたりはしています。

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正田:そうですか。自由闊達がない、と。


水田:自由闊達にしていると私たちは思っているんですけど(笑)。


河本:「安全」に関わる部分では規程ですとか、ルールは結構決まっています。業務上そうしなければならない部分がありますので、やはり規程に縛られてしまうところはあります。自由な雰囲気でしようというものの、仕事柄、やはり指揮命令系統ははっきりしているんですね。そうでないと、脱出するときですとか、何か緊急事態が起こったときに、誰が誰に対して指示をするかですとか、誰の監督下に置かれるのかということは、ある意味ルールで決めておかないと、かえって混乱します。そういったことも考えますと、やむを得ない側面もあるのかな、と思いますし、それをあまりネガティブにとらえるのではなく、自分たちの業務の特性として見て行かないといけないのかなとも思います。


正田:やっぱり、規律を守っているお姿というのが私達にはかっこよく映るんですけど。


河本:規律を守ってきちんと仕事をしていることが、航空会社として、公共交通機関として、お客様の安心感につながっていくということは非常に大切だと思っています。それは整備士もそうですし、パイロットもそうですし、空港で働く者、すべてがそこを意識しているところはありますね。


正田:航空業界ということでいえば、例えばサウスウェスト航空さんとか、あるいは今時のLCCさんとかで、自由闊達な雰囲気とか、ポロシャツが制服で、ということをセールスポイントにするところもありますよね。


河本:そうですね。ただ、それらも安全を前提にした中でのことだと思います。個性は、ANAの中にも、LCCの中にもあり、それはどんどん出していけばいいと思います。型にはめるということではなく、ポリシーはしっかり明確にしておかなければならないという意味で、各社のマニュアルであり規程だと思っています。


正田:なるほど。

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((6)「ゆとり世代」の指導の仕方は に続く)


ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

プロローグ―「承認大賞」から生まれたインタビュー

(1)CAは約6000人の巨大組織

(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は 

エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ

あとがき・石切にて





神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

■転換点は2000年―「上位下達」から「逆ピラミッド」の模索
■CAとマネジメントの距離を近く



インタビュー登場人物


河本 宏子氏(全日本空輸株式会社 上席執行役員 客室本部長) 
水田 美代子氏(同 客室本部 副本部長 兼 グループ品質推進部長)

ききて:

正田 佐与(NPO法人企業内コーチ育成協会 代表理事)
田村 聡太郎(カメラマン)






(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

■転換点は2000年―「上意下達」から「逆ピラミッド」の模索



正田:そういった、声掛けをする、関心を持ちあうあり方というのは、ANAではいつごろから始められたんですか。



河本:弊社の中にお客様の声やご意見をお伺いする「CS推進室」という部署があるのですが、その部署が主体となって2000年ぐらいから「エクセレント・サービス・アワード」という表彰制度を取り入れています。客室部門としては2002年の10月からこの「グッドジョブカード(当時はスターカード)」を使った表彰制度を取り入れました。
ただ、グッドジョブカードだけが承認のマネジメントでもないですし、エクセレント・アワードだけがそういうことでもないという意味では、脈々と先輩たちから受け継がれてきた文化ではないかと思っています。


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正田:といいますとつい他社様との対比をイメージしてしまうんですが、ANAは何故そのようになったんでしょうか。


水田:例えば私どもの部門の中だけのことを申し上げますと、過去は本当に上意下達といいますか、上から下に対して厳しく指導するという文化がございまして。

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正田:あ、やっぱりあったんですねえ。


水田:ありました(笑)。私たちが入社したころは、先輩の言うことにはまったくNOとは言えないぐらい、すべて「はい」という(笑)、そういう文化の中でやってきていたのですが、やはりお客様に身近に接している現場の人達が色んなものを持っていて、その人達の意見をちゃんと取り上げて活かしていくということが、会社にとってもいいサービスができるようになる、ということに気づいたんだと思います。それは競争が厳しいからであり、競争が厳しいという環境を考え、その中でそれをやっていかなければならないということに気づいたということです。

 そのため、ある時期は、組織的にも部長がいて、リーダーがいて、マネージャーがいて、班長がいて、というピラミッド組織を逆にしたんですよ。


河本:逆ピラミッドの組織ですね。


正田:言葉としてはきいたことがあるんですが、実際にできるものなんですか。



■CAとマネジメントの距離を近く



水田:まずは組織図をそういう形に作り替えてみたり、あとは実際にフライトをしているCAが所属しているセクションで、管理職がよりCAに近づけるようにということで、座り方を変えてみたりですとか。デスクの配置ですね。また、近くに来てちょっと座って話ができるようにと、椅子を置いてみたりですとか。フライトをしているCAと、それをみているマネジメントの人達の距離感を近くしようという、そういう時代の流れだったと思います。


正田:それが何年ごろのことですか。


河本:先ほどの話にあった2000年ぐらいですね。競争環境も厳しくなりますし、ANAの会社全体が生き残っていくためには、以前はなかったお客様の声を聞くセクションができたり、そして、形だけではなくて、例えばそのお客様の声として聞いたものを調査をする、顧客満足度調査をする、あとは、それと併せて社員満足度調査をするですとか、そうしたことが少しずつ走り始めていったのと、一体となって進んだと考えていただいていいと思います。

 弊社の行動指針に「お客様の声に徹底的にこだわります」という言葉があります。こういうものを経営の中に取り入れ、お客様の満足、そして従業員の満足が永続的な企業の発展につながるんだという思いを持ち、やってきているということです。

 ですので、繰り返しになりますが、客室(本部)だけでやっているわけではありませんが、ただ、客室はお客様との接点が多いですし、時間も長く、また、やはり航空会社の顔という意味ではブランドの代表ですよという位置づけで、より強い教育だとか、意識をもたせるような取り組みがすすんでいったんだと思います。


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応接室に掲示してある経営理念・行動指針




正田:そうしますと特定の創始者の方というのは特にいらっしゃらないわけですね。例えば何代前の社長さんとか。


河本:それはないですね。だれかが作った、というよりもトップマネジメントが、どういう経営をすべきかという中で、組織も整え、こういった制度もつくり、安全に対する取り組みの整備だとか、お客様満足に対する取り組みの整備だとか、全部一緒に進めていったということです。これだけを取り出してやったわけではありません。



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((4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」に続く)


ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

プロローグ―「承認大賞」から生まれたインタビュー

(1)CAは約6000人の巨大組織

(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は 

エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ

あとがき・石切にて




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

■1人ずつの関係を大切に、成長に関心をもって
■上位層にはコーチングを手厚く




インタビュー登場人物


河本 宏子氏(全日本空輸株式会社 上席執行役員 客室本部長=当時。2014年4月より常務取締役執行役員、以下同じ) 
水田 美代子氏(同 客室本部 副本部長 兼 グループ品質推進部長)

ききて:

正田 佐与(NPO法人企業内コーチ育成協会 代表理事)
田村 聡太郎(カメラマン)




(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」
■1人ずつの関係を大切に、成長に関心をもって



正田:上司の方の望ましい行動様式や心のあり方をどのように伝えておられますか。


河本:客室乗務員は、先ほども申し上げたように軍隊のような組織形態の中にいますので、それぞれの節目節目で教育などをして、その教育の中で、私たちが大切にする価値観、ブランドのイメージですとか、自分たちの心持ち、スピリットですね、そのようなものを伝えていく、そういった繰り返しですね。

 その中で目にされることもあるかと思うんですが、「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」という言葉をよく使っていますが、私たちの仕事は毎日の繰り返しだけど、1つ1つのことをきちんとやっていこうね、当たり前のことでもしっかり真剣にやろうね、ということを言っています。


2094



正田:そこがおありになるんですね。


河本:大きな組織だけれども、小集団といいますか、小さな単位でみることによって、1人ずつの関係を大切にし、お互いの成長に関心をもって、愛情をもって支援することを大切にしてほしいと言っています。1人ずつの成長過程をその小集団のチームリーダーの人はみてくださいね、マネージャーも自分の範囲のところはしっかり見てくださいね、ということを伝えています。



■上位層にはコーチングを手厚く


正田:今のお話をうかがうとやっぱり凄いなーと思いました。その教育体系のフローチャートのようなものはありますか。


水田:いつ、どんなものを成長段階に応じて教育しているかということですか?


