正田佐与の 愛するこの世界

神戸の1位マネジャー育成の研修講師・正田佐与が、「承認と職場」、「よのなかカフェ」などの日常を通じて日本人と仕事の幸福な関係を語ります。現役リーダーたちが「このブログを読んでいればマネジメントがわかる」と絶賛。 現在、心ならずも「アドラー心理学批判」と「『「学力」の経済学』批判」でアクセス急増中。コメントは承認制です

2013年12月

 岡田尊司『発達障害と呼ばないで』(幻冬舎新書、2012年7月)を読みました。

 出版当時物議をかもしていたような気もする。近年の発達障害有病率の上昇を、「愛着障害」に大きく帰した本です。

 細かいところは割愛して、残念ながらこれも「本人と家族が読むタイプの発達障害本」なので、職場に対する要望には、「それ現実的なん?」と首を傾げるところは大いにあります。

 しかし、本書の提唱する「オキシトシン・システム」は、当協会方式の「承認」でつくる活性化された組織図モデルにも通じるものです。

 「承認」は、いわば「愛のマネジメント」です。しかし空理空論ではなく、発達障害/愛着障害の当今の増加を踏まえるなら、またこのほかのパワハラ、メンヘル、女性・外国人・障害者活用等の要請をまともに受け止めるなら、これしかない、という今世紀の究極のマネジメントです。

(「愛」という言葉に「ひく」という感性の方は、どうぞ「業績向上」という「ごほうび」のほうに注目しておいてください)

 本書は当協会が主張するのと同様、日本人の遺伝的不安感、過敏さと派生してオキシトシンの弱さにもきちんと目配りし、マネジメントには言及していないもののやはりやるべきことは一つ、との思いを強くするのでした。

これほど大きなものを伝える役割を担う巡り合わせになるとは予想していませんでしたが、感謝しています。たとえ生涯報われること少なかったとしても、価値あるものを担うことができました。


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 3つ前の記事「ハンナ・アーレントと『彼は役人よ!』・・・」にみるナチの高官アイヒマンの態度は、障害なのか健常者の中の組織への過剰適応の態度なのかは不明ですが、役人的「思考不能」に終始したために「悪の凡庸」と呼ばれることになりました。

 では、わたしたちにそれ以外の態度をとることは可能なのか?と思われるでしょう。

 ちょうど、それに相当する記述に出会いました。

 『道徳を問いなおす―リベラリズムと教育のゆくえ』(河野哲也、ちくま新書、2011年3月)です。

 少し長いですが引用させていただきましょう。


 
私が思い描く真に道徳的な人物とは、こういうものだ。

 もうずいぶん前になるが、海外に滞在したときに、アルチュールというアフリカ人のキリスト教神父と友人になった。あるとき、彼の知り合い夫婦の自宅に一緒にお邪魔して、四人でコーヒーなどを飲みながら談笑していたときのことだ(中略)

 アルチュールとその夫婦は、当時、その国の警察が行っていた就労ヴィザ切れのアフリカ人に対する、かなり過酷な摘発について話を始めた。その知り合いは、次の摘発がいつごろ行われるかについての情報を神父に教えた。警察内部の者しか知り得ない情報だ。今でも、結構、はっきり覚えているが、知り合いの男は私にこう言った。

「そうです、私は警察官です。しかし今の警察の摘発のやり方は、アフリカ人だけを標的としていて、人種差別的で不当だ。だから、この情報を神父さんからアフリカ人たちに伝えてほしいのです。」

「おっしゃることは正しいと思いますが、そんな情報を伝えたことが表ざたになったらご自身の職業上の立場が危うくなりはしないですか」

「そうかもしれません。でも、法の精神を犯しているのは当局の方です」

「それに、―彼の妻が口を挟んだ―私たちヨーロッパ人が植民地時代にアフリカで行ったことを考えれば、それくらいのことをするのは当たり前なのです。私たちは、取り返しのつかないような酷いことをしてきました」

「しかし、そんな話を初対面の私の前でしてよいのですか」

「あなたは信用できる人ですよ。」夫婦は顔を見合わせて笑った。



 いかがでしょう。

 ここには「役人的態度」とは対極の態度があるのでした。キリスト教世界の出来事であるとはいえ、もちろん私たちにも不可能ではありません。私の周囲にも個人の良心に基づいて決断している人たちがいます。

 
 この本の著者、立教大学文学部教育学科教授の河野哲也先生とはフェイスブックのお友達で今年春には「鎌倉哲学カフェ」で見事なファシリテーションぶりをみせていただきました。

 河野先生には来年のしかるべき時期にインタビューできそう。先日フェイスブックメッセージでお申し入れをすると、1時間もしないうちにOKのお返事をいただきました。発達障害者を含む障害者雇用、男女平等など、ごく近い未来のあるべきマネジメントについて、話題は盛りだくさんにあります。

 
 ネット依存を危惧したりはしますが、程よくネットを使いこなしている人たちはコミュニケーションが柔軟で、こだわりが少ない、「開かれた知性」のもちぬしだなあと思うしだいです。


 もう1人、フェイスブックのお友達Kさんは東京在住の「団塊世代」の会社経営者さんです。今年私のフィードに63回コメントを下さり、最多賞になられました。

 私がかなり不遜なことをブログに書いてフェイスブックに転送するときも、ときには「団塊世代」への攻撃めいたことを書くときも、まっすぐ受けとめ謙虚にコメントをくださいます。

 
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 80歳代の知人は風邪が治りました。先日この知人のところにフリースを届けに行きました。

私「フリース着てる?」

知人「いや、暑いもん。柄がはずかしいし」

私「無地のは分厚くて重ね着にむかないんだよ」

知人「ちゃんと置いてあるよ。もっと寒くなったら着るよ」

私「ねえ、私のこと『頑張ってる』じゃなくて『いい仕事してる』って言ってくれる?」

 この知人も10年の付き合いですが、「あんたは頑張ってる」とか「あんたは一生懸命やってる」とかの、若い人向きのほめ言葉しか言わない人でした。
 ときに口論してでもそれを直そうとしてきました。あるときは当協会方式の「承認の種類」をラミネートして叩きつけました。
 ただ後継社長には納得の人材を選び、人を見る眼は非常にまともです。

知人「ああ、あんたはいい仕事してるよ。前からずっと『いい仕事してる』と思ってきたよ。ただわしらの世代は『頑張ってるね』としか言えないんだけど」

私「私、もう家族がいないから、仕事しかないから仕事で認められたいんだよ」

知人「ああ、わしはあんたの仕事のこと認めてるよ。あんたはいい仕事してる。だから頑張れ」


 ・・・と、強引に自分が言われたいことを言わせて2013年は暮れようとしているのでした。

 10年間、この人から教えてもらったことは数限りなくありますが、最大のものは、「経営者の思考にとってもっとも重要なのは難しいカタカナの思考法ではない。正しい事実認識、これに尽きるのではないか」と、あくまで私が受け取ったことですが、思ったことでした。

 一時期ビジネススクールに通って「クリティカルシンキング」もお勉強した私ですが「こんなものは重要ではない」と感じて1か月半でやめてしまったのでした。それは身近にいる優れた経営者の思考法はこれよりはるかにシンプルで普遍性がある、と思ったことと無縁ではないでしょう。

 そして近年では、「事実認識を誤らせる要素を排除することが大事」と、「判断を歪めるものとの闘い」シリーズに凝っています。

 「難しい言葉を使うな!」と叱られたのもこの人からでした。出会ったころ、10年前の私はまだ、(医薬翻訳者上がりだったこともあって)小難しい専門用語を使う人間だったと思います。

 この人は、だれから教わるでもなく、「小学生にでもわかる語彙」を使い、それを組み合わせてものを考えるのでした。私も自然それをまねるようになりました。

 こうしたものもひょっとしたら、「1位マネージャー育成」に役立っているかも、と思います。

(ただまた、女の私が「小学生でもわかる語彙を使い、考える」というのをやっていると、それは私が「女子大生扱い」されることに一役買ったかもしれない、とも思います)


 紅白がはじまりました。

 読者の皆様、今年も1年ご愛読ありがとうございました。来年があなたにとって素晴らしい年でありますように。良いお年をお迎えください。


100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


 今年話題の「重曹の10倍の洗浄力がある」という「セスキ炭酸ソーダ」でお鍋をみがいてみました。

 きっと今年はおなじようなことしたご家庭は多いだろな

 わが家の20年物のやかんをみてみましょう(^^;)


やかん1-1


 うちでの恒常的な状態、揚げ物鍋のそばに置いていたから油汚れまみれ(-_-;)

↓   ↓   ↓   ↓


やかん2-2


 ペーパータオルで覆い、「セスキ炭酸ソーダ水」をスプレーした状態。

↓   ↓   ↓   ↓

やかん3-3


 
 4,5分後に磨きました。「ゴシゴシこすらなくてもとれます」ってふれこみでしたが油汚れの層が厚かったので、やっぱりステンレスタワシを使いました。すると苦も無くこのようになりました。


 こんな楽しい遊びはナイ\(◎o◎)/!

 
 そのあとはしばらくセスキ炭酸みがきに没頭しました


 合間にくらいブログ記事をかいていました(苦笑)




 大晦日の今日はまじめに労働をしている日なのだけれど、合間に思いついた、「判断を歪めるものとの闘い」
シリーズに付け加えたい1章を、メモ書き的に書きたいと思います。

 これはわたしがこの10年間独自に見聞きした「ナルシシズム」が組織中の人びとのものごとの認識を歪める現象について。ですのでタネ本はありません。オリジナルコンテンツです。

ナルシシズムは、別名自己愛性人格障害、そこまでいかなくても高い自己愛、高すぎる承認欲求、傲慢、ストレングス・ファインダーの⚪⚪、などと言い換えられます。

 これまで「ヒューリスティック」「認知科学」「無意識」とシリーズでみてきましたが、それらのより根底に「ナルシシズム」(これとは別に発達障害も)があるのではないかと思いました。ナルシシズムが視野を曇らせ捻じ曲げる強力なバイアスになるのです。

 全部でどんなナルシシズムがあるかというと―。

 過去の「ヒューリスティック本」が「〇〇ヒューリスティック」と名前をつけて分類していた例にならって命名していきたいと思います。


■高い地位ナルシシズム(役員ナルシシズム)。

 社長、役員、部長、なんでもいいのですが偉い肩書がつくと人は尊大になる。経営者に近づけば近づくほど「共感能力」が低下するという現象がみられるそうです。
 とりわけ、私がみてきた範囲では「役員になると人は変になる」という現象は顕著にみられました。
 
 うちのNPOの前任者の経理の女性が、実は地域でも錚々たる大企業の社長の奥さんだったのですが(そのことは採用したあとでわかった。採用面接のときには「うちの主人も管理職です」なんていっていた。お金には困っていないがNPOではたらいて社会貢献したかったのだそうだ。偉いでしょうちのNPOの人たちって)

 彼女のご主人が「役員って変な人間が多いなあ」と言ったので、彼女が「あなたもそうでしょ」と言い返した、という話があります。

 たぶん、変な人間が役員になったんじゃなく役員になったから変になったのだと思います。というわけで当協会の受講生様、会員様で「役員」の肩書がついている人はくれぐれも気をつけてくださいね。


■権限ナルシシズム

 権限にも色々ありますが、「自分は決定権をもっているのだ」と思うと、人は他人に意地悪になり、頼まれたことをやろうとしない。他人が望んでいることをわざと遅延させるなど不快な行為を無意識にするのは、心理学で「ゲーム」という名前がついています。うちの親もよくこれをやったんだ。

 これも言いつくされたことで、「ゲーム」を行うのは承認欲求の高い人物、承認欲求の表れが「ゲーム」なのです。じゃあ、ほめてやればいいのか、というと、そうでもない。この人物の望みは自分の優位をみせつけることにありますから、ほめてやる/承認してやる、というのはほめる側の人格的な高さをみせつける行為ですから、かえってコンプレックスを感じてねじくれる場合もある。
 とにかく望みはあなたの時間を浪費し、あなたを消耗させ、自分が優位だと確認することにあります。要は「めんどくさい人」です。スルーできるならスルーしましょう。

 決定権は、大事なことを決断するためにあるんで、人に意地悪するためにあるわけじゃありません。


■大企業ナルシシズム

 これもわかりきったことで、たまに大企業の人とお話ししてきちんとお話をしてくださる人に会うと「偉いなあ、よく躾が行き届いてるなあ」と思いますが、決して多くの場合そうではない。「野武士」を自認するタイプの大企業にも傲慢な人は多い。(私の接した経験のある範囲では、消滅した「S電機」の人なんかはそうでした)

 このブログに頻出する「大企業から中小企業とかに天下った人」にも高い確率でこれがみられます。わたしがみてきた中ではそうした役員がパワハラの担い手にも高頻度でなっていました。
 
 また、女性で大企業勤務の人の言葉の端々に現れる傲慢さ、というのも、男性より感じる頻度が高いかもしれないです。やはり「女の敵は女」なのでしょうか。


■国家公務員ナルシシズム

 これも上のと同じようなものですが、ちょっとわけときたいと思います。国家公務員のナルシシズムと「省庁の壁」、省庁エゴのようなものも組み合わさっていてめんどくさい人たちです。


■採用担当ナルシシズム

 私の出会った範囲では圧迫面接のように睨みつけて「まっすぐ見返し続けた人間を採用した」と言った人がいます。私は「何?この人気持ち悪い」と思ってすぐ目をそらしましたけど。

 まっすぐ見返すのは、事前にそういう予備知識をもっていてトレーニングしたか、あるいは「凝視傾向のある」テストステロン値の高さの現れです。「頭の中筋肉」の人にもそういう人がいますし、当然発達障害にもそういう人がいます。


■研修担当ナルシシズム

 もう1種類「人事」の人に関連するナルシシズム。色々な種類の研修に大量に曝露し、今どきの研修は受講者のナルシシズムを煽る、講師も絵に描いたようなナルシスト、というものが多いのですが、それに完全に感染してしまっていて、自分も社内講師としてやれる、あるいは独立して研修講師をやれる、と大いなる勘違いをしているものです。
 下手をするとこの人たちは、大手コンサル会社に再就職を夢みているかもしれませんから注意が必要です。私の知っている範囲では地方の一大企業の研修担当で、中央の大手コンサル会社の理事をつとめている例がありました。それでなくても結構中小〜中堅企業なのに大手コンサル会社とおつきあいする例も多いのですが、それはこの担当者の方々の「大手とおつきあいしている」というナルシシズムを満足させるためです。

 基本この人たちは、「当社の研修は業績が向上し、パワハラもメンヘルも女性活用もそのたもろもろの問題が治ります」なんていう能力の高い研修機関は採用しません。だって、そんなものが存在するということを認めた時点で、自分の今までの選択は間違いだった、ということになりますもの。問題が解決しないほうがかれらは嬉しいんです。


■ひらひら服ナルシシズム

 以前にこのブログで取り上げたことがあります(同時多発的に日本で起こっていた現象のようで、同時期に日経新聞でもだれかがコラムに書いていました)

 節電の夏、熱がこもらないようにとファッション誌が胸元のあいた服を推奨し、それを主に大企業の内勤の女性たちが着る。ひょっとしたら公務員の世界にも以前からあった現象かもしれないけど。

 私などは「内勤の女性」ではないので、そういう服は着れないし訪問先で来客対応にそういう女性が出てくるとイラッとしたほうですが。男性に話をきくと、「いや、やっぱり目のやり場に困るよ(嬉しいけど)」とのことでした。


■お勉強ナルシシズム

 立派なお勉強をしているからってあなた自身が偉い人なわけではない。自戒を込めていいます。

 とりわけ多く観察する現象は、高額な心理学セミナーを受講した人が傲慢になり、当協会の中でルールを破ったりおかしな振る舞いをすることでした。「現実から学べ!!」と正田はこのブログで絶叫したことがあります。
 その人たちがイヤガラセ的に当協会の講座に入ってきて、実習の指示などに従わず指示してないことをやっちゃったりそれを平然とほかの人の前でしゃべったりする、で講座運営ができなくなる現象というのもあり、そういうのを防止するためにもただ同然だった受講料を見直し値上げせざるを得ませんでした。私の優しさからすると、安くしたいのに。

 ビジネススクールで学んだとか、有名大学卒、というのもナルシシズムのもとになりますね。

 これは儒教とか武士道のお勉強でも一緒です。いくら先人の立派な言葉を頭の中に詰め込んでいても、それがために目の前の現実を謙虚にみる姿勢を忘れてはいけません(実はよくあるんです)


◼専門用語ナルシシズム

一つ上のナルシシズムの亜種のようなものです。難しい言葉を習ったりどこかで知ったりすると、ことさらそればかり使ってさも高級なことを話しているように装います。

セミナーから帰って来た人がそのセミナーで習った言葉をやたら使うようになり、理解しない周囲の人にいら立つという現象もあります。

カタカナ過剰の上滑りな言葉遣いとか漢字過剰のかちんかちんの言葉遣いもよくあります。お役所語とも似ています。

当協会ではテキスト、教材、このブログとも、極力使用する専門用語を厳選しています。とりわけカタカナ語を徹底して減らしているのですがお気づきになったでしょうか。


■過去の栄光ナルシシズム

 過去に社長を歴任していたとか華やかな経歴があるために、今うまくいってないことを虚心にみれない現象。


■団塊ナルシシズム

 このブログでは何度となく槍玉にあげてきた。こどものころから激しい競争にさらされ勝ち抜いてきた、日本史上まれにみる悪い人格の人びと。もちろんその世代でも例外の人もいるから、すべてがそうなわけではないが。

 下手に日本がかつてなく好景気だった時代を知っていて、イケイケドンドンで世界に物を売り込んだので、自負がすごい。今の時代にそのノウハウは通用しないよ、ということにいつまでも気がつかない。

 しかしまたこの世代の人はコンサルになる人も多く、いつまでも過去の価値観を企業に吹き込むのだ。通用しないっちゅうのに。ちなみに今年の夏、私のもとに脅迫状を送りつけ「研修中断」のもとになった人物も団塊です。


■大学の先生ナルシシズム

 私は仲良くしている大学の先生もいるしその方々が気をわるくされないことを願うが、「大学の先生」の肩書とか活動もナルシシズムのもとになります。
 客観性のないぼやきレベルの言葉も、「大学の先生」がいうと事件事故のとき新聞をにぎわせたりする。自分の言葉の影響力を過信してしまうことになる。「ははあ、そうですか」とか、新聞記者がかしこまってきいてくれる。
 (でもよく見るとつっこみどころ満載だったりするのだ)

 私が近年迷惑しているのは、現・元「大学の先生」が、よく私を「女子大生」と間違えているふしがあることです。光栄ですがそういう人びととは距離を置いています。

 言ってはわるいですが大学生さんに教えるというのは、企業でマネジャーさん方を指導するよりははるかに簡単な作業だと思います。たまに若い人に教えるしごとをすると、正直「赤子の手をひねるようだ」と思うもの。


■新聞記者ナルシシズム

 まあ、新聞にかぎらずマスコミ全般にあると思います。名刺をみせると、こちらがどんなぺーぺーでも海千山千の社長さんがチヤホヤしてくれる、こんな職業はほかにないのだから。


■男ナルシシズム

 少し前、10月だったか、藻谷浩介氏の講演をとりあげましたが藻谷氏も同様のことを述べています。「自分は男だ」という貧弱なアイデンティティを当てにしている日本の男性たちが女性の社会進出の壁になっている。もちろん、当協会の会員さん方はそうではありません。
 これが「人事ナルシシズム」と結びつくと、「彼は『男』だ」というすごい曖昧な根拠で、採用したり昇進を決めたりしてしまう。いいけど、その人発達障害だけど、っていう。
(だから、根本の「悪」をなしているのはこの人たちかもしれないのだ)

 日本の男性は子育てから逃げる人が国際比較でも多いのだが、そういう人はよくこの「男ナルシシズム」カードを出す。「男がおむつ替えなんかできるか!」って。(若い人ではだいぶ減ったらしいのだが)

 いや、できないのはあなたの能力が低いだけだから。



 本当はまだまだあったと思いますがこのへんで手仕事のほうに戻ります。あとで気がついたら補足します。

 かなりバカバカしくて笑えましたが、これが平成日本の現実ですからね。
 こういうことも「100年後」のために記録しておきましょう。
 いつもの伝で会員様、クライアント様、受講生様、こんな人にならないでください。当協会理念で「謙虚」という言葉もうたっていますが、ものごとを正しくみるために「謙虚」であることは欠かせないのです。



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 中央で話題だった映画「ハンナ・アーレント」を観てきました。シネ・リーブル神戸は、3分の1ほどの席が埋まっていました。

 ユダヤ人女哲学者アーレントが、ナチス戦犯のアイヒマンの裁判を傍聴して「彼は凶悪犯ではない。ただの役人」と喝破。かつ、「収容所内のユダヤ人指導者もナチスの手先となった」と、ユダヤ人の感情を逆なですることを述べたことで、大バッシングを受けたが信念を曲げなかった、簡単にいうとそういうお話です。


 アーレントは、ハイデガーの弟子で『全体主義の起源』を主著とする政治哲学者。(同書は中嶋ゼミで重要文献として読まされましたが、今はまったく記憶に残っていませんトホホ;;)ナチの在仏強制キャンプを逃れアメリカに亡命し、同書を著して名声を博したあとにこの裁判傍聴と迫害のエピソードが起こります。


 ヒトラーの指示を受けて大量のユダヤ人を強制収容所送りにしたアイヒマンとはいかなる人物か。ユダヤへの憎悪に燃えたメフィストのような悪の権化、が大方のイメージでした。

 ところがアーレントは、被告席に座ったアイヒマンの使う役所的な言葉や「私は一切自発的に考えなかった。ヒトラーの命令は絶対だった」などのコメントなどから、

「彼は凶悪犯ではない。ただの役人。彼は思考不能だった」

と、雑誌「ニューヨーカー」に寄稿します。

 かつ、「収容所内のユダヤ人指導者もナチスに協力し手先となった」と、ユダヤ人の感情を逆なですることを述べたことで、雑誌社には抗議の電話と手紙が殺到し、アーレントのもとにもひどい中傷の手紙が届き、旧友たちすらも彼女から顔をそむけます。

「あなたはアイヒマンをかばった。ハンナ・アイヒマン」
「あなたは傲慢だ。われわれユダヤを侮辱した、ナチスがしたのと同様に」―。

 それでも彼女は信念を曲げず、大学当局から職を追われる通知を受けても、学生たちの招きにより教壇に立ち、スピーチします。バッシングに疲れた表情のアーレントですが、ここは力強いスピーチです。


