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やったですねえ〜。

5時に目覚ましをかけたけれど、4時には勝手に目が覚めました。

SP1位だったアメリカのコーエン選手は演技中、2回のジャンプ失敗。


その直後に滑り出した荒川静香選手の優美なこと。

あれ、練習より回転数少ないなと思われるジャンプもありましたがとっさの判断で、回転数を減らしてみごと安定感のある着地。

ジャンプ以外の、あの上体をそらしたイナバウアーや片足を高々と上げたスパイラルも美しく、そして最後にポーズを決めたときの笑顔の美しさ輝かしさ。


かつて伊藤みどり選手の時代にジャンプ力と演技力が両立しなかったのが嘘のようだと、歳をくったファンはかってに感慨にふけります。



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さて、恐らくトリノ五輪は荒川選手の金メダルを唯一のメダルとして、閉幕することになるのでありましょう。

ある意味とてもとても、示唆的な五輪です。

事前の下馬評でメダル確実、あるいは候補といわれたあの人もこの人も20何位とか予選落ちとか、

中にはスピードスケート500m4位となった岡崎聡美選手、モーグル5位の上村愛子選手など健闘した人もいたのでありますが、

長野―ソルトレークからは考えられない総崩れの日本選手団でありました。


五輪開幕すぐの13日、
著名コーチの岸英光氏が大阪で講演された中で、
「パラダイムはうつる」
ということを言っていました。

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「できない」
「ぎりぎりに手をつける」

こういった各人それぞれの失敗する思考パターンをパラダイムという。

企業不祥事が相次いだころ、私は「これは続きますよ」と言ったがそのとおりになった。

パラダイムはうつる。同じパラダイムを持っている人同士、そのパラダイムが活性化してしまう。

JALで、ドアの部品取り付け忘れを3人の整備士が見落としたミスがあったが、これなどその典型だ。

これを「企業風土だ」と言い逃れをするような経営者は、経営者をやめた方がいい。


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この言葉は、その後の「日本選手総崩れ現象」を予言していたようでありました。



「悪いパラダイムの活性化」

この人たちにだけはうつらないで、と日本の私たちだれもが祈った、女子フィギュア代表たち。

彼女たちにとって、それはどれほどのプレッシャーであったことでしょうか。


その中での、荒川選手の「金の舞い」。

(もちろん、4位の村主選手も立派でした。もっと点が伸びてもよかったのにと思います)

演技をみている限り、荒川選手には「神が宿った」としか思えませんでした。

自分のベストな演技をすること。そのなかには、ジャンプの回転数を減らすというような、緻密な大人の判断も含まれています。


ありとあらゆる、練習時の成功体験、試合での成功体験、点数計算、その場そのときの体のバランス感覚、すべてを総動員しチームワークを発揮させた、そんな状態の1つの肉体を私たちにみせてくれたわけであります。


これは果たして今後、再現可能なものなのか。荒川選手自身はべつとして他の日本選手には。

とまれ、月並みな表現ではありますが

「全力を尽くす」

姿の美しさを、荒川選手は一身に凝縮して、みせてくれたのでした。



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