正田佐与の 愛するこの世界

神戸の1位マネジャー育成の研修講師・正田佐与が、「承認と職場」、「よのなかカフェ」などの日常を通じて日本人と仕事の幸福な関係を語ります。現役リーダーたちが「このブログを読んでいればマネジメントがわかる」と絶賛。 現在、心ならずも「アドラー心理学批判」と「『「学力」の経済学』批判」でアクセス急増中。コメントは承認制です

2013年02月


 「担当者」というものが今の時代、油断もすきもならない存在であるのは訳があって、


 彼らは基本、「社内講師になりたい予備軍」なのだ。社外講師を「先生、先生」とおだてるより、自分が人前に立って教える側になりたいのだ。

 (私だって本当はおだてられるのなんか嬉しくない)


 しかし、私から見て彼らの技量も知識も経験も圧倒的に劣る。彼らに教える仕事を譲りたくない理由は実際のところそれである。私の真の顧客はラインマネジャーであり、彼らに質の高い教育を届けたい。彼らには自分の知識欲を思う存分満たしてくれる、自分がそうであると同じように真っ直ぐに関わってくれる「先生」が必要なのだ。


 「社内講師」が少々のコスト節減になっても、残念ながらプロと比べると質の低さは目を覆うばかりである。


 そう、とりわけ「承認」というこのたいせつなものを、私はレベルの低い講師に教えさせたくない。


 私から見て教える力量のある人々は、むしろ自分でやろうとはしないで、私に依頼してくる。それは、「承認」がいかに大きいものか、彼ら彼女らにはわかるからだ。私はこの人たちにはむしろ言ったのだが、「あなたたちはもう教えてもいいですよ」と。


 たまたま非常に教えるのが上手い、わかりやすく教える講師にめぐり合って自分が身につけた。それは決してその人が人に教える立場になるためのパスポートを手にしたことにはならない。そのわかりやすさがいかに高いレベルの研鑽の上に成り立っているか、そうした人たちにはわからないからだ。


 むしろ、そうした人たちが「承認」とそれを教えるという行為を自分でもできるかのように軽々しく考えてしまうとしたら、それはその人たちの力量不足を示しているといえる。
 そもそも、ラインマネジャーという人々がどれほど厳しい世界を生きている人か、彼らがどれほど厳しい目で研修というものを見ているか、そうした人たちにはわかっているのだろうか。自分が教えることになる相手がどれほど大きな存在か。

 たとえばこの記事を読んでいるあなたがラインマネジャーだとして、あなたは自分の会社の総務や人事の人からどこかで習ってきた「承認」を教わりたいだろうか。


 私は著書『認めるミドルが会社を変える』の中に、「大人に教える16か条」というものを入れた。

 ラインマネジャーともあろう人々が一介の研修講師の言葉をききいれて実行し始めるからには、講師の側も相当の覚悟がいる。人生全体を賭けて伝えなければならない。2006年から始めたこのブログもその1つである。


 「承認」の社内講師になりたいという人は、まずこの16か条を実行してみてはいかがだろうか。



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

 また「1位マネジャー現象」が起こってしまった。


 昨年6月に研修し、このほど6か月後の結果が出た人です。

 ただ今回は私にとってあんまり嬉しい話ではない。例によって、企業内研修で「ひびいた」人と「ひびかなかった」人がはっきり分かれ、そのなかで「ひびいた」1人のマネジャーさんのもとでモチベーション指数ががーんと上がってしまった。当初全体の中では下から数えたほうが早かったのだが6か月で16施設のトップに躍り出てしまった。というお話です。


 いかに「ひびく」人をつくるか、歩留まりを良くするかが引き続き課題。

 
 このグループの研修の場合は、グループ全体の平均年齢が高かった。例外的に「ひびいた」人も含め60歳以上ばかり。


 この世代の人は「団塊」であり、日本の一番いいとき、イケイケドンドンで何事も何とかなった時代に青春を謳歌した人々であります。勢いとナルシシズムさえあれば何とかなってきた。鼻っ柱だけは強い。大風呂敷は広げる。


 だから「人の育て方」なんて辛気臭いことを今更習おうとは思わないのです。純と愛のお父さんだってとうとう変われなかった。


 今後はこの年齢層の人を対象に研修したいとは思いません。もしこの層の人に対して研修が必要だ、という話になったら、同じ世代の男性が講師になってやっていただきたいと思います。


 とまれ、1位になった人については3か月の調査が出た時点で大きくポイントが上昇していたので、インタビューをしに行きました。まだその時点では「1位」までにはならなかったが「上から数えたほうが早い」状態にはなっていました。

 種明かしすると、「インタビュー」と「1位」も相性がよいのです。「承認コーチング」を始めてある程度の手ごたえをつかんだところで、ご本人にその取組ぶりをインタビューしそれをメルマガやブログに掲載する。するとその「インタビューされ、掲載された」ことが「行動強化」の役割を果たすようで、そのあとさらにうなぎ上りに成績が上がってしまうのです。

 これは過去の銀行支店長さん、自治体の課長さん、その他何人もの「1位マネジャー」「業績急上昇マネジャー」で経験しているので確信に近いことです。


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 「歩留まり」の問題に関しては、どうもやはり講師の私よりは研修事務局の仕事が大きくものを言うように思う。中高年の受講生が「この講師の話をしっかり聴こう」と思うかどうかは、研修中ではなく研修前日と開始時までにほぼ決まる。いかに前宣伝を上手にやるか、綺麗な包装紙に包むか、プロモーションの問題であるように思う。


 とりわけ風采のあがらない中年女性講師の私のばあいには。またもちろん、研修効果の上がりにくいことが予測される高年齢層の受講生の場合には。


 このブログにはなんども出てきている話だが、事務局がだらんとやる気がなく、講師紹介をカミカミで読んだり、「オレの方がこんな女よりずっと凄いんだぜ」とナルシシズムをこめて、揶揄や皮肉を交えて読んだりしたら、それでもうその研修はアウトだ。悪意が一気にその場に流れ込む。丁寧に作り込んだシェフの料理にウェイターが毒を仕込むようなもの。こういう言い方をすると傲慢なようだが、でも本当である。ひとつの研修ではっきりと結果を出して組織を良い方に変えたいのなら、講師と心中する覚悟をするしかない。もともとそういう時代の曲がり角を意識した賭けのような研修なのである。


 こういう内容のことを去年はとりわけ何度もブログに書いた。恐らく、2012年はひときわ多く研修事務局の悪意やナルシシズムに見舞われた年であったと思う。嫌な時代だ。また今年になってからも一部では続いた。


 自分が依頼しておいてどういうこっちゃ、と言いたくなるが、自分のナルシシズムを正確にコントロールできる人材は、私の経験では「研修事務局業界」には少ない。恐らくあまり自分に厳しくない人々が、ナルシシズムを喚起するような性質の研修にたびたび曝露するから、職業病のようなものなのだろうと思う。その結果組織や部署の存在目的に反することも平気でやってしまう。ナルシシズムで身を持ち崩してしまう。彼らはそれでいいと思っているのだ、もともとひとつの研修に組織を変える力があるなんて思っていないんだから。


(付記すると、正田はNPOの前身の任意団体コーチング・リーダーズ・スクエアの時代は講師もしたが事務局もずっとやっていた。東京から川崎から京都から、信頼できる講師をお招きして薄謝でお話をしていただいたが、そのとき会得したのは「講師紹介とはすなわち承認である」ということだった。リスペクトと今日話をしてくれることへの感謝の念をこめて講師のこれまでの軌跡をよむ。それをきちんとやれば、講師が口を開くときには会場に同じ感情が流れていて、学ぶためのベストの空気をつくれるのだ。結局何が最高のお客様満足か、である)


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 20日の兵庫県社協での研修の宿題が返ってきました。

 期日より早く、真っ先に提出してくれた人に対して私は、

「早かっただけでなく過去を通じて最高の出来の宿題です」

と絶賛のコメントを送ったが、そのあとも非常に高いレベルの宿題が続いている。

 この人たちには、届いた。ひびいた。しみじみと嬉しくなる。
 この回は、事務局の方と私の合作だった。良い研修ができた。

 もう少し待ってから共有ファイルを作って皆様にお送りします。

 期日を過ぎても待ってるからね。


 また、本来福祉業界の出身でない私にこうした研修の機会を与えてくださった事務局の皆様と、その前の段階で完全未経験者の私に数年前初めて依頼してくださった某ソーシャルワーカー事務所様、またそこに参加した結果、力強い成果を出してくれた某受講生さんに感謝。あなたがたが日本の介護福祉を変えたかもしれない。




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 24日、姫路師友会例会で福崎民話かたりべ研究会代表・鎌谷泉先生の講義「黒田官兵衛」をききました。


 来年の大河ドラマにもなる黒田官兵衛。去年清盛をやったばかりで兵庫が続きますが、黒田官兵衛のほうが姫路の人々の心をつかんで離さないヒーローのようです。


 以下は、鎌谷先生のご講義の受け売りで・・・。


 黒田官兵衛の隠居号「如水」とは「心は水の如く清し」の意だともいいますが一説にはモーゼの後継ジョシュアをもじったものだともいいます。
 また洗礼名の「シメオン」はイエスキリストの最初の弟子となった聖ペテロの本名で、「聴く」とか「耳を傾ける」という意味を持つ言葉だそうです。なんだかコーチングとも関連ぶかいです。

(正田心の声:官兵衛役をやるのは先日「天地明察」で魅力的な安井算哲を演じてくれた岡田准一であります。嬉しいな〜)


 主君思いだった官兵衛ですが小寺氏、豊臣秀吉そして関ヶ原後は徳川家康と、3人の君主に仕えました。秀吉の毛利攻めの中で三木城や鳥取城に対する兵糧攻め、また備中高松城に対する水攻めなどは軍師・官兵衛の真骨頂だったといいます。

(正田心の声:以前年末か正月の長時間ドラマで「竹中半兵衛」を主人公にしたものがあり、官兵衛が三木城攻めの最中に荒木村重にとらえられて信長に変心を疑われ人質の息子を殺されそうになったとき、盟友半兵衛が息子をかくまって「殺した」とうその報告をしたくだりをやったとき当時高校生の娘の1人が感動して落涙していました。めったにドラマ類で泣かないたちの娘でしたが。何が琴線に触れたんだろうか)


 しかし信長が本能寺の変に遭いその知らせが備中高松城攻め中の秀吉に届いたとき、「ようやく運が開けてきましたな。大逆人光秀をお討ちなされば、天下が回ってきましょうぞ」と官兵衛がささやき、それが「中国大返し」につながった。秀吉の天下取りにつながったこの一言が一方では、秀吉の官兵衛に対する猜疑心にもつながりました。

 官兵衛はその猜疑心を感じ取ると、早々に隠居してしまうのでした。土牢入りがたたったか59歳の若さで亡くなりました。

 見事な引き際の一端を表すエピソード。

 「晩年は病床に伏せりがちになった官兵衛。苛立つことも多くなり、つまらぬ事で怒りだす始末。困惑する家臣たちを慮って(長子)長政が意見すると、声をひそめ、こういったという。