「アイヒマンを擁護はしない。彼は『悪の凡庸』と呼ぶべき人物。思考不能だったことが彼の犯した罪」

「思考すること(Thinking)は、私たちを強くする。危機のさなかにあっても、私たちを破滅から救いだしてくれる」


 こういうエピソードだったのか。

 彼女から去っていく友人たちのエピソードが悲しい。ヒステリックなバッシングの中に巻き込まれて、まるで自分自身が侮辱されたように感じてしまった人びと。

 結局バッシングがどういう風に終わったのかはわからないままでした。

「アーレントはその後の人生でも『悪』の問題と闘い続けた」

と、テロップが出ました。


 さて、このブログを続けて読んでくださっている方だと、このブログでごく最近起きた事件とこのストーリーを重ねあわせてお考えになることでしょう。

 「役人」というキーワード。

 法廷で判事が、

「1人の個人としては難しくても、市民としての勇気があれば、阻止できたのではありませんか?」

アイヒマンは「組織のヒエラルキーの中ではできませんでした」。

 かれは法廷に呼ばれた収容所の生き残りの証人たちが涙に声をつまらせながら5人家族の残り全員を失ったと話し、苦しみに床をのたうち回る姿にも表情を動かしません。しかし自分の痛みは感じるようで、
「じりじり焼かれるステーキ肉のようだ」と法廷に立つ自分の心境を述べます。

 「アイヒマンは極悪人でもなんでもない、彼がやったのはただ指示に従って囚人たちを移送しただけ。その先囚人たちが命を落とすことなど彼はまったくイメージしていなかった」

と、傍聴した印象をもとに話すアーレントに、

「信じられない。絶対にユダヤ人に対する憎悪に満ちていたはずだわ」

と納得しない友人たち。


 このブログでも、思考能力に限界があるがゆえに、「グローバル」と「女性」がべつのものだと思い込んでしまったり、上の省庁から言われた「グローバル」「エネルギー」という単語にばかり頭がいって、それらの裏にはすべて「人を動かす」という要素が入ってくるのであり、それがなければ進出先で暴動が起きたり、高価な設備投資をどぶに捨てることになるのだ、ということがまったくイメージできない人物が登場しました。

 彼のイメージの貧困のその先には、パワハラやメンヘルで健康を害したり職を失う人びと、会社が潰れ家族ともども路頭に迷う人びと、などが生み出されるのですが。

 だから、私はそのイメージの貧困さや思考範囲の狭さに「悪」を感じていらいらしてしまったのです。もちろん彼のほうには悪意はありません。単に知性に限界があるだけです。

「悪」と呼ぶべきは傾聴能力や思考能力の恐ろしく低い人物を責任ある地位に据えたり、来客対応をさせた意思決定のほうにあるのかもしれませんが…、


 
 映画「ハンナ・アーレント」は、役人的知性を文学的に「悪の凡庸」とは呼びますが、その知性と障害とを結び付けて考えてはいません。私はこのところの興味で障害との関連にも興味をもつので―、

 今も非常にアクセス数の多い記事「発達障害者は注意するのが好き?」によると、発達障害の出生数は増えている可能性があるという。それも低体重出生児や高齢の父親といった、今日的理由によって。

 だとすると、「健常者の中の障害に近い知性」も含めれば、この「悪の凡庸」を犯してしまう人はどんどん人口比で増えるのではあるまいか。

 さらにいえば、発達障害は別名「超男性脳」ともいい、胎児のあいだに大量のテストステロンに曝露された人がなるという。かれらは女性に対して差別的という特徴があるのだが、この発達障害者が人口比で増えるということは、女性に対してフェアにふるまえない人が増える、ひいては女性にとってますます生きづらい世の中になるということではあるまいか。


 

 また、もう1つのこの映画の主題は、「自分の目で見耳で聴いたことを信じる」というアーレントの確固たる信念でした。

 恩師・中嶋嶺雄が彼女の著書を勧めたのは、香港滞在中の文革期に中国批判へたった1人で舵をきったそのときの、「日本中を敵に回しても自分が目で見、耳で聴き、感じたことを信じる」ということに通じたからではないだろうか、とそんなことを思いました。


 私もまた今の仕事に通じる、「定説と違っても自分の目の前でみたものを信じる、そして発信する」ということは、恩師からつちかわれたものでもあるし、社会人になる直前に遭遇した、チベット暴動の経験で骨の髄まで叩き込まれたものでもありました。


 このときのチベット経験は2005年10月にこのブログ上に全8回の続き物でつづっています。

 日頃のこのブログのほのぼのしたテイスト(どこが?)や正田のおしとやかなキャラクター(どこが?)とは違った、24歳の血気盛んな正田が登場するジャーナリスティックな回でございます。
 年末年始、よっぽど「ひまだ!」という方は、どうぞご覧ください。


(1)http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/50118222.html
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(3)http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/50132423.html 
(4)http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/50136280.html
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 いくつか考えたこと思ったことを覚え書き的に。


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 リーダーたちが、製造業出身でもない私の言うことをなぜきいてくれるのか。

 私は「承認」をただ研修で教えるだけでなく、このことの重要性に鑑みて付帯するさまざまな「伝える」取り組みをしてきた。もちろん、このブログもその1つ。

 その取組の全体像は、著書『認めるミドルが会社を変える』に、「大人を教える16か条」としてまとめている。

 要は、伝えるときの私自身のありかた、言葉の使い方、ネットやメールでの恒常的な発信、リーダー同士の交流やモデリング、等々である。

 これも不遜な表現だが、これらを超えることをやっている研修機関を知らない。
もちろん、社内講師の方々が追随できるレベルでもない。

 リーダーたちはそんな私の取り組みの全体像やそこに現れる不退転の姿勢を、そう言語化はしなくてもおぼろげに感じ取る。そして、自分と同様に最高を目指すプロとして共感してくれ、心を開いてくれるのだ。


 私のそんなノウハウは、誰かから教えられたものではない。この10年、1人でPDCAをしてきた。成功要因を抽出し、また新たに学んでは付け加え経過をみることを繰り返してきた。業界でも孤高のスタンスをとり続け、孤独な作業だった。自分の(受講生様の)出してきた成果と思考プロセスだけを信じる作業だった。それなりの自負心がなければできない作業だった。
 10年目もちゃんと「成果」が続いているということは、その思考プロセスが恐らく正しかったのだろうと思うしかない。

 それでも、この世には私のことをまだ「女子大生」と勘違いされ、「頑張ってるね」とか「よく勉強してるね」などと言う人がいるものだ。私はそんな言葉に出会うと、50年の人生を否定されたように感じてしまう。もっというと私に共感してくれたリーダーたちまで侮辱されたように感じてしまう。安っぽい言い方をしないでほしい。


(もし本当にほめようと思うなら、
「正田さんの判断力はすごいね」
「正田さんの人物眼はすごいね」
「正田さんの洞察力はすごいね」
「正田さんの先見性はすごいね」
(以下割愛)

など、他にもいくらでもあるはずなのだ。
でも自分が負けたくない分野のことではほめられない。
そういう自分可愛さが先にたっているほめ言葉はみぐるしい)


****

 
 私の出会った問題人物は結局のところ、他でも問題を起こしていることがわかった。

 1回で評価を下しておいて良かった。あんな不毛な会話を2回も3回も我慢して繰り返すものではない。うん、生産性高いと思う、あたしって。

 周りの人はよく我慢してるなあ。


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 このブログで時々槍玉にあげるストレングス・ファインダーの特定の資質、これがトップにある人だと、例えば話の聴き方で、相手が少し深刻な話をするとそれを回避しようとして「合理的な説明」を加えて逃げようとする。

 かれらは非常に不安感が高いので、少し深刻な話、というのがそれだけで耐えられない。

 いわば知性の可動域が狭く、自分の知性の可動域の範囲で無理やり現実をねじまげて理解しようとするのだ。

 こういう知性は、発達障害とまではいかないけれど、健常者の中の限りなく障害に近い知性だと思う。「現実をみよ」とか「事実とは何か」とかいくら教育しても豚に真珠、生半可な教育などでは治らない。そして下手に知能が高いからと(IQ的な知能が高い人にもこういう人は多い)責任の高い地位につけると、見事に頭のわるい「バカの壁」になる。

 こういう人を早く見極めて高い地位につけないに越したことはないのだが、結構中小企業に大企業から天下った人でこういう人がいるようだ。みんながみんなそうなわけではないが。


 そんなわけで、「ストレングス・ファインダーの特定の資質」を、もし先天的にすごく高くもっているならどうしようもないけれど、後天的に処世術としてもっているだけなら、できるだけ下げたほうがいいと思う。


 この1年ほど、少し意識して「障害」ならびに「限りなく障害に近い知性」を観察してきた結果、そうでない比較的健全な感情や知性のはたらきをもった人で、なおかつ能力のある程度以上高い人を見極めてリーダーにすることが、組織にとって決定的に重要なのではないかと思うようになった。


付記すると、私が研修営業で接触することの多い部署の人々にもこういう知性の人々は多いと感じる。もともと多分「こいつには大事なお客様の対応はさせられない」とか「大事な製品を製造させられない」と思われたから、その部署にきているのだと思う。真剣とか深刻とかがわからない。彼らには「リーダー」や「マネジメント」を理解するのはそもそも無理なのだと思う。最近の私は、

「私のやっているのは人材育成ではない、マネジメント強化です」

と、主張するようになっている。


****


 私はミドルマネジャーの教育のかたわら「エグゼクティブ・コーチング」という裏メニューも持っている。これも不遜な表現ですが「正田マジック」と言われるぐらい効力が高い。

 しかし当社の場合、業界標準とは違ったクライアント選定基準というのがあり、

・私と相互リスペクトの関係を築けること
・当協会方式の「承認」を学習済みであるか、早急に学ぶ意思があること

が条件である。

 2番目の条件はこれもちゃんと理由があって、「承認」を学んでいない人たちの「人を見る眼」は、いかに過去の実績のある人であっても、われわれの目からみると「節穴」にひとしいからだ。

 きつい言い方でごめんなさい。

 節穴に等しい眼で人事などを決断すると、とんでもなく間違った人事をやってしまい組織を不幸にする。そんな人のエグゼクティブコーチングなど、怖くてできない。



****

 12月のこのブログは、「不決断・不作為の記録」のようになった。

 (もちろん、合間にはちょこちょこ「決断」をされた人の話題も差し支えない範囲で挟んでいる)


 私は「100年後」のことを考える。今のこの時代を少しでも良くすることのできる立場の人が、いかに思考し決断したか、またはしなかったか、後世の評価に託するために残しておく。

 
 


100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

 近年の「空気を読む」傾向にかんがみ、「良い男性」の例をなるべく出しておこうと思う。「悪い男性」の例をあげると、反面教師にしよう、と思ってくれる人はよいのだけれど、「それがスタンダードなんだな。じゃあオレもそうしよう」と思ってしまう人も、結構多いようなのである(恐ろしいことだ)


 10月末のこと、某公的機関主催の見学会で、京都のものづくり企業に行った。

 知る人ぞ知る、「おもしろおかしく」が社是の元ベンチャー、今もベンチャーのつもりの大企業。

 正田は技術のことがわかるわけもなくいつものミーハー好奇心で参加したのだが・・・、


 参加当初は、「こんなこと書くとお追従言ってるみたいだなあ」と思われて、書けなかった話題です。


 見学の案内係は広報の女の人。ただ案内先では各部署の現場の人に説明役が交代する。

 広報の人が現場の人に「マイク(かイヤホン)の調子が悪いから肉声で、少し大きめの声で話してください」と依頼する。現場の人がうなずく。

 それがとても自然な感じで、

 兵庫県とか神戸市にありがちな、

「女の人になんか言われた、押しつけられた」

みたいな変な被害者意識を感じない。女の人のほうにも変な遠慮を感じない。いや、仕事だから当たり前のはずなんだけど。


 でいつものように技術のことがわからないまま見学が終わり、そのあと交流会がセットされていました。

 見学先のH製作所では、副本部長・部長クラスの人が4人ほど出席して懇談された。

 その方々とお話しした印象。


 開発の副本部長の方には、こちらから

「今時の研究開発の人の内向的な人格と口頭での議論が成立しにくい現象について」

という話題をふった(ほかに話すことが思いつかなかったせいもあるのだが)

 すると、

「まったくそのとおりだ。特に若い世代へいくほどその傾向が強い、ネットやメールに依存する。われわれの中でも『今日本中でこうなんだろうか』と話している」

と、言われる。

 某神戸の大企業出身の「出向組氏」のような、会話がかみあわない現象がない、まっすぐボールを受けとめまっすぐ返してくれる。
 私が「出向組氏」にいらつくのは、私がナルシなわけでもなんでもない、彼のほうが変なのである。


 交流会が終わり退室しようとすると、まだ私のお名刺交換していなかったH製作所側の出席者―一番最初にパワポをみせながらお話ししてくださった生産副本部長氏―が、向こうから名刺交換をしてくださった。

 私はパワポのお話の中の若い方の技術面の達成(そのときはおぼえていたけど今はもう忘れた)を賞賛したあと、

「H製作所の皆様はコミュニケーション能力が高いですね。見学の中でも伝達がスムーズなのをみさせていただきましたし、今もお話しさせていただいて皆様大変お話がしやすいです」

と、お世辞でもなんでもなく言った。

 すると先方は、

「やはりグローバル化時代ですから、女性、外国人、どんな人とでもコミュニケーションがとれなければならない。社内でもそれは徹底してやっているところです」

と言われたのだった。

 それが、「高業績企業」のやっていることなのだった。

 だからごめん、しつこいようだが「グローバル」と「女性」は、まったくいっしょの問題である。グローバルとか言うんだったら女の人とちゃんとお話ができなければならない。たとえ相手があなたのきらいなタイプのかしこい女の人であっても、学生時代女の子にもてなかった恨みを引きずっていても。
 そして神戸は県内随一の大企業であっても、京都の大企業には負けている。「神戸スタンダード」は、はるかに遅れているのである。

 私の敬愛する受講生様、クライアント様、会員様は、どうか「京都スタンダード」(京都を買い被りすぎカナ?)のほうをまねしてください。

 
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 80代の知人が風邪をひいた。

 つい1週間ほど前、この知人とこんな会話をしたところだった。

私「顔色悪いよ、寒いんでしょ。この部屋暖房の効きわるいよ」

知人「うるさい、みんないい顔色してますねって言ってくれる」

私「会社の人はそういうんだよ。この冬は寒いから、セーター1枚じゃダメだよ。セーターの上にフリース1枚着るぐらいでなきゃ。寒さ感じる力落ちてるでしょ。フリース持ってないんでしょ、買ってあげようか」

知人「いやいらん、今要らん服捨ててるところなんや。これ以上増やしたくない。」

私「フリースなんてビンボー人の着るもんだと思ってるでしょ!カシミヤしか服じゃないって思ってるでしょ」

知人「思ってない、思ってない」

私「今の繊維はすっごい進化してるんだよ!すっごくあったかくて軽いんだよ!重ね着しても肩こらないよ。もういい柄はサイズ売り切れるかもしれないから、注文しとくよ」

知人「要らんもう押しつけんでくれ。あんたは意地になるなあ」


 なんで私がユニクロの宣伝しなきゃならないんだろう。

 しかし果たして知人は風邪をひいて寝込んだのだ。ほらみなさい。
 ああ注文しといて良かった、もうサイズかなり売り切れてたし新年からは春物一色になり、厳寒期用の服は手に入らなくなるのだ。

 最近この手のやりとりが多い。ああおせっかいな私。
 家族だと思える範囲の人にはこの手が使えるのだが。




100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
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 午前、「機関誌 O!」に「誌上コーチングセミナー」のコラムを執筆させていただいている兵庫県中小企業団体中央会様をお訪ねして、今年のあいさつ回りをおわりにしました。


 新年号に掲載される今年度の最後の原稿を先日お出ししたばかり。題材は「ネット依存」で、書きながら私自身が暗〜い気分になった回でした。

 
 いつも心温かく原稿をみてくださる東博幸・情報支援課長にお会いしました。

 中央会様のされている事業全体からみればごくごく一部を担っているにすぎませんが、

「これは大事なことですね」

と、毎回温かいご理解をくださいます。ご自身が「ミドル」です。

 このかたの偉いのは、このブログの3つ前の記事に「出向組氏」の性差別言動を書いたりしたわけですけど、それで全然ひるまないところです。自分にやましいところのない人はひるむ必要はないのです。


 内田雅康・事業部長は最近、雑誌「アントレ」新春号に中央会の飲食店開業セミナーや「バーチャル展示会HYOGO!」が掲載されたりして、乗っています。
そういえばこうして私が中央会様の動向を割と知ってるのはフェイスブックのお蔭ダナ〜。内田さんは特にものすごい勢いで発信してはりますからね。


****

 
 朝、今年最後のメールニュースを発行したら、受講生様からお返事をいただきました。

 7月に当協会講座を受講されてからわずか3か月で社内の「改善活動優秀賞」をとられた、頑張り屋のラインリーダーさんです。



「おはようございます。

今年1年ご指導有難うございました。
4月から、ラインリーダーの職に就き不安と心配の1年でした。
約8か月、時間が過ぎるのがすごく早く感じました。
どうにか、まだまだ未熟ですがラインリーダーの職をこなせたかな?と思います。
それは、正田先生のご指導と上司の方のご理解のたまものと思っております。

本当に、有難うございました。

良いお年をお迎えください。」


 
正田からのお返事です:

「おはようございます。
Mさん、寒さ厳しい年の瀬ですがいかがお過ごしですか。

早いもので7月の講座でMさんにお会いしてからもう5か月も経ちました。
Mさんは、リーダーになりたてではあったけれど随分前からリーダーになる心づもりをされ、
ご自分なりに勉強してこられた方ではないかしら、と感じました。
何からそう思ったのでしょうか、
メンバー一人一人のプライベートや健康状態を知っていますか?
思いやっていますか?
という問いかけのときにMさんが力強くはい、とお答えになったのですよね。

あとで
上司の方々から、Mさん以前のリーダーが周囲とまったくコミュニケーションをとらない方でマネジメント不在で、
みなさんの心がばらばらだったというお話をうかがいました。
そしてラインの皆さんにも本当に色んな状況の方がおられて、
だから「承認?やってられるか」と、放棄してしまってもおかしくなかったのに、
Mさんは本当に歯を食いしばりご自分の欠点を私に尋ねることまでされて、
やり続け、大きな成果におつなげになりましたね。
その強さは何からきたのでしょうか。


くれぐれもご自愛のうえ
良いお年をお迎えください。」



 今年も、Mさんをはじめ印象的な受講生様方との幸せなお出会いがありました。

 受講生様方がつくられる幸せな現場、幸せな職場、に思いをはせます。

 もちろん「幸せ」が1番にくるわけではなくて、
 生きるため食べていくための経済活動を一生懸命しているわけですけれど、
 みんなの個々が押しつぶされていない、活きている、
 みんなが疲れていても充実したいい顔でおうちに帰れる、
 
 そんな沢山の人生をプレゼントできるなら、と思うのでした。

 ・・・いや、「業績向上」もだいじなんですヨ。
 でもうちの場合ほっといても業績あがりますから(こらこら^^)


 リーダーには「パワー」があります。
 しかしその「パワー」の正しい使い方を、今どこの会社でも教えてくれません。・・・

 またそんな世迷い言を。

 
 春先の総会で団体理念に「敬意」という言葉を追加した2013年の仕事納めの日、理解しあいリスペクトしあえる方々の存在を感じ、温かい気持ちになることができたのでした。



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


 お世話になっている皆様


 おはようございます。
 企業内コーチ育成協会の正田です。


 いよいよ、2013年の最終号になりました。皆様、お仕事納めは本日でしょうか。



※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。ご不要の方は、メール末尾にありますURLより解除いただくか、このメールに直接「不要」とご返信ください。



 本日の話題は:



■この社会を愛して10周年…
  今年1年のご愛読ありがとうございました


■今年最後の読書日記は「サブリミナル」
  
  「無意識を科学する―判断を歪めるものとの闘い(4)『しらずしらず』を読む」


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■この社会を愛して10周年…
  今年1年のご愛読ありがとうございました



 去る19日、今年最後の研修を終えました。

 篠山市商工会様。事務局長の原田豊彦さんが今年2月、当協会のセミナーを聴かれて感動され、職員(管理職)研修に急転直下導入していただくことになりました。


 経営支援機関様での研修ははじめて。お仕事の内容はコンサル的な、独立性の高いことをされているのですが、

「会員様のため」と原田局長がつねに号令され、職員様方が真心の対応で動かれているのをみるのは気持ちのいいものです。

 そこでの「上司と部下」にも、色々とドラマがありました。

 詳細はこちらからご覧ください:

「HERO―イノシシの町の課長さん方と天国と地獄」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51877728.html


 なお上記の記事後半ではパワハラに関するセミナーのことも取り上げています。兵庫県内では昨年、ついに「いじめ・嫌がらせ」の相談件数が「解雇」を抜いて最多になったとのことです。

 
 さらにメンタルヘルス、問題社員、と目配りしなければならない問題は沢山あります。



 そんななか当協会は「承認中心コーチング」という手法で、お蔭様で2003年から10年間にわたり「1位マネージャー」を産み続けてきました。

 詳しくみますとこの手法で業績向上した部署では、パワハラもメンタルヘルスも女性活用もはたまた障害者のマネジメントも、別世界のようにきれいに解決してきました。

 そんなうまい話があるか、とお叱りを受けそうですが、不思議なくらいこの10年間、「自分がやろう」という志のあるマネージャーの受講生様とのお出会いがあり、それぞれ業種も個性も違っても安定して成果が上がってきたのです。
 その成果はこれまで何度も場をつくり、発信してまいりました。

 
 そして今年は幸せなことに「マネージャー教育10周年」を優れた受講生様方とともに迎えることができました。

 また「1位マネージャー」以外の新しい話題として、「承認」を導入して見事な現場をつくられたお客様の中国工場にうかがうこともできました。これも大変喜ばしいことでした。

 この手法は歴史に残る重要な手法だ、強い人強い企業組織を作りわが国の繁栄のためにも守り続けなければならないのだ、とまで言いましたら「天狗になっている」とお叱りを受けるでしょうか。

 わたしたちなりの、「この社会を愛する」ということの手段でございます。
 

 受講生様方、また10年間支えてくださった皆様に厚く御礼申し上げます。


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■今年最後の読書日記は「サブリミナル」
  
  「無意識を科学する―判断を歪めるものとの闘い(4)『しらずしらず』を読む」

 
 このメールニュースを読まれているあなたは、「自分は正しくものを考えている」という自信がありますか。

 現役マネジャーたちから「このブログを読んでいればマネジメントができる」と賞賛されるコーチ・正田のブログの人気シリーズに、読書日記「判断を歪めるものとの闘い」(1)〜(3)があります。


 最新版は、『しらずしらず―あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』です。

 こちらからご覧ください

  ↓ ↓ ↓ ↓

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51878233.html


 毎回、「目からウロコ」の「思い違い・考え違い」のパターンが登場するこのシリーズ。私たちの脳は、なんと惑わされやすいものでしょう。ビジネススクール的なロジカルシンキングも大事ですが、それ以前の問題として私たちの認識の世界はこれだけ危ういのだ、ということを知っておきたいものです。


 「判断を歪めるものとの闘い」バックナンバー

 
 判断をゆがめるものとの闘い―『医者は現場でどう考えるか』(2011年12月12日)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51778972.html


 判断をゆがめるものとの闘い(2)―『思い違いの法則』をよむ (2012年12月2日)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51838447.html


 単純な統計が専門家の予測を凌駕する―判断を歪めるものとの闘い(3)『ファスト&スロー(上)』(2013年

3月2日)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51849252.html



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◆ブログ「コーチ・正田の愛するこの世界」人気記事ランキング



1.いま最も重要なのは日本企業の「組織を軽くする」こと―三枝匡氏講演

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51792866.html


2.発達障害者は注意するのが好き?『大人の発達障害ってそういうことだったのか』をよむ

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51873335.html


3.調光器とLED騒動 「工事」に行き着くまで

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51742296.html


4.神戸は住みやすいのか住みにくいのか?よのなかカフェ「外から見た神戸と内から見た神戸」開催しました

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51833038.html


5.「みんな当事者意識ないからねえ」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51878124.html



こちらもお勧め・現代社会の病弊「ナルシシズム」とは?

