前早稲田ラグビー監督、現サントリー・サンゴリアン監督の清宮克幸氏の講演を聴いた。

・・と、食事の席で言ったら、

「おれ、その人大嫌い」

とダーリン。

高い成果を挙げてる人だと思うけどなあ。

まあ、正田もこの人についてよく勉強してるわけではないので、
印象に残ったところを紹介するにとどめよう。


サッカー・中田英寿選手の引退発表について、清宮氏は、

「私から見るとブラジル戦が終わり、ピッチに10分以上寝転がったのはリーダーの姿としてネガティブだった。

しかし今回の引退報道では、それを賛美するような報道がされていた」

と批判。

清宮氏は「リーダー」という言葉をよくつかう。

そして、

「W拝以前から今回を限りに引退、という思いがあったのなら、そのことをチームのメンバーに告げて、モチベーションを高めるやり方があったはずだ。

今回のW杯は圧倒的な身体能力の差、と言われたが、ビデオを詳細にみるとそうではない。あと一歩の出足の速さ、シュートを足だけではなく身体全体で押し込む気迫、が日本代表にはなかった。その『あと一歩』を引き出すのはリーダーの力だ」


これは、(あまりにもテクニカルなことは正田もわからないのだが)正論のような気がした。


最近あるところで言われたことで、

「部下層にヒアリングすると、ボトムアップより、トップダウンのコミュニケーションを求めている」。

トップダウンとは、色々解釈できるが、上の人が決断すること、それを伝えること、のプロセスといえばよいのだろうか。



「自分は、こう決めた。こういう情報に基づき、こういうことを大事にした結果そうなった」

と、部下やまわりの人に対して話すということ。
「自己責任」ということも関連するかもしれない。

意外にリーダーの方々はそれができていなくて、

「何のためにこれをやるんや、という位置づけが不明確なままに目先の仕事をぱたぱたやらせている」

みたいなことになる。


人のモチベーションを上げるやり方はいろいろあって、一人ひとりに焦点を当てるコーチングも大事なのだが

「仕事の全体像をきちっと見せて(伝えて)、その中での自分の役割を考えさせる」

ことのほうが優先順位が高いんじゃないかと思うことがある。

それなしに必要に迫られて目先の指示出しばかりしていると、

「オレって結局将棋の駒?」

みたいなことになる。

「全体像をきちっと見せる」

中田も、チームメートを子ども扱いしていたふしがあったかもしれない。
・・なんて、詳しいことはまったくわかりませんが。

正田も今年は少しは成長しなさいよ。



もう1つ、印象的だったというか、無力感を感じそうになる話。

清宮氏の友人がサラリーマンを辞めて小学校の先生になったところ、

1クラス30数名のうち9人が片親家庭。

そして、家庭訪問すると、お母さんがみんな「鈴香容疑者」だったそうだ。

ファッションとか雰囲気が、「ああいう感じ」で、基本的な家庭内の会話がない。子どもは無気力で学力も低い。

「どうしたらいいのか、やる気なくなっちゃいますよ」

という友人に、清宮氏は

「じゃあ、ラグビーをその子たちにさせればいい。チームワークとかコミュニケーションとか、『勝つ意欲』とか、人生で大事なことを学ぶことができる」

と言ったそうだ。


そういう時代なのだろうか。



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