正田:はい。もし構わなければ。


河本:一番最初が基盤形成期です。その次がフライトの中での責任者になるキャリア形成期です。そこから班をもったりしますので、マネージャー、チーフになったり、管理職になっていくということでのステップがあります。そのイメージで節目節目で教育をしています。

その1つずつの教育の内容は細かには出せないんですけれども、節目の教育で特にチームを持つだとか、自分の部下、班員を持つようなメンバーにはコーチングスキルということで、お互い話をするときの引き出し方ですとかを一般的な知識として教えています。

 コーチングはレポートを受け取るところにも使われます。コーチングでよく使われるオープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンがありますが、客室乗務員がフライトから帰ってきたときに、レポートを受け取っていますが、そのときのやりとりの中では、オープンできいていかないといけないと思います。クローズで「どうしてそんなことやったの?」と言ったら、もうそこでシャッターを閉ざしてしまうことになり、それ以上話は進まなくなって、自分のミスを隠そうとしてしまうとか、自分は悪くなかったとか、エクスキューズになってしまいます。ですので、「何があったんですか?」とか「今日のフライトは大変でしたね」というねぎらいの言葉から入って、そこから話を広げるコミュニケーションの取り方は節目の教育の中で入れています。


正田:大事なことですねえ。


河本:コーチングの勉強は大切なことなので、とくに上位層、マネジメントを担う層に厚みがあるような形になっています。


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((5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断につづく)


ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

プロローグ―「承認大賞」から生まれたインタビュー

(1)CAは約6000人の巨大組織

(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は 

エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ

あとがき・石切にて




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

■「承認のマネジメント」とは言っていないけれど―
■3万3千人が使う「グッドジョブカード」




インタビュー登場人物


河本 宏子氏(全日本空輸株式会社 上席執行役員 客室本部長=当時。2014年4月より常務取締役執行役員、以下同じ) 
水田 美代子氏(同 客室本部 副本部長 兼 グループ品質推進部長)

ききて:
正田 佐与(NPO法人企業内コーチ育成協会 代表理事)
田村 聡太郎(カメラマン)



(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観
■「承認のマネジメント」とは言っていないけれど―



正田:ANAの承認のマネジメントというと、これまであまり外に出たのを拝見したことがないように思うんですが。


河本:お話をする前に、確認をしなければいけないと思っていたのですが、ANAでは特に「承認のマネジメント」という言葉を使ってはいません。ただマネジメントをする中で、自分たちが大切にしたい価値観ですとか、文化の中で、「ほめる」「お互いを認め合う」「支え合う」「支援する」、そういった言葉を多く使っているというのが現状かと思います。また、こうした人材育成の中でチームを束ねる人達にはコーチングなどの研修を行い、そういう中では、「承認するというのは、ひとつの大切なことですよ」と、言葉としては使っています。


2094



正田:そうですか、それは申し訳ございません。事前にご質問項目を考える上で、そのあたりもちょっと気になっていましたので。


河本:お話する中で合ってくると思うんですけれども、承認をするというのは、認めるとか、お互いのことに関心をもつという意味では、私達も非常に多用しているフレーズですので、そんなに違わないというふうには思います。


正田:ありがとうございます。それではちょっと言葉の部分を柔らかくとらえながら(笑)、そういったものがよく使われるマネジメントといいますか、お仕事の現場というのは実際どんなものなんでしょうか。


河本:あとで少し職場を見学していただければと思いますが、ここからクルーがフライトに行って、飛んで帰ってくる。そういった場面で、現場の客室乗務員とマネージャーたちが、色々接点を持っているわけです。そういった中での声の掛け合い、フライトの中でこういうことがあって、お客様からこういうご意見をいただきましたということであれば、それに対して「ありがとう」とか「良かったね」というような声を掛けていく、というのが日常的にございます。


正田:え、そういうところを見せていただけるんですか。


水田:実際にフライトをしている客室乗務員との接点においては、そういう交流があるということですね。



■3万3千人が使う「グッドジョブカード」


河本:それと、「グッドジョブカード」というものがあり、これをデスクで渡したりする場面を見かけるときもあります。もちろん毎日毎便ではないんですけれども、このような形のものも日々の中でやっています。

(グッドジョブカードを渡す)


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ANAのグッドジョブカード


正田:ありがとうございます。


河本:みんなこれを携行していて、お互いの仕事をいいなと思ったら、個々に贈り合うというものです。

 全社的にもこういったグッドジョブカードを運用していまして、こういう承認のマネジメントといいますか、褒めるとかお互いを支援するというのは客室だけではなく、グループ全社員で取り組んでおります。



正田:そうなんですか。凄いことですね。いやいや取ってつけたようにきこえたかもしれませんけれど本当に心から(笑)。



河本:フライトから帰って来たクルーへの声かけですとか、台風などでダイヤが大きく乱れたりしたら、みんなにも大変な勤務をしてもらっていますので、そういうときに「お疲れ様」ですとか、「ご苦労様」というような声を掛ける姿は、どこの職場でもそうだと思いますが、それは日常的にありますね。


正田:先ほど全社員というお言葉が出ましたが、皆様が全社員っておっしゃるときはどのあたりまで、全部で何人の方をおっしゃってるんですか。


河本:現在、ANAで約1万3千人位、グループで約3万3千人です。この羽田空港だけでも何十社もの会社の社員がいて、飛行機1機が飛ぶのにも色んな会社が関わっています。そういう方たちも仲間として、こういうグッドジョブカードをお互い受け渡したりしています。
また、グループ会社でなくても、例えば地方の空港などへ行きますと、その空港で地元の企業に採用されて働いてくださっている方もいらっしゃいますので、その方たちも仲間ですから、もっと広い範囲になるかもしれないですね。


正田:それは羨ましいですね。


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((3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」に続く)


ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

プロローグ―「承認大賞」から生まれたインタビュー

(1)CAは約6000人の巨大組織

(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は 

エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ


あとがき・石切にて





神戸のコーチング講座 企業内コーチ育成協会
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ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―
(1)CAは約6000人の巨大組織

■北京線就航25周年
■6000人を部・課・グループ・班に分割




インタビュー登場人物

河本 宏子氏(全日本空輸株式会社 上席執行役員 客室本部長=当時。2014年より常務取締役執行役員。以下同じ) 
水田 美代子氏(同 客室本部 副本部長 兼 グループ品質推進部長)


ききて:

正田 佐与(NPO法人企業内コーチ育成協会 代表理事)
田村 聡太郎(カメラマン)


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(1)CAは約6000人の巨大組織

■北京線就航25周年



正田:去年、長直子様より承認大賞に大変素晴らしい応募作品をいただきまして、大賞を授与させていただきました。そのあと寺田まさご様も神戸での表彰式にご来場いただき、お目にかかることができました。ほんとに素晴らしいお二人で。