 『わしが死んだ時、家臣たちがほっとすれば自然にお前に従うようになるだろう。死後、家中がわしを懐かしみ、お前に不満を抱かぬようわざと怒っているのだ』

 最後の最後まで徹底した配慮の人だった」(鎌谷先生レジュメより)

 このあたりで出席された経営者さん方の間では、

「あんたの会長としての振る舞いに参考になるヨ」

 ・・・どうか、悪役を演じるのは演技だけにしてくださいね。


 そして軍師にとどまらず総合力としての官兵衛像は:

「・軍師としての力量にとどまらず、大将として全体のトップに立てる力量を備えていた。
・「切れ者」目前に次々と展開される難題を一瞬にして解いてしまう。
・鋭い先見性を持った政治家に近い人。
・外交手腕といい、実践立案と指揮能力の高さといい、官兵衛の能力は秀吉をうならせた。
・孫子の兵法を熟知して策略で戦いに臨んだ。」(同)


ということで、優れた軍師だったので策略家のイメージがありますがどうももっと一回り大きな人物だったようです。それだけの力量のある人だったからこそ、疎まれたりもしたのでしょう。

 官兵衛は天下を獲りたいと思っていたのか、どうか。私利私欲のない人であったらしいことは窺えますが、一方でその徳をもって天下を治めてくれたなら、とも夢想せずにはいられません。本人もその自覚がひょっとしたらあったかもしれません。


 以下は、ちょうど何かの参考になりそうなくだりなのでまたレジュメを丸写しさせていただきます:


 
その行動に配慮を欠かさなかった官兵衛が、家臣に離反されることはなかった。家臣団の育成、組織化、統率に心を砕いた理念。つまり大将たる心得を、長政にこう伝えている。

「大将たる者は、威厳がなくては万人を制することはできない。とはいえ、心違いをして無理に威厳のあるよう振る舞うのも、かえって大きな害がある」

 また、

「高慢で人を蔑ろにすると、臣下万民は主君を疎むので、必ず家を失い、滅んでしまう。よく心得るべきである。真の威厳とは、まず己自身の行儀を正しくし、理非や賞罰を明確にすれば、強いて人を叱り、あるいは喝することをせずとも、臣下万民は敬い畏れて、上を侮り、法を軽んじる者はいなくなって、自ずと威厳は備わるものなのだ。」 

 官兵衛が求めた”威厳”とは、人を圧するような威圧感でもなければ、自分を大きく見せようとする虚栄心でも決してない。それは、常々自らを律し、道理から外れず、人の尊厳を守っていれば備わるものだった。



 内容のご紹介ははしょり気味で以上ですが、さすがは語り部である鎌谷先生、化粧っ気のないお顔で黒装束、

「ほんとはしわくちゃの婆が語ったほうが味があるんですよ」

と笑わせながら(ご本人は私と同年代ではないかと思う)、場の情景が浮かぶようによどみない語りでイキイキと語ってくださるのでした。

 
 これから「官兵衛」で出番も多くなられることでしょう。姫路近辺の方、ききものですヨ。


****


 昨26日は映画「東京家族」を観にいきました。

 こういう筋だったのか。小津安二郎監督の「東京物語」も観ていないわたしでありました。

 中にはそういう方もいらっしゃると思うので(珍しいと思うけど)ネタバレは控えます・・・

 途中、つい声を上げて泣いている自分に気づきました。

 109HAT神戸の平日初回の館内は観客3人だけだったのであまりご迷惑にならなかったのは幸いです。


****


 一方でここ数年の不調が今は嘘のように良くなりました。

 更年期障害様の症状を起こさせる、よくある要因があるようです。それについての本も読みましたがここに書くのは控えます。

 これで良かったのだ。死による理不尽な別れもあるが。


 最近は朝はスムージー、昼夕も野菜と魚中心の食生活でお酒はめったに飲みません。デスクワークが多いのは仕方ないですが合間に筋トレができるよう、ダンベルやらレッグマジック(的な商品)やらヨガマットを周囲に置いています。




100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


お世話になっている皆様



 おはようございます。
 企業内コーチ育成協会の正田です。



 寒い寒い週末でしたね。皆様、お変わりありませんか。



※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。ご不要の方は、メール末尾にありますURLより解除いただくか、このメールに直接「不要」とご返信ください。



 本日の話題は:




■「高齢化社会」と「地域社会」希望の光は?
  ―よのなかカフェ「姫路版・高齢化社会を探る!」開催しました―


■介護人材に幸福感と行動変容を
  −兵庫県社協セミナー―



■恩師・中嶋嶺雄氏の思い出
  ―愛情深い教師の一面―


■姫路版・



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■「高齢化社会」と「地域社会」希望の光は?
  ―よのなかカフェ「姫路版・高齢化社会を探る!」開催しました―


 急速に進む高齢化社会。かつてない事態に地域は?
 そんな問題意識の下に、第37回よのなかカフェ「姫路版・高齢化社会を探る!」を姫路のコワーキングスペース「ロバスト」で開催しました。


 この問題に直接・間接に関わられている18名の方が集まり発言されました。


 詳細記事はこちらです

 「介護の人手、SOS、健康、仕事、ボランティア―よのなかカフェ『姫路版・高齢化社会を探る!』開催しました」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51847651.html


 ひと口に「高齢化社会」と言っても非常にたくさんの側面をもつもので、それぞれが大事です。ご来場の方々には、既に連携しあっている方がいらしたり、お名刺交換して今後の連携を約したりという場面がありそうしたネットワーキングの場としてもよのなかカフェは役立ったようです。
 
 おひとりおひとり価値あるお仕事をされている方々でした。本当にどうもありがとうございました。
 

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■介護人材に幸福感と行動変容を
  −兵庫県社協セミナー―



 さて、上記のよのなかカフェの中でもお話の出た「介護」の現場。急速な需要増の中で、現場には常に厳しい「人」の問題に直面しています。


 解決策は決して1つではありませんが、きれいごとではなく何をするにも基盤であってほしいもの、それは「承認」。


 そうした認識のもとに兵庫県社会福祉施設経営者協議会・青年協議会様でお話をさせていただきました。

 4時間半かけて、とにかく「承認」をしっかり身に着けていただこう、というセミナー。宿題もお出ししました。兵庫県内各地から高齢者福祉・保育・障害者福祉の分野を含む52名の施設長・管理者の方が来場されました。


 その中で介護福祉職の方々ならでは、の感動的なひとコマがありました。


 こちらにその模様を掲載しています


 「福祉の皆様の幸福感のために わたしたちのできること―兵庫県社協・青年協様研究会―」 

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51848294.html


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■恩師・中嶋嶺雄氏の思い出
  ―愛情深い教師の一面―



 今月17日に他界された恩師・中嶋嶺雄氏(国際教養大学学長・理事長)について前号で訃報をお知らせしました。

 優れた中国学者・国際政治学者でありかつ新設大学の学長として経営者であった一方、並々ならぬ愛情を教え子に注ぐ学生思いの人だった中嶋氏のご自宅は今も弔問客が絶えないといいます。


 わたくしは中嶋氏の東京外国語大学時代のゼミに属していたというだけの一介の学生ですが、それでも師の恩を深く感じてきたひとりでした。


 中嶋氏の思い出を過去に何度かブログに記しています:

 
 「恩師への送り状」(2010年3月)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51568279.html


 「恩師からの電話」(同)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51583786.html


 「例会「今、なぜ『承認大賞』か」(2)正田のルーツ、教育の特徴、1位マネージャーになるのはどんな人た

ちか」(2011年5月)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51737299.html


 「「行動する教育者の実体ある教養論―書評・『日本人の教養』」」(2012年3月)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51793514.html


 「秋田の英語入学式」(2012年4月)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51798125.html 


 そして今思うのは、恩師が亡くなられたのは大学のある秋田市内の病院だった、ということです。

 中嶋氏は長野県松本市の人でした。そのルーツも大事にしておられ、大学のゼミの合宿先も松本市であり松本城や安曇野を案内していただいた記憶があります。

 しかし東京外大の学長を退官後、複数の自治体から地方大学の学長へ請われたとき、教育県であり伝統文化を残した地方都市の良さのある秋田を、寒さをものともせず第2の職場に選んだのでした。国際教養大設立後は、「地域の伝統文化は日本人の重要なアイデンティティ」と、竿灯まつりに積極的に参加したり学生に研究させたりもしていました。

 
 いわば「客死」でした。しかし、地域をリスペクトした中嶋氏らしい最期だったかもしれません。



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■姫路で第14期「企業内コーチ育成講座 基礎コースA」(4月23・24日)


 「承認」を学びたい方、お待たせしました。

 当協会方式による「承認」プログラムを含む、コーチングの主要スキルを2日間で学ぶ「企業内コーチ育成講座基礎コースA」を4月、姫路で開催します。

 一般的な「コーチング」ではなく、マネジャー育成に重点を置いているため、職場の規律・規範、個別の部下指導といった、職場の管理監督者に必要な要素を盛り込んだプログラムです。前々号でお伝えした、統計的に有意差の出た製造マネジャーによる職場のモチベーション向上事例もこの講座から生まれました。

 会場は姫路駅前・じばさんビル会議室。12名限定です。詳細とお申し込みはこちらから

 http://c-c-a.jp/info2/index.php?nw2=0


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★あと1-2席限定。前々号メールニュース「強い日本人は小学生から」の記事でご紹介した千葉の公立小学校の教諭、城ケ崎滋雄先生が来阪されるため、3月17日15時よりインタビュー&懇談会を大阪・心斎橋で行います。NPO会員限定で募集していましたがまだわずかにお席の余裕がありますため、ご興味のあるかたは本メールへのご返信info@c-c-a.jpにて、お申込みください。参加費はケーキセット代1000円前後です。満席となりましたらご容赦ください。




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 ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

 皆様にとって素晴らしい1週間でありますよう。



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ブログ「コーチ・正田の 愛するこの世界」
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愛する日本を、人が元気になる国にしませんか。
「承認大賞2011プロジェクト」
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「企業内コーチ育成のすすめ」
(株)帝国データバンク社『帝国ニュース兵庫県版』
2008年〜2012年 長期連載このほど完結
http://blog.livedoor.jp/officesherpa-column/
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 20日、兵庫県社会福祉施設経営者協議会・青年協議会主催の平成24年度第2回定例研究会でお話しさせていただきました。


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 タイトルは

「職員の幸福度を向上し、職場を変える!〜職員の行動変容を促す「承認」〜」

です。

 かっこいいでしょ。12月の同協議会理事様、事務局様との打ち合わせで決めました。
 でもご想像のように中身はいつもの「承認」のお話でございます。


 ご承知のように福祉現場は急増する需要、人手不足、転職人材の育成、そしてきつい仕事とそれに見合わない報酬、など厳しい「人」の問題に悩まされています。ときにはクレーム、入所者虐待それに火災(これは人の問題ではないけど)といった形で社会面記事になってしまうこともあります。


 この日は県北の豊岡からの方々や、兵庫県社協・青年協の会員以外の方々までお声掛けいただき、52名の方々が参加されました。

 正田からは、皆様のお仕事に非常に多くの面で役立つスキルだからと4時間半というこの研究会としては異例の長さの時間数をお願いし、それにもめげず多忙の中を参加してくださった皆様からは、「時間があっという間だった」というお声が出ました。