 
ナルシシズムの蔓延を食い止めることはできるか―『自己愛過剰社会』

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51783952.html



※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。

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もしこのメールを新たに購読ご希望のかたがいらっしゃいましたら、
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お申込みください。



今年1年のご愛読まことにありがとうございました。

皆様に素晴らしい新年の訪れがありますよう。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。


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ブログ「コーチ・正田の 愛するこの世界」
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日本人の勇気と自信は、ここから生まれる
「第3回承認大賞」
http://shounintaishou.jp

「企業内コーチ育成のすすめ」
(株)帝国データバンク社『帝国ニュース兵庫県版』
2008年〜2012年 長期連載このほど完結
http://blog.livedoor.jp/officesherpa-column/
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 『しらずしらず―あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』(レナード・ムロディナウ、ダイヤモンド社、2013年12月)を読みました。


 「無意識/潜在意識」(サブリミナル)という言葉は、心理学系の研修機関によっては好んで使われ、「錦の御旗」のようにもなっています。

 当協会では、あまりスピリチュアルの匂いのするもの、恣意的に読者・受講生様を惑わすおそれのあるものは極力避ける主義なのですが、本書は無意識を「科学する」として、最新のfMRIなど神経科学の知見をこれでもかと畳み掛けながら展開します。

 当ブログで「ヒューリスティック」として紹介してきた認知科学と同系統の、秩序だった思考法の本としてご紹介したいと思います。


 いつもの伝で印象に残ったところを抜書きしますと―。

****

●人間の行動は、意識と無意識両方のレベルで途切れることなく連なる、知覚、感情、思考の産物であり、私たちは自分の大半の行動の原因に気づいていない。「無意識」の研究はフロイトに始まったが、その後の心理学では超自然的なものとして避けられてきた。現代心理学の見方によれば、無意識の精神プロセスは、防御機構や病的な症状ではなく、脳の構造のせいで意識ではうかがい知ることのできない心の部分が存在するからであり正常なことである。

●無意識がなぜ存在するか。自然は、わたしたちが物理世界と社会的世界の両方で滞りなく行動できるよう、知覚、記憶、注意、学習、判断のプロセスの多くを、意識的な認識の外側にある脳の構造に肩代わりさせているのだ。

●スミスさんはスミスさんと結婚する。アメリカ南東部の3つの州でどういう名前の人がどういう名前の人と結婚したかを調べたところ、スミスさんの結婚相手は、ジョンソンさん、ウィリアムさん、ジョーンズさん、ブラウンさんよりも、スミスさんのほうが3から5倍多い。人は自分自身に満足したいという基本的欲求を持っており、そのため、たとえ名字のような無意味そうな特性であっても、自分に似た特性を無意識に好む傾向があるということだ。さらにその好みを仲立ちしているのは「背側線条体」という脳の一領域である。

●ポップコーンを食べる量により大きな影響を与えるのは、ポップコーンの味とサイズのどちらだろうか。実験の結果は、味と同程度に容器の大きさに基づいて「決めた」ようだ。

●レストランのメニューに「しゃきしゃきのキュウリ」「滑らかなマッシュポテト」といった華やかな修飾語がついていると、その料理を注文しようという気が起こる。またその料理を、一般的な説明しかくわえられていないまったく同じ料理よりもおいしいと評価するようになる。

●フォントの読みやすさが好感度を左右する(流暢さ効果)。料理のレシピを書体を変えて渡すと、読みにくい書体で書かれたレシピを渡されたほうが、つくるのが難しいと評価し、つくりたいと答える割合も低かった。

●人は無関係な要素から強い影響を受け、それらの要素は、従来の経済学者が無視している無意識の欲求や動機に訴えかける。青と黄色の箱に入っている洗剤のほうを無地の箱の洗剤より高く評価し、好きな匂いのするシルクのストッキングの品質を高く評価する。被験者に意思決定の理由を聞いてみると、それらの要素が自分に影響を与えたことにはまったく気づいていなかった。

●ペプシパラドックス。ブラインドテストではつねにペプシが勝つが、何を飲んでいるかわかっている場合にはコカ・コーラのほうが好まれる。脳スキャンにより、「腹内側前頭葉皮質(VMPC)」と呼ばれる脳の一領域が、なじみのブランドの商品をじっと見たときに経験する、漠然とした好意的な感情の場であるとわかった。

(あとでも出てきますがこのVMPCという部位は性的偏見にも関係する部位のようです)


●流暢さ効果の続き。投資の世界でも、投資家は確かに、複雑な名前や略称の企業よりも、名前や銘柄の略称を発音しやすい企業の新規公開株のほうに投資しやすいことが明らかとなった。

●天気がチップに影響を与える。客は、外が天気のときには明らかに気前がよかった。

●天気と株式市場。統計によれば、年間を通じて快晴だと仮定すると、ニューヨーク証券取引所の市価利益は平均24.8%となり、完全な曇天だと仮定すると平均わずか8.7%となる。


●無意識の研究のはしり。イギリス人生理学者で心理学者のウィリアム・カーペンターは1874年の著書『精神生理学の諸原理』で書いている。「精神活動においては、一つは意識的、もう一つは無意識的という二本の別々の列車が同時に走っている」

●意識と無意識の二層のシステムのなかでより基本的なのは無意識の層のほうであることが、十分に明らかになっている。それは進化の早い時点で発達したもので、基本的に必要な機能や生存に関係しており、外界を関知して安全に反応する。無意識の層はすべての脊椎動物の脳が持つ標準的な基本構造だが、それに対して意識は、必ずしも不可欠ではない特徴とみなすことができる。人間以外のほとんどの動物種は、意識による象徴的な思考の能力を、ほとんど、あるいはまったく持っていなくても生き延びることができるし、実際に生き延びているが、それに対して無意識を持たない動物は存在しえない。

●人間生理学の教科書によれば、人間の感覚系は脳に毎秒およそ1100万ビットの情報を伝えているという。しかし人間が扱うことのできる実際の情報量は、毎秒16から50ビットと見積もられている。したがって、入ってくる情報をすべて意識的な心に処理させようとしたら、あなたの脳はフリーズしてしまうだろう。

●「盲視」。盲目になった人に怒った顔と喜んだ顔をみせてどちらか言い当ててもらうと3回中2回近い割合で言い当てた。また同じ人に障害物のある廊下を歩いてもらったところ障害物をよけながらジグザグに転ばずに歩いた。

●視覚の無意識。盲点、サッカード、弱い周辺視力。視覚の欠陥を補うために、目は1秒当たり何回かごくわずかに向きを変えている。その小刻みな運動を「マイクロサッカード」という。

●聴覚も聴こえなかった音を補う。「音素修復」という。

●記憶の歪曲。犯罪被害者や目撃者は面通しの場で、ともかく犯罪の記憶にもっともよく合致する人物を選ぶ。ウォーターゲート事件ではニクソンの法律顧問ディーンが記憶を歪曲した。

●人間の記憶は再構成されてゆがめられやすい。ミュンスターバーグによると、第一に、人間は出来事の一般的な要点はよく記憶できるが、詳細はうまく記憶できない。第二に、正確に話そうと誠実に対応する善意的な人間でさえ、憶えていない細部を問い詰められると、うっかりでっち上げて記憶の欠落を埋め合わせてしまう。そして第三に、人間は自分がでっち上げた記憶を信じてしまう。

●記憶をふるい分けられない人物は、ロシアのソロモン・シェレシェヴスキー。完璧な記憶をもつ一方細かな事柄が理解の妨げとなった。顔を総合して覚えることができなかった。また話しかけると正確に復唱することはできたが、要点を理解するのは容易でなかった。

●言語学者によれば、言語構造には「表層構造」と「深層構造」の2種類がある。表層構造は、考えたことを表現する具体的な方法、たとえば使う単語やその順序などを指し、深層構造は、考えた事柄の要点を指す。ほとんどの人は、入り乱れる言葉に翻弄されるという問題を避けるために、要点は保持したまま、細部は進んで破棄する。その結果、深層構造、つまり言われたことの意味は長期間保持できるが、表層構造、つまり発せられた単語は、わずか8から10秒のあいだしか正確には記憶できない。

●記憶は失われていくとともに、同時に付け加えられていく。もともと効かされた物語が薄れていくとともに、新たな記憶のデータがでっち上げられ、その「でっち上げ」はある一般原理に従って進められていく。全体的な枠組みは維持されるが、細部は脱落したり変化したりする。そして、物語は短く単純なものに変わっていく。いわば「なめらかになる」。

●「変化盲」。キャンパスの地図を持った調査員が通行人に近くの建物への生き方を尋ねる。10-15秒会話したところで、別の2人の男が大きな扉のそれぞれ端をかつぎながら彼らのあいだを横切る。扉が横切る1秒の間にまったく同じ地図をもった新たな調査員が入ってきて道を尋ねる会話を続ける。最初の調査員は扉に隠れたまま立ち去る。通行人にとっては会話の相手が突如として別の人物に変身してしまったことになるが、ほとんどの通行人は気づかず、すり替わったことを聞かされると驚く。

●過誤記憶。起こっていない出来事の記憶を植えつけることができる。はるか昔に起こったとする出来事の記憶は、とくに簡単に植えつけられる。子どもの頃、熱気球に乗ることを夢見ていた人には、何の代償も払わずに、また実際に経験させることもなしに、実際にその記憶を植えつけられる。ディズニーランドに行ったことがある被験者にバッグス・バニーに関する偽広告を読ませると、それを体験したと思い込んだ。

●常日頃から子どもをたくさん抱きしめてキスをしても、そうした場面のほとんどが子どもの心に残らない。子どもは忘れてしまうものだ。しかし私に抱きしめられてキスされた記憶は、跡形もなく消えてしまうわけではない。優しい気持ちや感情的な絆として、少なくとも一体となって残るのだ。

(これは、上司から承認されてもその記憶が残らない部下、ということにも当てはまりますね)

●電気ショックで苦痛を与えると予告された人は、不安のために63%がほかの人と一緒に待ちたがった。くすぐったいピリピリする刺激を予告された人でそうしたのはわずか33%だった。

●心の痛みを鎮痛剤が抑制する。強力なタイレノール(アセトアミノフェン)を服用した被験者は、チームメートに無視されている最中に脳をスキャンすると、社会的疎外に関連した脳の領域の活性が抑えられていた。

●社会的ネットワーク指数は、親密な社会的交流を定期的に持っていると高い値になる。9年間にわたり、指数が低かった人たちの死亡率は、ほかの要因に関しては同様だが社会的ネットワーク指数が高かった人たちの2倍にもなった。

●人間をほかの動物と分け隔てている一番の特性は「社会的なIQ」―すなわち、「心の理論」(Theory of Mind)。この能力は、他人の過去の行動を理解し、現在または未来の状況に基づいてその人が今後どのような行動を取るかを予測するという、驚くべき力を与えている。


(正田注:当協会方式の「行動承認」は、いわば「心の理論」の能力を極限まで高めるトレーニングであるかもしれない)


●人間の子どもはほぼすべて、4歳までに、他人の精神状態を見極める能力を獲得するが、自閉症などでToMが損なわれると、社会のなかでうまく役割を果たせなくなる。

●人間以外のほとんどの哺乳類に関してもっとも興味深い点の1つが「脳が小さい」ということだ。人間では意識的思考を担っている脳の部位が、人間以外の哺乳類では、無意識のプロセスに関わる脳の部位に比べて相対的に小さい。

●「作り笑い」はバレる。たとえ笑顔を分析する訓練を受けていない人でも、同じ人がつくる本当の笑顔と偽の笑顔を区別できるような、優れた直感を持っている。

●霊長類における上位の個体は、胸を打ち鳴らしたり声などのシグナルを使ったりして、自分が高い階級にあることを示す。

●人間社会でも、視線方向と凝視は優越性を示す重要なシグナルである。

●ステレオタイプ(固定観念)(これは過去のヒューリスティックの記事によく出てくる)

●「潜在的連合テスト(IAT)」。指示した二通りの分類方法における反応速度の違いを調べることで、その人がある社会的カテゴリーとさまざまな特性をどの程度強く関連付けているかを探ることができる。ほとんどの人は、女性と芸術、男性と科学を強く関連づける。また黒人でさえ多くの人が、このIATテストで、無意識に白をよいものとみなす傾向を示した。

●他人に対して下す評価は「腹内側前頭葉皮質(VMPC)」のなかで進められる一種の感情統制プロセスに大きく左右されている。ここが損傷を受けると、性差に関する無意識の固定観念が失われることがわかっている。

(1つ前の記事の「出向組氏」などは、この部位が普通より大きいタイプの人なのかもしれない。一方で承認トレーニングをきちんとやった人だと性差に関する固定観念はかなり薄まるのだが、この部位自体はどうなっているのだろうか)

(気持ちとしては、すべての管理職にこのIATテストを受けて、その反応速度の違いを数値で表し、自分の性的偏見を自覚してもらいたい。自覚してない人だと話していてもほんと迷惑)

●分類自体はわるいものではなく、そのおかげでわたしたちは、バスの運転手と乗客、店員と買い物客、受付係と医者、給仕長とウエイターなど初対面の人をすべて区別することができる。重要なのは、分類という行為をどうやってやめるかではなく、分類をすることで一人ひとりの本当の姿をとらえられなくなっていることにいかに気づけるかだ。

●意識的な目的を持つことで、他人を分類しがちな傾向を抑えられることが証明されている。そのため誰であれ、自分のなかの無意識の偏見と闘うことができる。自分の偏見に気づき、それを克服しようという気があれば、実際に克服できるのだ。

(へー、克服していただきたいですねぇ。わたしの住む兵庫は全国でも指折りの性差別県、また神戸は政令指定都市で最も専業主婦の多い、女性がはたらかないまちです。自分では気づかないがどぎついステレオタイプを持っているのです)

●無意識の偏見を克服したいなら努力が必要だ。判断しようとしている相手についてより詳しく知ることだ。あるカテゴリーに属している具体的な人物の個人的な事柄を知れば、カテゴリーによる偏見を簡単に克服できる。だがさらに重要なこととして、その相手と時間をかけて何度も接すれば、社会がそのカテゴリーの人たちに当てはめている否定的な特性を打ち消すための手段になる。

(差別をやめようと思えば差別している相手と頻繁に接触することですね。でも差別されるこちら側としては、自分を差別する相手はストレスフルなので接触したくないですね)


●内集団と外集団。人間は自分が属しているグループのメンバーと、属していないグループのメンバーを違うふうに考え、しかもグループに基づいて差別しようと意識的に思っているかどうかにかかわらず、機械的にそのような行動を取ってしまう。


●集団規範。ひとたび自分があるグループに属していると考えると、そのグループに属する他の人のものの見方が自分の考え方にも染み込んで、世のなかに対する認識のしかたに影響を与える。

●わたしたちのサブリミナルな自己には、内集団のメンバーのほうをより好きになる傾向がある。多くの職業の被験者は、自分と違う職業の人を好感度50前後の平均値で評価したのに対し、自分と同じ職業の人は70前後ときわめて高く評価した。

●自分がどの内集団に属すると考えるかは、自分自身に対する感じ方、自分の振る舞い方、そして自分の能力にさえも影響を与える。女性に数学のテストをしたとき、自分のことをアジア系アメリカ人として考えるよう仕向けられた女性は、対照群よりも成績がよく、逆に自分が女性という内集団に属していることを気づかされた女性は、対照群よりも成績が悪かった。

●対立する2グループがあるとき、両グループに共通の目的を与え、グループどうしで協力して行動しなければならない状況になると、グループ間の衝突が突如として減る。人種、民族、階級、性別、宗教といった昔ながらの内集団に関して、それぞれ異なる人たちでも、一緒に取り組めば好都合であることに気づきさえすれば、互いの差別は減る。

●ウィリアム・ジェームズは感情の生理学的根拠を提唱した。人間は怒るから身震いしたり悲しいから泣いたりするのではなく、身震いするから怒っていることに気づき、泣くから悲しいと感じる。

●わたしたちのサブリミナルな脳は、自分の身体的状態に関する情報と、社会的および感情的状況に基づくそれ以外のデータを組み合わせることで、自分が何を感じているかを判断する。薬で脈拍を上げた被験者は一緒にいる人の感情を経験し、幸福だと感じたり怒りを感じた。


●決断の理由はいつも後づけ。パーティーで素敵なひとときを過ごしたあなたは、何がよかったのですかと問われ、「居合わせた人たちがよかった」と答える。しかし本当のところ、あなたのその至福の気分は、ある女性との楽しい会話から出てきたものではないのか?あるいはもっと微妙な、ハープの素晴らしい演奏、部屋に漂う薔薇の匂い、高価なシャンパンだったのではないか?自分の感情や行動に対する説明を考え出すとき、脳は心のなかにある文化的規範を収めたデータベースを検索してもっともらしいものを選ぶ。

(このくだりは私もよく思い当たる。どんなに自分として最善を尽くしたセミナーの類をしても、良かったと感想を述べる人は「参加者が良かった」という(苦笑))


●人の採用の判断の根拠は何か。ひょっとしたらあなたはその人を選り好みし、無意識の心が後づけで社会的規範を使い説明を加えたのかもしれない。

(まあ、ふつうの人材育成担当者は女性でリーダー教育をする人を選ばないですね残念ながら)


●人は、自分自身に対して抱くよい感情が脅かされればされるほど、歪んだレンズを通して現実を見る傾向が強くなる。犯罪者が自分を「社会に貢献する者」だと語り、アル・カポネは「私は不当な扱いを受けている」と語った。


●人の自我は自分の面目を保つために激しく戦っている。自分はキリストだと信じている3人の患者を一緒に生活させたところ、1人は信念を捨て、2人目はほかの2人は精神を病んでいるが自分はそうではないと考え、3人目は問題を完全にはぐらかした。つまり3人中2人は、現実と矛盾する自己像に何とかしがみついた。

(なんか身につまされるなあ。やだやだ)


●自己像を描くやり方には2つある。科学者の方法と弁護士の方法だ。科学者は証拠を集め、規則性を探し、観察結果を説明できる理論をつくって、それを検証する。弁護士は、ほかの人たちに納得させたい結論からスタートし、それを裏付ける証拠を探すとともに、それに反する証拠を斥けようとする。これら2つの方法論が競い合うことによって、わたしたちの世界観は形づくられているのだ。

●結局のところ脳は、科学者としてはそこそこだが、弁護士としてはとてつもなく秀でている。

●科学の分野でも人々は信じたいものを信じる。ビッグバン理論をどうしても受け入れない科学者たちがいた。アメリカでは半数以上の人が、地球温暖化の科学にはいまだ結論が出ていないと思い込んでいる。偽の研究報告書をみた学生たちは、自分の事前の意見を裏付けるデータのほうを、方法論的に理にかなっていて提示のしかたも明快であると評価した。

●多くの医師は企業からもてなしや贈り物を受けると、明らかに患者の治療方針にサブリミナルな影響がある。製薬業界と金銭的なつながりのある医学研究者は、利害関係のない検査官に比べ、スポンサーの医薬品に有利となる知見を報告し、不利となる知見を報告しない傾向がある。

●人間の無意識がもっとも本領を発揮するのは、自己に対する前向きで好ましい感覚、つまり、権力がはびこる世界のなかで、自分はただの人間よりもはるかに大きな能力と統制力を持っているのだという感覚を抱かせてくれたときだ。

(ポジティブ心理学でいう「ポジティビティ」でしょうか・・・、わたしを取り巻く状況にかんがみても、好きなフレーズであります。わたしは極力まっとうであり続けます、受講生様方や支援者の方とともに。)

●動機づけられた推論のおかげで、わたしたちの心は不幸から自分の身を守ることができ、それとともに、本来なら圧倒されかねない、人生で直面するいくつもの障害を克服する力を手にする。研究によれば、きわめて正確な自己像をもっている人は、軽度の鬱に陥っているか、自己評価の低さに悩んでいるか、またはその両方であることが多い。それに対して、過度に前向きな自己評価をしている人は、正常で健康であるという。

(やれやれ、ある程度「ナルシ」なほうが健康ということですね。このところ悩んでいるのが、リーダー教育という仕事の性質上、ある程度ナルシにならざるを得ないのだろうか、ということです。謙虚で正確な自己像をもっていたいとは思いますが、いっぽうで仕事では情熱の塊のようになる場面もあり。そういうときは、非常にみずから「しょって」いるときでもあります。普通の仕事をしている人からみたらクレージーだろうと思います)


****

 本書の著者は「800編以上の学術研究論文」を読んだとのことで、内容はこれまでの「ヒューリスティック」本との重複も多いですがこれまでで一番網羅的な本といえるでしょう。

 サブリミナルという語はわたしの世代だと映画「エクソシスト」の途中で悪魔の映像を挟んでホラー効果を狙ったとかジュースだかポップコーンの映像を挟んだら休憩時間にそれを買いたくなったとか、割とマーケティングの操作のような分野で馴染んだのでした。