河本:お二人ともわたくしとは先輩後輩の関係です。現在はANAに籍を置いておられませんが、二人からお話を聞き、今回の場を持たせていただくことになりました。今日は足をお運びいただき、ありがとうございます。

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正田:ありがとうございます。実際にお会いしてやっぱり素敵な方々で、どぎまぎしております。

(一同笑)

正田:私自身も個人的にANAとはご縁がございまして、20数年前の中国語学科の学生時代にANAが北京線就航される直前に、当時の成田の事業所で客室乗務員(以下「CA」と略)の皆様に中国語を教えるというお仕事をしたことがございます。その時びっくりしましたのが、客室乗務員の皆様はわたくしが学生だということをご存知でいらしたはずなんですが、大変皆さんお優しくいい生徒さんでいらして。意地悪をされるということなどは全然なく。ああ素敵な方々だなあと思ったおぼえがあります。

CAさんの世界、それまでご縁がなくTVドラマで拝見するぐらいで、ばちっとお化粧をきめて綺麗な方々、でもちょっと冷たい雰囲気を漂わせて、というイメージだったんですが(笑)、イメージを一新したおぼえがあります。


河本:ちょうど今年が日中国交正常化40周年、また、弊社便の北京線就航25周年ということで、色々と盛り上げていこうとしているところですが、そのまさに就航当初お世話になったということですね。わたくしもどこかで生徒として習ったかもしれません。

今は上海にCAのベースも作って、現地採用のCAも増やしていく中で、機内での言語対応力の向上にも取り組んでいるところです。


正田:その後長(直子)さんからも、承認大賞のエピソード以外にも沢山の御社での先輩後輩のやりとりのお話を伺わせていただき、腑に落ちました。そういうことの積み重ねが、ANAファンの方が言われる柔らかい優しいサービスにつながっているんだな、と。


河本:ありがとうございます。過分なお言葉で。


■6000人を部・課・グループ・班に分割



 
ここで、ANAの会社組織全体、また、全社と客室本部の関係について簡単にご説明をいただきました。

 まず、どのような会社にでもある総務部や人事部、広報室といった本社組織。
 そして、販売計画を行う部署と併せ、世界・日本各地に配置されている営業支店を含めた販売部門。
 また、貨物事業については「貨物事業室」という組織があります。
 そして、空港に目を移せば、各空港における業務を含めたオペレーションを司る「オペレーション統括本部」。
 このほか「整備本部」、パイロットの所属する「運航本部」、そしてCAが属する「客室本部」があります。
 「客室本部」は、本社で5000人、グループ会社も含めると、6000人近いCAがいる巨大組織です。
 
 その客室本部の組織の中はというと…。

 安全をはじめとしてサービスや様々な業務手順・規程関連を司る部署、訓練や教育の企画・実施を担当する部署、そして、ANAとしては5千数百名のCAが所属する「乗務部」という組織があります。「乗務部」は3部に分かれており、また、各部の中にそれぞれ3つの課があります。加えて、大阪をベースとする三百数十名のCAが所属する課もあります。このほか上海、ロンドン、また、最近では韓国と台湾も含め、これらそれぞれをベースとするCAがいます。


 次に、乗務部の中をさらに詳しくご説明いただきました。

各課にリーダーと呼ばれる者がいて、これが一般的に言う課長です。ただ、課と言っても、かなりの大所帯ですので、課の中を6から8の「グループ」に分け、そして、さらにその中に7つから8つの「班」を設けています。

 リーダーがいて、その下にIM(インフライト・マネージャー)という役職の者がおり、その者が1つの課の中に6から8ある「グループ」を統括しています。そして、最小単位である「班」をまとめる、いわゆる班長がTC(チーム・コーディネーター)という者になります。




河本:わかりやすく言えば「軍隊組織」的なところがありますね、ある意味(笑)。小チームがあって、そのチームを束ねるグループがあって、またそのグループを束ねる課があって、そして部があって、という階層になっています。


正田:「承認大賞」のエピソードの当時でいうと、寺田まさごさんがいらして、長さんがその下にいらして、という感じですか。


河本:その当時はたぶん、寺田さんはIMで、長さんはその中の班員だったと思います。班の中の一員である長さんを寺田さんが推薦してインストラクターに、ということだったと思います。



その巨大組織の中で働いている5000人のCAは、どうか。
「現在では34,5歳というところの人数が多い構成になっています。」(ANA客室本部)とのこと。「やはり女性ということもありますので、会社の中のキャリアと併せて、個人の生活環境と言いますか、結婚や出産・育児をきっかけに退職したり、休職したりする者が多いという状況です。ただ、会社としても女性として働きやすい環境を整えていますので、退職ではなく休職を選択して、引き続き乗務に復帰する者も昔に比べると増えてきています。」(同)




河本:とにかく大きな組織ですので、班単位にまで細分化しながら運営をしているというのが実情です。それを前提にお話を聞いていただけると、わかりやすくなると思います。


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((2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観に続く)


ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

プロローグ―「承認大賞」から生まれたインタビュー

(1)CAは約6000人の巨大組織

(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は 

エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ

あとがき・石切にて




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ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―


プロローグ:「承認大賞」から生まれたインタビュー


「あなたなら大丈夫。若いうちに経験したことを、いつかこの部署に戻ってきて活かしてくれると信じています」

 昨年、ある女性マネージャーの「期待の言葉」が当協会主催のイベント「承認大賞2011プロジェクト」の部下部門の中で、審査員の得票を集めました。

 これは、20年も前の全日本空輸株式会社(ANA)で、当時の客室乗務員(CA)同士の上司から部下へ発した言葉。

 その詳しい背景などは、こちらのページをご覧ください:

「あなたなら大丈夫。若いうちに経験したことを、いつかこの部署に戻ってきて活かしてくれると信じています」長 直子さん(女性、商社関連会社勤務、管理職。44歳)

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51768319.html

「承認大賞2011プロジェクト」 http://shounintaishou.jp



 応募した当時の「部下」、長直子さん(現商社関連会社勤務)は、見事、大賞に輝きました。
 そして当時の「上司」こと寺田まさごさん(現会社経営)も、昨年秋三宮で行われた表彰式にサプライズで来ていただき、元上司―部下のめでたい2ショット、と相成りました。
 

1 長氏&寺田氏

 

 受賞の言葉に人柄がそのまま表れているような、「たおやか」な女性上司の寺田さんと、その横でいつになく少女のような表情の長直子さん。

 
 ところで長さんによると、「承認」の言葉というのは当時のANAの中で珍しくはなかったようなのです。日ごろから上司―部下、先輩―後輩の間で日常的にそうした温かい会話が交わされていた。さらに、ミスしても人を責めずシステムを変える、といった「システム思考」的な風土もあった、といったお話も伺いました。

「承認の温かさ、ありがたさはその後も私の基軸となっています」と、長さん。

「非常に興味ぶかいですね。どうしてそういう風土を維持できるのか、ぜひ一度、現在のANAの方からもお話を伺ってみたいです」
と私。

 そこで長さんから今回インタビューさせていただいた、河本宏子・客室本部長(当時。2014年4月より常務取締役執行役員)をご紹介いただいた、という次第。

 お忙しい方だと伺っていましたので、本当に恐る恐るメールをお出ししたところ、客室本部のかたから「インタビューOK」のお返事をいただいたときはどんなに嬉しかったことか。

 今回のインタビューは、今年7月10日、羽田空港近くのANAオフィスで行われました。ここに登場される河本氏、水田氏それにANA客室本部、広報室の各ご担当のかたにはお忙しい中、大変にお世話になりました。