 
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 たくさんの思い出に残る場面がありましたが、

 なかでもセミナーの中盤、流れを一旦止めて会場の皆様の意思を問う場面になったとき、


 期せずして会場から拍手がわきました。この場面で拍手で応じていただいたのは初めてでした。1人の人が自発的にはじめてくださった拍手がさざ波のように会場全体に広がり、

 わたしは感動で声がつまりそうになるのを何とかこらえながら、セミナーを続行したのでした。

 流石は福祉の皆様、人の心を汲んで対応することを仕事にされている方々でした。


 1時から5時半までがセミナー、そのあと懇親会にも20名ほどの方が残られ懇談されました。

 
 代わる代わるお隣にきてお名刺交換したりそれぞれの職場の困りごとをお話しされたり・・・、

 この日は高齢者福祉の方々だけでなく、障害者作業所(とりわけ知的障害の方の)の方や保育所の方など、正田がこれまで研修未経験の分野の方も多数来られ、そうした方々とお話させていただくのも大変新鮮な経験でした。

 幸せなお出会いに感謝いたします。

 改めてご参加の皆様、まためんどくさい講師正田のかずかずの注文にも嫌な顔ひとつせず応じてくださった県社協事務局の皆様、理事の皆様、本当にありがとうございました。



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 翌21日はまたバスツアーで四国お遍路の旅2回目に参りました。


 今年こういうことを思い立ったのは、おこがましい講師業をしている自分の後ろめたさの表れなのでしょうか。



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お世話になっている皆様



 こんにちは。
 企業内コーチ育成協会の正田です。



 本日は急ですが、訃報のお知らせです。

 わたくしの大学時代の恩師で、秋田にある公立大学法人国際教養大学(AIU)の創設者にして学長・理事長である中嶋嶺雄氏が去る14日、肺炎のため亡くなられました。76歳でした。


 中嶋氏は東京外国語大学学長を経て、2004年にAIUを開学。オール英語の授業、留学と寮住まいの義務付け、教養教育の重視など最先端の大学教育を実現し、卒業生はグローバル人材として企業から高く評価され、就職率日本一を誇ります。


 そのAIUが開学8年目の昨年、2位東大を大きく引き離して日経新聞の注目大学1位を獲得、NYタイムズ等海外一流メディアにも大きく取り上げられるなどひときわ注目された矢先の訃報でした。



 わたくし正田は昨秋、中嶋氏にインタビューさせていただき、その内容を7回にわたりブログに掲載させていただきました。

 今見返しても歴史に残したい印象的な言葉が満載です。どうか、お時間のあるかたはご覧ください:


(あえて見所を挙げるなら(6)の記事がこれまでになかった思いを表出されていて、お勧めです)


◆中嶋嶺雄氏インタビュー(1)「尖閣問題―隣国との付き合いはまず異文化理解から」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51833116.html


◆中嶋嶺雄氏インタビュー(2)「3カ国語習得で自分の中に世界ができる」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51833119.html


◆中嶋嶺雄氏インタビュー(3)「AIUに世界のメディアも注目」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51833119.html


◆中嶋嶺雄氏インタビュー(4)「エクストリームからストリームへ〜『教養』が再びスタンダードに」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51833122.html


◆中嶋嶺雄氏インタビュー(5)「重要な『ローポリシー』〜きめ細かい制度設計」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51833125.html


◆中嶋嶺雄氏インタビュー(6)「戦後世代、安保の挫折、自己否定、同時代史との対決」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51833126.html


◆中嶋嶺雄氏インタビュー(7)「成熟国家日本に期待〜不安、集団主義、前例踏襲を超えて」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51833127.html
 


◆中嶋嶺雄氏インタビューを終えて

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51833163.html



 超ご多忙の中、無理を承知でこのインタビューをお願いしたことの是非を今思います。

 秋のオープンキャンパスの日の夕方、シンポジウムを終えて学長室に戻ってこられた中嶋氏の少し疲れのみえる面影と、少しゆっくりになられた足どりがよみがえります。


 中嶋氏はその直後欧州に出張され、帰国されたときに秘書のかたの求めに応じてすぐにこの長文のインタビュー原稿にも手を入れてくださいました。それも見事に的確に。

 無名のNPOからのご依頼にも決して手を抜いたり待たせたりされない方でした。




 また、中嶋氏の築いた国際教養大学という大学はどんなところなのか。

 2年前の2011年春、紹介記事を書きました。現在でも高いアクセス数を集めています。


 「勉強することの美しさをみた 秋田・国際教養大学をご訪問しました」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51727822.html 


 もっと長くお元気で活躍していただきたかった、日本のために発信していただきたかった。またAIU卒業生たちの社会に出てからの活躍をみていただきたかった。

 今はひたすらご冥福をお祈りいたします。


 


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ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

皆様良い日々をお過ごしくださいますよう。



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ブログ「コーチ・正田の 愛するこの世界」
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「企業内コーチ育成のすすめ」
(株)帝国データバンク社『帝国ニュース兵庫県版』
2008年〜2012年 長期連載このほど完結
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*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*



 1つ前の記事で大人気なくも某研修の成績のことを書いたが、

 このスコアは高ければ高いほどいいかというと恐らくそうでもない、というのを、私はやりながら感じていた。


 ジュニアマネジャーであれミドルであれシニアであれ、マネジャーは1人でぱっぱ、ぱっぱ決断して指示を出していればいいものではない。

 ある種の人々はそういうマネジャー像を理想とするのだろうけれど。それはマッチョ幻想のようなものだ。

 場合によっては、自分に腹案があっても「どう思う?」と問いを投げかけ、相手に考えさせ出てきた答えをすり合わせるほうが良かったりする。(注:人事・賞罰など最重要案件は当然この限りではない)

 ・・・なんてコーチング業界の人間としては凡庸な感想だが、「某研修」ではこのすり合せの過程が抜けていて、答え合わせシートをみてもマネジャーが自分ひとりでものごとを決断したほうが高得点になるようにできている。


 もちろん「某研修」の出題がそもそも、「1時間以内に20案件を処理せよ。その後1週間は部下はじめ関係者と接触できないのでこの1時間で部下に指示せよ」という、今どきあり得ないようなものなのだが。


 この結果、このブログで何度か触れた「決断過多」のリーダーが出来ることは想像に難くない。

 
 この2つ(「某研修」と「決断過多リーダー」)を結びつけて考えるのは根拠が全然ないわけではなくて、

 以前おつきあいしたある大企業で、この「某研修」導入のその企業での旗振り役になったリーダー(仮に「A部長」とする)と会食した。このリーダーは私の受講生ではなく、受講生たちの上司だった。

 
 会話していて、見事に「決断過多」というか、「思い付き過多」だった。もともとそういう新奇性探求系の気質の人だったのだろうけれど、次から次へと新しく何かを思いついて、

「ああしてはどうか?」
「こうしてはどうか?」

と、ぱっと考えただけでも実現可能性のないアイデアを言ってくる。

 話していてわたしはだんだん疲れてきて、(実際に1日研修の後で疲れてもいたのだが)

「いえ、やりません」
「いえ、できません」

テンションの低い声で返事していた。


 しかし、あとで知ったのが、かれの部下たちは「やりません」「できません」で済ませることのできない立場だったのだ。

 その会食の約1か月後だったろうか、

 わたしは受講生のミドルマネジャーたちの「先生」として、この部門のトップ(A部長の上司)に面談を求め、


「A部長が次々新しい指示を出し、しかも仕事の期限を切るため、部下が疲れ切っています。A部長を指導してください」

と進言することになった。


 ここからは想像だが、A部長は自分の導入した「某研修」をたいそう気に入り、習熟するために何度も受検したか、研修会社のサイトで問題をチェックして時間当たりの決断数を増やす取り組みをしたのだろう。


 その結果史上まれにみる独裁者リーダーが出来上がってしまった。


 だから、「某研修」には断り書きを入れるべきなのだ。このスコアが高ければ高いほどいいわけではありません、「待つ」ことも他人に決断させることも必要です、中庸をわきまえてください、と。


 「某研修」ずきな人はおおむね「アメリカ海兵隊」という文言にひかれるし、ぱっぱ決断して指示を出す男らしい自分にあこがれる。


 わたしの進言から数週間経った研修の日、A部長のもとで顔色が良くなかったある係長は

「やっと休みがとれ、クルマを洗車できました」

と顔をほころばせた。
 この人はA部長が次々屋上屋的につくる会議に出席することで忙殺され、平日の勤務時間はすべて「会議」で塗りつぶされていた。本来の自分の仕事は夜間や土日にするしかなかった。

 また別のやはりA部長の部下のマネジャーは、組織が「決断過多」の上司のもとで役所的になり、上司の顔色をうかがい、なにごとも自分で判断できなくなっている、あからさまな問題をみても反応できない「感情鈍麻」のような状態になっていることを怒りをこめて描写した。

 その部署には妊娠中の女性課長もいたが、その人も猛烈な忙しさで仕事の完成度が低くなっていたとのことだった。

 べつの部署のマネジャーは、A部長の部下が自分の部下を兼務しているが、その部下が自分のほうの仕事を手抜きし気味で、かつ「もう辞めたい」と言っていることも話した。



 と、「某研修」にいれこむあまり(もちろん要因はそれだけでもないだろうが)多くの部下の人生を狂わせていたA部長だが、その年度末の異動でとうとう飛ばされた。


 教育はときに、とても罪つくりなものだ。

 正田がよくぶつくさいう言葉、

「教育研修は間違っても人は死なない」(反語)

の意味をわかっていただけるだろうか。


(ふだんあまり書かないことをここで付記すると、上記の言葉は製造業、介護、医療など『間違ったら人が死ぬ仕事』をしている人たちへのオマージュのつもりでもある)


 もちろん、実際に自分がやってみて思ったのは、これは何を決断させてもまごまごするまごまご君タイプの人には必要だろう、ということである。またそうした人でこの研修の成績が極端にわるい人は管理職になるべきではないだろう、とも。

 
 そういう、「ふるいにかける」(スクリーニング)的な意味では有用な研修だと思う。


 あの会食の日も今日のような雨だった。


****

 今日もまた、さるところで「アイウエオが未分化の人」に出会った。

 この人がまた、「自分は部長だ」と名乗った。部長昇進試験に発音のチェックはないのだろうか。

 特別障害があるわけでもないのに日本語の発音がおかしい人は、大体話している内容もつじつまが合わなかったり感情的だったりする。ようするに自分に厳しくない、セルフモニタリングができない人なのだ。


 雨だからつい根暗なことばかり考える。



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

 日程が前後しますが2月8日、姫路の異業種交流会「金曜会」というところでお話をさせていただきました。


 お題は先週と同じ、「日本の企業をつながり力で動かす!」。

 ネタバレになるのを避けてこのブログでのご報告が遅れましたが・・・、


 「金曜会」はもう30年以上月例で続いているという、姫路でも由緒ある異業種交流会です。

 これまで講師を務めた先生が「いい会だなあ」と自分も入会してしまうことがあるというだけあって、司会者からの挨拶・会長挨拶・講師紹介と、大変格式高く進行し、約30名の地域の経営者さんが素晴らしくいい雰囲気で聴いてくださいました。