 その分、いかがわしいというか悪意の匂いがするというか、あまり好きになれなかった分野ですがこれだけこれでもかと研究の歴史から最新の知見を詰め込んでくれると、ちゃんと科学として認めてあげたくなります。

 
 今、この記事執筆と並行して研修効果をみるアンケートを回収しています。

 おおむね上司は効果あったと評価し部下は一部を除きなかったと評価しています。

 これをどうとらえるか、ですが、私はこういう場合上司の言い分のほうを信じるほうです。

 というのは、「承認」をちゃんと気持ちだけでなく行動ベースで行っている、という前提のもとでは、部下は「無意識に」モチベーションが上がり、それは仕事のスピード感のような形で反映されるのですが本人は気づきにくいからです。本書でも自分の決定の本当の理由がわからなかった、という話がありますが、「承認」は決して怪しげなものではないですがこれを行うと相手の行動が増える。行動が増えた側はなぜ増えたかわからない、上司が行った承認との関連がわからない、ということは大いにあり得ます。

 部下の行動変化は上司の観察によるほうがあてになる。これは一応10年教えてきたわたしの確信です。これが本書でいう「信じたいものを信じる」でないことを信じたいものです。

 ミドルたち自身の言葉としては、以前(2011年4月)当協会元会員の永井博之さん(柏原さんの元上司)が、事例セミナーの質疑応答の中で、
「部長の私から見て明らかに育成上手の課長のもとで成長したと思える営業マンも、本人は『仕事が私を作った』と答える」
と述べていました。

 かつ、今回できなかったいつもの「統計調査」ですが、あれでやると承認をした上司のもとでは部下の指数がちゃんと上がります。(しなかった上司のもとでは上がりません)それは恐らく部下自身には自覚のないものであっても、自然と「前回と比べてスピードが上がった」「ミスが減った」などの設問につける丸の位置が、ポイントアップのほうに動いていて、こういうのは記述式のアンケートではみられない無意識の変動です。
 (だから、研修効果をちゃんと測りたいときにはやっぱり統計調査が一番ですネ)

 わたしはこういうアンケートに答える側の部下の立場になったことはないのですが、「上司が承認してくれたから自分が仕事でよい行動をするようになったとか成長した」と意識レベルで認めるのは、自分の自尊心にかかわることだろうな、とおもいます。

 まあ、それはこちらの話題です。


 1つ前の記事もサブリミナルが話題でした。

 やっぱり今回の読書日記にもあるように、自分は区別をしているということを自覚し、かつ個々の人について男か女か、みたいな大枠の区分ではなくより良く知ろうと努力することによって差別を減らすことが、やはりこれからの大人のたしなみでしょう。グローバル経営でも結局一緒のことで、だからどっちが大事だなんて言うだけあほらしいのです。

 ・・・ていうか、この記事の主題と全然関係ないけどあたし東京外大の出身だし恩師は国際教養大の創始者だし、「グローバル」っていうのそういえばDNAレベルで持ってた。ごめん。だから威張られてもぴんとこないの、「グローバル」とかって。バカなおじさんって、すぐ下らないことで威張るから、いや。正田が中国語ペラッペラだってことも、しらないでしょ。

 こういうことも書いておかないと今後もよそで不毛な会話が繰り返されるからな。


 「判断をゆがめるものとの闘い」シリーズを読んでくださっている会員様、受講生様は、ぜひ自分の脳を誤らせるものの知識に親しみ、ブレの少ない正しい判断をする人になってくださいね。



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


 

「もし受講生様がそれで女性差別というもののおぞましさを知り、自分は絶対に手を染めないと決意してくれるなら、私はこれからも手ひどい形で差別を受け続けるのがいいのかもしれない。」


なんておどろおどろしいことを2つ前のブログに書いたけれど、

「おぞましい」とまでは言えないが「みみっちい」タイプの性差別にきょう遭ったので、記録しておこうと思う。


 25日午前、ある公的機関を訪問したときのこと。

 こういう場によくいる、大企業からの出向組のいかにも「調和性」の強そうな顔の人が1人で出てきて対応した。

 この人は自分の古巣の大企業の人事などに行ったそうで、

「女性の登用を積極的にする、と言っています」

と無邪気に話した。


 そういう大本営発表をはいそうですかと鵜呑みにするのが、どこかの新聞社経済部長と一緒で子どもなの。

 いずれにしても大企業にお勤めするなんて日本の人口のごく一部だ。

「いや、意識は全然変わっていませんよ」

私は言い、そして「例えば・・・」と、工場の優秀な女性がリーダーに登用されない例を話した。周囲の男性リーダーはパート女性たちから不満百出で「叱れない」人格で、その優秀な女性がリーダーになって権限を持ったほうが絶対現場が落ち着くのだがそういう人事をしない。恐らく男性リーダーたちの面子を潰すのを恐れているからなのだ。


 すると出向組氏は話をそこでさえぎり、

「私の考えでは、女性にはもっと自分の得意分野があるんだと思いますね。現場には、女性ができない仕事もあるでしょう。女性はソフト面など得意分野で昇進してもらう。その人の場合はそれがいいんじゃないかなあ」


 お言葉ですが。
 反論するのもあほらしかったが、事実は出向組氏の想像するのとはまったく違う。

 その優秀な女性はもともと作業者時代からものづくりの方で評価されてきた人であり、今もその社の技術、営業どちらからも「あの工場で一番信頼できるのは彼女」と、その誠実な品質管理ぶりを評価されている。現場へのにらみも男性たちよりはるかにきく。


 ・・・と、「話は最後までききなさい」という問題でもあるのだが、ここには一般的な傾聴研修ではカバーできない問題が恐らく横たわっている。


 出向組氏は、要するに骨の髄まで性差別主義者なのである。
 大企業出身やしね、甘ちゃんなのよ。女の人にはごはんつくってお着替えもってきてほしい人なのよ。

 「調和性」の人にありがちなナチュラル性差別主義のイデオロギーの持ち主なので、自分以外の組織のことであっても、性差別について指摘・指弾されるのは我慢ならない。それで思わず人の話をさえぎってしまう。人生観、価値観の発露なのだ。そして自分の頭で勝手に考えた「合理的な理由」をつくりだす。

 私にとって上司ではないから良かったけれど、こういう人が上司だったらたまらないな。
 はい、私は平気で事実はこうだ、と反論しましたけどね。


 私がこういう場合の聴き手だったら、というと、まあそもそもこの手の思い違いはしないと思うんですが、仮にするとして、幾つか前の林義記さんとのやりとりなどをご覧いただいてもおわかりになるとおり、もっと軽いトーンで「仮説検証」をしますね。

「私まったくわかってへんのやと思うけど、例えばこういうこと?」

と。そういう、「あくまで仮説検証なのだ」という表現方法をしないと、現実との齟齬が起きるおそれがある。


 そういう謙虚な会話方法ができない人は、正しく情報収集し正しくものを考える資格はないのである。

 出向組氏の「私の考えでは・・・」は、事実と恐ろしく食い違っているのだが、出向組氏はそのギャップの大きさについて想像力が働いてない。だから、「・・・だと思いますね」と、乏しい判断材料から大いに間違った推論を、しかも妙な確信を持ってしてしまっている。


 まあ、もうひとつ出向組氏にはたらいている無意識を想像するなら、かれはやはり性差別主義者なので、

「女の正田さんが考える結論は間違っている。男でかつ人生経験の長い私の頭に思い浮かんだイメージのほうが恐らく正しいはずだ」

と、思ったのだ。ごめんね、私のほうがあなたより判断能力高いと思う。歳は多少若いけれど。私は事実関係をきちんと押さえながらものを考えるということを知ってる。

 まあいいよね、おたくの組織は多分どんなに会員が減っても潰れないから。


 このところ「正しくものを考えるための日本語の用法」ということをよく考える。

 今日の題材などはいい教材になるはずだが、しかし教育プログラムとして体系化できるかというと自信がない。まだ全体像がみえていない。


 あと、真面目な話、この出向組氏は偉そうに
「女性活用も大事だがグローバル経営だから外国人の雇用や登用のほうこそいまや大事で」
てな風なことをどっかから仕入れて言ってましたが、
私の勘では、外国人を使える使えないより女性を使える使えないのほうが、そのへんの中小〜零細企業のあす潰れる潰れないに直結しますね。だって、「今目の前にある資産」なんだから。偉い人とか大企業の言った通り考えるんじゃないの、子どもみたいに。女性活用の問題から逃げたいのは、あなたがいくつになっても女の人にごはんつくってお着替えもってきてもらいたいお子ちゃまだからでしょ。




100年後に誇れる人材育成をしよう。
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 25日午後、地域の公的機関様をご訪問した。

 やりとりを「公開OK」とご承諾いただいたのでご紹介すると、
 このブログを長く読まれている方だとご存知の内容なのだけど、どうして正しいことが広まるのがこんなに遅いのか?というお話です。

 相手様は仮に「A次長」とさせていただいて・・・、この方は私が十数年この仕事をやり続け発信も続けているのをご存知の方なので割合どんどんお話がすすみました。


***

A次長:あっちこっち行ってるね。よく正田さんのお名前を拝見しますよ

正田:はあ、決して多くはございませんが色々とお声掛けいただきまして、ありがたいことでございます。
ご用件と申しますのは、また是非B_機関様で一度セミナーをさせてください。

A次長:なるほど、10月に高槻でこういう講演をしたんやね。
 わかりました。今すぐどこで、とはいえませんがどこかの委員会などでちょうど近い需要があったときに正田さんがこういうことをしている、というのを候補に入れておきましょう。


・・・と、メインのご用件はあっさりと終わり、あとは周辺のお話になりました。

正田:生意気を申し上げるようですが、人材育成担当者はダメですね。経営者さんには「ひびく」んです。腹の深いところでわかってくれる感じなんです。

A次長:そうだろうと思うよ。ただ経営者は簡単には集まってくれない。われわれも経営者をターゲットにしたセミナー、講座を打つが経営者代理がくればいいほう、役員どころか係長クラスがくる、こっち経営者こっち係長と混じっていることもよくある。なかなか狙い通りにはきてくれないよ。

正田:B_機関様にはこのところパワハラやメンヘルのセミナーに出席させていただいて、色々とお勉強させていただいてます。ただこれは申し上げたいんですが、私どもの方式では、パワハラやメンヘルまできれいに治って業績向上、1位マネジャーという結果になってるんです。

(以下受講生様のもとで病人ぞろいのチームが立ち直って社内1位になった事例などをしゃべる。詳細割愛)

正田:だから、こんなご時世だからこそこれだけ役立つものがある、と皆さんに知ってほしいんです。

A次長:それはわかるよ。上司次第だものね。私は酒もたばこもやらないんだが、酒の好きな上司だと本当に夕方になると酒に誘おうと手ぐすね引いて待ち構えてるしね。たばこが好きな上司は周りのみんながたばこ嫌いでも1人で平気で職場で吸うしね。

正田:本当、上司次第ですよねえ。でも研修担当者にはリーダー研修の重要性もわからないんです。彼ら自身が係長級だったりすると、自分より職位が上の人に研修を施すという発想にならないので。経営者だとわかるんですけど

A次長:みんな「自分が変わらなきゃいけない」と思わないんだよなあ。「若いヤツらだけ変わればいい」と思ってる。みんな当事者意識がないんだよ。だから、これが正しいと思っても一気に広まるかというとそうじゃないんだな。


***

 ・・・という感じの問答で、ひととおりこの「人材育成界」の不毛さ―売る側も買う側も―をみてきた方だとすんなり会話ができるのでした。

 繰り返しますけどこの会話は公開していいって言われたのでした。

 正田はアルトの本来の声でしゃべり、これは相手がトップかミドルマネジャーのときの声でした。

 わたしはリトマス紙のような人間です。相手がちゃんとものを考えている方かただの役人かがすぐ判別できてしまいます。


 そしてわたしの主張ポイントは幾つかあり、これも何度も蒸し返すようですが、

1.重要なのはリーダー育成であること
2.リーダー育成は従来思われていたような強引に引っ張るリーダーシップではなく、「承認」を基軸としたリーダーシップの教育であること
3.教育研修費はちゃんとかけましょう。どこかの本のコピーとかeラーニングとかで小手先でだましてはいけない。いい研修機関、研修商品を選定してきちんとお金をかければ大きなリターンが返ってきます

 ふぅ・・・こんなことを女のわたしが言うんだから、そりゃ疲れるよね。

 世間に流通している研修商品がとんでもなく高くてしかも効果がない。先日わたしがご提案した長期コースの研修プログラムは、同規模のものがコンサル会社なら4倍の料金で、しかも効果がなかったとお客様に言われた。
 よくまあ、そんなにバカ高くて効かない薬を平気で売るよ、と思う。普通に仕事でPDCAを回してれば、「ダメなものはダメ」とわかるんではないだろうか。こけおどしだけの教育をしてないだろうか。
 だから教育研修の流通の世界は狂ってるのだ。そして教育研修全体がいかがわしいものと思われてしまうのだ。


 アベノミクスは設備投資のことばかり言い、教育研修のことは言いません。むちゃ必要なのに。



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 慣れない大工仕事に明け暮れた3連休。

 
 金切のこでベランダの物干し台の軸を切り、短くする。
 使わなくなって長いトランポリンの鉄の枠を4等分する。子どもたちの体重を支えていた枠や脚の中は錆びまくってもろくなっていて、だからリサイクルははなから無理だとわかった。

 「燃えないごみ45L」の袋の口をしばれるようにごみを小さくし、大型ごみに出す費用を節約しようとしているのです。

 台風で壊れたラティス、雨に晒されてガタガタになったすのこも電動チェーンソーで切断して、燃えないごみ袋へ。


 そのほか新しい家具の組立や照明器具の取り換えなどし、かなり肩や腰がやばい状態になった。


 それでもまだ体が動くというのは幸せなこと。


 もし受講生様がそれで女性差別というもののおぞましさを知り、自分は絶対に手を染めないと決意してくれるなら、私はこれからも手ひどい形で差別を受け続けるのがいいのかもしれない。


 もう、悲しみは絞り尽くした気がする。


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 今年の1人X'masディナーはローストビーフと魚介のサラダ、魚介とホウレンソウのチャウダー。


20131224Xmasディナー


 
 当分これを食べ続けないと・・・^^;

 ケーキは無し、フルーツ盛り合わせを買った。



 19日、篠山市商工会様(原田豊彦事務局長)での管理職研修。

 10月あたまから始めて駆け足でもう4回目。間に1回個別面談もはさみました。


篠山市商工会研修



 第4回「説明力」の回でG毎に「説明対抗戦」のブラッシュアップをする受講生様方・・・

 全職員様16名のうちの管理職の方々6名です。

 とても家族的な雰囲気ですすみ、皆様、大変意気高く受講していただきました。

 売上のようにわかりやすい形で成果の出るお仕事ではないのですが、
 皆様からご報告いただいた日々の変化を図々しく手柄自慢のように並べますと、



・振興部(支所)の中での上司部下の会話を工夫した。部下もベテランだが、
 WEBで共有している各振興部の「振り返りシート(日報)」を
 部下と一緒にみながら、業務について部下の考えを尋ね、自分の考えも言い
 摺り合わせをしている。お互いの考え方の理解が進んだ。

―コンサル的な、割合独立性の高いお仕事の内容ですが、こうして摺り合わせをするようになった、というのは素晴らしいですね。ちなみに男性上司と女性部下2人きりの職場です。それまでは「あれやっといて」みたいな無味乾燥な会話をしていたそうです。
 

・共済の勧誘のノルマを早々に達成した人を心から賞賛した。

・同上のノルマ達成が速かった。声掛けの頻度が増えたためとみられる。

・会員からの電話問い合わせに対しこちらから訪問し、会員への専門家派遣につなげた。「会員が1本の電話をかけるのに勇気をふるって掛けてきているのがわかった」。

・部会に対して少々きつい提言を商工会(職員)のほうからした。



 ・・・と、最後のは「それ承認なん?」と思われるかもしれませんが、「承認中心コーチング」を学んでくださり少し時間がたち経験を重ねた方には割合みられる行動です。ちょっと厳しいことも、相手のためと思えば言えるようになるのです。もちろん、言い方には「承認」を盛り込んだり大変に工夫してはりました。

 
 わずか3ヵ月の間に貪欲に学び、目覚ましい成長を遂げてくださった管理職の皆様にお礼申し上げます。
 皆様のお顔を見にいくことは楽しみでした。


 最終回は年明け、「全職員対話」の回となります。全4回の承認コーチング研修を受講された上司の皆様がファシリテータとなられます。



 「承認から対話へ」
 これが当協会の理想とする組織再建・組織開発の流れでございます。



 追記:なお研修導入の旗振り役である原田局長からは「『イノシシの町』というのは違和感がある。われわれは『デカンショの町』だと思っている」とのご指摘をいただきました。
 えへへ、だって、冬には町のあちこちにイノシシの剥製が立ち、橋の欄干にもイノシシが立っているしわたしの頭もつねに「イノシシ」に行くし・・・、
 秋だと、栗とか黒豆枝豆とかもっとシンボルに事欠かないんですけどね。
 そうか、商工会の職員様方はもう来年の「デカンショ祭り」に頭が向いてるんですね。


****


 その前日、18日には神戸で「パワーハラスメント対策取組支援セミナー」に行きました。21世紀職業財団主催。

 神戸市産業振興センターの大会議室が一杯になる盛況ぶりでした。

 兵庫労働局の人の冒頭あいさつによると、労働相談の内容では兵庫県内でついに「いじめ・嫌がらせ」が「解雇」を抜き最多となりました。

 パワハラセミナーは何度目かですが、2012年に厚労省の調査がまとまり全体像が一層明らかになったせいか、セミナーの内容も詳しくなりました。パワハラが認められた判例など紹介されますと、狂っている(上司の言動が)と、身震いしたくなります。

 いくつか前の記事の「問題社員に対する普通解雇」との関連はじゃあ、どうなのか、と言われますと、

 今話題の「ブラック企業」の手口では、使えないと判断した若手社員を暴言や無視などのパワハラによって自主退職に追い込むのです。これは本人の精神を破壊し再起不能にするかもしれない、反社会的な手口です。

 そうではなく、能力が低く教育しても効果が出ないと判断した場合、能力の低さを理由に普通解雇することを可能にしたほうが、「パワハラ退職」を減らせることになるのです。ということを、以前NHK「ニュース深読み」に出演したブラック企業の専門家が言われていました。
 上記の「いじめ・嫌がらせの相談件数が最多に」という現象についても、「解雇される前の段階での暴言や無視が頻発し、その段階で相談しているという現象と考えられる」と講師の深海慶子先生は言われました。



 ・・・まあ、なんとわたしの見ている世界は天国と地獄ほどの開きがあることでしょう。

 そして、「法的問題」になるような話のセミナーはなんと盛況なことでしょう。

 残念ながらわたしがお役にたてるのは、「トップ」が決める組織に対してです。


 表題の曲はわたしの場合やっぱりマライア・キャリーです。




100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
 


 

お世話になっている皆様


 おはようございます。
 企業内コーチ育成協会の正田です。


 師走、気ぜわしく日々を送られていることと存じます。



※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。ご不要の方は、メール末尾にありますURLより解除いただくか、このメールに直接「不要」とご返信ください。



 本日の話題は:



■やっかみ犯罪の時代。
 嫉妬やっかみに心を占められている人は決して読まないでください



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■やっかみ犯罪の時代。
 嫉妬やっかみに心を占められている人は決して読まないでください


 漫画「黒子のバスケ」の作者の母校に脅迫文と毒物を置き、アニメの放送局、書店などに約400通もの脅迫状を送りつけた派遣社員が逮捕されました。

「自分も漫画家を目指していた。成功した漫画家が妬ましかった」
との供述内容には考えさせられるところが多いです。

 セレブリティを目指す夢はそのほとんどが破れるもの。破れたあと改めてどう生きるかが問われます。しかし、この派遣社員を取り巻く現実は魅力的ではなかったのでしょう。

 せめて職場などのだれかに「俺、以前漫画家を目指してたんや」などと言えていたら…(言っていたんでしょうか)
 
 結局、以前秋葉原の無差別殺人でも思ったこと、

「職場で『個』としてたいせつにされていたら」

というところに、わたしの思考は戻っていくのでした。

 しかしまた、今時の若い子に特有の現象、「ネットの世界に入り浸って同僚や上司の方を向いていない」という傾向もおそらく壁になるのでした。


 それはそれとして、近年、「嫉妬・やっかみ」の感情がジワジワと増幅していないだろうか?まっとうに努力して評価された人を素直に祝福せず、貶めるように作用していないだろうか?と、いったことを、今年に入ってから当協会の会員さんともお話しておりました。

(「自信のない日本人とやっかみへの処方箋」http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51862153.html「深い敬意を込めて言葉を発せよ―『呪いの時代』(内田樹)をよむ」
http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51864651.htmlなど参照)


 わたし自身も、今年は「これ刑事事件にしてもええんちゃうか?」というほどのやっかみを込めた激しい妨害行為を受けました。


 幸い、「うちの会員さん」はまっとうに努力する人達です。

 どうか、ここからの記事は「嫉妬・やっかみ」の心をもった方は読まないでください。


 去る2日、当協会会員の柏原直樹さんの部下の女性が葺合署の「一日警察署長」になり、その模様は新聞(読売15日朝刊神戸版)にも大きく報じられました。

 タカラジェンヌやタレント、有名スポーツ選手が「一日署長」をするのは珍しいことではありませんが、柏原さんの部下は普通の会社の営業職女性。上司の柏原さんが事故防止責任者の立場で県警の講習会に行ったり、ボランティアをするなどしていたところ、お声が掛かったといいます。

 柏原さんの会社ではめったにないことだからと、社内報の取材などで大変だったようです―。


 また去る4日、「介護職の承認王子」と異名をとる?林義記さん(老健施設相談室室長、34歳)にインタビューさせていただきました。

 林さんは31歳のときに「承認」に出会われ、施設でたった1人からやり続け、翌年には「承認大賞」を受賞するなどし、年末に理事長から表彰されて同僚たちの前で号泣した、というエピソードの持ち主。
 不肖わたくしが講演などで紹介すると、経営者さん方から「そんな部下が欲しいなあ」と言われます。


 今年は室長と立場も変わり、また新しい話題がありました。


介護職の承認王子・林義記さんインタビュー2013・

前編「夢は全員が承認ベースのコミュニケーション」

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51877352.html

後編「叱る課題・上司もつらかったんやなあと」

http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51877357.html

 

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 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51792866.html

5.続・テストステロン

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こちらもお勧め・「リーダーの切断力」とは?