それでは、次の記事からその模様をご紹介いたします―。



ANA流「安全」と「サービス」そして「承認」
―河本宏子・客室本部長にきく―

プロローグ―「承認大賞」から生まれたインタビュー

(1)CAは約6000人の巨大組織

(2)ほめる・認め合う・関心を持つは大切な価値観

(3)歴史――出発点は「激しい競争」と「CS」

(4)「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

(5)「安全」と「自由闊達」――意識調査は企業の健康診断

(6)「ゆとり世代」の指導の仕方は 

エピローグ―「おせっかいCA」をつくりたい―「安全」と「承認」のタッグ

あとがき・石切にて




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

 「猛暑・節電」のこの夏特有の現象かなと思われること。


 会社員の女性がひらひらした露出の多い服を着て仕事する。襟ぐりが大きく開いてお辞儀をしたら胸が丸見えだったりする。


 先日もある大企業の女性が・・・、と愚痴っていたら、


「うちもあるよ」


 知り合いの経営者さんが苦虫をかみつぶしたような顔で言う。


「競争するように露出多い服を着てきよるよ。会社は戦争しに来るところだっちゅうのに。私が言うと『セクハラだ』ということになりかねないから、言わんけどな」


 経営者が言えないとしても、直属の上司はもっと言いづらいんじゃないかな。

 1社の女性が丸ごとそうだとすると、どこから「改善の機運」は起こるんだろう。正田も中年女性だから、「脇汗対策」なんかは頭を悩ませるんだけどね。

 きっと、私は詳しくないがファッション雑誌で「ひらひら服をオフィス服に!」って、推奨してるんだと思う。


 男性たちは去年のカジュアルなクールビズ流行りが一段落し、私が見かける範囲の人はワイシャツに長ズボンの姿。

 今どきのクールビズの格好はできない、という経営者さんは、


「私はワイシャツにネクタイだよ、来客があるんだから」。


 この、

「来客があるんだから」

という感覚は大事にしてほしいと思う。


 自治体でも生活保護受給申請の窓口の女性が襟ぐりの大きく開いたカットソーなんか着ていたら神経を逆撫でする。



 さて、女性たちの「変なクールビズ」は、どのへんで決着するんだろうか・・・


(てなことを言っていたら、日経新聞の6日夕刊に「ひらひらした服を着ていたら当時の上司に注意された」とキャリア女性の経験談が載り、どうも今年日本中普遍的にある現象みたいだ)



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


お世話になっている皆様



 おはようございます。
 企業内コーチ育成協会の正田です。


続く猛暑と、ロンドン五輪の熱戦の日々です。


 きょう未明には「なでしこジャパン」がフランスを破って決勝進出を決め…、と、「見逃せない一瞬」を追ううち、ついつい寝不足になった、というかたもおられるのではないでしょうか。


※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。ご不要の方は、メール末尾にありますURLより解除いただくか、このメールに直接「不要」とご返信ください。




 本日の話題です:



■よのなかカフェ「たくましい若者の作り方―獨協大生にガッツを!!」(8月17日)
  満員御礼となりました


■教育NPOから警鐘を鳴らしたいこと

 ・「研修カクテル」のもたらす副作用
 ・断言する人は信用しないように


■今後の講座予定
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA(10月23日、24日)


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■よのなかカフェ「たくましい若者の作り方―獨協大生にガッツを!!」(8月17日)
  満員御礼となりました


 既にお知らせしておりました、姫路で2回目のよのなかカフェ「たくましい若者の作り方―獨協大生にガッツを!!」は、お蔭様で既に14名の方のお申し込みがあり、募集を締め切らせていただきました。

 当の姫路獨協大から2名の教授が参加されるほか、地域の経営支援団体、経営者、人材育成担当者、と実務家の顔ぶれのそろった、非常にバランスのとれた集まりになりそうです。


 ご参加の方々が各方面に呼びかけてくださり、こういう広がりもまた姫路のよさ、人と人が認め合って共存している、「承認」と相通ずるものがある、と感じる次第です。


 また、ご参加の方からご示唆をいただきました。

 約1週間前の7月30日付日経新聞20-21面に、

・「若年層育成 殻を破る」
 ―産学連携で若年層育成を図る、企業側の要望を大学にきちんと伝えミスマッチを減らす

・「地学地就」で仕事発見
 ―学生が社長の「かばん持ちインターン」をするなど、地方大学の学生を地元に就職させる試み

 という記事が載っていました。


 今回の姫路での動きは、ちょうどこれに呼応したものと言えそうです。

「次の社会づくり」を、見識ある皆様と議論できることが今から楽しみです。



 残念ながら今回ご都合が合わなかった方々も、開催報告をお楽しみに。



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■教育NPOから警鐘を鳴らしたいこと

 ・「研修カクテル」のもたらす副作用
 ・断言する人は信用しないように



 さて、次はちょっと硬い話題です。

 わたくし正田がよく受けるご質問のひとつに、

 「なぜNPOの形をとっているんですか?」

 お答えは、

 「教育としてのスタンダードを保ちたいからです。商業教育の形をとっていては、市場原理に流されてしまいます」

 
 これに則り、このところいくつか思索したことをブログに掲載いたしました。

 決して最近急に、というわけではなく、数年来さまざまな現象を観察していて、心痛む経験をした結果、これは一度「総括」し「指摘」をしないといけない、という結論に至ったものです。
 非人間的な横文字の制度に頼ったマネジメントではなく、教育を通じて組織の人のこころを良くしていきたい、という心ある方には、知っておいていただきたいことです。


 いささか長文ですが、夏休み、「ガッツのある」方は、どうぞご覧ください:


 ・「研修カクテル」がもたらす副作用―傲慢、ナルシシズム、全能感、打たれ弱さ

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51819638.html


 これに関連して、読書日記もひとつご紹介します。
 「断言する専門家」、アメリカ式雄弁術のトリック、などに触れています:


 ・断言する人は信用しないのが一番―『専門家の予測はサルにも劣る』をよむ

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51819125.html


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■今後の講座予定
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA(10月23日、24日)



 引き続き、現代の諸問題を解決する力のある優れたリーダーを創る「企業内コーチ育成講座」を、姫路にて開講いたします。

 下記をご参照いただくほか、もし「私の町で開催してほしい」というご要望がありましたら、極力お応えしたいと思います。その場合は info@c-c-a.jp まで、メールでお知らせください。




★10月23日(火)・24日(水)
 企業内コーチ育成講座(コーチング講座)基礎コースA
 〜コーチの眼・耳・心を身につける2日間〜
 各日10:00〜17:30
 姫路・じばさんビル会議室
 受講料42,000円
 詳細とお申し込みは ⇒ http://c-c-a.jp/info2/index.php?nw2=0

 「承認」「傾聴」「質問」と、基本の3大スキルを実習を交えてじっくり学べ、
 これだけで職場のコーチングは十分こなしていただけます。
 中でも「承認」は一般的なビジネスパーソンの常識を覆す学びとなることでしょう。
 すべての管理者、経営者、部下・後輩をもつ立場の人にお勧め。


 皆様のご参加をお待ちしております!!