 事務局を務められた濱口商店会長・濱口浩平さんには、資料印刷(なんと49枚のスライドを1p1枚で印刷してくださいました。半日ぐらいかかったそうです。その他講座のチラシの印刷なども甘えてしまいました)、記録作成・写真撮影など大変お世話になりました。
 

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 正田はしょっちゅう「早く死にたい」と口走る女ですが、いい方々とのいい記憶はしっかりとどめておきたいものです。


****


 そしてきょう17日(日)は、また姫路に行って帰ってきたところです。

 
祈り



じばさんビルで上映された映画「祈り〜サムシンググレートとの対話」を鑑賞してまいりました。


 祈るという行為が健康状態やこころの状態に影響を与えるということ。ダイアナ妃が交通事故で亡くなったときには、世界中の人々の強い感情が地磁気にまで影響を与えたということ。


「外国人はいずれも、日本人のような広い視野を持っていない」

 とアメリカの女性科学ジャーナリスト。

「天災のときに協力し合う、助け合う、それができるのが日本人だ。欧米人は個人主義で自己の利益だけを考える」


「21世紀は日本の出番だ」

 この映画のメインの登場人物である村上和雄・筑波大名誉教授は語りました。

「『もったいない』『おかげさま』『ありがとう』

 いずれも外国語に翻訳できない言葉。自然への感謝を伝える言葉。

 日本を尊敬される国にする、そういう国家目標を立てて努力すればいい。そうすることが私の天命だと思う」


****


 「祈り」は、例えば野暮ですが今、アファメーションという考え方があります。その中にも色々と考え方があるようですが、

 当協会の今年の方針

「日本人のためのリーダーシップ教育、アンチ自己愛、優秀さと幸福感、女性活用―2013年も願うこと」

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51842418.html 

では、「する」という決意の言葉ではなく、「願う」「念願する」という言葉を使って言っています。

 無意識ですが、アファメーション的なものを意図していたと思います。


 なお正田は宗教的にはかなりごちゃごちゃな多神教人間で、若いころの一時期はチベット仏教にもご縁がありましたし(ご興味のある方は「なぜオフィスシェルパなのか」の記事をご参照ください)、結婚式は神戸のプロテスタントの教会で挙げ、そのために礼拝にも通いましたし子どもたちも一時期日曜学校に行っていました。また昔から神社仏閣は大好きでしたし今は姫路師友会等で儒教のお勉強をする一方、趣味のコーラスではバッハなど宗教曲ばかり歌うグループに入りラテン語の祈りの言葉をのべつ歌い、カソリックの栄光教会でチャペルコンサートをする、というしだいです。

 なので基本的に宗教ずきな体質なのですが八方美人です。うちのNPOのやってる「承認教」もみる人がみると結構宗教くさいと思います。

 上記の村上和雄氏は、高血圧をもたらす物質を発見するという科学史上目覚ましい業績を挙げた人であります。一方Wikipediaによれば某宗教の信者であり、「サムシング・グレート」というのもその宗教のある概念について言っているそうです。


 こういうグレーゾーンなものが多くなった。そういうことを押さえたうえでものを書かないと。でも全然書かないのもどっか違うような。


 あと宗教ずき体質ではあっても、エビデンスのないものは基本的に信じない性格です。それは、恣意的に受講生さんを引っ張り回すのはしたくない、と思う気持ちが強いからで。


****


 また時間が前後しますが14日(木)は大阪商工会議所の「インバスケット研修」に行っていました。

 多くの大企業が管理職登用試験に使っているというもの。

 きょう自己採点(甘めに)してみたところ、65点でした。1時間にわたり、大体1分に1個強の判断をしていたことになります。(手書き回答という制約がなければもう少し多かったのではないかと思います。言い訳)あと優先順位上位3つの案件は、3つの中の順位はちがったものの内容は模範解答と一緒でした。

 さあ、管理職に登用してもらえるかしらん。

 この成績が良いのか悪いのかはべつにして、一般に女性とくに主婦経験者のほうがこういうこまごました決断は得意なのではないかと思います。やっぱり家事・育児で雑多なことを同時並行でやりますからね。

 問題は大きな戦略のところの決断です。やっぱり、「戦略ずき」は男性に共通にみられる傾向みたいです。


 でも「人・組織」を見落とすと戦略どころではないんだよー、ふっふっふ。


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 先日このブログでご紹介した、城ヶ崎滋雄先生とのステキな企画が進行中です。でもないしょ。



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
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 第37回よのなかカフェ「姫路版・高齢化社会を探る!〜これからの地域でシニアはどう生きるか〜」


 15日、姫路・じばさんビル「ロバスト」で開催しました。


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 このたびはなんと18名の方が集まり、ロバストの大会議室も満杯。それぞれ独自の取り組みやスタンスをお持ちの方が話題を提供され、大変な熱気となりました。


登場人物(五十音順):
生駒眞一郎さん(姫路市立楽寿園園長)、A・Iさん(尼崎の総合病院総務部長・地域連携室長、香寺町在住)、伊藤督夫さん(元小学校教諭、障害児教育)、井上晴登さん(井上晴登建設棟梁)岡田達之さん(高齢者住宅青山の郷施設長)、(霞末浩二さん(行政書士、NPO法人スマイルネットワーク)、木元正均さん(株式会社マルセイ代表取締役)、濱口浩平さん(濱口商店会長)、竹原俊三さん(NPO法人寺子屋ネットワーク101)、濱田裕子さん(姫路市生きがい推進課)、久永和彦さん(行政書士、スマイルネットワーク理事長)、北条勝利さん(ひょうご仕事と生活センター長)、丸尾淳さん(NPO法人太子の風)、宮本治彦さん(エベック社長)、吉田春夫さん(NPO法人はりま悠々クラブ)、坂田さん(同)、谷口さん(同)

 司会は村瀬利浩・姫路経営者協会専務理事とわたくし正田でした。


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 Ustreamがまったく接続できなかったため(要改善)、メモをもとに再現いたします・・・


 司会者挨拶、参加者自己紹介の後、姫路市生きがい推進課・濱田さんより姫路市の現況と取り組みを紹介されました。

「姫路市では学者出身の現市長が平成17年ごろから『生涯現役』をスローガンにし政策をすすめてきました。

 生涯現役の3つの柱とは

1)余暇の充実
2)社会参画
3)健康づくり

です。」

吉田さん(NPO法人悠々クラブ) :「当NPOは兵庫県内で3番目に「認定NPO法人」の認定を受け、兵庫県から「町の寺子屋」という看板をもらった。子どもたちのいもほりとか、男の料理教室を年1−2回やっている」

丸尾さん(NPO法人太子の風):「市の方針は理想ではあるんですが、残された人生をどうするか話(講演)を何度かしているが反応が今ひとつ。
 行政はうしろからバックアップしてもらいたい。地域のことは地域がしないと、しきたりがありますので。老人会は社協、婦人会は教委というようにバックアップ元がばらばら。まとめてやるのは難しい。なかなかピンピンと手ごたえが返ってこない。今は、若い男性、女性を巻き込んで活性化できないか考えている」


 ここから「健康」が話題に・・・。

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伊藤さん(元教諭):シニアは発達する。伸びていくんです。私は字がきれいになりました。エアロビを習い、顔のシミが減ったといわれました。コツは姿勢を正しくすることです(歩いてみせる)。この身体の線をまっすぐ保つこと。靴の底を変え、小指側を高くしました。洗面台をきっちりふく。テーブルクロスのいいのを買って箸置きを置いて、食事する。夜寝るときつま先を伸ばさない、つるから。ふくらはぎが第二の心臓とお医者さんが言っている。かかとから歩き、後ろ足はつま先で蹴る。晩は米を食べない。去年は玉ねぎを500植えた。自分で食べている。うちで作った白菜を人にあげたら「甘すぎる。砂糖が入ってるんちゃうか」と言われた。こんなふうに生活してたら、眼科と血液の検査を月いちずつ、それに人間ドック半年に1回で済む。

木元さん(経営者):エベレストに登ったんですが、登ること自体は健康に悪いです。身体を痛めつけるようなものです。しかし登るための体づくりは健康づくりといえます。昔から腹八分目医者いらずといいます。お茶による水分補給は大事。体質をチェックして、寒がりタイプか暑がりタイプか見極めてそれに合ったお茶を選ぶ。自分の身体を知ることは大事です。身体の7割以上は水分。毎朝いやでも家内がつくる漢方茶をのまされる。たまには好きなのを飲みたいが恐妻家なので(笑)

伊藤さん:エアロビを習っているが、15分経ったら必ず水分補給をしなさいといわれる。山登りをするとき、疲れに疲れてから休憩しても意味がない。疲れる前に休む。


 シニアが「働く」ことは?の問いに

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北条さん(ひょうご仕事と生活センター長):生涯現役ははたらくことを基本に。高齢者雇用をいい形でしている企業は結構ある。わしら毎日日曜日やでという先輩がいるとき、土日この人らに任せよう、平日は定時で終わらそう、もっとそういう企業が増えてほしい。あまりそれをやると若い世代の雇用を奪ってしまう可能性があるが。技能伝承とか大きな意義がある。

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泉さん(尼崎の総合病院勤務、香寺町在住):医療の世界は資格社会なので、60歳の新入社員は当たり前。看護師、看護助手、年齢は関係ない。
一方古い体質で、医師がいて看護師がいて技師がいて・・・というのをいかにうまくまとめていくかが最大の課題。
私の自宅は香寺町で、平成16年ぐらいから地域づくりをしようと活動している。高齢化率が高いところなので、できるだけ高齢者を表(屋外)に出そうと、田植えを教えて下さいとか村のしきたりを歩きながら教えてくださいなどと働きかける。とりあえず家から出すこと。この人は元気やということを村中でわかるように。任意団体なのでうまくいかないところもあるが。
尼崎は大変な事件が色々起こるところ。都会での高齢化と田舎での高齢化は全然違う。自分はどっち向いたらいいんやろと悩んだこともあった。今は「自分の家族を守ってくれるのは地域や」と職場でも公言している。



生駒さん(楽寿園園長、前生きがい推進課長):現役(市役所)で生きがい作りをやっていた時分は、「これまで高齢者は社会に支えられる存在だったが、これからは社会の輪の中に入れ込んで支える側に回ってもらおう」と言っていた。ボランティアで登下校を見守ったり、介護が必要なおとしよりを高齢者が見回ったり。社会の中で自分の役割を見つけることが大事かなと思う。
今いる老人福祉センターは、毎日何百人と高齢者の方が来られ、その中に元気な方、元気でない方がいる。能動的、積極的、前へ前へいく人は元気。ただ元気だから前へいくのか、因果関係がわからんけど。


ここから「介護」も話題に。


岡田さん(高齢者住宅施設長):今の施設を含め、介護の中で25年過ごした。違う視点からお話しすると、
最近仕事をしていて感じることは、介護をする人手、人材というところが今後どうかなということ。業界に進出してくる企業も多い、うちもそうだが。はこは作ったはいいが、だれが支えるの?と。
 介護という世界は歴史が非常に浅い。だれでも絶対人の世話になります。
 数年前、インドネシアからよんで介護福祉士を養成しようという話があったが(結局頓挫)、私はそれはクエスチョンで日本人の介護は日本人が何とかせなならんと思っていた。
 しかしだれが?ということだが、60歳で一旦現役引退してまだ働ける人がどんどん参入してくれるような仕組みを作るべきではないか。
 