 
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 今年も神戸ルミナリエに最終日の16日、行ってきました。


ルミナリエ2013



 震災と直接関係はないが別れの多かった年でした。

 牛串と焼き牡蠣とタンドリーケバブを食べました。(こらこら)


****

 
 事務所の新しいコピー機で初めて教材作りをしました。

 これまでは、大量部数のテキストを刷るにもインクジェットプリンタでぎっこん、ばったん、1日つきっきりで印刷していたのです。
 うーん家内制手工業。

 
 やっぱり思いのほか早く、ミスもなく印刷できましたが
 思い返すと、これまで色々参加したセミナー・勉強会のたぐいに「もうええ」っていうぐらい紙の資料をくれたところがありました。
 あれは、こういう文明の利器があったからだな。

 参加する側にとってみればあまりに大量の資料はむしろ後で読めなくなるもので、こういうことでも「ほどの良さ」「塩梅」は大事だろうと思います。もちろん環境問題も気になります。
 
 こら、「便利になった」と素直に喜びなさい。


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 「介護職の承認王子」こと林義記さん(老健施設相談室室長、34歳)インタビュー後編です。

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 ここでは、今年の「第3回承認大賞」のエピソードと登場人物について、また林さんの新たな課題「叱る/修正する」について、お話をうかがいました。

「今時の若いリーダーは叱れない」

 林さんも確かにその課題に直面し、そして奮闘しています。経験的に決して、「この研修を受ければ次の日から叱れるようになる」とはいえないもの。相談室という部署の特性、すなわち組織の外部との窓口であるとともに部下がみんな真面目で優しい子たち、という性格も加味しながらみてみましょう…。


林義記さんインタビュー2013・後編 「叱る課題。上司もつらかったんやなあと」

■緊張の塊からガッツある素顔が出てきた―第1エピソード「自分から積極的に声を出したね」
■「林さんがモデルなんですって言ってくれます」(林)「上司をロールモデルにしてくれるって嬉しいね」(正田)
■叱る課題(1):「意図をもった質問をしてるって言われました」(林)
■叱る課題(2):「問いかけることの限界、指摘も大事」(正田)
■承認はストレスではない。逆にストレスを減らしますね
■上司もつらかったんやなあと・・・

(ききて・正田)


****

■緊張の塊からガッツある素顔が出てきた―第1エピソード「自分から積極的に声を出したね」


― 今年は過去の大賞受賞者でありながら「承認大賞上司部門」に2つも応募してくださってありがとうございます。「承認大賞」の今回の2つの事例(上司部門準大賞)に関しておうかがいしてもいいですか?

林:はい。

―第1エピソードは1年目のスタッフさんに「自分から積極的に声を出したね」これは誰君でしたっけ。

林:T君といいます。

―最初はなんか、言葉を出しにくいというか、どういう状態だったんでしょうね。

林:緊張しっぱなし、あがってる感じ。音楽会で幕が上がってガチガチになってる1年生みたいな。

―そういう、目線もすわってるみたいな?

林:うん、目も泳ぎますし。声もちょっと震える感じ。本当にあがってるときの感じ。

―じゃ、心配されましたねえ。

林:そうですね。実習で来てた子なので、初対面じゃなかったので、もうちょっと柔軟に馴染めるかなと思ってたんですけど、思った以上に緊張感が高かったので、最初は心配しましたね。

―そして入所1週間目のときでしたっけ、「自分から積極的に声を出したね」のエピソードがあって、それをきっかけに変わってこられた、という。
 その後彼は、どういう心境の変化があったとか、話してくれたりはしますか。

林:いえ、それは話してくれてないです。
 今もやっぱり気は遣うようなんです。みんな忙しい中でやってますので、仕事の中ではなかなかゆっくりじっくり聴いてやる時間をつくれないので。言うべきことの取捨選択とか、何を言おうと自分なりに整理をして伝えようとするとか、そういう工夫は随所にみられています。わからんかったら訊いてきますし、主体的な行動は随所にみられるようになったと思います。専門職なので専門的な知識というのも入ってこないといけない。つながってる感じといいますか、吸収してきている、知っていることが増えているというのは大きな変化かなと思います。
「自分に負けたくないんです」という言葉をよく言います。

―自分に負けたくない。へえ〜〜、何があったんだろう、すごい興味があります。
 元々緊張感の高いご性格やったら、普通は対人のお仕事に就かないで済まそうとせえへんかな、と思ったりしたんですが、でもあえて介護の仕事を選ばれたのは、彼の中でどういう経緯があってそうなったんでしょう。

林:この前事務所のミーティングをしたときに話してくれたのが、おじいちゃんおばあちゃんに自分がすごく恩があるみたいなんです。加古川だったと思いますが田舎の地域で育てられたので、おじいちゃんおばあちゃんに恩返ししたいというのが職業選択の動機にはなっているようなんです。

―ふーん、可愛いんですね〜。

林:「あ、そういう動機で仕事してるんだねー」「地元LOVEです」とか言ってましたけど。地元がすきで、地元のおじいちゃんおばあちゃんの役に立ちたいんでしょうね。それが、ここの施設のお年寄りに役に立つということが、彼にとっては広い意味での恩返しなんだと思います。「そういうことができるようになるには僕はまだまだ未熟だ」という自覚があって、でもしっかりお迎えしたいと。だから頑張りたいと。
 コミュニケーションが苦手な自覚はちゃんとあるんですよね。苦手な自分をちゃんと超えたい。そういう気持ちをもちながらやってくれています。

―すごいガッツのある子ですねえ。

林:そういえば「ガッツあるねえ」って承認しました(笑)

―(笑)そうですか、そうですか。



■「林さんがモデルなんですって言ってくれます」(林)「上司をロールモデルにしてくれるって嬉しいね」(正田)

―じゃあT君はこれくらいにして今度は第2エピソードの3年目リーダーのA君について。
 ミーティングで彼が発言したことについて林さんが「君がそういうことを言ってくれて嬉しいよ」と返して、Aさんがあとで「あれで自分のモチベーションが上がった」とおっしゃったんですね。ですけど、あのときにやっぱり気になったのは「チームワークが今一つないような気がします」っていうセリフがあったので、どなたか(会員)も講評の中で書いていたけれど、「悪い状態なのかな?」と。業務量が増えた、ということもエピソードの中に書かれてましたね。

林:はい、自分なりに意識をもって取り組めば、柔軟に機能する組織ともいえると思うんですけど、体制変更もあって人的量としては減ったので、業務量としては増えますよね。その中でちょっと「回ってないよな」という感じはあったんです。
 そこをちゃんと問題意識持ってくれてんねんな、ということが僕はA君の意見から伝わってきたんです。ので、彼が3年目でリーダー職に一応なりったので、リーダーの彼と管理者の僕としっかり協力していけば、このチームにしっかり稼がせていける、それがA君発言から僕の感じたことだったので。「そういうことを言ってくれて嬉しいなあ」と。

―とっさにIメッセージでミーティングの席上で返せるって、林さんすごいなあって思いましたねえ。私出来ないかもなーとか。

林:僕も藁にもすがりたかったし(笑)孤独で…、孤独が苦手で、自分でできることなんて限られてる、ちっぽけだなあって。助けてよ、って。ちゃんと助けてくれるメンバーが周りにいてくれるんやっていう。
 だから、「チームワークが今少しなってないように思う」というA君の発言のその奥に、「みんなで支え合いながら取り組めたらいいんじゃないですか」という思いが伝わってきたので。チームワークがないことを否定している言葉ではないと僕は感じられたんです。

―なるほどですね。先ほど「私なら言えないかも」っていうのは、「チームワークないような気がする」という言葉が出てきたら、「私への非難」ってまず受け取っちゃうだろうな、と。力不足の私、という。

林:うんうん。それも僕感じましたよ。

―そうですか(笑)

林:「ごめんね、まだまだ未熟やしね、力不足やしね」と。

―あ、そうも言ったんですか。

林:その場で言ったかどうかちょっと記憶が曖昧ですけど。
 4月に室長になって最初の朝礼のときに、
「名前は変わりません、林です」
「室長になったから偉くなったわけでもないし決して急に能力が伸びたわけでもないので、今まで通りのことしかまずは出来ないと思います。至らぬところもあるやろし、迷惑かけると思いますけど」
という挨拶をした記憶はあります。

―ふーん…、なかなかそれも言えへんことのように思いますねえ。
 3年目のAさんの立場で、上が10年上の林さんで、ミーティングでというときに、「なんかチームワークないような気がもします」という言葉が言えるというのも、やっぱり林さんの雰囲気づくりがすごいと思いますよ。言えへんのちゃうかなと思いますよ。

林:まあ、そうだったら嬉しいなと、威厳がなさすぎたら困るというのもあるんですけど(笑)。チームワークについては、彼(A君)も自分も何か役割を担っていかなならんという自覚も込めた言葉のように聞こえたんですよね。「僕も頑張るよ、それに対して」というメッセージが出た、と僕は感じられたんです。

―信頼関係ですね。

林:最近、A君が「林さんがモデルなんです」と嬉しいことを言ってくれたんです。僕「え、どこが?ほめられると嬉しいからほめて。モデルにしようと思うのはどこ?」と、あえて承認してもらうような質問したんですて(笑)すると、職員研修などとかで少し前に立って話したりする時、話し方とか話の進め方とか、声のトーンとか、身振り手振りとか、すごいって言ってくれるんですよ。何がすごいのか僕わからないんですけど。自分が話す時に、「林さんやったらどうやって話すかな」とイメージトレーニングしてから話してるんだそうで。コピーになろう、と。

―へえ〜。林さんが話す時というのは、相談室のほかの人に対してですか?

林:ミーティングの場面で話していたり職員研修で講師として話す時に、彼も受講生で入ってたりするんですけど、最近僕がしゃべってると、にやにや、にやにやしてるんですよ。

―ほう。気になりますね。

林:「何をにやにやしてんの?」「盗もうと思って」(笑)話の内容より何か、吸収したい!と思ってくれてるみたいなんで。いわば期待してくれてる。期待に応えられる人間でおらなあかんなとか。

―そこまで今の若い子が上司のことロールモデルと思ってくれるってすごいですね。

林:嬉しいですね。


■叱る課題(1):「意図をもった質問をしてるって言われました」(林)


―話は変わりますけど、林さんのその優しいキャラクターで、日頃から話し方も優しいしめったに叱ることもされないし、でも今部下がA君以外に3人もいてて、そのやり方で限界みたいなのを感じることってありませんか。誰かが問題行動しちゃったりとか。

林:うーん、あまりおかしなことは起きてないと思ってます。ただフィードバックを部下たちに貰ったんですけど、「ゆるみやすいですよね」というのは言われました。9月か10月ごろです。

―ゆるみやすい?(笑)ゆるむ時って例えばどんなです?

林:極端な言い方をすると、(上から)ミサイルが飛んできてるんやけど、避難しないというか(笑)危機感レベルが下がっちゃうというか、「林さんがいたら安心や」と思っちゃうみたいですね。安心感を持って仕事してくれるのは有難いと思うんですけど、何か上手いこといけへんことがあっても、最後は一緒にやってくれるとか。

―それは大事なことですね。

林:一方で自分できっちり押さえていくという緊張感というんですかね。もしかしたら僕でも解決でけへんこともあるわけで、たまたま上手いこといってますけど。そういう意味で「ゆるみやすい」というのは出ましたね。

―それはどのへんの子が?

林:A君(3年目)ですね。「自分らも甘えているというのはいけないことなんですけど、ゆるみやすいところはありますよね」と。確かにそうかもな、と。
 叱る。…うーん、怒れないんですよね。

―確かに林さんが怒ってるのはホントに想像つかない(笑)それはお子さんの頃からそうやったんですか。この笑い目のお顔で(笑)

林:そうですね(笑)感情に任せて怒り狂ったという自覚が本当にないですね。でもそれを10月に言われてからは、気になったことは指摘はするように、自分なりにはちょっとスイッチを入れようとは思っていますね。
 10月に若手の子が立て続けに3つやらかしよったんです。

―え、何をした?

林:ご家族と良好にコミュニケーションがとれず、非常に不信・不満を抱かせるようなやりとりをしてしまっていたんです。大した出来事ではないので、引き続き同じ子にやらせて、このプロセスから何かを学べるだろうと期待しました。いきなりやらせたら不安もあるから、「どうやって言う?」とか「次の報告どうやってしようか」とか、事前にロールプレイをして、ところが結果が悪い方に悪い方に行って、そこで止めれば良かったんですけれども行くところまで行ってしまったんです。

―それは、林さんが途中で出るということはしなくて、若手にとことん任せてそうなったんですね。

林:そうですね、任せてもできるだろうと思ったんですけれども上手くいかなかった。その3つが一旦解決に落ち着いたので、振り返りをして「どこが課題やったのか」と言っていたときに、課題としてはスキル不足がもちろん挙ったんですけれど、もう1つは僕がロールプレイをすることによって、安心してしまうと。

―あ、ロールプレイをすることによって安心してしまう(笑)

林:ロールプレイって、その通りにならないじゃないですか、予行演習ができるだけで。違う反応が返ってきたりすると、キャッチしきれなかったりして「あ、違う」みたいな、とか。ちょっと化学栽培しすぎたというか。その案件についてはですけど。自然栽培したほうが良かったのかなと。

―自然栽培って?

林:その子たちが自分の力でやっていけるようにした方が良かったかなと。ちょっと手出し過ぎたかなと。伸びてきてから剪定しても良かったかなと。ちゃんと土を耕してやったら良かったかなと。なんでこのぐらいの些細なことでご家族さんのほうが指摘をしてきているのか、という背景のところですよね。支援する側の子が、ご家族さんの言葉の中の重さとか価値とかをじっくりほぐしておけば、と。

―ご免なさい、私全然イメージでけへんのですけれど、インテーク面接の場面で部下が上手くいかなかった場合にその次の指導というのは、ここにいる相談員の人の強みを伸ばしてあげれば解決するってものではなくて、かえってそれで先方様(ご家族)との食い違いが大きくなる場合もあるわけでしょう。じゃあそうじゃなくて食い違いが起きないようにするには、「前回何が悪かったの?」という問題探し的になるのかしら。素人だから全然わかってなくての質問なんですけど。

林:相手の方を君はどう理解したのか、理解が十分だったか不十分だったか。それと人との関係づくりという大きく2つに分けて課題探しをしますね。このときは僕が理解したことと彼が理解したことが、やっぱり一致してなかったんです。僕は一致してたもんだ、と捉えれてた反応があったんですけど、やっぱりわかってなかったようなんです。

―それは何年目の子?

林:A君もいっこ失敗しましたし、さっきのストレングスファインダーの彼も2個(笑)叱るまではいってないと思うんですけれども、「具体的にここが僕はわからない」とか、「これについてはどうするんだ?」と確認をすることを今、ちょっと増やしてますね。それが「叱る」につながるのか、というのはあるんですけれども。それで「ゆるみすぎる」ということに縛りをかける、という意識をしてますね。

―そうですか。問いかける形で修正をかける、という感じですね。そのへんはちょっと試行錯誤中でいらっしゃるんですね。

林:上司から言われたことは、「林君は質問が意図をもった質問になってきたね」と。これもまあ、3日前に貰ったフィードバックですね。

―意図を持った質問。それはどういう意味?

林:相手がどう考えてるか、とか、どう感じ取ってるのか、とか、僕が上手くキャッチしきれなかったことを質問することによって、相手が語ってくれて明確にしようとしてるよね、というような説明をそのときはしてくれました。
 叱るというアプローチではないですけれど。

―林さん流のそういうやり方というのは、確立してきたら私はおもしろいな、と思ってるので、ほんと純粋に興味でおききしているんですけれどね。
 研修ではこういう表を作って問題行動とか過失の程度に応じてこういう修正のかけ方がありますよ、というのを見せるようにしています。軽度か重度かによって、このへん(重度)に最終手段として叱るとか怒るとか制止するとかいうのがあって、このへん(軽度)にはからかうとか問いかけとか指摘とか。先日もあるところの研修でこういう図をかいてご説明したんですけれど、問いかけだったら「は?」とか「これちょっと説明してくれる?」とか。でも相手によってとか、する側、林さんの側のキャラクターによってここ(軽度)だけで済んじゃう場合ってあると思うんですね。おききしてたら相談室の皆さん、みんなモチベーションは高くて、この仕事にすごく使命感をもってやっておられるから、そんなに理念にもとるような問題行動があるわけじゃないでしょう?そういうのがあったらここ(怒る)になっちゃうかもしれないですけど。一生懸命やってる中のミスとか、ちょっとした行き違いというときに、ここ(問いかけ・指摘)で止めて上手く修正かけられたら、まあ嬉しいですよね。

林:気づいたところで、問いかけしてるのかなあという感じですかね。



■叱る課題(2):「問いかけることの限界、指摘も大事」(正田)


林:あと、僕の価値観として、人に迷惑かけるのが嫌いなんですよね。「迷惑かけなさんなや」と言って育てられたので。

―そうなんですね。そういうお子さんの頃からの教えって結構大事ですよね。

林:骨身に沁みついてますね。それで最近ちょっと別な場面で叱りはしてるかもしれないです。
 チームプレーやから自分だけで全部やれるわけじゃないので、誰かに仕事残して頼まなあかんときがあるわけですよね。そこでそのパスを回していると、回される側がちょっと大変やろ、よ、という、「それで渡されて相手困るで」というときに、もう1つ2つしてから渡したらいいのになーと。そういう時には、
「ちょっと大変やけど、ひとまとめしてから渡さないとここの解釈で困るよ」
と、そういう指示も出すようにして。

―なるほど、なるほど。林さんの場合ベースラインが「承認」やからこのへん(表の軽度の方の外れ)ですやんか。それがたまに、このへん(問いかけ・指摘)のあたりに振れたりすると、それだけで相手にはインパクト大かもしれないですね。

林:そうなんですかね。ちょっとまあ、叱るということについては…苦手意識(苦笑)という感じです。

―林さんが意識して問いかけをされてるということと、やっぱり時々指摘っぽいことも言われている、ということ、それもすごくいいな、って思いましたね。というのは問いかけ一本槍で叱ることの代用をしようとすると、問いかけに対して叱るとか責めるとかの意図をみんなが感じるようになってしまって、問いかけが問いかけとして機能しなくなってしまうと思うんですよね。なので「指摘しよう」と思ったら、思い切って切り替えて指摘の形で言うって大事なことだと思うんですね。
 こことここ(問いかけと指摘)の間を行き来しながら、という感じですかね。
 すいません、先生口調でおこがましくて。

林:いえ、参考にします。
 自分でも課題意識があるところなので。ありがとうございます。



■承認はストレスではない。逆にストレスを減らしますね


―ちょっと最初の方の問いに戻るんですけれど、もう「承認」歴3年になられて、最初の頃に比べてご自分で今どんな段階になられていると思います?

林:そうですね、板についてきた感じがする。自然な感じになってきた。承認について。だいぶ意識してしないとできなかったものが、朝来て探すのも意識づけなんですけど、ふっとこう廊下を歩いていると「あ、髪切ったね」とか、なんか気づくんですよね。

―気づくんですか。あたしまだでけへんと思う、それ(笑)

林:気づくことが多いです。そっちにずっとフォーカスしてるんだろうなと思います。気がついて、そして気がついたことが言葉になって出てる。そこに不自然さを自分ではあまり感じない。構えもしてなければ、言ってやろうとも思わなければ、そういうのを板についてきたかなと。

―そうですか。ああそういう域に達されてるんですね。もう師匠って呼びたい(笑)いやほんまに。

林:それはないですよ。修業中ですから(笑)

―いや、情けないけれど私自身がそういう毎日を送れてないんで、羨ましかったり、「あ、もう林さんのほうが上行ってはるわ」と思ったりします。

林:慣れた場やからというのも大きいです。勝手知った人たちやし。

―「承認」が自然な感じになってきた、板についてきた、ということでしたけど、そうすると人を承認する、ということは林さんにとって全然ストレスなことではないんでしょうか。

林:ストレスではないですね。ストレスを減らしますね、逆に(笑)絶対減ってると思います。不思議な感覚なんですけどね。

―よかったらその感覚を教えてください。

林:相手に可能性を感じる、というんですかね。「こいつすげーヤツになるんじゃないかなあ」「なってほしいなあ」と。「このいいとこ活かせばいいのになあ」と。
 今まで「なんでそうなるんやろなあ」とか「なんでせえへんのやろなあ」とか、「もっとこうしたらできるようになるのに」とか、そんなふうに思う場面が多かったんですけど、承認に出会うと、「もったいないなあ」という感覚になるときが多いです。「せっかくええもん持っとんのに」と。

―そうなんですねえ。「もったいないなあ」。
 私まだね、その風景が見えてないかもしれない。林さんに見えてる風景が。羨ましいな、そういう風に思える瞬間をいっぱい経験されてるというのは。

林:ストレス少ないですよ。白髪増えましたけど(笑)ストレスなのかなあ。


■上司もつらかったんやなあと・・・


―ありがとうございます。何かほかに言い残したことは?