----------------------------------------------------------------



※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び
代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・
当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方に
お送りしています。

今後ご不要の方は、
空メールをご返信いただくか、こちらのページ

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より解除していただければ、
購読リストから外し、次回から送信されないようにいたします。


※このメールは転送歓迎です。
もしこのメールを新たに購読ご希望のかたがいらっしゃいましたら、
info@c-c-a.jp まで、「メールニュース希望」と書いて
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


もう既に夏休みに入られた方、これからお休みという方も、
よいお休みをお過ごしください。



*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*
神戸のコーチング講座
特定非営利活動法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
代表理事 正田 佐与
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「企業内コーチ育成のすすめ」
(株)帝国データバンク社『帝国ニュース兵庫県版』
2008年〜2012年 長期連載このほど完結
http://blog.livedoor.jp/officesherpa-column/
*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*




 7月31日、兵庫工業会・池田辰雄会長の講演を聴きました。


 同会長について、恥ずかしながら「神鋼出身の人」という認識しかなかったわたしですが、日本高周波鋼業株式会社の社長も務められ、関学で経営学の教鞭をとられているという知識の厚みとともに、社長経験者ならではの大きな決断の軌跡もしのばれました。


 その非常に興味ぶかいご講演内容を駆け足で―。


 「企業の多面性」として、
 ゝ蚕冓儡溝
 ⊂霾鹵濱兮
 資金結合体
 づ治体
 セ餮伺枴体
 κ配機構体

 と定義します。

 
 また「実物経済と金融経済」の関係では、

 現在から今後(2013年〜2033年?)は、「第III段階」であるとします。サブプライムローン問題がはじけ、金融バブルの後始末に奔走していた第II段階から、こんどは「実物経済が拡大して、金融と実物のバランス回復」する段階なのだと。

 すると第2次産業、今からですね。


 日本企業の強みとしては、「インテグラル型(すりあわせ型)」すなわち、自動車のサスペンションやボディやエンジンをが、それぞれ走行安定性や乗り心地、燃費と複雑にかかわるように、自動車メーカーと部品メーカーが綿密にすり合わせをしながら作る。部品メーカーと鋼材メーカーもそう。こうした仕組みがブラックボックスのように自分の技術を防護するのであり、日本が大事にしたいもの。韓国はここが下手で、「モジュラー型(独立性の高いものを組み合わせる)」が得意。


 そして、「見えない競争力」という概念をつかいます。

 目に見える競争とは、差異化、セグメンテーション。これに市場がついてくる。株主はここをみる。

 しかし目に見えない競争とは、マネジメント・パワーであり、マン・パワー。組織能力(ケイパビリティ)を問われる。いい組織をつくろうと思ったらここを強化しないといけない。

 経営革新のターゲットとは、この部分である。

 事象・実情・真情。目に見える事象(結果)は氷山の一角で、その奥に巨大なプロセス系=業務系がある。そこには、見方・考え方(思考性、態度、行動パターン、リーダーシップ・スタイル、意思決定の仕方など)がある。一番奥にある「真情」とは、人のこころの問題。


 そして、提言として

「自走する前線」をもちなさいと。

 「前線をもっと使ってほしい。提案を経営に反映する。前線に対してよく説明する」

 「日本の場合は、経営者が一番ダメ、訓練を受けていない」(池田会長)


「日本人の得意」はだいぶ変化した、と池田会長。

 「現場力」(職場のチームワーク、提案力、協調性)は以前より低下。

 「高品質志向」は、依然強い。

 「都市インフラの信頼性」これも以前より低下。

 「食の安全性」と「クールジャパン」は健在。


一方、「日本人の不得意」とは。

 「戦略性」

 「概念構成力」(ものをつっこんで考えない、すぐハウツーに走っちゃう)

 「豊かなビジネス発想」

 「異端に対する包容力」

 「リスクをとる逞しさ」


そして、「グローバル人になるためには、何が必要か」。

○ 「得意」の維持向上

○異なる価値観の吸収(海外体験)

○グローバルな家庭教育やグローバル情報の獲得

○敗者復活の価値観強化(敗者や異質を叩く風土を排除)


おわりに

★経験や固有技術という船 + 時代の風に順応する操舵

★モノづくりは大切だが・・・
 ・製造業⇒サービス業化(モノづくり + 価値創造 + 商社的機能)
 ・得意技術や固有価値が本質(内製には拘らない)

★日本(企業)の優位性は人材(人財)にしかない


 
やや、正田の「人」分野に関わりのあるところに偏って抜き出した講演抜粋となりました。

大きな視野で自分の分野の意味づけを知ることは何度でも必要なことであります。

池田会長、またご講演を主催しお誘いくださった兵庫工業会の皆様、どうもありがとうございました。


神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

 「研修カクテル」は、今日わたしが急に発明した造語です。

 本当は「研修チャンポン」と言ったほうがいいのかもしれませんが、語感が今ひとつなので「カクテル」としました。

 ようは、コーチングやそれに近いモチベーションや心理学、意識変革の研修同士を「まぜて使う」あるいは「短期間のうちに連続して受講する」ことをしたときに、どんな副作用が起きてしまうか、というお話。


 このところの経験に基づく「古くて新しい問題」について、書いてみます。いささか気が重いですが、やっぱりこういう仕事をしているものの社会的責任のうちかな、と思います。


 
 以前より、この手のやや心理学がかった研修で起きる「副作用」には、当協会は神経をとがらせているほうです。


 「研修副作用」を扱った記事をざっと再掲してみます:



 「ときどきコーチを返上してジャーナリストになるです」(08年5月)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51336521.html


 「続・ワークショップ症候群」(同上)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51336821.html


 「前向きなことだけ言ってればいいのに正田は」(同上)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51336962.html

 「感情と自由の暴走が何をもたらすか」(同上)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51339067.html


 「エスリンでうまれたものと日本」(同上)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51344385.html


 「続・エスリン研究所―実験と成功と失敗の歴史」(同上)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51344817.html


 「幼児化か、老化か」(10年3月)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51564619.html


 「ワークショップとの付き合い方、マネージャー不在のマネジメント、男の嫉妬」(11年6月)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51740369.html


 「自己愛、団塊、ワークショップ症候群、シュガー社員」(12年1月)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51786028.html


 「断定・恫喝と意識変性の関係 続・人に教えるということ」(12年5月)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51802510.html  



 まあ何とも、周期的に同じようなこと書いてるなあ、と思います。ようするに周期的に似たような現象に出くわしますからね。

 1回1回の記事のたびに、そこには「他社研修」にかぶれて去って行った人の心痛む記憶があります。
 これまでの経験では、「他社研修」にかぶれてわたしに対して見下しの態度をとってきた人とその後人間関係を維持できることはほぼありません。そしてわたしは「承認」に対して「見下し」の反則技を出してくる卑怯な人には、かなり手厳しい物言いをします。


 上記の記事を読んでいられない、ご多忙な大多数のこのブログの読者の方々のために、こうした研修の「副作用」とはどういうものか、ざっと抜書きをしますと―。

・ドラッグジャンキーのような状態。
・スピード狂。
・傲慢。ナルシシズム。
・現実感のない浮遊感。全能感。
・演劇的な身のこなし。
・現場への想像力の不足。
・自分の思いもよらない他者からのフィードバックの回避。打たれ弱さ。
・欲望全体の亢進、アルコール依存や性欲の亢進をふくむ。
・自分をほめてくれた先生に対する見下し。
・苦しい「他者承認トレーニング」や謙虚さへの見下し。


 上記で扱った対象の研修は、決して「コーチング」にとどまりません。コーチングよりもっとディープな心理学、専門用語満載の心理学の1分野(わかる人にはわかると思う)、それを取り入れたコーチング、プレゼンセミナー(自分を全面肯定せよ、という教えが入っている)、ワークライフバランスがらみの時間管理セミナー(自分中心に時間を組み立てよ、という教えが入っている)、「感情マネジメント」の研修、などなど。ひょっとしたら、「自分のやりたい仕事にこだわれ」というキャリアカウンセリングもそうかもしれない。