正田:その介護の人手の話だが、最近も介護施設に入所待ちの人が多いという話が出た。感触として人手は今の何倍くらい必要なのか。

岡田さん:最低1.5〜2倍は必要でしょう。推測であと20〜25年、高齢者人口は増え続ける。どうクリアしたらいいのか、本当に近い将来。

伊藤さん:私は介護福祉士養成学校で教えている。クラスで「19歳手あげてみ?」というと、4人だけです、手があがるのは。あと全部30代40代。リストラにあった人たちです。


ここで「ボランティア」「教育、学習」が話題に。


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井上さん(建築業):行政の人はボランティアボランティアというけれど、「あなたのためよ」ほどええかげんなものはない。今イキイキしとうボランティアの人は余裕のある人。現実をみてボランティアをやってもらわんと。市からお金ちょっと出してボランティアしてもらわんと。


濱口さん(製造業経営者):「天空の白鷺」を先週見学さしてもらった。入口に黒田官兵衛のいでたちの人が立っていた。ボランティアの人が自分で陣笠とかも衣装をつくったそうだ。その人が「弁当ぐらい出してくれたら」と言っていた。武者(役)の人の鎧兜をつくるのも200万かかり、自分持ちだとか。余裕のある人がやってるんです。
 若い人がまともに就職できない。キヤノンの会長さんは経団連会長も務めた偉い人ですが、ものすごい儲けてるのに契約社員ばかり。世界競争に勝つためというが。
 姫路師友会、水厚会、金曜会などに出席しています。水厚会は200回になりました。年寄りも勉強しないと。


竹原さん(NPO法人寺子屋ネットワーク101):わが家は2人とも62歳、妻は30年前から難病で
「娘や人に迷惑をかけないように、地域に迷惑をかけないように」とそればかり言っている。
 そういうことを考えている人もいっぱいいると思う。
 私自身は月刊致知をよむ会を高砂市でやって15人ほど集まる。ロータリー(クラブ)にはいち竹原として加入してやっている。
 点をどうやって線にするか、面になればいいんだけど。


 再度、介護の話題。


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久永さん(行政書士、NPO法人スマイルネットワーク):私たちは点を線にしようと活動している。
 介護している現場の方からのSOSをこのところ受けている。ヘルパーさんが夜も寝られない、この人のお世話はムリ。そういうのが今多くなっていますね。
 もちろん、1人暮らしのこの人をどうしようという話も多いが。
 社会福祉士さん、司法書士さん、ネットワークをつくることで高齢者、障害者の人も何とかなるように。余命いくばくもない1人暮らしの人をどうするかも。
 もともとは、「あなたの老いじたくできてますか?」ということで活動していた。成年後見が今、すごく多くなって。

正田:「この人のお世話ムリ」のケースとは、例えば?

久永さん:介護の人って利用者さんの希望を優先して動けと教えられる。ただそれが認知症の人だとそれでいいかという問題。強迫観念がかなり強い方でデイサービスのチーフによりかかってしまってチーフが参ってしまった。上司も状況を全然理解してくれない、と言い、これは危ないと思った。本人の望まないことではあってもみんなが助かる道を探さないといけないかな。


再度「ボランティア」について。

宮本さん(設計事務所社長):私は休む気はないが、妻が弱っていてヘルパーのお世話になっている。私が弱ったら太子町の中で何をするか。こういう活動、イベントをやっているという情報が一般の人にわからないんじゃないか。だれがやるかというとボランティアじゃなく役場がやるべき。
 シルバー人材センターには人がいない。

谷口さん:ボランティアのマッチングの仕事をしている。今日の市役所の方針の3本柱とか、つながるなと感じた。社会経験を活かして参加したことで喜びになり、健康につながる。最近も小学校に行って楽器演奏を教えたが子どもさんたちの喜んだ顔がみれた。裕福な人だけのすることでもない。


正田:濱口さんのお話に出た鎧兜に200万かけた人は、きっと「めだちたい」っていう価値観のある人だと思います。その人の価値観に沿ったことをやると楽しくて疲れないんです。濱口さんも勉強会の記録作成など、ボランティアでされているでしょう。好きなことは趣味でもやるし、疲れないんです。宮本さんの言われた情報提供などの仕事も、元新聞記者とかで情報収集したり配信したりするのが根っから好きな人がきっといると思うんです。


ここで
「家内が病気して医療費が月15万かかる。私も年金生活に入ると苦しい。経済的に何とかならないだろうか。」との意見。


 それに対して「ボランティアも高額医療費も、全部役所が面倒みようということになったら税金を上げなければならない」との意見。


竹原さん:介護の人はかなり薄給だと思う。給食のおばちゃんは年収200万ない。こどもに安全な食をたべさせる大事な仕事なのに。
 (介護は)薄給、重労働、わがまま放題言われ、若い人がなかなか根づかないんじゃないだろうか。
 高齢者同士でお互い助け合う、日本の社会はそういうところに来ているんじゃないか。
 

丸尾:やはり人と人のつながりが非常に希薄になった。東京一極集中、個人情報保護。
 ボランティアとNPOと連携して人と人のつながりができれば。
 この地域で生きるとは何ぞや。年配者は色々ノウハウを持ってます。ただ謙虚だから大声で言わない。
 まず動くことが大事。そして人と人のつながりが原点。

伊藤:ボランティアをみんなが阻害するんです。大企業出身の人はカネで計算する。大企業、校長が自治会を悪くしてんねん。教育受けた通りのことをやってる。


 このあたりでお時間となりました。あっという間の1時間半でした。

 健康、仕事、介護、ボランティア、教育・学び、ひじょうにたくさんの切り口が出ました。

 ほとんど「テーマ出し」に終始した観がありましたが1時間半でこれだけの人数で話し合えば致しかたないといえましょう。よく、広く目配りして話題提供をしていただけたことと思います。

 司会初トライで名パイロットぶりをみせた村瀬専務に拍手でした!

 正田からは

「このところ姫路にほれこんで入り浸っている。最近も播州人の強さということをよそでお話ししたが、播州の人には『密接な人間関係に耐えられる強さ』があると思う。これは神戸にはないもの。色々課題はあるが姫路、大丈夫だ。と今日思えた」


 ご多忙の中足を運び貴重なご発言をいただいた皆様、本当にどうもありがとうございました。



****

 
 最後に言った「密接(濃密)な人間関係に耐えられる強さ」という言葉は、今回初めて出しましたが思いつきではなく、ここ数か月考えていたもの。

 もとはといえば、秋田の恩師のつくった大学が優秀な学生を輩出してメディアに取り上げられる中、ある記事の中にあったのが:


「語学力というより、寮生活の中で濃密な人間関係に耐えられるタフさを身につけたことを企業は評価している」

という文章で、これをよんで膝をうちました。

 つまり、地方都市の人が都会に出て行く度胸がないからそこにいるのかというと決してそうでもない。そういう人もいるのだろうけれど、私が接触する層の方々にみられるのは、それこそ「濃密な人間関係に耐えられるタフさ」を体現した方々なのです。それは、自立しているわけでもないのに人間関係にも背を向けている都会の人からは感じられない力強さなのでした。



 というわけで決してリップサービスで言ったわけではないのでした・・・

 今更ながら今回集まられたおひとりおひとりからもっとお聞きしたかった、話していただきたかった、そんな後ろめたい思いを胸に今回はここまでとさせていただきます。

 お集まりの皆様、ファシリテーターを務められた村瀬様、会場のロバストさん、会場スタッフ・撮影担当の八田さん、ありがとうございました。



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

お世話になっている皆様



 おはようございます。
 企業内コーチ育成協会の正田です。



 本日は今更野暮なようですが、バレンタインデー。このメールニュース読者の方は、受け取る方でしょうかそれともあげるほうでしょうか。



※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。ご不要の方は、メール末尾にありますURLより解除いただくか、このメールに直接「不要」とご返信ください。



 本日の話題は:




■製造業、グローバル人材育成、上司部下逆転…
 リーダー育成は経営者が考えよ!


■「強い日本人」は小学生から―城ヶ崎先生クラス訪問記



■本日お申込み締切です!姫路よのなかカフェ(2月15日)


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■製造業、グローバル人材育成、上司部下逆転…
 リーダー育成は経営者が考えよ!


 昨13日、兵庫県内の製造業でつくる団体・公益社団法人兵庫工業会で「日本の企業をつながり力で動かす!」という題で講演をさせていただきました。


 「カフェ型講演会」として、講演を前半・後半に分け、中間点で一度参加者の皆様にディスカッションしていただくという形をとりました。


 人材育成には一家言もつという地域の経営者さん、総務・人材育成担当者の方、そして製造リーダーの方などが集まられ、熱心にディスカッション、質疑もいただきました。


 そこは製造業の団体のこと、やはり今回の圧巻は某社の製造リーダー「Y君(38)」の頑張りによる2か月間でのモチベーション向上でしょうか。

 
 リーダーが良ければモチベーションが上がる。プロ意識が上がる。愛社精神が上がる。この仮説(ただし、これまでの経験に基づきほぼ確信に近かったもの)を検証できたことは、ひとえにY君自身の頑張りによるものであるとともに、データ収集にご協力いただいた事務局の方々のお力でもあります。

 また統計解析の方法につきましては、過去に正田が研修をさせていただいた医療機器メーカーの統計学に詳しい研究員の方にご教示をいただきましたので、この場を借りて感謝したいと思います。

 講演後、参加者のうちひとりの方が、大変嬉しいお話をしてくださいました。


 詳細はこちらの記事に掲載いたしました。ご興味のある方は、どうぞご覧ください。

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51847401.html


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■「強い日本人」は小学生から―城ヶ崎先生クラス訪問記



 今月1日、千葉県船橋市内のとある公立小学校をご訪問させていただきました。

 目指すは3年3組、城ケ崎滋雄先生のクラス。


 城ケ崎先生のことは、フェイスブック上の別のお友達が城ケ崎先生のクラス見学記を掲載されていたのをきっかけに知りました。

 大変感動し、すぐ先生ご自身にコンタクトをとらせていただきました。


「私は日頃日本人の資質的ひ弱さがグローバル化社会に対応できないことを憂えています。先生のおやりになっていることは大げさに言えば日本の将来がかかっていると思います」


「日本の将来なんてとんでもない。普通のことをやっているだけです」

 先生は謙遜して言われましたが、「どうぞ見学にいらしてください。校長の許可もとっておきます」と快諾してくださいました。


 その見学記のもようは…、

 
 いつもブログ参照で恐縮ですが、こちらに掲載しています。よろしければ、お手すきのときにご覧ください:

 「褒めること聞くこと、記録、スピード、歌声…城ケ崎先生クラス訪問記」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51846161.html


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■本日お申込み締切です!姫路よのなかカフェ(2月15日)