林:上司の悩みを何度か訴えたこともあったと思うんですけど(笑)、最近その上司がいい感じですね。

―そうですか。何があったんでしょう。

林:これも最近の話題。つい11月の25日ですわ、ちょっと部署の異動とかがあって、事務所の体制を変えなあかんので私と上司と担当者と計4人でミーティングしてたんです。そこで結構上司が担当者の女性にフィードバックしてたんですけど、僕がきいてる限り、ものすごくきつかったんです。どっちかいうと上司が叱ってる、承認度外視で。「ダメだ」っていうメッセージがすごく強かったんですよ。「そんなんじゃダメだ」と。すごく居心地悪くって、「いやいやいやいや、彼女すげえ頑張ってるよ」「まず承認でしょう」と思って。
 で、ミーティング終わってから、「フィードバックきつかったですよ」と僕が上司に率直に言ったんです。「そうかなあ」と言って、そして次の日。「家に帰って考えたんだけど、ほめようと思う」と。

―あら。(笑)ほう。

林:それからは、ほめてるんですよ。「あ、ちょっと響いた」と思って。
 承認のことはずっと上司にも言っていて、大事なことだというのはわかってくれてるんです。承認するのも好きな人やし、やったら絶対できるし、上手になれる、得意になれると思うんですけど、出てくる言葉メッセージがどうしてもネガティブな言葉メッセージが多くって、周囲が委縮してしまっていたたりとか。ちょっとコミュニケーション上駆け引きやってるときもあるのを感じるので、それでいかれると何も返されへん、というのを感じてました。それで「ほめたほうがいいですよ」というのをずっと言ってたんです。このたびはすごくヒットしたようみたいで、上司もほめるようになってきましたたという感じです(笑)うれしいですね。

―すごいですね。ミーティングのあとのフィードバック、これ効いたんじゃないですか。

林:影響力がある人なんですよね。カリスマ性があるというか。羨ましいと感じるときもあります。副施設長という立場もありますので、何か言ったときのインパクト、相手の受け取り方の重みが僕たちと違います。だからほめてほしいなあと、ほめる言葉が出てくれるようになって嬉しいなあと。

―嬉しいですねえ。わあ良かったですねえ。

林:ご心配かけてた事項だと思うんで。

―一時期林さん、辞めたいまで言われてましたもんね。

林:そう、僕も否定的にしかとれなかった時期でしたし。色んな思いもありますけれど。

―林さんの説得力が出てきたのかもしれない。フィードバックを聴いてくれたということは。

林:そうですねえ、4月に室長になってから半年ほど、ちょっと刺激的だったので。その立場になってみて、ああ上司もつらかったんやな、ようやってたなと最近思うんですよね。そこに僕が立てるようになったというのは、関係が深まっていくきっかけになったんちゃうかと思いますね。本当、大変ですわ。ようやっとったなあと。でも僕っていう部下がいて良かったねとも思うんですけど(笑)

―今のA君のような立場を林さんがやってたのかしら。

林:上司にとっての林のような存在にA君がなっていってほしいですね。体制が変わったので、今までやってきた15年の歴史と伝統というものもあるんですけど、その上に承認育ちのA君らが新しい家をリフォームし直すんじゃないかと、ワクワクしてます。

―それじゃあ、これからも相談室さん物語、楽しみですね。

林:1冊の本にでもなるんじゃないかと(笑)

―なりそうですね。今日はどうもありがとうございました。(了)


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 1時間半のインタビューの内容でした。
 相談室という、コミュニケーションそれ自体が主業務のような部署ということもあり、林さんはどんどんコミュニケーション上の新しい発見をし、挑戦をし、世界を広げています。殺伐とした世界にいる正田からみるとやっぱり羨ましいような…。

 独自の世界を切り開いている林さん、これからも沢山の発見を教えてくださいね。




 「叱る」についてのやりとりは、「顔色ひとつ変えずに人を叱れる」といった、生まれつき「叱る」才能に恵まれた人からみると、もどかしい感があったかもしれません。叱ることが苦手な人にとってはこれほどに苦手なのか、ととらえてくださると嬉しいです。
 結局ベースのご性格によっては、「叱る」ことを無理じいするとご本人の強いストレスになってしまうことがあり、今回もそれを念頭に、林さんご自身の現実世界での痛みを含めた気づきに基づいて「叱る」「指摘する」行動を選択できるように、恐らくそれでなければ根づかないだろうから、と「待ち」の姿勢で正田はお話をうかがったのでした。
 「間違ったら人が死ぬ」(ひょっとしたらごくまれには死ぬかもしれないのですが)業務ではないのが幸いでした。


100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

 当協会会員で「介護職の承認王子」との異名?をとる林義記さん(老健施設相談室室長、34歳)に、約2年ぶりにインタビューさせていただきました。

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 林さんは神戸市西部の職員数約80人の老健施設にお勤め。冬のユニホームは写真のように「スタジャン」です。若々しくアクティブな雰囲気ですね。

 承認歴3年。この間に相談室主任→係長→室長 と立場も早いペースで変わりましたが、「承認」にかける情熱は相変わらず、既に正田を追い抜いたようにも見える達人ぶりです。

 林さんの「承認」を駆使した問題解決ぶりは、どの業種の方にもお手本になるでしょう。また新たな課題、「叱る/修正する」ということについて優しきリーダー・林さんの奮闘ぶりは?

 長文のインタビュー記事を前後編で掲載させていただきます。

 ちなみに林さんの属する相談室の業務とは、

・介護のことでお困りのご家族からの介護相談、施設利用に向けての相談、そのための説明、見学対応、利用開始時のオリエンテーション、契約業務
・ご利用者の状態確認のためのインテーク面接、訪問面接(自宅、病院、他施設、あちこち行きます)
・ご利用者の理解を深めるアセスメント面接、利用検討会議の開催資料作成、会議準備、利用開始調整、利用調整、ベッドコントロール
・施設利用中の生活相談、ご利用者の介護内容検討のためのカンファレンス、ご利用者、ご家族との定期面談
・緊急時の連絡、緊急時病院受診付き添い、入院調整、苦情受付対応、ショートステイ・デイケア利用者送迎
・委員会活動参加、委員会活動コーディネート、勉強会企画、運営、開催、スーパービジョン、改善提案・・・・

などであり、超ご多忙の中インタビューに応じていただきました。心から感謝いたします。

林義記さんインタビュー2013・前編
「夢は全員が承認ベースのコミュニケーション」


■最年少で価値あることをやっている自覚?それはなかったです
■「信頼」は「こちらの言うことを聴いてもらっている」ことでわかる
■夢は全員が承認ベースのコミュニケーション
■朝来て「ほめポイント」を探す
■強みをみていくと問題解決につながる

(ききて・正田)

****

■最年少で価値あることをやっている自覚?それはなかったです


―林さんが「承認」に出会ってくださったのが2010年の秋でしたね。小柳俊子さんの明石ソーシャルワーカー事務所さん主催のセミナーに来てくださって、その翌年の2011年に「承認大賞」をとられて。承認歴3年になられますね。ありがとうございます。
 3年も続けてくださるというのは本当に嬉しいことですけれども、林さんにとってこの3年ってどんな3年でした?

:私にとって31歳から34歳です。家庭で言ったら今3歳の二人目の子どもが生まれた頃で、頑張らないとあかんなあという時期ではありましたね。ただ、「何をどう頑張ったらいいんやろうか」とか、仕事でも自分なりに力がついてきたという実感はあるんだけれども、本当に役に立ってるんだろうかとか、本当に十分に力がついてきているんだろうかとか、悩んでいました。後輩ができ部下ができる中で自分だけで課題にしててもいけない、それをどう伝えていくか。そういう役割が少しずつ増える中で悩みながらやってはいましたね。その状態が30代のこの時期として一般的にある姿なのかというのが自分ではわからなくて、誰かに何かを言ってほしかったんじゃないかな

―ふーん、誰かに何かを言ってほしかった。そういう言葉としておききするのは初めてですねえ。
 そこへ「承認」というのはどうはまるんですか。

林:誰かに何かを言ってほしい自分は確実にいたと思うんですね。「そのままでいいんだよ」とか、「そのまま頑張り続けたらいい結果がついてくると思うよ」とか、「3年前の君と比較してこんなことが出来るようになってるよね」とか、そういうフィードバックの言葉が欲しかったんだろうなと思いますね。
 思っていても回りはあんまり言ってくれない。そういう中で迷ったりモチベーションが下がったりして、「このままでいいのかなあ」という心境で仕事をしている時に、承認とは真逆の、私に対する叱責の言葉が飛び込んできました。言われたいのはこれと反対のことやと、欲していたことに気づいた。また僕としてはそれを周囲の人には言えているのかなと。そんなことを探し求めていたときに正田さんのセミナーでそれに出会いました。
 最初、これかもしれない。これが本当に僕の求めていたものだろうかと、確信はなかったんです。飛び込んでみて(セミナーに)行ってみて、最初のグループワークで「あ、これや」と思ったんです

―どんなことしましたっけ、グループワークって(笑)

林:強みのワークやったと思います。「強みは何か」「その強みを活かした場面は」という。その中で「あ、こういう風に言ってほしかったんだな〜」と。それは正田さんがファシリテートされている時に、「頑張られたんですね〜」という一言が骨身に沁みたといいますか。決してふだん一緒に仕事しているわけでもないですし、何をどう頑張ったかなんてみてないしご存知なわけでもない。けれども心を込めてそのときのことを話した時に「頑張られたんですね〜」と。じーんときましたね。それで承認に引き込まれていった(笑)

―えへへ、すごい詐欺的商法の始まりや(笑)

林:いえいえ。本当にそうなんですよ。あの一言がなかったら、多分続けれてないと思う。

―そうでしたか。大事ですね、セミナー中のとっさの一言。改めて学びになりました(笑)
 そうやって出会っていただいたけれども、私からみて林さんってそれまでお出会いした受講生さんの中で一番若い部類の方で、職場でもまだ「上司」という役割が定まったお立場でもなかったし、上にはまだわさわさ人がいてるし、大丈夫かな、とはらはらしてみていました。どんなことでもいいからご支援できることがあったらしたい、という感じだったんです。けど、いやいやそれはこちらの話で、林さんは本当にたくましくやり続けはって。そのあたりのことは意識されました?「僕は史上最年少でこういうことやってる人なんだ」みたいな。

林:それはあまり意識したことがなかったですね。最近「承認王子」でしたっけ(笑)正田さんがおっしゃられるようになってから、「あ、若手の部類なんや」ってちょっと自覚しました(笑)最年少で難しいことに、価値あることに取り組もうとしているという自覚はなかったです。
 自分が体験して良かったよ、という、実感があっての「良かった」をしっかり伝えてあげられるものとして、承認というのは僕の中では宝物であり、広めたいというか。嬉しかったし頑張ろうと思ったし。みんな頑張ってる、一生懸命やっているので、是非そういう気持ちを味わいながら人生を過ごしてほしい。そうなるように働きかけることができたらいいかなと。


■「信頼」は「こちらの言うことを聴いてもらっている」ことでわかる


―初めて3時間セミナーで受講された次の年(2011年)の5月、2日間セミナーも受講してくださって。ますます「がしっ」と学んでいただいたしおやりになっていただいたけれど、周りの人から返ってくるものってその時期はどうだったんですか。施設の中で1人でおやりになってて、林さんの側から「与えるばっかり」という感じはなかったですか。

林:そうですね、僕に対して承認が返ってくるという反応は、今でもそんなに多いとは思わないです。ただ、ネガティブなフィードバックは、格段に減っていると思います。

―ほう、ネガティブなフィードバックとは、例えば?

林:例えば愚痴とか不信や不満や不信頼っていうものですね。、陰口はきこえないのでわからないですけれども(笑)自分で言うのも変なんですけれども信頼はしてもらっていると思います。若手、中堅、同じような職員同士、上司…。「不信」から「信頼してくれている」に変わった、という気はします。人間関係としては、すごく充実している。心地いい人間関係で仕事はさせていただいてるんじゃないかと。

―素晴らしいです。ちなみに「信頼してもらっている」と感じるのはどんな瞬間ですか?

林:何か話をする、私から何かを伝える、メッセージを出す、という時に、やっぱり聴いてくれている。「よしわかった」と了解をしてくれている、という感覚があるんです。あとはやっぱり笑顔が返ってくる、ということですね。難しい顔して、暗い顔して自分の周りの人間関係がすすんでいく感じはしない。にこにこしてくれている。というのは実感としてありますね。

―それは嬉しいですね。
 2011年の4月からは「承認大賞」(大賞事例「わからないことを訊いてくれたね」)にも登場されたA君も入ったんですよね。て、今日はA君お休みなんですね。残念。

林:彼なんかは生で、ライブで反応が返ってくるという感じです。素直な奴ですしものすごく感性も高いし、今風の子です。

―チャラい?

林:チャラくはないけど、まあ眉毛は整えて(笑)素直で純粋な奴で、こちらの出したメッセージに素直に返ってくるんですよね。出したボール、投げたボールがちゃう(違う)ときには、彼に届いてないてないなという反応が返ってきますし、届いたら届いたという反応で返ってきます。

―それは最初から?それとも施設で林さんと仕事をするようになってそういう感じになったの?

林:もともとそういうところは持っていたと思うんですけれども、徐々に返ってくる感じが、感度がいいというか―、彼の反応に僕が鍛えられているという感じです。

―ほう。

林:「あ、こうじゃなかったのね今のは」とか、「あ、こういう感じの方が良かったんかな」とか。料理を作って出して、反応をみて「あ、この味つけで良かったんや」とか、「これは自分のオリジナルにしよう」とか「定番メニューにしよう」とか、そういうのを彼が見つけさせてくれてる。僕が何か刺激を与えているというより、彼から刺激をもらっていますね。

―やっぱりすごくい興味あります。いちど見ないと気が済まないです。3年間、承認でお互い鍛えあった同士ってどんなんやろ(笑)

林:大した話はしてないですよ。弟っぽいというか。


■夢は全員が承認ベースのコミュニケーション


―A君の話はそれくらいにして、次の話題ですが、私がこちらの施設でお話(2時間の承認セミナー)をさせていただいたのは2012年の夏でしたよね。そのあたりのお話も伺いましょうか。あのとき法人全体で20数名の役付きの方が集まってくださって、宿題は9名の方が提出してくださいましたけれど、結局あのあと承認は施設の中で広まったんですか。

林:承認という言葉はメジャーなものになっていると思います。

―例えばそのへんの職員さんをつかまえて「承認て知ってる?」ってきいたら、「知ってる」と答える?

林:主任クラスというか、管理職とまで言わないですけどいわゆる役職付きのスタッフは、承認という言葉は定着していると思います。

―あのあとも林さんから何か(承認の定着のために)手を打たれたりしました?

林:施設内研修で「OJTトレーナー研修」というのをやっています。それは2年目以降のスタッフが、新人が入ったときの指導法について勉強しようという趣旨でやっていまして、3か月から半年間で回数としては3回。その中に承認を1コマ入れさせていただいています。基礎コースで習ったような、体験を入れつつ、ネタを貸していただいて、「承認の種類」やそのバックにある理論を教え、体験しながらやってみようと。
 やっぱりワークをしたりするとほわっと雰囲気が良くなるんですよね。こういうことを若い子にしていこう、とか気づいてくれるようです。そんな取り組みですそ野を広げていけたら嬉しいんですねが。
 理想と言うか夢は全員が承認ベースのコミュニケーション。それによって施設がより活性化すればいいなーと思います。

―全員が。そうなったらどんな状態になっているんでしょう。

林:うーん、ひとつは業界的に離職率が高い職場ではあるのですが、離職率は絶対下がると思います。

―今は施設としては離職率はどうですか。

林:パーセントは部門が違うので出せてないですけれども、月に1人ずつぐらいはスタッフの出入りがあります。業界全体よりはうちの定着率は高い方だと思いますが、より定着率(向上)につながらへんかなと。本当に人員はこの業界非常にきついので、業界の悩みのところに活路になるんちゃうかというのは思います。

―うーん、なってほしいですねえ。是非、施設としての離職率低下のエビデンスを出して発信していただきたいです。

林:それから、あってはならないことですけれど高齢者虐待というのもこの業界は言われています。こちらとしてはそういうつもりがない言動であっても相手によってはそうとられてしまう場合もありますがあったり。もちろん手を出してしまったりすればそれは許されることではないんですけれども。
 その虐待などになんでつながっちゃうんやろ?という要因を考えると、職場の人間関係などに原因があるんじゃないかな。職場の人間関係をより良いものにするためには「承認」は欠かせないと思います。

―そうですねえ。虐待、無くなってほしいですね。

林:承認は利用者さんの暮らしの充実の方にもつながっていくと思います。
 嬉しいのはわれわれの施設をご利用されるご家族の方が、「ここの施設に来るようになってから私も心が軽いんよ」と言ってくれるんですよ。ちょうどきのうあった話ですけど。
「家では娘にしゃべれんようなことでも、ここやったらついぽろっと話しちゃうのよねー。こんなこと誰にも話したことなかったのに」
と。いうフィードバックをくれたりするんです。
 介護で色々悩んだり苦しんだりされてる方々を支援するのがこういった施設の役割なので、「承認」が施設にもっともっと広がると、もっと地域の役に立ったり、社会の役に立つ、そういう施設になっていけるんじゃないでしょうか。
 介護の仕方が上手だとか、おむつの換え方が上手だとか、もちろんそういうのも大事なんですけれども、施設としてのあり方とかハートの部分が鍛えられたら嬉しいな、と。

―ハートの部分が鍛えられたら。いい言葉ですね。

林:そうなりたいですね。


■朝来て「ほめポイント」を探す


―日頃は1日どんなふうにお仕事してはるんですか。

林:普段の仕事ということですか。そうですね、9時からの勤務なんですけど8時半ぐらいには出社しています。30分前ぐらいに出社して、前日からの記録とか、全体の動きなどを確認します。(エライ!)その中で「ほめポイント」を探すんですね。

―ほう〜。

林:事務所のところに「今月のお誕生日」を貼りだしてあるんですけど、「今日はだれ」とか、体調が悪くて休んだ職員の情報も入るので、今日ぐらい出社かな、とか、来たら「大丈夫やった?」と声かけとか、承認のシミュレーションをしてますかね(笑)
 あと部下が書いた記録を読んでて「ここ頑張ったよな〜」とか、「ここ上手い事いけたね〜」とかのフィードバックを言ってあげる材料を探す。どういう仕事をしてたかの場面を目撃しているわけではないので、記録で上がってきたときに「こういう場面だったの?」とききながら、「ここでこうやったのが良かったね」とか、「この言葉を引き出せたのは腕が上がったね」とか、「承認」の材料を探してますね。

―なんか達人の域に行ってるわぁ。

林:9時に就業始まるともう電話もバンバン鳴りますし、次々問題は起きますのでね、それを日々こなす、回していく、という状態ですね。利用者さんのご家族との面談、相談をするときには「傾聴面接」が中心で、プラス専門の説明をしながら介護課題というのをやっていく。
 ご家族さんも頑張ってはるんです、施設に預けてはっても。頑張りを見つける、そういう視点がすごく「承認」で身に着いた感じはします。


―ご家族からしたら嬉しいやろうと思いますね。でも承認したせいでお話が長引いちゃったりはしません?

林:します(笑)でもそれがしたいので(笑)


■強みをみていくと問題解決につながる


―この間お電話したときはご訪問も行かれてたけど相談室のお仕事にご訪問もあるんですか。

林:はい、家庭を訪問もありますし病院の方にも訪問がありますし。

―「林さん来て来て」って言われるんじゃないですか?

林:「一緒にしましょう」っていうスタンスで言ってくださる方は増えたと思います。
 以前に教わったことですけど「強み」が(介護現場での)問題行動につながっちゃうような面がある、と。そうやなあ、ということをよく感じるんで、問題が起きたときに、この人のどんな強みが問題にさしてしまったんやろなあ、とか、ややこしいなあと「欠点」で取っていた部分が、ちょっと反対からみてみようかな、などと考えると、解決の方にぐーっと進んでいったりするので、強みを見ていくというのもまさに「承認」な感じがしてますね。

―なるほど、「強み」でみていると解決に向けて進む。
 それに関して、少しお話してしまってもいいですか。最近、「強み」ともう1つ、ニーズという視点も必要だと、強みコンサルタントの森川さんに言われて、ちょっとニーズの勉強もしたんです。ニーズはコーチとして駆け出しの頃に少し勉強したけれどそのあと投げてたんです。多分マレーの「欲求―圧力理論」というのから来ているらしいんです。これは20世紀はじめぐらいの理論なんですが、でもそのあとの心理学のベースにずっとなって、引き継がれていったようです。
 その理論で色んな欲求―肉体的欲求からちょっと高次の精神的欲求まであるのを勉強しまして、これはこれで面白い、「強み」にないちょっと新しい視点だなと思いました。
 ただね、「欲求」という視点でみていると、やっぱり「強み」みたいに、善意でみてあげれないんです。善意というか好意的に、というか。なんかこう「問題視点」でみるようになってしまうので、それってやっぱり相手とは衝突してしまう。「問題視点」でみて相手を変えるなんてできないですよね。だから現実的にものごとをいい方向に行かせるというのはやっぱり「強み」の視点がいいのかな、という感じがしました。 

林:マレーの「欲求―圧力理論」ですか。ちょっとみてみます。

―まとまった1冊の本にはなっていないんですけど、『TATかかわり分析』という日本の心理学者の書いた本の中に割と詳しく載っています。すみません余談でした。
 最近で「強み」に関して何かエピソードはとかありますか?

林:3年目のA君以外に今、3人部下を抱えていまして、「承認大賞」の事例には挙っていない2年目の子がいます。A君に比べて差をつけているわけではないんですけど、「承認」の量・質としてA君より多分少ないんです。そもそも持っているベースの能力も、もちろん個人差はあるとは思うんですけど、伸びしろということでいうとやはりA君が伸び率が高いです。1年の差だけではなく。
 そんなときファシリテーションの本を読みまして、事務所のミーティングに活用しようと取り組み始めました。そこで自分のモチベーションの変動をシートに書いて発表しあおう、お互いを知り合おうというワークをしたときに、その2年目の彼は学生時代にすごく自分のモチベーションが下がった出来事があったようで、その辺から自分の欠点を意識するようになったようです。「ダメだ」とは言わないですけど、反省をよくするんですよね。いっぱい上手くいったことがあるのに、「上手くいきませんでした」という報告ばかりしてくるんですよ。
 で、ストレングスファインダーを紹介して、「興味ある?」って。「僕もやったよ」「やってみる?」「無理にはしなくていいけど、やってみたいならどうぞ」とか(笑)

―わっるい(笑)

林:彼に今まで何冊も本を紹介したんですよ。「この本良かったよ」「この本ですっごい視点が変わってさ」って、でも今まで読んできたことがなかって。ところがその彼が自分で買って読んできましてね。「テストしました!」って。

―ほ〜、偉いですね。

林:3日後ですよ。その日にアマゾンで注文して翌々日に届いて家でテストやってきて、その晩残業してたら、照れ臭そうに「林さん、テストしてきました」と。「え、どうだった」「いや、オレがお前から感じている強み言うよ。それと一致しているかどうかも自己覚知になると思うからやってみようか」と。そしたら5つのうち3つが重なっていて。
 それからその彼が、よう話してくれるんですよ。量が増えたし、ほかの人としゃべってる距離が遠かったんですが、すごい身近な距離感で話せるようになっていて。何が変わったかわからないんですけど、自分の強みを自覚することによって、行動が変わってきた。

―へ〜〜。何が変わったんでしょう、彼の中で。

林:問題解決っていう強みが彼の中にあったんです。「回復志向」が強かったみたいで。

―あ、それは「ダメだ」って言うかもしれないですね(笑)。

林:でもそれが強みなんだって思えたみたいで、それまでは「問題がうまく解決できないオレはダメだ」と思っちゃうみたいなんですよ。

―(笑)ほうほう。

林:そんなに簡単に問題って解決しないし、解決に取り組むエネルギーは高いんやと思うんです。そういう強みを持っていない人は「まあまあ、ええやん」でいってしまうけれど彼はそれが気になってしまう。でみんなと波長が合わなくて苦しんじゃうっていうところがあったみたいで。「僕はここが問題やと思う」というのを言えるようになってきた。ほんとに何日間かの変化ですけど。「あ、そういうとこを問題やと思ってんねんね」と周りも言ってくれたりとか。ちょっとずつそういうのが自信に変わってきているといいますか。

―それは凄いです、そうかそうか。「これは強みだ」と自覚するまでは、ただのネガティブ君、みたいに見えてた。は〜。すごい(拍手)

林:慎重もあるんです。

―あ、回復志向と慎重があったらやっぱりネガティブ君(笑)的な(笑)。

林:問題解決したいのに行動が慎重やから(笑)自分の中に逆があるというか。

―それは自縄自縛になるでしょうね。本来回復志向の人ってすごいエネルギーが高いんですよね。問題をみたらパッとそこへ行って解決したい、というみたいなベクトルがあるんだけどそれを止める慎重さもある、としたら。アクセルとブレーキ両方持ってる、っていう。

林:「これ直しといて」って指示出しちゃうと、「いつやんの?」「今でしょ」みたいな。で「今やります」みたいな、ぱぱっと直して、仕上がって。そういう回復志向の使い方があるんだな、と僕も気づきがありましたって。

―それは面白いですね〜。いや〜凄い勉強になります。さすがですね、林さんの探究心。

林:たまたま上手くいった感じです(笑)

―最初「伸びしろが少ないかも」っておききしたときに、「そっか、やっぱり人によってキャパが違うのは仕方ないのかな」と一瞬思ってしまったんですけど、伸びるスイッチを見つけてあげたら変わるんですね〜。林さんすごい。

林:基本ええ奴なんでね。輝いてほしい、と言ったらあれですけど。キラキラ仕事してて欲しいんですよね。

―もう、そういう(キラキラした)感じにみえます?