 それと心理学系に関するかぎり、どの分野の研修にしても、講師が「知識自慢」「専門用語自慢」をしているタイプのものは意味がない。実務にそんなガラパゴスなものは必要ないのです。

 技術関係で、その技能を絶対に身につけないといけない、という人対象のセミナーならまた別でしょうけれど。

 今年初めからは、「自己愛(性人格障害をふくむ)」という概念を得て、こうした研修が「自己愛を育てる」役割をしている可能性は大、と思っています。


 
 さて当協会の研修はではどうなのか、ということですが、

 当協会は設立以前の任意団体の時代から、いやもっとさかのぼり、任意団体設立前の2003年ごろから、こうした「他社研修」のもたらす鬱陶しい副作用をまのあたりにし、それで

「コーチングはマネジャーのマネジメント能力向上のため、と目的を絞って教えるべき。自己実現などは意味がない」

と、割り切ってしまったのでした。任意団体「コーチング・リーダーズ・スクエア」はそもそもそういう割り切りの産物であります。(国内では初めてだったと思います)

 2004~6年の、「1位マネジャー輩出」という現象もまた、こうした割り切った教育方針と無縁ではないと思います。


 そして「マネジャー育成」に絞った結果、マネジャーの「思索/熟慮」「自己との対話/内省」「共感」などを大切にする、独特の間合いをとる研修方法になっていったのでした。


 時々、「今時の人数を絞った忙しいマネジメントの中で、マネジャーさんはみんな早口でくるくる、くるくる会話している。それに合わせたテンポの研修にしたほうがいいのではないか」と思うこともわたし自身ないではないですが、

 経験的にそれはちがうのでした。

 現実のマネジメントが「早く、早く」「巻いて」となればなるほど、研修ではテンポを落とし、かれらに十分な思索をさせてやる必要があるのでした。


 それをしてやって、初めて「承認」という従来のマネジメントの常識の逆をいくものも、

「これは真実だ」

と、しみじみと受け容れられるようになるのでした。


 かつ、以前「人に教えるということ」という記事で書いたように、

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51754001.html 


 マネジャー育成の研修講師は、できればかれらに「教え方」の模範になれるような存在でありたい。行動理論でいうモデリングであります。

 ひとつの研修が忙しい職場の人々に何を残すか、というときに、実は内容よりも、研修講師の口吻、人に対するあり方、のようなものが印象に残るのです。

 であれば、講師はマネジャーたちが職場に戻った時こんなふうに周囲の人々を育成してほしい、というように、講師自身が振る舞わなければなりません。


 謙虚に、威圧的でなく、強引でなく、丁寧に説明を尽くして人々に納得させられるように。

 講師が威張る人であればマネジャーも威張る人になります。講師が一方的に早口でしゃべる人であればマネジャーも一方的に早口でしゃべる人になります。


 
 多くの場合、わたくし正田がつくる場というのはこれまで、

「清々しい場」

「さわやかな場」

と、評価していただいてきました。

 これは、「承認」を重んじ、「讃えるべきことを率直に讃える」ことを自らに課し、受講生にも課しますから、結果的にそうなるのだろうと思います。

 できれば、水のような澄んだ心持ちを職場に持ち帰り、曇りのない眼で周囲の人々や状況をみるようであってほしい。

 急激なエネルギー上昇などは当協会の研修では起こしません。それはリーダーの場合害になります。


 ただ中には「合コンノリ」みたいなものを持ち込む人もいますが。



 そう、そこで、「研修カクテル」のお話になります。


 当協会の研修としては、上記のようなことを心がけ、単独で使用していただければ高い効果を生むようにつくられています。
 
 ただそれは、あくまで単独で使用していただいた場合です。


 この時代、残念なことにこの手の研修を畳み掛けるように何種類も採用し実施してしまうことがよくあります。

 また、人材育成担当者のかたが、当協会の研修に興味をもたれてオープンセミナーを受講されたあと、すぐ続けて「他社研修」を受講されることもよくあります。


 
 わたくしは、それは良い結果を生まないでしょう、と申し上げるほかありません。

 この種の研修の場合、1+1=2ではありません。ゼロや、マイナス1、マイナス2になってしまう可能性すらあります。


 複数の研修をはしごすることによる、不必要な高揚感。謙虚をむねとする研修のほうがみすぼらしく見えてしまうこと。複数の業者をてんびんに掛けることによる全能感、「上から目線」、教育や講師への畏敬の念のなさ。


 これは、例えば「利き酒」をするときもそうでしょう。一度に多数の種類の酒を試飲したら、その中のとがった味のものが良く思えないか。添加物の入ったもののほうが良く思えないか。刺激が強いほうが良く思えないか。

 たべものの試食の場合も、なんでもそうだと思います。


 あえて強い刺激を抜いている丁寧な工芸品のようなものをきちんと評価しようと思うなら、ほかのものと混ぜないことが大事です。

 あるいは、ありとあらゆる研修をこれまで受けてきた人が、そのあとに受講してみることが大事です。


 
 この忙しい時代に、企業の人びとに新しい意識を植えつけるということがいかに困難であるか。でもそれが必須というとき、

「大事な研修をチャンポンにしない」。

 言葉にすると当たり前のようですが、あまりにも多くの場合不用意にそれが起こってしまうので、教育NPOとして警鐘を鳴らしたいと思います。

 教育を冗談ごとと思わないでほしい。大事な研修を大事にしないから、結局「研修は効果がない」という間違った結論になって、非人道的なマネジメントがはびこるのです。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
 


 

 秋田の娘は、岩手のリゾートホテルでひと夏バイトすることになり、帰省しない。


私「なんでホテルなのぉ?」

娘「サービス業を思いっきり経験してみたかったの」


 ほっといても「はたらく」のは好きな子だ。しっかり育ってしまって虚しい。


「イツキ(弟)と2人っきりの生活で、溜まってるんだよぉ」

と甘えて騒いだら(私が)、

心配してちょっと長電話してくれた。


 寮生活は、ルームメート、スイートメート(トイレ、バスでつながってるあちら側の2人部屋の子)とも掃除嫌いなので娘が掃除係りになっているそうだ。

 あまり詳しい描写は控える。



 相変わらず「英語はできない」というが、授業中先生の言うことはまあまあ聴き取れるようになった。しかし自分のがわの「かえし」ができない。在外経験ないからな。寮のルームメイトも台湾人で、日本語ができる人なので英語力向上にはならない。

 それでもTOEFLは、あと20点で留学に行けるレベルになったそうだ。


 この娘に関しては、大学関係者のかたには「美術科を出て一浪して全然勉強できない子なんです〜」と言い訳している。


 
 真ん中の娘も徳島で阿波踊りをみると言い、帰ってこないので孤独な夏の日々である。



 末っ子は、人として大事なことをどこかで勉強することにしたらしい。ほんのちょっと進歩。



 
 姫路でのよのなかカフェ『たくましい若者の作り方―獨協大生にガッツを!』は、既にお申込み14名となり、受付を締め切った。

 ご参加者のかたがあちこち声をかけてくださる。有難いこと。新たに、人材育成担当者の方、獨協大OBの会社員の方、障害者教育の専門家の方、などが入った。


 また色々情報提供をしてくださる方があり、

 月曜(7月30日)の日経新聞の記事

 「社長に学生密着、「地学地就」で仕事発見 大学と企業連携
 かばん持ち体験・中小の経営者と議論」
 http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44264360Y2A720C1TCP000/


 や、同じ日付の「若者育成殻を破る」―大学と企業が連携して若者育成を図るというもの―

 の記事などをご示唆いただいた。


 今回のカフェは大きな歴史の必然としてすることなのかもしれない。文明観のようなものにリンクしてとらえてくださる方もあるようだ。ただそういうことにちゃんと反応するのが、姫路という土地のように思う。