 姫路であす開催するよのなかカフェ第37回「姫路版・高齢者社会を探る!」


 世界でも例のない高齢化社会。地域としてどうそれに取り組むか、前例のないことへの問題解決が問われます。

 先日、姫路市役所の生きがい推進課をご訪問し、取り組みをうかがうことができました。「生涯現役」を政策として掲げ、生涯学習課のほかにあえて生きがい推進課を設立。高齢者ファッションショー、高齢者バンドコンサートなど、ユニークな取り組みをしています。


 高齢者が「いきいき」していてくださると、介護福祉や医療の分野の負担も少しかるくなりそうな気がしますね。


 今回は、姫路経営者協会・村瀬利浩専務理事がファシリテーターを務められるほか、姫路市立楽寿園の園長さん、姫路市生きがい推進課のかた、またひょうご仕事と生活センターの北条センター長など、大変賑やかな顔ぶれの方が来てくださることになりました。


 まだ2,3はお席の余裕がございます。お申込み締め切りは本日。老若をとわず、新しい地域社会にご関心のある方はぜひお越しください。


日時:2013年2月15日(金)19:00〜20:30(最大21時まで延長あり)

会場:姫路駅南口・ノマドワーキングカフェ「ロバスト」 http://robust.bz/

主催:特定非営利活動法人企業内コーチ育成協会

参加費:1,000円(+別途ドリンク代)


お申し込みは メール info@c-c-a.jp (NPO法人企業内コーチ育成協会)まで。
お名前・ご職業を添えて お申込みください。




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★兵庫県中小企業団体中央会様より、嬉しいお知らせをいただきました。
同会の会誌「O!」に連載しているコラム「誌上コーチングセミナー」を、前回で今年度分を終了しましたが、来年度も引き続き連載するように、というご依頼。嬉しいですね。
 さきの製造業様向けセミナーの記事も、フェイスブックに転載したところ、
「私の日頃思っていることをすべて書いていただいた。読んですがすがしい思いです」と、現役管理職のお友達の方からコメントいただきました。
 引き続き、正確な事実認識をもとに何が起きているかに目をこらし、皆様に注意喚起していきたいと思います。



※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させて

いただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

良い日々をお過ごしくださいますよう。



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100年後に誇れる人材育成をしよう。
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 13日、公益社団法人兵庫工業会の人材育成委員会イベント部会で講演をさせていただきました。


 お題は「日本の企業をつながり力で動かす!」



 前半では、日経ビジネスの記事などを引用しながら

 「人材育成の不幸な20年」
 「日本人の労働生産性、チームワークは危機的状況」
 「遺伝子的にみた日本人の特色」
 
 についてお話しし、そこで一旦止めて参加者の方のディスカッションタイムとしました。

 各グループ熱心に討論され・・・、

 どの企業様でも同様の問題に悩んでいる、と異口同音におっしゃいました。
 「叱る指導」ではもう今の人はついてこない、とも。


 後半では、「承認中心コーチング」のここ10年来の取り組みをご紹介し、最後に直近のある工場リーダー「Y君」の頑張りによるモチベーション向上について、統計の数字をからめてお話ししました。


 質疑の時間のやりとりをご紹介します:


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問:組織アタッチメント、愛社精神が上がるとはどういうことか。自分自身40歳過ぎまで愛社精神など持てなかった。

答:組織アタッチメントはこの質問紙(手元資料)の中の6問の質問への回答によって測る。こうした問いへの回答が1回目と比較して2回目は上がったということ。リーダーが良ければ愛社精神は上がる。そういうことが検証された。もしこのリーダーの上司の役員などが良くなればこのリーダー自身の愛社精神ももっと上がったろうと思う。



問:自分は今70歳だが、歴史的にみて今はどういう時期なのだろうか。こうした承認のような教育は過去にもあるのか。

答:自分自身今付け焼刃だが姫路師友会などで歴史の勉強をさせていただいている。例えば二宮尊徳の報徳精神などは承認と非常に近いものではないかと思う。二宮尊徳は金融知識も豊富に持っていた人だから単純に比較はできないが、真摯に仕事に当たることを教えるうえで報徳精神をリーダー層にも一般のはたらく人にも植えつけた。その結果豊かになった。また上杉鷹山なども徹底した倫理教育をやったという。貧しい時代になると、人心が地に墜ちる。小さくなったパイを取り合うため、弱肉強食になり、強いものが弱いものから奪うことが起こる。組織がギスギスした状態になる。それを一致団結して生産に向かわせるため、徹底した倫理教育が必要になった。今そういう局面なのではないか。
 また、良く言われるのが今は明治維新、敗戦に匹敵するような時代の変革期だ、と。しかし現代の場合、超長寿社会なために、70歳の方を目の前にして失礼だが上の世代の人が大量に生き残っておりなかなか時代の変わり目だと実感しにくい。私どもの立場としては、「こういう教育が必要なんです」ということをずっと力の限りお伝えし続けるしかない。



問:自分は現場リーダーだが、今の部下に元上司がいて困っている。

答:そういう構図があるということは去年の管理監督者大会で初めてきき、今そういうことになっているのかとびっくりした。上司部下双方がどれだけ大変なことかと思う。ちょうど、昨日(12日)の日経新聞夕刊に「濡れ落ち葉中年にならない」と題した記事が載り、そうした上司部下逆転現象についても取り上げていた。その記事の結論としては、そうした元管理職の50代平社員の方にはそれ専門の研修を受け、自分の人生や仕事について考えてもらうのがいいということだった。

追加の問い:自分はその元上司に仕事を与えて任せるようにしているが、それは引き続きその通りでいいだろうか。

追加の答え:大変よろしいと思う。「あなたは信頼できる人からお任せしますね」ということを言葉ではなく態度で示しているので、それも形を変えた承認だと思う。補足すると、去年の管理監督者大会で出た話題では、「自分は元上司に『相談』をしている」という人がいた。「今うちの部署の運営でこういうふうに困っているんですが、どうしたらいいでしょうか」とおうかがいを立てる。すると相手も喜んで色々アドバイスしてくれたり、協力してくれる。「相談」も従来から承認の一形態として私どものテキストに載せている。


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 皆さん非常に真摯に問いかけ、対話してくださいました。感謝。


 私は最後に爆弾を投げました。


「人材育成の世界の構造的誤解を解きたい。私はこの世界のプロパーではないから外部の目から色々おかしいところを見てきた。今、地域の経営者の皆さんに正しい考え方を周知したい」。


誤解1.人材育成とは若手〜中堅に対して研修を施すことである。

⇒人材育成はリーダー育成を基軸とすべきである。


誤解2.リーダー育成は男性的な指令の方法を学習させることである。

⇒リーダー育成はとりわけ日本では、
「承認」を中心としたコーチングとその応用の学習とすべきである。



誤解3.人材育成は担当者に任せておいてよい。

⇒リーダー育成を含め人材育成は、
経営者が組織のグランドデザインから考えること。



 「担当者の悪口とかを私の立場で言うと自分がおまんま食い上げになっちゃうかもしれませんけど、だからだれも言えないと思うんですけど、私幸いNPOなんで、実態は研修会社ですけれども非営利スタンスでずっとやってきたんで、こういう言いにくいことも言わせていただきます」

と私。

 まあどんな厚顔無恥な女なんでしょうか。

 実際は担当者の方の中にも非常に組織に対して当事者意識を持ってこうした研修の導入を一緒に考えてくださる、たとえば講演に登場した「Y君」のところの担当者の方々もそうなんですが、そういう方もいます。たまたまその方々が今回は欠席されたのをいいことに、組織に対する真摯な考察もなくしょもない蒟蒻問答に終始する「担当者」に対する積年の恨みをここで一矢報いた、という感じです。


 あと経営者の方々にクギも差しました。

 
「リーダー層から役員層に対する怨嗟の声がすごい。ミドルマネジャー時代にふさわしい教育を受けてこなかった人が今の役員になっている。パワハラの被害者のトップは中間管理職。役員、部長が中間管理職をいじめるという構図になっている。Y君みたいな、やる気のない大量の40代を引きずって走っている人を罵ってどうするんですか?単なる役員たちのストレスのはけ口にすぎない。いいですか、リーダーは人一倍責任感のある人だからリーダーになってるんじゃないですか。でしょ?」




 最後に私から皆さんに謝辞を述べて講演が終了したのを受けて、
 この日は事務局担当の人が見事にやる気がなく、代わりに別の人が慌てて前に走り寄り、

「正田先生、ありがとうございました」

とお礼を述べてくださいました。


(サボタージュをきめこんだ担当者は、これも企業の多くの「人材育成担当者」と同様、「賢い女なんか嫌い」という匂いをぷんぷんさせた男性でした。こういう価値観をもった人には私も打つ手なし、です)


 参加者の方々が三々五々、講師席まで歩み寄り、お礼を言ってくださいました。

 その中の1人の方は:


「2年前この場で先生の話をきいたとき、私は中国に行って現地法人の副総経理をしていました。当初の私は怒ってばかりの旧来のマネジメントでした。しかし先生の話をきいて取り入れてみようと思いました。まずは中国人の現地の文化を受け容れるところから始めようと。それで結局うまくいき、今は中国人の幹部たちにも同じことをするように言っています」


 嬉しかったですね。そうなんです。国境を越えてもかわらないというか、とりわけアジアの人は日本人と遺伝子的にも近いですし、中国も農村部とかそこ出身の工場労働者とかは日本人の工場労働者ともそんなに性格はかわらないはずなんです。もちろんひょっとしたら北中寿教授が言われるように、「承認中心コーチングは世界中で使える!」なのかもしれませんけれども。遺伝子がどうとかではなく、「相手の文化を受け容れる」とか「コミュニケーションをとりにいく姿勢」ということが大事なんだ、とそういう話なのかもしれませんけれども。

 海外進出する日本企業の弱さとしてよく指摘されるのが「マネジャーの弱さ」、マネジャーに対するトレーニング不足です。十分なトレーニングを受けずに工場長として赴任する日本人が現地の反発を買う。それは語学力とかの問題ではなく、ごく一般的なヒューマンスキル系のマネジメントのトレーニングを受けていない、という話なのです。


 一方でさっきのサボタージュおやじ氏は入口近くで他の人と「グローバル人材育成がどーたらこーたら」と、ええかっこしいの言葉をしゃべっておりました。
 凡庸な人はいつまでたっても気がつかないんです。グローバル人材育成とかグローバル経営とは、実は本質的に「承認中心コーチング」のことだったりするんです。
 かれはきっと、目の前でどんなすごいことが起こっていても永遠に気がつかないタイプの人なんです。


(この人物がイヤガラセ的に告知を怠ったため、今回の講演会の参加者はわずか16名だった。また事務局からの冒頭挨拶も終了挨拶もなく、会場入口には催事名掲示もなかった、参加者が来場したとき受付の人の配置もお釣りの準備もなく居合わせた主催団体のほかの人が慌てふためいた、経済団体としては異例のセミナー開催方法だった。ああぞっとした。しかしこういう教育事業をしていたら逆に人の心の汚さをみる機会も多い。かれは私に意地悪をしたつもりなのかもしれないが、自分の所属している団体の名を汚したとは思わないのだろうか。講演終了によりこの人物とお別れでき、正田は心からほっとしている。こういうことも事実なので、歴史のひとコマとして記録しておきたい。)