林:本当に明るいです。

―え、その彼が「強み本」を読んだのはいつ頃のこと?

林:1週間ほど前のことです。もうほんと獲れたてピチピチの新鮮な話です。うちの4人の部下みんなにストレングスファインダー紹介してるんですけど、よ。読んだのそいつだけなんです。結局チャンスがあって使う使わんも相手次第なところがありますけど、きっかけはできるだけ沢山投げ続けたいかな、って。

―林さんは確か2回目にストレングスファインダーをやったら個別化も上がったけど回復志向も上がってきたんじゃなかった?

林:上がりました。はい、びっくりしました。仕事柄、影響を受けてるんだと自分なりには思っています。

―林さんのエピソードにも「問題解決した」というエピソード、多いですよね。以前うかがった、クレーム主の方に「承認」を使って問題解決した、というような。お見事!っていう感じ。

林:たまたまです(笑)

―いいお話きかせていただきました。


―前編ここまで―

後編「叱る課題。上司もつらかったんやなあと」につづく


100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

 何度か書いている話題ですが、2006年ごろに担当したある男性生産部長さんの「女性リーダーづくり」のお話をご紹介しようと思います。


 もう時効だから多少詳しく書けるかな。いやその分忘れちゃってるかもしれませんけど。

 
 島根のほうのプラスチックの小さな部品をつくる工場で、もちろん今どきの多品種小ロット生産で細かい納期に追われ苦しんでいました。作業者はほとんど女性でした。
 部長さんは、人柄のいい方でしたが何かの理由で(社長にいじめられた?でも私に彼を紹介してくれたのは社長さんだったんですが)コーチング開始時にはすごく落ち込んではりました。話していて、やや言葉が曖昧で抽象的で、聴き直し(チャンクダウン)の場面がいっぱいありました。


 ただ初回のたっぷりの「承認」が効いたのか第2週には既にだいぶ元気になられていて、話しぶりも具体的になられていて、さらに「私も『承認』ができるようになりたい」と言われました。

 そこで、遠隔地の方だったので「承認の種類」のシートをメールでお送りすると、次週には
「正田さんあれ役に立ってますよ!机のガラスの下に入れて毎日見て気合いを入れて部下を承認してますよ!」
と言われたので私がそれをセミナー等で吹聴するようになった―、というおおもとのエピソードがこのかたです。

 このかたは当初いくつかの目標を掲げられていましたが、そのうちの1つが
「現場に女性リーダーを1人作りたい。しかし実現できるかどうかわからない」
でした。
 ところが。第3週には、早くも「この人をリーダーにしようという女性が見つかった」といいます。当初は「みんなどんぐりの背比べ。適任者がいないからどうしようか」と言ってたのに。

 なんでも、会議である40代の女性作業者が発言するのをきいていたらそれがひときわ責任感のある発言だった。そして考えてみたら、その人は以前にも会議でそういう種類の発言をしていた、というのでした。

 なんのことはない、元々責任感のある人でそういう振る舞いをしていたのが、「承認」をする前は見えておらず、「承認」をするようになると急速に見えるようになったのでした。

 このあたりは以前にもご紹介したポジティブ心理学でいう「ポジティビティは差別を減らす―異人種の顔の見分けがつくようになる」ということに通じるかもしれません。


 そうして、これと見極めをつけた人に「リーダーになってほしい」と口説く段階に。しかし女性は男性と違い、金銭欲や権勢欲が強くないせいかすすんでリーダーになりたいとは言いません。私はそこで、また「承認」の入れ知恵を部長さんにしました。「行動承認」を使って、「あなたはあの日あの時〇〇(プラスの行動)をしましたね」を言いまくってあげよう、だからあなたこそリーダーにふさわしい、なってほしい、という口説き文句です。

 部長さんは、女性と面談しそれを実行されたそうです。で、「私が全力でお守りします」なんて皇太子みたいなことゆうたかどうかまでは知りませんが、首尾よく第4週にはその人にリーダーになってもらいました。3か月で達成するかどうか、とか言ってたのに、早かったですね。


 リーダーになってもらいましたが、まだその先に波乱があります。詳しいことは忘れちゃいましたが40代の彼女がリーダーになった時、どうしてもガタガタ言う人が60近い女性パートさんにはいるのでした。そのあたり私は最近もあるところで言いましたが「女の敵は女」、どうでもいい些末なことを言う人がいるものです。でも適任の人にその部署でリーダーになってもらうのは品質問題につながる喫緊の課題であり、ガタガタ言う人が全員辞めてくれるのを待つわけにもいきません。


 でまた入れ知恵をしまして、要はまた「承認」でありました。新リーダーの彼女はその場その場でこういう振る舞いをしてきた人でありリーダーに最もふさわしい。ベテランの皆様のこれまでの貢献もありがたく思ってるがどうか若輩者の彼女を盛り立ててやってほしい。てなことを部長さんはミーティングで言ったわけであります。どのぐらい紛糾したかしなかったかわかりませんが、結局ベテラン女性たちも納得して、その後は彼女の援護にまわるようになったそうです。

 というような、やっぱりどこでも「女の敵は女(と、めめしい男)」の現象はありますから、これと見込んだ女性について「全力でお守りします」の姿勢は必要です。そのあたり今年夏ごろの「日経ビジネス」の記事には「もう女性特有の配慮は要らない」なんて書いてありましたけど、とんでもない今でも要りますって。記者さんという人種は最先進事例ばっかり見て目がおかしくなっているので、底流の昔と全然変わってないところは見えてないんです。

(あ、「女性同士は攻撃性が高い」という現象については、マウスかラットで姉妹だけを一緒にしたところ攻撃行動が増えたという実験がありますから、ほとんど生理的なものと言えると思います。時代が変わってもそういうのは変わらない可能性があります。要は注意ぶかく見て、「これは本筋の議論ではない」と判断したら「切って」しまうことです)


 ・・・と、「承認三題噺」のようなものでやっと女性リーダーを1人つくりましためでたしめでたし。こういうのはもう7年も前の話ですが、今でもどこでも同じ、原型のような話ではないかと思います。逆に「承認」という武器をもってなかったら女性リーダーどうやってつくるんだろ、工夫のないトップダウンでつくるんだろか、それとも根性のない男性リーダーで現場を我慢させるんだろうか、みたいな話です。
 今日は特にオチなしです。


 ※追記 なお、なんでこのかたに関してこのエピソードだけ良くおぼえてるんだろう、と資料を見直してみましたが、ほかの目標はこのかた自身の決断ひとつでサクサクできることだったので、セッション毎に「正田さんあれやりました」とご報告だけいただいて終わり、ほとんど話題として取り上げることもなく3か月はおろか1か月かそこらで達成してしまったのでした。一番手のかかる目標が「人」がらみのことであり、それはセッションで話し合った結果私が入れ知恵することになったのでした。しかしまた品質とかその他の目標がそれに付随してついてきたりするのでした。ああ問題解決が速いコーチは儲からない。でも「1位マネジャーをつくる」実績はこういうことの集積なんです。正田ほらふいてるわけじゃないんですよ。


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 そういえば、この記事に「いいね!」してくれた人がいいねを取り消しちゃうかもしれないことを、付け加えます。

 いくつか前の記事で「特定秘密保護法案」に関してちょろっと書いたことが誤解されたかもしれないんだけど、私の趣旨はですね、えーと、、、

 あれ国防上必要だから急いでるんちゃうの?こういうこと言う私って甘いの?

ってことです。またその程度の当たり前のことが言いにくいヒステリックな世の中がイヤなんです。

 消費税も上げなしゃあないんだから上げればいいの。あたし貧乏人だから困る側だけど。日本人は政府のこと疑いすぎです。そりゃことの種類によっては疑うことも必要ですけどね。


 会員さんがたすみません。もしあたしが間違ってたら合宿で土下座してあやまります。


100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp 

 

 9日、姫路で「問題社員への対応・メンタルヘルス対応に関する最近の動向と留意点」と題するセミナーに行きました。姫路経営者協会主催。


 講師からは68pに及ぶ大量の判例を載せた資料の提供があり、主に問題社員に対する普通解雇の可否や紛争に備えた就業規則の作り方に重点が置かれました。


 このあたりわが国は雇用の流動性がないと言われ、問題行動や業務能力の低さを理由にした普通解雇がしにくいと言われてきましたが、近年は普通解雇の適用範囲を広げる方向に法曹界の関心が集まっているよう。


 一言ではくくれない話なので詳細は資料参照、と申し上げるほかはありません。

 日頃「心理・コミュニケーションアプローチ」を推奨する当協会もマネジャー保護の観点から最後の盾としての法的アプローチの重要性も認識しております。ああこういう話題になると漢字が多くなるなあ。だれを保護するのかが一般社会とわが社はちがうの。もちろん法的アプローチを頭に入れたうえで極力心理・コミュニケーションアプローチをとってほしいのは言うまでもありません。

 1つ前の記事で「ネット・スマホ依存の場合の普通解雇」についてのやりとりは、このセミナーの質疑の時間のものです。弁護士の講師の先生は「特にそれに関した判例はない」としたうえで、外形的な問題行動によっては普通解雇の事由となるので適用すればいいのでは、という考えを示されたのでした。


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 「女子会」と銘打ちましたが実際には女性の友達と2人でのお食事。

 多数でお食事会などすると絶対に自分の話をしないタイプの人であります。1対1でお話しすると初めてプライベートも含め色んな話ができました。

 このブログに関して大変身に余るおほめの言葉もいただきましたが・・・
 そんなの書くとナルシみたいかな。でもまあ書いちゃえ、ほかに誰も言ってくれないんだから。

 いただいたおほめの言葉とそれに対する不肖わたしのお返事とは次のようなものです:

●本読むの速いですね
 ―ひと月に1冊は「これ絶対要おさえ」という本があります。そういうのに関しては速いです。あとは積ん読も多いです。月に30冊くらいは読んでると思います(でも世間にはもっと沢山読んでる人がいます)

●文献に対する評価・解釈が的確ですね
 ―えっ、「わからないヤツはみんな死ね」みたいなののことですか?(笑)
 ―あとになって思い出すと昔「アルフィー・コーン論争」みたいなのもあったな〜(2011年暮れ)。そういうのまでさかのぼって言ってくださったんでしょうか。あのとき持ち上げてた評論家氏はどこへ行ったんだろ。あれで頭に血が上ったせいで「100年後に誇れる人材育成をしよう」みたいなこと言い出したんだわ

●表現がわかりやすくて正確ですね
 ―自分ではよくわからないんですけど、皆さん普通に生きてて微妙な違和感ってあるじゃないですか。でもそれを言葉にできないでいる。私ひまだから、じゃあ私が言葉にしようかって。

●あくまで自分の考えとして、押しつけがましくなく意見を書いてあるから入りやすい
 ―それも自分ではできているかどうか、よくわからないです。多分それを目指していると思いますが果たしてできているか。押しつけがましくなってるんじゃないかと時々思います

以上です。

 すみません、これ以上ほめていただくと天狗になりそうです。
 
 この彼女は若い頃占い師の人に「あなたは絶対媚びないでしょう」といわれたそうで、私からみても「おじさまから女の子キャラを期待されてもやってこなかったタイプの人」にみえるのでした。
 媚びないまま正攻法で努力し、周囲にも恵まれ、今は管理職かつ家庭人として周囲に清らかな磁場をつくっている人でした。

 有名評論家とか大学の先生に評価されるよりも、こういう人に評価されるのは幸せなことですね。


****

 会員の柏原直樹さんの部下の女性が今月2日、中央区の葺合署の「一日署長」になりました。

 ナイスガイ柏原さんが交通安全責任者などで県警の講習に行き、ボランティアなどもしていたご縁で社員さんにお声がかかったというもの。
 よくTVニュースなどにも「一日署長」って出ますが、普通はタカラジェンヌとかタレント、有名スポーツ選手がなるもので、普通の(有名企業ではありますが)会社員女性がなるのは珍しい。

 で、柏原さんの会社では社内報の取材などで大騒ぎだったよう。

 今のところ、こちらの葺合署のページ
 
 http://www.police.pref.hyogo.jp/ps/03fukiai/index.htm


 に、一日署長のもようが載っています。ただ柏原さんの部下は「岸田千佳さん」とのみ紹介され、会社名が入ってないのでちょっとがっかりしている柏原さんでありました。

 
****

 
 表題の歌は、別れの歌なのかというと・・・?いやいやどうなんでしょ。




100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp

お世話になっている皆様


 おはようございます。
 企業内コーチ育成協会の正田です。


 「特定秘密保護法案」で揺れた先週でした。
 個人的には非常にコメントしづらい事象でございます。
 様々な立場の人が、「書面に残すとまずい」というバイアスのかかった動機で発言しているようで。
 皆様、いかがお感じになりましたか。



※このメールは、NPO法人企業内コーチ育成協会のスタッフ及び代表理事・正田が、過去にお名刺を交換させていただいた方・当協会のイベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。ご不要の方は、メール末尾にありますURLより解除いただくか、このメールに直接「不要」とご返信ください。



 本日の話題は:



■スマホ世代VS労働(2)根本的な解とは。。


■ネルソン・マンデラ氏死去に思う



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■スマホ世代VS労働(2)根本的な解とは。。


 前号のメールニュースで取り上げた「若者のスマホ・ネット依存」については、個人的に思い出すことがあります。

 2007年のこと、ある企業様の採用面接のお手伝いをしていた時、1人の若い男性が面接にやってきました。

 製造現場の派遣社員として数か所の職場を転々としてきた経歴。最後の職場での契約を打ち切ってから数週間になり、このところあちこちの採用面接を受けているよう。話していると、目をショボショボさせ、身体に力の入っていないような姿勢で座っています。

 思い切って、

「眠そう…に見えますが?今、眠くないですか?」

と声をかけると、きっとなって

「いや、眠くなんかありません」

と答えます。

 しかし、そのあと簡単な筆記試験をすると、答案用紙を前にこっくり、こっくり、し始めるのです。


 採用はもう1人の、てきぱきと反応し笑顔も魅力的だった中国人女子留学生に決まりました。

 まだ「ネット依存」「ネトゲ廃人」という言葉もなかった時期のこと。あとで考えると、「あの人はオンラインゲームで毎晩徹夜するような生活だったんじゃないだろうか?」と思います。もちろん証拠はありません。


 このところぼつぼつおききする、原因不明で無断遅刻欠勤の続く若い子の話などにも、ついアンテナが立ってしまう私です。一般にそうした子は「ネット浸りになっている」ことなど認めたがらず、「大丈夫です、できます」「徹夜でも頑張れます」と答えるようです。ですので、原因はこれだ、とはっきり特定することも難しいのですが…。


 企業法務に詳しい弁護士の先生のお話によれば、

「原因がネットであれ何であれ、無断遅刻欠勤やミスの多い仕事ぶりであれば、原因と関係なく普通解雇の事由になる」

とのことでした。


 一方、NHK教育の「エデュカチオ」という番組(11月30日)でも尾木ママと東山紀之の対談で「10代のネット・スマホ依存」を取り上げました。

 ちょっとしたいじめなど現実世界の人間関係の挫折がもとでネットにはまり込んでしまう若者たち。現実世界には乗りこえられない壁があるが、ネットはそうではなく、居心地がいい。


 解決策は「子どもたちのリアルを充実させること」でありました。

 「大人はもっと子どもをほめなきゃいけない」

 ヒガシ君のコメントに、尾木ママは慎重に「認めることが大事ですね」と言い直していたのが印象的でした…。



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■ネルソン・マンデラ氏死去に思う


 
 去る5日夜、反アパルトヘイトの闘士、南アのネルソン・マンデラ元大統領が95歳で亡くなりました。


 このメールニュースでは過去何度か、マンデラ氏を主人公とする映画「インビクタス〜負けざる者たち」(クリント・イーストウッド監督、2009年)を推奨しております。皆様、もうご覧になりましたか。

 当協会の会員様であればにやりとするであろう場面が満載、全体としては美しく崇高なリーダーシップの映画です。

 この映画の中の一場面で、マンデラ氏が27年間の投獄生活のうち18年を過ごしたロベン島の牢獄が出てきます。マンデラ氏の独房は一辺が1M少々、身長183cmのマンデラ氏が足を伸ばして寝ることのできないところでした。

 わが国では、反差別の闘士が「マディバ(父)」とまで呼ばれ慕われるということはありません。しかしあまり話題にならないだけで、日常生活の中に厳然として差別はあります。遅々として進まず、国際機関からも繰り返し警告される男女共同参画はもちろんのこと、つい最近国会で承認された(これもあまり話題にならない)障害者権利条約批准もあります。


 当協会では現役マネジャーの受講生様方に「差別はダメ」と教え、これまでのところとりわけ女性活用が功を奏し大きな業績向上にもつながっていますが、それがエクストリーム(極端)でない世の中になることを願っています。長い間、「反差別=左翼」というようなレッテル貼りがあり、わが国の意識は世界の周回遅れになってきました。



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 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51873335.html

3.ALL I WANT FOR CHRISTMAS IS YOU...

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51876831.html

4.人間ができてない私の苦手な強みとは? 「承認王子」健在

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51876612.html

5.恥ずかし。。50歳になりました 皆様に感謝。

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51876475.html


こちらもお勧め:「リーダーの切断力」とは?

 
「リーダーの自己鍛錬とは教育者を目指すこと」―伊丹敬之氏講演

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51792856.html



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 6日、西脇の「エルソル広告相談所」さん主催・「ホームページのお作法セミナー」に行きました。

 エステサロン等小さなお店向けにホームページからの集客の「コツ」を教えていただくセミナー。正田は研修機関なのでやや畑違いですが地域密着の仕事をしているつながりで、学びにでかけました。

 先生は、(有)リウム代表取締役・穂口大悟さん。
 この先生、おススメです。

 大言壮語せず断言せず、でも「今のトレンドとしてはこう。こういうことを言うコンサルの先生は多い。でも実際にはこうですよ」という流れで教えてくださいます。この世界もやっぱり日進月歩ですね。

 で、正田にも沢山学びがあり・・・、

 さっそく、最近大幅更新したホームページですが、またリニューアルしよう、と思いました。

 
 ホームページだけからの集客はもとより諦めてしまっています。対人接触でないとうちみたいなカイシャは営業でけへんな、とも思っています。

(とはいえ対人接触にも色々あって限界を感じ「ひきこもりコーチ」になっていますが)

 
 ただ折角縁あってアクセスしてくださった方をがっかりさせるようなホームページでもいけませんしね。思いやりが感じられるものにしたいですね。

 
 正田はもらいもののリンゴと最近ボランティアで大量にもらった「竹チップ」を参加者さんにお配りしました。

 「竹チップ」土壌改良剤にいいようですが意外に知っている人がいて、トレンドみたいです。

 内橋麻衣子さん主宰のエルソル広告所さんはこの日をさいごにオフィスをお引越し。また新オフィスで面白いセミナーやってください。


****


 私は「個別化」という資質をもっていてこれは師匠の森川さんによると「カメレオンの資質」だそうです。相手の個性を見抜いてそれに対応でき、合わせて自分自身のことも変えてしまいます。だからこのブログでよく出る言葉「統合性」ともちょっと異なり、「八方美人体質」ともいえます。学生時代にもそれで悩んだことがあり、昔から多少その気があったようです。

 言い訳するとマネージャーになるには非常にいい資質なんだそうで、また「承認」とも関連が深いようで、「承認王子」の林さんも2度目のストレングスファインダーではこの「個別化」があがってきました。


 この「個別化」に関連して最近気がつくのは、相手によって自分の出す声のトーンが変わることです。

 もともとはアルトなので女性としては声は低いほうです。それが、相手をみて「この人、ドスの利いた声だと怖がりそうだな〜」と思うと割と甲高い声でしゃべっています。正田のことを「甲高い声の女性だ」と思っている人は、たぶん私からそうみられている人でしょう。
 相手がトップかミドルマネジャーか研修担当者か新聞記者か、でも声を使い分けていそうです。職位に対して、ではないですよ。あくまで相手のキャラクターに対して、です。それもなんだかな〜。


 私が比較的低い、本来の声でしゃべっていたら、それは相手を「認めている」ということなのかもしれないです。


 なお研修とか講演の「1対多」のときは「本当の自分」をやらないとどうしようもないので自分の音域の真ん中へんの声でしゃべっていると思いますが、それも多少聴衆全体の空気によって変えていると思います。
 ・・・ここまで書いて気がつきました、そうか、「商談」のときの声と研修講演のときの声が全然違うんだ、多分。

 

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今日の記事とタイトルの関連性はなんなんだろう。ちなみにマライア・キャリーはすきです。はい、ヒトカラ向けです。きらいなワーストは「銀恋」です。
 

 「承認の先生」をやっているけれどたぶんうちの会員さんの中でも一番人間ができていないのは私だと思う。

 告白してしまうと、ギャラップ社のストレングス・ファインダーにも「苦手な強み」というのがある。

 
 「調和性」が苦手だ、というと師匠の森川さんに「珍しい人ですね〜」と驚かれた。

 「なんで!?」

 「うん、性差別的な人が多いし予定調和すきで変化きらいだし研修やってても変な抵抗してくる人にそういう人多いし」

(注:ストレングスファインダーで「調和性」が出る人に必ずそういう行動がみられるわけではありません。ただ、「高い確率で出る」とは思います。気をつけていただければ、出ません)