 『銀の匙』(1)(2)(3)(4)(荒川弘著、少年サンデーコミックス)という漫画をよんだ。

 
銀の匙表紙



 農業高校酪農科に入った高校生の成長の物語。



 さて、このところ続けて経験した不愉快なこと・・・このブログを続けて読まれている方なら、ある程度お察しいただいているかもしれない・・・古くて新しい問題・・・について、嫌だけれどある程度まとめ、再構成し、再発防止につなげなければいけないように思います。「けりをつける」という感じでしょうか。たのしくないんだけど・・・



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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「承認大賞」の林さんにきのうお出ししたメール。


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○×会 ○×ホーム
林 義記 様


大変お世話になっております。企業内コーチ育成協会の正田です。
10日の教材の「承認の種類」、
いただいたファイルを再度修正させていただきました。

林さんの実践の記録として、いただいたファイルは大変貴重なものですが
教材として考えた時、
初めて触れる参加者のかたは、あまり与えすぎるよりも
ご自身で考える余地をつくってあげたほうが実践しがいがあるかも?
と思ったりしまして。
心を鬼にして、実例を半分ほどに削らせていただきました。

いただいたファイルは、わたくしと当協会の大切な宝物にいたします。
これだけ豊富な実践をしてくださったということは、
やはりこの道は間違っていなかったんだと・・・。
貴重な貴重なフィードバックです。
林さん、ありがとうございます。

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 いつもありがとうございます
  NPO法人企業内コーチ育成協会 
   正田 佐与(しょうだ さよ)
  〒658-0032
  神戸市東灘区向洋町中1-4-124-205
  TEL: 078-857-7055 FAX: 078-857-6875
  E-mail info@c-c-a.jp  URL: http://c-c-a.jp

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 受講生さんの「習得」がもっとも大事なことで、
そのためには先生が少々「バカだ」と思われるぐらい、大したことではないのである。



 私のしていることは、「教育学」としてはごく当然のこと、
初歩的なことだと思う。




 ただその教育としての「当たり前」が、「企業研修」という市場では通用しない。

 この市場が特殊すぎるのだと思いたい。

 
 わかるお客様とお話ししていくしかないのだ。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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漫画なのかな?


たとえば『ワンピース』の読者だったら、
いつも何かとんでもない問題が起こってドタバタ、ドタバタしてるのも「予定調和」のうちなのだ。

人が死ぬという切実感がないから。


たとえばその漫画に限らず、その手の世界だったら、
自分の仲間の1人が女の子に何かエッチなことをして
「エッチ!!」
って言われてるのも「予定調和」のうちなのだ。
たのしい「あいつら」の世界なのだ。

本当は現実世界だったら、女の子にとっては笑いごとではないのだけど。



そして今日はハナキン。
先週の今日会ったあの30代の女の子は、
また蝶のような肩を出したブラウスを着て
だれかの誘いを待つのだろうか。



先日、自分のトレーニングとして「謝罪」をやってみて、
人によってそれに対する反応が違うことにも気づいた。

急にやたら居丈高になる人がいる。
当協会の教育内容すべてに難癖をつけはじめた人がいる。
「謝罪」を掲載したメールニュースをいきなり「不要」と返事した人がいる(これは1名のみ)。

逆に笑って「いいですよ、こちらでは特に何もしないでおきます」
と言ってくれた人もいる。
(ありがたいことに、直接存じ上げていてお電話した先の人では
こちらがほとんどだった)

急に「上から目線」になりすべてに「否定的態度」になった人については、
逆に心配になる。
これらの人は、自分の会社で何か問題が起きたら
「隠す」ほうに回る人なんじゃないかと。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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「断言する人は信用しないほうがいい」

―たとえそれが名の通った専門家でも。


 と、いうことについての本が『専門家の予測はサルにも劣る』(ダン・ガードナー、飛鳥新社、2012年5月)。


 正田が「歯切れのわるい女」であることへの言い訳として丁度よかったです。


 この本の中核をなすのがカリフォルニア大学の社会科学者、フィリップ・テトロックの実験。

 多くの専門分野にわたる284人の専門家を集め、かれらの予測を集めました。テトロックとそのチームが長年にわたって専門家たちに質問を浴びせ、集めた予測は合計2万7450。


 興味深いその結果とは。


 専門家たちの予測の精度は、あてずっぽうの予測と大して変わりませんでした。ただその予測能力には幅がありました。


 比較的成績のよい専門家は「キツネ型」。謙虚で疑い深い。断言口調でものを言わない。

 結果の悪かった専門家は、いわば「ハリネズミ型」。複雑性や不確実性に不安を感じ、ひとつの仮説をつねに当てはめようとする。おもしろいことにこの人たちのほうが、予測が正確だった人たちよりも自信にあふれているます。テトロックの実験によれば、メディアで有名な専門家の予測ほど「当たらなかった」。


 成績のよかった専門家の「思考法」とは、どんなものでしょうか。

「テンプレートを持たずに、いろいろなところから情報やアイデアを収集してまとめあげようとする。常に自己批判をして、自分が信じているものが本当に正しいか問いかけている。もし間違っていたことを示されたら、その間違いを過小評価したり、見て見ないふりをしたりはしない。ただ間違っていたことを受け入れ、自分の考え方を修正しようとする。

 こういう専門家は、世界を複雑で不確実なものとして見ることに違和感を覚えないので、そもそも将来を予測する能力というものに、疑念を抱く傾向がある。結果としてパラドックスが生じる。他の人より正確に将来を予測した専門家は、自分が正しいことに自信が持てない人たちなのである。」(pp.49-50)



 よしよし。こういう自分に都合のよいことはブログに書いておこう。


本書によれば、完璧な予測というものは存在しません。気象予報などは、「あすの天気」ぐらいまではある程度の精度で予測できるが、7−8日後となると際限なく不確定な要素が入ってくる。わずかでも想定外な現象が入ることによって予測不能になることを「カオス理論」とか「バタフライ効果」(ブラジルの蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を起こすかもしれない)とよぶ。


 「残念な予測」の例として、トインビーの大部の著作『歴史の研究』や、ピラミッド学、カーターの演説、日本脅威論、などが挙げられます。


 なぜ、こんな「残念な予測」がはびこるのか。そしてメディアを含め一般大衆は、当たりもしないのに「専門家の予測」を求めるのか。
 
 「わたしたちは情報化時代に生きているが、頭の中は石器時代のままである」

と著者。

 ランダムなものをランダムなままに認識しない、パターンを見出そうとする脳の構造(左脳がこうした「物語をつくる」役割を担っているそうだ)

 コントロールできない、予測できないことを恐れる脳のはたらき。一番残酷な拷問とは、いつ拷問がはじまり、どんな内容の拷問をどれぐらいの時間持続させるかまったく予測できないようにランダムに行う、というものだそうだ。
(それでいうと、「上」の人が確固たる方針を示さない、次々新しい決断をして振り回し先の見通しが持てない、というのも一種の拷問なのだ)


 確証バイアス。自分の仮説に合う事実を拾い、合わない事実を捨象する、評価しない。(このあたりは正田もちょっとあやしい)

 ネガティブバイアス。生存にかかわる危険情報は強く印象に刻まれる。だから新聞やTVには悲惨な事件事故のニュースが溢れる。(これは「承認研修」の中でもよく言いますね。)