 ともあれ参加者の皆様が喜んでくださったのが何よりです。


 この講演会を蔭で支えてくださった皆様、主催団体の皆様、データ公開をお許しくださいました顧客企業の皆様、統計解析の方法をご教示くださいました過去の受講生様、そして当NPOを支えてくださいました過去のすべての受講生の皆様、改めてお礼申し上げます。




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NPO法人企業内コーチ育成協会
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 認知症の母の見舞い用にストールを買った。

 若い人のブランドのお店で、薄黄色の小花を散らした明るく優しい柄。

 首元に巻いてあげる。

 「お母さんは江戸川区立A中学校に出勤するんだから、これくらいきれいな色のをしなきゃね。きれいにして行ったら、生徒さんが『わあきれいな先生が来た』って喜んでくれるよ」


 ぱっと表情が輝く母。


 去年9月に急速に容体が悪化し、ここ数回の見舞いでほとんど話しかけにも反応がなかった母。グループホームの院長の吉田先生のお話では、ふだんは職員さんや入所者さんと口をきくこともある。中学の先生だった30〜40代の気持ちに戻っていることが多いようで、周りの入所者さんを「うるさい」と叱ることもあるらしい。

 どんな「上から目線」の入所者なんだろうか、とつい恐縮してしまう。

 ともあれ母にとって人生の輝いていた時期は、教師として出勤していた時期なのだ。

 子育て期に一度仕事を離れ、40歳ごろ職場に戻った。

 10歳だった私などにはうかがい知れなかったが、それはどれほどの不安や気負いがあったことだろう。

 その、母が復職するときの気持ちを想像して、今回は思い切って若々しい柄のをプレゼントした。喜んでくれて、何より。


 いつも母ふくめ認知症ばかりの入所者を明るく笑いで導きながら、ケアや脳活性の働きかけをしてくれる若いチーフの中川さん。この人はプロだ。もちろんほかのスタッフさんも。

 「最近、つかまり立ちができるようになったんですよ。両手を肩に乗せて支えれば、2〜3歩歩かれますよ」

 「そうでしたか。ありがとうございます。嬉しいです。兄も私ももうあきらめかけていたのに、よく目をとめて働きかけてくださって」

 
 入所者さんの輪にもどった母は、さっそく新しいストールを「きれいねえ」とほめてもらい、中川さんから

「よかったねー。自慢できたねー」

「うん」

 喜んでいたらしい。


 また考えた。
 本当は母はあのとき年上のメンターのような女性がわらにもすがりたい思いで欲しかっただろう。仕事について、家庭について、生き方について、相談したりアドバイスをくれる人。

 娘時代の私は時々、母にそういう役割を求められるのを感じていた。当時の私にはそれは少々重たかったのだが。


 本当は「おかあさん」より「みさおちゃん」って呼んであげるのがいいのかもしれない。母が若いころ、人生の盛りのころだれかにそう呼ばれたかったように。


****


 「承認大賞」の介護福祉施設勤務の林義記さんからメールをいただいた。

 「嬉しさ7割、寂しさ3割」というタイトル。ご了解をいただいたので、転載させていただきます。


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お久しぶりです。寒い日が続きますが、いかがお過ごしですか。
施設ではインフルエンザが猛威を振るっております。幸い利用者は重症にはなっておらず、私も元気に過ごしています。

今日は嬉しかったこと、一方で寂しかったことがありましたので、メールさせていただきました。

施設で働く介護スタッフが退職することになりました。
次の職場も決まっており、引き止めることもできませんでしたが、「実はね、辞めることにしたんです。でもまだ誰にも伝えていなくて。林さんに一番お世話になったから、林さんにはまず伝えようと思って」と、話してくれました。
「林さんは私が頑張っているところを見つけては褒めてくれた。利用者の状態が少しよくなったら一緒に喜んでくれた。悩んだ時には一緒に考えてくれた。どれだけ嬉しかったか、心強かったか、モチベーションが上がったか、この仕事の可能性を感じさせてくれました」と言ってくれました。

ならどうして辞めちゃうの?疑問をぶつけると、
「林さんしか褒めてくれないのよね。直属の上司は特に。私に興味がないんじゃないか、どんな仕事ぶりでもどうでもいいんじゃないか、その思いから離れられなくて。林さんとは仕事はしたい、でもここではもう嫌になっちゃって。林さんと仕事をしてたくさん発見できた。この経験を新しい環境で活かしてみようと思って決断したのよ」とのことでした。

次の職場には、部署の管理者としてヘッドハンティングされているようでした。
こんなことも言ってくれました。「林さんみたいな関わりができるように、今の上司のような上司にならないように頑張りますね。私にしてくれたように残ったみんなにもお願いしますね。」と。

嬉しかったのは承認が活きていたこと、そのフィードバックが得られ、やってきたことは決して間違いじゃなかったと感じられたことです。そして承認の輪がつながったことです。
彼女は次の職場でもきっと活躍してくれると思います。

寂しかったのは、自分だけでもだめなんだな、ちょっと無力感も抱きました。

でも嬉しかった。
いずれはお別れの時が来るのが人生。承認を大事にすることで、それまでの間の人生が光り輝くものに変わっていくんだなということを感じました。

書きながら、嬉しさ8.5割、寂しさ1.5割くらいに思えてきました。


殴り書きのようになってしまいました。乱文を失礼いたしました。


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 「いずれはお別れの時が来るのが人生」。だから承認。
 いいことを言うなあ。

 林さん、でもそれやっぱり喜べることじゃないよ。

 そのスタッフさんが他施設でいい評価を受けられたことを考えたら、喜んだほうがいいのかな。

「林さんみたいな関わりができるように、今の上司のような上司にならないように頑張りますね。私にしてくれたように残ったみんなにもお願いしますね。」

 これもいい言葉だなあ。

 私としては、林さんが変わらずしっかりやってくれていたことが嬉しかった一方で、何しろここの施設で自分が去年8月、研修をさせていただいているものだから、それが浸透していなかったという話だから、ちょっとがっかり。


 上司が承認する人だろうとしない人だろうと、部下は例外なく承認してほしいと願うものだ。とりわけ、介護職のような仕事そのものから得られる達成感がごくまれとかわずかで、たまにあるよいことをとことん喜んで周囲と分かち合うようなことをしないではいられないようなところでは。

 職種にもよるが、上司になった以上は選り好みをする余地のないこともあるのだ。


 太田肇教授の「承認論」に関する初期の著書では、

「離職者・転職者にインタビューすると、表面的なサラリーや条件面の理由を述べるが、深層まで掘り下げると、『認められたい』『認められなかった』という問題が横たわっている」

という趣旨のことが書かれている。その著書から8年後、

「認められなかったから転職する」

ご本人もはっきり理由を述べる時代になった。



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 兵庫県社会福祉施設経営者協議会・青年協議会(福祉施設さんの経営者さんでつくる経営者協会や青年会議所のような団体)で研修をさせていただくのが、今月20日。

 事務局の人が頑張ってくださり、きょう現在で55名のお申し込みがあったそうだ。同じ施設の管理職とその下の指導職がペアで参加してくれるところも多いとか。

 宿題を出すとかなるべくその施設に考え方が浸透するようにしたほうがいいとか、面倒なことをお願いしたけれど、その趣旨をよく理解してくださった。


 

100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
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 1日、千葉県内の公立小学校で、3年生の城ヶ崎滋雄先生のクラスを見学させていただきました。

 フェイスブックのお友達のMさん(後述)の授業レポートがご縁で先生に連絡をとらせていただき、見学が実現したもの。


 朝練習から4時間目まで。自分が全部で何を見たのか、今ひとつ確信を持てないでいます。しかし記録しないわけにはいかないでしょう。中には正確でない記録もあるかもしれません、ご容赦ください。


1)リレー練習

 朝、8時過ぎに校庭に行くと、そこには縄跳び、ボール遊び、鉄棒、と思い思いに元気に遊ぶ児童たちの姿。その中にジャージ姿の先生が1人。私を見つけて気さくに声をかけてくださった、それが城ヶ崎先生でした。


 先生のクラスは縄跳びをしていました。子どもたちの間を歩き回り、声をかけ、時にはだれかの腕に手を添えてフォームを直していた城ヶ崎先生は、やがて子どもたちを呼び集めました。恒例のリレー練習の時間です。


 子どもたちは班に分かれ、バトンを持って走り始めます。中には足の遅い子もいて、「あーあ、びりだ」とささやきあう子も。その子からバトンを受け取った子が猛ダッシュで走り始めます。


 このリレー練習は運動会の前だけでなく通年でやっているそう。「練習というより、遊びですから」と城ヶ崎先生。そして班ごとに記録を教室に掲示しています。

 見ている私に、1人の女の子が「どこから来たんですか」ときいてきます。

「神戸から」
「えーっ、私のうちも前神戸に住んでたんです」
「あらそう。遠くから来たんだねえ」

 嬉しそうに小さくぴょんぴょんその場ではねる女の子。子どもたちの方からコンタクトをとりに来てくれて私も嬉しくなりました。


 リレー練習が終わると、教室に戻る時間。城ヶ崎先生に引率されて子どもたちは校門の前へ。

 校門前にいる「緑のおじさん、おばさん」こと「スクールガード」の方々に、子どもたちははっきりした声で「ありがとうございます」と頭を下げます。

「ちゃんと立ち止まって言おうな」と城ヶ崎先生。


2)朝の会

 この日は月初めだったので、朝の時間、保健の先生から「手洗い、咳エチケット」などについての校内放送がありました。

「・・・しっかり手洗いしてください」

 そういう放送の先生の声に、「はい」とお返事する児童がぽつぽつ。今どきのお子さんもこうして放送の向こうの姿のみえない先生を人としてとらえて反応してるんだ。こういうのって普通なのかな。


 放送のあとはいくつかゲーム的なものがありました。「論語カルタ」なのかな?論語のフレーズを書いたカードを朗読に合わせてとり合うゲーム。子どもたちの近況を伝える短いフレーズの好きなものを読み上げ、それを書いた子どもの名前を入れて「〇〇うけとりー」と返事するゲーム。いずれも早さを競い集中力を要します。

 「うけとり」が一番多かった子どもさん2人が、その近況をみんなの前で話します。どこかに行って模試を受けたこと。友達の家と一緒にファミレスに行って美味しかったこと。それに対して質問は?と、みんなが競って手を挙げます。1人の話に対して2人から質問をもらい答えてもらったあと、話した子どもに「今のうち一番訊いてほしかった質問はどれだった?」と尋ねます。

「どっちでもない」
「では、一番訊いてほしかった質問は?」
「うーんと、『どの問題が一番難しかったですか』です」

 あー、やっぱりね、とうなずきあう子どもたち。これも集中力、聴く力、問いを考える力を育てることでしょう。

 最後に健康確認。出席番号1番の子から、名前を呼ばれ、
「はい元気です!」
と答え、次の番号の子の名前を呼んで座ります。その「はい元気です!」を1人1人について聴いて先生は、
「よし!」
「素晴らしい!」
などと声をかけます。最後の1人までが座ると、先生は
「今、素晴らしいって言われた人!」
一部の子どもたちの手が上がります。
「じゃあ、素晴らしいかよしかどっちか言われた人!」
大多数の手が上がります。