 調和性がなんで性差別と結びつきやすいのかというと、とくに男性の場合、「同性同士でつるむのが好き、同性の価値観の中で生きていたい」というのが強いので、女性をそこにまぜる、ということに抵抗があるのだ。また、既存の価値観がすきで変化がきらい、という傾向もそこに拍車をかける。

 もちろんけっして性差別に結びつきやすいのは調和性ばかりでもなくて、競争性がからむこともあるだろうし自我がからむこともあるだろうし、いくつか高い確率で結びつく資質がほかにもある。


 先日話した「経済部長」氏も、私がみたところこの「調和性」が一見して高そうな人だった。不決断、不作為もやりそうな人だった。

 ―なおGEのリーダートレーニングの中にもストレングスファインダーはちゃんと入っているそうです。これも10年以上検証されているツールだからね―

 そして「経済部長」氏は私に

「性差別なんて今、そんなにありませんよ。気のせいですよ」

と言ったのだ。ほうほう。あんたの不作為そのものが性差別だろうが。ぬくぬくした中にいるから気づかないだけだ。

「K新聞さんの中は確かに先進的でそうなのかもしれませんけどね、日本人の80%は中小企業にお勤めしてるんですよ。その中小企業の性差別って今でもすっごいんですよ。だから私も苦しむんですよ。あなたが知らないだけでしょ」

と私。


 よく考えたらこの「経済部長」氏は、去年の秋の兵庫労働局雇用機会均等室主催の私の講演も聴いていたはずだ。私はこのときの「働く『なでしこ』の活躍を妨げるもの」という題のスライドを事前に雇用均等室に送ったところ、担当者は「先生、まったくこの通りです。ぜひこの話、してください」と言ったのだ。じゃあおっさん、私が正しくないことを人前でしゃべる講師だとでも言うんか、言いがかりつける気か。


 私は受講生さん方に「差別はするな」と教えるし、受講生さん方は言われなくても、例えば製造業に厳然と残る、女性作業者に高い評価をつけない悪しき慣習も変えようとしたりしてくれている。そういうの、あんたら取材したことないんでしょ。


 だから「調和性」の人ってきらい。調和を貴ぶあまり、問題を「ない」ことにしてみようとしない、頬かむりする。ストレングスファインダーで調和性が出た人、よくよく気をつけてくださいね。セミナーの冒頭でよく強み診断の簡易版をするが、そこで調和性のとこに手を挙げた人も、正田はじろっとにらんでるかもしれない。中には自分でそうと思い込んでるだけの「仮性調和性」の人もいるから、そういう人だと救いがある。


 ちなみに私は以前、34の強み全部のランクが出るやつをやってみたら調和性は一番さいごのほうだった。きらいだと自分でどんどん下げるらしい。だから正田は競争性とかも高くないのに喧嘩っぱやい。正田が一見いい人そうにみえるのは親密性個別化などその他の「人」系資質のせいらしいです。「まあまあ」とか言って表面的におさめるより、徹底的にやりあって問題解決してしまうほうがすきです。

 はい、「少女」って言われると反発するけど、おとなではないことは確かですね。
 

****

 
 4日は、垂水区の佐野記念アットホームにお邪魔し、林義記さんに約2年ぶりにインタビューしました。そろそろ受講生さんも入れ替わっているので、協会サイトトップページの「受講生様インタビュー」もリニューアルしないといけません。
 林さんのことは最近私がかげで「介護職の承認王子」とよんでいます。34歳、もう承認歴3年になり、4人の部下をもつようになり、「叱る」ことも課題になり、色々と新しい話題がありました。


 こちらは録音起こし・校正のうえブログアップさせていただきます。どうぞお楽しみに!!


 31歳から34歳まで、ひとりの真摯な人の「成長」に、「承認」が装備品となってお役に立ったんだなあ、と正田はちょっと感無量です。
 


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 わがや兼事務所にPLUS PK-513Lという大型の裁断機があります。
 以前「自炊」(自宅での電子書籍化)に活躍したやつです。

 これが切れ味が急に悪くなったので替え刃を購入、自分で取り換えることになりました。

 Youtubeの動画で初心者の替刃交換が4分でできる、なんていうのがあるんですけど・・・

 正田は、1時間ぐらいかかりました。ドライバーやスパナを持ち出して汗だくになって。

 刃の交換を終わり、裁断機を組み立て直すときには、ばねの端の取り付け部分が1つねじ曲がり、また刃を吊り下げるばねが1か所取り付け直せなかったところがあり、3か所のばねで吊っていたものが2か所になりました。大丈夫カナー^o^

 それでも、その新しい刃のついた裁断機で紙をまとめて切ってみたら、ざくっ、とめちゃくちゃきれいな切り口で切れました。

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 フェイスブックでお誕生日恒例のおめでとうの嵐。某市の有名市長なんかも、膨大な数の友達の1人と思うけどメッセージくれてたのは、偉い。でも最初の年のころの感慨はないなー やっぱりリアルの友達でもなく、タイムライン上でもふだん全然コンタクトない人からのおめでとうメッセージはいただいてもなんか不自然。一応「ありがとうございます」は、お返ししますが。

 好きずきのもんだいですが、正田はここ1年は、日ごろコンタクトのある人にだけ「おめでとう」を言うようになっています。


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 今年の初夏、「第3回承認大賞」の募集開始をしたころ、某新聞社の社長さんにパーティーの席で会ったので、自分の仕事について話し、「兵庫経済の活性化のために大事なことなんです!」と大真面目にいいました。

 社長さんは、秘書をよんでそこの社の経済部長に話を通してくれました。

 ところが経済部長は・・・、これも悪夢のようにのらりくらりした人で、結局報道してくれませんでした。要するに、私が女だからこものだろう、と思っているのがみてとれました。


 3日、経済記者クラブの会合でその経済部長にまた会ったので、用意してきた黄色のカードを渡しました。

 カードは4つ折りになっていて、表に

「もしもあなたが、『報道の力で社会を幸せにしたい』と思われる方だったら・・・、
願いをこめてこのメッセージを送ります」

と書いてあり、中の方には「承認教育」によって優れたリーダーシップが育ち、業績向上が起こるとともにメンタルヘルスの問題も治ってしまうこと、統計や業績指標で高い結果が出ていることなどを記してあります。

 正田の仕事はやたらとテキスト量の多い仕事で一言では説明できないので、こういう形でその場の記者全員に配って回ったのでした。今日の戦績は16枚配れたようでした。

 ちなみに上の記事の中の裁断機の替刃交換は、このカードをつくるための作業だったのでした。正田ひまなんだな。


 経済部長氏は私をみて震え上がりました。どうやら、多少は良心の呵責を感じていたようです。夏以降、当協会では沢山の新たなエビデンスが出て、発信していましたから。

「こういうもの(当協会の教育)が兵庫県内にあるということを知って、記者なら燃えてほしいんですよ!かっかしてほしいんですよ!信念をもって報道してくださいよ。兵庫の経済を良くしたいっていう思いはおなじでしょう?ずれてないでしょう?今どれだけメンタル疾患の人が出てるか知らないんですか。メンタルは一度なったらすぐには復職できないし、社会全体にすごい重荷なんですよ。それを減らすだけでもすごい社会貢献になるんですよ」

と私。

 昔取った杵柄のせいか、どうしても記者さんに対しては厳しくなるところがあります。

「わかりました、必ず報道します、します」

と経済部長氏。まあ、つるし上げられたから苦しまぎれに言っただけで、本当かどうかわかりません。

 どこでも、担当クラスは大局観なんて持ってないんです。あと性差別主義者です。


 別のところでは、私の前職の会社の旧知の支局長氏に会ったので、愚痴りました。

「メディアさんって、『ほめる教育』がいいと思ったら一斉に報道して、無批判に報道するじゃないですか。あれでずいぶん弊害が出ているのは私たち知っていますし、『なんであんなの報道するんだ』って言っていますよ。
 言いたくないですけど私は前職の関係もあって、何をみても『これおかしいんちゃうか』『まずいんちゃうか』という目でみてしまうほうです。そういうことやって叩いて叩いて作ってきたのがうちの教育なんで、だからうちの受講生さんは高い成果を挙げはるんですけど」

「・・・なるほど。われわれもマネジメントの考え方を変えなきゃならんのでしょうなあ」

「皆さんがご自分の会社をどうされるかは私は関知しません。皆さんのお仕事は報道なんで、報道で何が正しいかを世間に周知してください」


 ・・・この人らも自分の本当の使命が何か、わかってない人たちだ。まあ、何事にも当事者意識はないからね。

 
 さあ、「黄色いカード」に反応する元気のいい記者さんはどれぐらいいるのかしらん。ひとりぐらいはいてほしいです。



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 Myコーチの森川里美さんと受講生様からお誕生日プレゼントをいただいてしまいました。



20131203誕プレ



 森川さんからは、段ボールにいっぱいたべものやら小物やらを詰め合わせたオリジナルプレゼント。

 「正田さんが喜んでくれる顔を思い浮かべながらいろいろ選んでみました。たのしんでいただけると何よりです」

 と、メッセージが。

 たべものは、森川さんの出身地北海道の特産にこだわって選んでくださったよう。

 そうか、先日正田が「食い意地は割とはっている。珍味とか人にとられるとくそっと思うほう」とか言ったからですね。

 強みコンサルタントでもある森川さんにサポートいただいているのはもう何年になるでしょうか・・・

 
****


 受講生様(先日の10周年のつどいに来てくださった神戸A子さんとSGさんの連名です)からは、フラワーアレンジメントを送っていただきました。

20131203お花

 

 こちらには、「NPO設立10周年・お誕生日おめでとうございます」とのメッセージ。

 こんなの初めてです。幸せ。ああ女の子っていいな^^(ちがうか)


 皆様、こんなダメな私のことを思っていてくださって、ありがとうございますm(_ _)m


 50になった節目の実感はまだありません。先日から「50だ50だ」と言い続けている割には。

 失ったもののことは考えず、今あるものの幸せをかみしめましょう。

 

 まただ。悪夢再来。

 
 私が「研修担当者」と最初のバトルを演じたのはちょうど10年前の2003年の今頃の季節である。

 ある会社のトップが私を自社の研修担当者に紹介してくれた。コーチングは、関西全体でもまだ「はしり」のころ。

 研修担当者は一応コーチングの名前は知っていたが、当時は面白おかしくしゃべる講師が全盛だったので、関西全体に「コーチング=面白おかしいもの、マネジメントの本筋ではないもの」とする見方が強かったと思う。

 
(当時人気者だった「コーチ」の人たちも一生懸命だったとは思うが、短期的な人気とひきかえにコーチングのイメージを損なったとのそしりは免れない。正田および当協会、その前身の団体はそのイメージを払拭することに腐心してきた。このブログを長く読まれている方はおわかりのとおり、「1位マネジャー」たちとその教育は面白おかしいエンタメ性のものではなく、ガチンコの骨太の性質のものである)


 そこへ、「うちの会員が社内1位をとり、部署全体が意気軒昂なんです!」などとぬかす女の「コーチ」が現れた。風采が上がらず、客室乗務員出身の女性講師のように洗練されてもいない。そのくせトップからの紹介で否応なくアポに応じざるを得なかった。

 話はのらりくらり二転三転した。生意気にもコーチングのイメージ、女性講師のイメージを1人で覆そうとする「女」相手だったから、話の迷走の裏には隠れた怒りがあっただろう。


 最後、担当者は怒りを爆発させ、私の渡した資料一式を私に投げ返した。そしてその会社の現場にとってもトップにとっても悲劇的な幕切れとなった。

 これが、私が「研修担当者は『会社のため』という軸では決して考えない。研修担当者は、現場の利益や聡明なトップの意向を反映する存在ではない」ということを学習した初めてのケースになった。

 ―余談だが、この時のやりとりで覚えているのは、担当者は「もし正田さんが自社の研修をするなら」と、自分の既知のべつの女性コーチと一緒にやるよう推薦してきたのだ。でもその女性は私からみて、男性の某面白おかしい有名コーチの金魚のフンをやっているお色気ムンムンの人で、かつその人と過去に一般向けのMLでご一緒していたことがあり、そのときの言動から「えー?あの人がコーチ?っていうか教育者??」という印象の人だったのだ。当然、私はその申し出に首をタテに振らなかった、露骨に断りはしなかったけれども。そういったもろもろが癇に障ったのだと思う。今はその女性講師の名で検索をかけても全くヒットしない、「消えた」のだと思う―


 「トップ」が窓口だったからわるいのかというと、この手の人々(研修担当者)はそもそも電話アポにも最初から応じない。また、トップではなく「現場」が窓口のときにも、つまり私の教え子の1位マネジャーたちからの紹介ですすめたときも、表面的には商談に応じるふりをしながらフタを開けたら別の研修機関を採用しているということが続いた。

 そんなときの「別の研修機関」の研修ぶりの話をきいて、私はなんどマネジャーたちと一緒に泣いたろうか。


 なんど、腹わた煮えくり返る思いをしたかわからない。恐らく「担当者」相手に私は1勝20敗ぐらいの戦績だと思う。たとえ1位マネジャーたちからの推薦があっても、である。

 その結果私はある結論に達した。

 この手の担当者たちは、会社や現場にとっての利益など眼中にないのだ。

 大事なのは自分の面子。それと自分がつくった目標管理制度で、いかにうまく目標を達成したように見栄えをよくするか。(それの延長線上に「社内講師」もあるのだ)

 そのためには、「女の講師がマネジャーたちを教える」などという危ない橋を渡るべきではないのだ。自分がどんな後ろ指さされるかわからない。

 また、彼らは現場に対する想像力がまったく働かない。驚くばかりだ。彼らは与えられたトイザラスのカタログの中からもっとも無難そうなものをチョイスするのであり、大手のカラー刷りの美しいカタログに載ってない零細研修機関が従来の常識を覆すような業績向上効果をもたらすなんていう荒唐無稽な話は信じない。たとえそれが自社で現実に起こったことだとしても。彼らはファンタジーの世界の住人なのだ。

 「女の講師」は、厚苦しい化粧して香水ぷんぷんさせて若い子にマナーを教えていればよいのだ。


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 いずれにしても、研修担当者でなくても、風采のあがらない野暮ったい女・正田が「10年間、1位マネジャーを輩出してきました」なんていう話を初対面で信じる人は少ない。ほとんどの人は「この女、誇大妄想狂の大ぼら吹きだ」と思う。

 
 そういう人々は1年ぐらい私から送られるメールニュースを読み続け、そこに載っている数値的なエビデンスや受講生たちの人間くさいエピソードを交互に読むなどして、ようようやっと「これは本当の話らしいな」と感じ始める。だから、初対面の人が「本当の正田」に出会うには1年かかると思ったほうがいいのだ。


 ただ今から講座を受講されるマネジャーさん方が1年後にやっと何が真実か気づくようでは教育に間に合わないので、それを短縮するやり方をする。何をするかというと、事前に正田の本『認めるミドルが会社を変える』を送って、読んでおいてもらう。

 すくなくとも現場のマネジャーには、あの本は説得力があるようである。これまでのところ、「この先生は本当のことを言う人だな。一見『承認』なんて人道主義的なことを言っているけど、現場で起きていることに基づいて誠実にPDCAを回してきた人だな」ということをわかってもらえるようだ。

 もちろんそういうコンサル的な言葉で知覚するわけではない。でも現場と毎日切り結んでいる人だったら、そういうことは言語化しなくても体感的にわかるようだ、あの本を読んだら。

 また、講座当日に渡す教材にはこのブログのURLがはってあり、「追加講義はこちらで」と誘導している。

 このところ生まれた「1位マネジャー」さんもそうやって生まれてきたのである。


 これはまた、研修担当者になるとわからない可能性がある。彼らはコンサル会社のカタログやそこに載っているカタカナ語を見慣れすぎてしまっているので、「正田本」の提示する誠実さや地に足のついた思考(自分でよくいうよ;;)を見ても野暮ったいとしか感じない。彼らの味覚は悪いたべもので毒されてしまっているのだ。普通の人間ではないのだ。


 彼らは自分がそういう状態になっていることにも気づかない、もちろん現場からはるかに遊離してしまっていることにも気がつかない。だれかが指摘しても怒り狂うだけだろう、基本威張るのが好きな人格の人が多いし。


 あと、担当者が女性だったらどうなのか、ということだけど、正田は女性担当者ともめちゃくちゃ相性がわるい。これまでの観察によると、彼女らは端的に男性の先生が好きなのだ。下品な表現をすると、子宮が「きゅーん」となるような自己啓発セミナー系の美しい声、流れるような話し方の男の先生が好きだ。例の「面白おかしい系」も含めて。現場のマネジャー、リーダーたちがそういう人を好きかどうかはお構いなく。あと彼女らには結婚していない人も多く、そのことが意思決定とどう関係しているかはわからないが、ぞっとするような変な選択をよくする。


 さて、この状態をどうにかできるのは誰なのだろうか。

 以前にも書いたが別のある経営層の人(トップではない)は、ドラッカーを引用して「権限と責任」なんてことを言って、その職位の人が正しい選択をするはずだと無理やり信じこもうとした。でも結果そこの担当者はそうしなかった。その担当者は、私がはるばる電車とバスを乗り継いで片道2時間かけて来ているのを知りながら、1時間自分のプライベートの話とかどうでもいい話ばかりしゃべり散らかして、「必要な教育とは何か」という本来の用件を全然しゃべらさない人間だった。

 私は今年は極力この手の人々との接触を避けている、自分が少々病み上がりでストレスに弱い状態でもあるから。現場のことを思うと気が狂いそうになるから。この人たちのお遊びに現場は振り回されているのだ。

 10年間検証に耐えてきた優れた教育は、いかにすれば普及するのだろうか。ある会社を徹底して幸せにできるのだろうか。

なおまた蛇足だが、こういう場合「君はどうしたい?」というコーチングの「拡大質問」は決して有効ではない。会社として重要な価値を軽視している人間に「どうしたい?」などときくべきではない。
やるべきことは、会社として大事なこと、「考える軸」を徹底して説き、相手に腹落ちするまで説くことだ。
 それでもダメなら、その人物を意思決定から外すことも考えるべきだ。


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「正田さんが女だから、取引はできない。自分がどう後ろ指さされるかわからないから」

というのも、立派な性差別である。圧倒的なエビデンスをもつ優れた教育なのだから。

 すみません不遜で。でも事実に基づいて思考することは大事です。正田は妄想教育はしていません。


 以前にも登場したある経営者は、自社にトヨタ生産方式を導入する旗振り役に自らなり、導入後トラブルが起きたときも、役員会で「反対ならオレの首を切れ!」と吠え、結果9年かけてトヨタ方式を導入したという。


 あたしのために「オレの首を切れ!」なんていう人、どっかにいないかな。



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 1日、篠山市曽地中の八幡神社の鎮守の森で、「里山整備活動」に参加しました。

 わがや兼事務所の内装を12年前にやってくださった、エコやBaobabさん主宰の「エコラ倶楽部かんさい」の主催。

 
9953里山整備開始


 
 里山整備とは林の下草刈り、ここでは具体的には山肌の笹薮を刈り、竹を切り、植栽の日当たりと風通しを良くするものです。

 神戸・尼崎等から集まった男女20人ほどが山に踏み入り・・・、

9956before


 こんな笹ぼうぼうだった地面が、渡されたのこぎり(切れ味はわるい)で1時間刈りつづけるとこうなります

 ↓ ↓ ↓

9957after



 朝10時から午後2時半ぐらいまで刈り続け、山肌はすっかりきれいになり、植えた山茶花や桜の樹の足元は風通しよくなりました。


 お昼は各自持参したお弁当を食べたのですが主催者から「しし汁」がふるまわれました。
 私の「10倍返し」はまず第一歩を踏み出しました。


 帰りは国道372号線から「永沢寺 そば道場 車で5分」の看板に騙され(絶対虚偽表示)、篠山三田線をくねくね通って三田へ。

 真っ赤にもえる「有馬富士」を拝みました。

9960有馬富士



 セザンヌの絵みたいですネ

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 28日は、篠山でのシリーズ研修の3回目でした。
 そう、仕事で篠山にお世話になっているから、「恩返し」の気持ちもあっての里山整備ボランティアだったんです。
 それはそれとして、

 小さな志をもった受講生さんに出会いました。

 「質問」の回はときどきそんな場面があります。

 ビジネスプランもなんもない(と同僚の受講生さんにもからかわれた)吹けば飛ぶよな、小さな志。

 それがどれほどの強靭さをもつかは、今からやってみないとわかりません。

「どんなんでも10年やっていれば何やかんやくっついてきますからね」

 と、うっかり言ってしまったのは正田の「素」の言葉でした。でも先輩風吹かしちゃったかな、嫌味かな。


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 30日は、7月と10月に受講された男性と女性のリーダーさんに会いに行きました

 金髪くるくる髪、10cmヒールの女性リーダーさんの目をちょっと意識して自分の髪を巻いてみようとしてみる  (異様に量の多い髪でかつ不器用なのでうまくできない)

 決して対抗しようとしてるんじゃありません。あまりにも「努力不足の人、問題外」ってみられるといやだな、と思ったから

 でも会ってみた彼女はやっぱりものすごく聡明でまっとうで、安心しました

 もうひとりの彼もまるで奇跡のように賢くまっとうな人でした

 気がかりは色々ありますが この人たちは大丈夫です

 
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 29日に再度わが事務所にこられた柏原直樹さんが、見かねてうちの事務机(実は元食卓)のタコ足コンセントをまとめてくださいました

9963タコ足


 実は、もう使ってない携帯とかそれの充電器とかがゴロゴロついていて、それらを抜いたらタコ足のタップを1つ減らすことができ圧倒的にシンプルになったのでした

 (複雑怪奇だったビフォーは見せられない、かっこ悪くて)

 多分初めて来られた日に一瞥して「あ、この人このオフィスはこういうことしてあげなきゃいけないな〜」と気がつかれたのでしょう。

 それも含めて色々と「先生」の情けないところを露呈してしまいました

 こういう気の利かせ方は、でもマニュアル化されているようではなく柏原さん独自のもののようでした


 シンプルになった(どこが!?と言われそうな気もするが)タコ足をみていると、誤解を招きそうな表現だけどそれをしてくれた人の存在を感じてまたついにこにこしてしまうのでした


 正田、相変わらずダメダメ人間のまま人に助けていただきながらいよいよ本当に50になろうとしています (今まで50だ50だと言っていたのは少しサバをよんでいました)

 

100年後に誇れる人材育成をしよう。いえ柏原さんが偉いだけです
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