 ・・・とこういう脳のはたらきがあるから、予測できないことを予測してもらいたがる。



  そして、「肩書の威光」というおもしろい実験があったそうです。


 1970年代に南カリフォルニア大学の心理学者が、「マイロン・L・フォックス博士」という実在しない有名教授をつくりあげました。

 フォックス博士を演じるために、みなが思う有名教授のイメージにあう役者が雇われ、そして、この役者に「医師教育に適した数学的なゲーム理論」という、まったく意味のない1時間の講義をさせました。それにあたり、役者にはテーマの話し方を教え、また質疑応答の時間用に、あいまいな言葉、新しい用語、無関係なことや矛盾することを言って煙に巻く方法を教えた。こうしてユーモアや、テーマに関係ないことをちりばめた講義にしました。

 フォックス博士ははっきりと自信を持って、大家らしく話し、そして精神科医、心理学者、ソーシャル・ワーカーの教育者らを前に講義をしたところ、全員から高い評価を得た。

 高度な知識を持ったはずの人々が、何ら知識のない役者が行う自信満々の講義にだまされてしまった、というお話。


 これは「プレゼン技術」というものについて興味深い示唆をあたえてくれます。とくに、わたしが思うのにこの講義を「すばらしい」と評価した人たちは、高度な知識を持っているが、「現場を知らない」人たちだったのではないかと思う。この自称学者の言うことを現場に当てはめたら何が起こるか、想像力を働かせないまま、プレゼン技術のみに騙されたのではないでしょうか。

 ひょっとしたらこのプレゼンの効用というのは、これら日頃自分自身が「プレゼン技術」で悩んでいて、人からバカにされるんじゃないかとおどおどしている人々の劣等感を刺激し、彼らの欲しいものを与えてあげる役割を果たしたんじゃないか?とすら思います。

 かつ、「プレゼンセミナー」というものが持つナルシスティックな性質、というのも思います。私自身足を運んだそれらのセミナーでは、「自分を全面肯定せよ、自分を疑うな」と教えられるのです。
 このブログ的には、これは危険思想なんです。

 さらに以前の記憶をまさぐると、一緒に仕事をしたある女性コンサルの先生が、質疑の時間に、聴衆からの質問とはまったくかみ合っていない、どうみても求められた内容の答えではないすりかえた答えを、早口でしゃべりまくるのをきいてのけぞった。もちろんその人とはその後一緒に仕事してないけれど。一般的なコンサルの「質疑に答える技術」とはこういうものか、と舌を巻いたのでした。
 

 
 さて、本書が勧める思考スタイルは、上記でいう「キツネ」方式です。

 それによると、

 1つは「集合知」。多種多様な情報を組み合わせた方が、1つの情報を使うより、いい結果が出るということがわかっている。

 しかし、ただ人が集まっただけでは賢明な判断にならない。人が集まると、まわりにあわせた集団思考におちいる傾向がある。


 
賢い決断というものは、大勢の人が、それぞれ独立して考えて判断したものを持ち寄って判断した結果だ。そのような環境だと、ある人の間違いは他の人によって消し去られ、各人の確かな情報が結びつくことになる。その結果、1人の判断よりずっと適切な判断ができあがる。

 さらに言うなら、一般の人たちの判断を集めただけでも、1人の専門家よりいい判断になるというのも、予測市場の基本的な事実である。

 キツネは情報源を問わず、利用できる情報は全て入手し、まとめる。そしてそれにより、1つの大きなことを知っていて、それ以外には興味がないハリネズミより、優れた判断を下す。

 ・・・つまり、最終結論は幅広いデータの産物であり、いうなれば、集団知の産物だ。(p.331)
 


2つ目は「メタ認知」。思考について再考する、自分のバイアスを発見し打破する。

 3つめは「謙虚さ」。断定しない。予測を聞く人がもっと断定的な言葉を聞きたいと思っていても。


 ・・・なんだかふだんからこのブログに書いていることと同じになってきました。


 さて、正田は、メディアを通じてしか社会現象を実感できない人(たとえば、本気で子どもを育てたことないくせに「いじめはいじめられる子のほうが悪い」とか言っちゃう人々)向けに仕事をしているわけではなく、また理論家のための仕事でもなく、現場で日々仕事に明け暮れている人たち、いわば実務家のための仕事をしています。 

 なので「実務家のための思考法」を推奨したい、というとき、やはり上記の「キツネの思考法」を推奨したいと思います。わたし自身それを実践する人でありたいと思います。

 たとえ地元神戸であまり流行らなくても、ですね。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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 「他者承認」に徹することは、現代のナルシシズムへの解毒剤になる。


 以前に書いた、今でもひじょうにアクセス数の多い書評記事:


「ナルシシズムの蔓延を食い止めることはできるか―『自己愛過剰社会』」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51783952.html


 ナルシシズムの解毒剤はほかにもある。謙虚であること。内省をすること。頭脳労働ではなく、手を動かし、身体を動かす仕事をすること。

 
 相当気を付けておかないと、ナルシシズムは商業主義のあちこちに入り込む。ファッション雑誌、フェイスブックのようなSNS、大企業にお勤めし名刺を渡すこと、地位が上昇すること・・・。「大量の飲酒=男らしさ」の幻想もそうかもしれない。

 
 そしてわたしの属する教育研修の世界にも、受講生のナルシシズムを助長する要素はあちこちにちりばめられている。
 「まさか、そんなものが」と思うような、本来正しいことについての研修の中にも入っている。

 「自己愛温泉」のほうが、苦しい「他者承認トレーニング」より、ずっと快適だ。受講生のこころをとらえて離さない。

 そしてこころの肥満が起こっていく。業者はなんら責任をとらない。



そういえば、研修をしたときにその事務局の人が自己顕示欲の強いタイプの人だとうまくいかない。
 これも経験を積み重ねてわかってきたこと。

 自己顕示欲の強い人は、決して自己顕示欲の強いタイプではないわたしが前に立ってしゃべっている、その姿をみて
「あんなでつとまるならオレも、私も」
と思う。

 自分のほうが前に立ってしゃべりたい、という気持ちがムクムクと湧く。

 そのために研修の終盤にとんでもない足引っ張りの挨拶をしたり、いかにも不愉快そうな講師紹介の挨拶をしたりする。

 そういう事務局の人のもとで仕事をするぐらいならオープンセミナーで、だれも司会進行の人がいない状態でやった方がはるかに気楽である。盛り上げてくれる挨拶をする人がいない代わりひどい形で場を損なわれない。

 ところが受講生の側はわかるのだ。決して自己顕示欲の強いわけではない人があえて先生業をやり、人前でしゃべって何かを必死で伝えようとしている。そこから強いメッセージを受け取る。

 先日たまたまお話しした会合に出席された年配の経営者さんが、その後お会いしたら言われた。

「言葉に真実味のない人は、私たちはすぐわかるんですよ。声が渇いてますから」

 慌てて自分の喉を押さえたけれど。


 企業の研修事務局の立場になる人というのは、たくさんの似たような人材育成のセミナーに行くうち、知らず知らずのうちに「ナルシシズム助長」のプログラムに暴露していく。それで、そういう性格の人が多くなるのだと思う。

(「ワークショップ症候群」や「エスリン研究所」などのキーワードでこのブログを検索していただけるといいと思います)

 なんとわたしの生きられる範囲は狭いことだろう。




 ある人から真摯な謝罪を受け取った。


 大変な努力を要するものとして、受け取った。

 謙虚のモードの目でみると世界は180度違ったものにみえるはずである。

 自分の目や耳、脳にとびこんでくる情報量が違う。処理できる量が違う。

 わるいことに対しても向き合う勇気が持てる。

 どうかその状態を維持できますように。

 そのひとにしてあげられたたった一つのこと。



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