 そんなふうに子どもたちが常に先生の話を聴くよう、そして反応し手を挙げるよう働きかけているわけですが、これらが非常に速いテンポで、ぱっぱっと場面転換して朝の会のあいだに行われます。

 最後にみんなで「今月の歌」を歌ってくれました。普通の公立小学校3年生のクラスでは信じられないほど、力強いしっかりした発声で、高音部の伸びもよく、児童合唱団のような清らかな歌声でした。慌てて録音しましたがその圧倒的な歌声をこの文章で再現するのはちょっと難しいでしょう。とにかく何事もまっすぐに事の本質をつかんだように努力する子どもたちなのでした。


3)1時間目:国語の時間

 
 冒頭、プリントの論語のフレーズを全部暗誦できるお友達がいるということで、その子に暗誦してもらいました。みんなで拍手。

 
 この時間のテーマは「野口雨情」。先生が音楽を流しました。

「からす なぜなくの からすはやまに・・・」

 有名なからすの歌、(題は当初伏せられていましたが「七つの子」です)

 ここに出てくる「七つの子」。この「七つ」とは、年齢の七つかそれとも子どもの数か?子どもたちに討論させます。

 子どもの数派、やや優勢。なかなか意見を決められない子には、
「最初に自分の結論をエイヤッて決めちゃうんだよ。理由はあとから考えるんだよ」
と先生。

 「挿絵で、カラスの赤ちゃんが七羽、巣の中にいるのをみました」
とある女の子。

 「そう、でもその挿絵を描いた人は、野口雨情さんじゃないんです。だから野口さんの気持ちその通りではない可能性があるんだ」と先生。

 しばしの討論のあと先生からネタばらし。カラスの習性からすると、年齢、子どもの数、どちらも正しくない。ここは比喩なのだ。「七つの子」とはかわいい人間の子のことなのだ。


 続いて「しゃぼん玉」でも「これは楽しい歌か悲しい歌か?」と討論させ・・・、

 最後に先生から、「これもたとえ。どちらの曲も、人間の子についての比喩」。

 最後の答えは先生から出るわけですが、子どもたちは失敗を恐れずはいはいと手を挙げ、発言し、クラス全体が動いています。

 このとき私と一緒に見ていた教育同人社のYさん曰く、

「発言して詰まった子をみんなが見つめ、言葉を補ってあげようとしたりしますね。友達をみんなが応援しようとする雰囲気がある」



4)2時間目:英語―褒め褒めタイム


 前半は教室を移動して「ミーツザワールド」の教室に行きました。そこでネイティブのフィリピン人の女の先生が、ほぼオール英語で話しかけ、教え、指示します。

 ここでも元気に物おじせず声を出す子どもたち。


 やや変則で教室に戻り、今日のクライマックス。2時間目の後半はふだん「帰りの会」でする「褒め褒めタイム」になりました。

 きょうの日直、「そらくん」と「ミヨちゃん」に、みんなで褒め言葉のシャワーをかけます。

「そらくんは、足が速くて字もきれいで見習いたいなあと思いました」
「そらくんは、時々騒いで先生におこられるときもあるけど、ぼくに勉強を教えてくれるときもあるすばらしい人です」
「ミヨちゃんは、前期より後期のほうが『はい元気です』の声が大きくなりました」
「ミヨちゃんは、前期より後期のほうが給食を残さず早く食べられるようになりました」

 褒められる日直の子は、褒めてくれる友達の前に自分から行って立ち、友達の言葉をききます。その顔のなんと輝いていること。信頼にみちていること。

 
 私がこの見学をお願いするきっかけになったフェイスブックの友達で教師向けメルマガを発行する「Mさん」のレポートにこれがありました。Mさんの筆力の10分の1程度しかこの場に流れる空気をご紹介できないのがもどかしいですが・・・、


 今話題になっている「体罰」「いじめ」などの問題解決の一番根源的なところは、ここなのでしょう。「人をリスペクトする」ということ。能力の高い子でもそれほどでもない子でもその子の努力の跡、向上の跡をみる。それが人としての高貴さであるということ。能力の優劣があるのはかけっこをしても一目瞭然なのです。しかしひたむきな努力こそが貴いのだ、という価値観を植えつけられた子たちはその後の人生でもたゆまず努力を続けます。

 いや、こんな文章でも結局何故それが大事なことなのかを言い尽くせないのでした。

 
 城ヶ崎先生に今回の見学をお願いするに当たり、私は事前に

「日本人の資質的弱さがグローバル化時代に対応できないことを日頃憂えている。解決策としては褒めることを含めた承認による人格強化だと思っている。大人になってからでは遅い、子どものうちからそういう教育をすべきだ。先生のおやりになっていることは日本の将来がかかっているのではないかと思う」

 と生意気なことをメッセージに書いて送りました。城ヶ崎先生は

「日本の将来なんて、ただの普通のクラスです」

と謙遜されていましたが・・・、どうして間違いなく「人格強化」になっている、と感じるとともに、「褒める」ことを取り入れてはいても、一方で先生はあの手この手と高い負荷を子どもたちにかけておられ、それらが車の両輪として作用していることもかいまみさせていただいたように思います。


 友達に褒めてもらうのが終わり、褒められた日直さん2人が感想を述べました。

「給食を食べるのが早くなったと言ってもらったけど、自分ではそんなに早くないと思っていたけれど、そう見てもらえてうれしかった」

と、ミヨちゃん。

「自分ではわからないいいところが人には良くみえているということがあるよね。ミヨちゃんは連絡帳によく給食のことを書いているけれど、どうやったら早く食べられるかいつも考えているんだよね」(城ヶ崎先生)


「はい」ミヨちゃん、またにっこり。


5)3時間目:体育の時間


 3時間目は体育館で、縄跳びとボールの種目。

 子どもたちが用具室からペットボトルをゴムひもでつないだものを持ってきて、それを床に置くと小さなネットのようです。それを思い思いの場所に置いたことで小さなコートの出来上がりです。

「子どもたちが自分でコートの大きさを決めるんですよ。今体罰が問題になっていますけれど、小学校の体育はぼくは遊びでいいと思っていますから。自分で考えてコートがどれくらいの大きさがいいか決めればいいんです」

「指導に笛を使わないでしょう?ぼくが言葉で言っただけでみんなさっと動くでしょう?ゲーム終了のときだけは笛を使いますけれど、みんな熱中して気がつかないから。笛を使うのは、調教のようでぼくはいやなんです」


 元・体育の先生で陸上が専門だったという城ヶ崎先生は言われます。


 体育が終わり、みんなが教室に引き上げたあと、先ほど「褒め褒めタイム」で褒められていた日直の「そらくん」が、何か不具合があったのか1人残って座り込んで縄跳びを結んでいました。結び終わると、そらくんは重い体育館の引き戸を力を込めて閉め、見ていた私に「ついてきてください」と声をかけると、ぴょんぴょんした足取りで教室に戻っていきました。末恐ろし3年生。


 
6)4時間目:算数


 算数の時間は、クラスの半数がほかの教室へ移動し、残った半数を城ヶ崎先生が教えていました。今日のテーマは「少数」。

 モニターに映したPCソフトが次々問題を映し出します。子どもたちがPCの前に列を作り、1人1人PC操作して新しい問題を映し、数字を出すと正解が表示されます。「やったあ」と子どもたちは次々席に戻ります。

 また教科書の問題を解きおわると、1人1人席を立って先生のところに行ってチェックしてもらいます。

 非常に子どもたちが席を立ったり歩いたりが多い進行。これは発達障害などで長く座っていられないお子さんでも集中力がとぎれないための工夫のようです。ということを、泥縄ですが城ヶ崎先生の著書『クラスがみるみる落ち着く 教師のすごい指導法!』(学陽書房、2012年7月)で読みました。


 ・・・


 新幹線の都合で4時間目までで見学を終わりました。このあと給食の時間、帰りの会とまだまだ見どころは満載だったんだろうな。


 非常に沢山の手法が入り、子どもたちが飽きないようにワンパターンにならない、絶えず新しい手法を模索してきておられるだろう城ヶ崎先生の授業風景。

 しかし「褒める」「聴く」「問いかける」などコミュニケーション重視の姿勢は随所にみられました。

 子どもたちの発言をすくいとり、小さな変化に目を留めて褒め・・・、これを毎日1日中続けるのは大変な体力の要ることだろうなあ。城ヶ崎先生、毎日ジムで泳いでいらっしゃるようです。

 
 こうしてあの手この手で子どもたちの頑張る姿勢をつくる城ヶ崎先生。残念ながら、以前にもご紹介した先生方の「相互に学ばない気風」のため、周囲の先生方が必ずしも追随してくれるとはいえず、こうした指導法のもとで育った子どもたちが次の学年ではまったく違う、そこまでの研鑽を積んでいない先生に持たれることは大いにあり得ます。ただ良い先生に一度持ってもらった経験というのは生涯にわたり何らかの形で生きる、と信じたいですが。

 
 城ヶ崎先生、貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました!またご縁のきっかけをつくってくださったMさんにも感謝です。

 
****

 
 このブログの少し長い読者の方は、この記事を憶えていらっしゃるでしょうか。

 「『リーダーの自己鍛錬は教育者を目指すこと』―伊丹敬之氏講演』

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51792856.html 


 教育者から学ぶというのは、単に部下の育て方、人材育成という観点だけからではない。教室の40人をつねに動かし続ける、すなわち「人を動かす」という経営の根源の営みにおいて教育者はモデルになり得るのだ、ということを昨年3月、伊丹氏は言いました。

 良い先生のあり方は、そのまま良いリーダーを目指す人のモデルになります。

 とりわけ今この時期、「スポ根」「精神主義」「体罰」「しごき」などの手法からすみやかに脱却していかなければならないとき、それに代わって強力に目的に向かって動く人を育てる、何事もベストを尽くして頑張る人格をつくる作業には、新しい良いモデルが欠かせない。


 昨年は上記の伊丹氏講演をきっかけに、当ブログでも「教育者インタビュー」のシリーズや5月のよのなかカフェ「子どもたちが危ない!」で、兵庫県内の優れた先生方に登場していただきました。



http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51802360.htmlhttp://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51802377.html 
http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51803263.html
http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51804206.html


 その大半、4人のうち3人は小学校の先生であり、残りは塾の先生でありました。前述のMさんによると、小学校の先生方は教職課程でも非常にたくさんの学問分野を履修して先生になられるのに、中学・高校の教諭は例えば理科の先生なら理科の専攻にプラス毛の生えたような教養をつけただけで先生になれるのだそうで、レベルが全然違うのだそうな。そういえば私の個人的感触でも立派な先生は小学校で出会った頻度が高く、一方高校はともかく中学の先生は(例外はあったものの)なんだかレベルが下がり、小学校の優れた先生が子どもの良いところを伸ばしてくださったのに中学に行って潰されたこともある、などはどうやらちゃんと理由があるらしいのです。

 だから、「教育者から学べ」というとき、お手本にする良い教育者は小学校の先生から探すのが正しいのかもしれないのです。


 城ヶ崎先生には、是非また「教育者インタビュー」でも登場していただきましょう。



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
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