去年ご縁のあった受講生さんに、「今年先生になってください」とお声がけしたところ、

「喜んで」

と、続々お返事をいただいて、幸せな気持ちになっています。



偉大な人生経験をそっと脇に置いて生徒になって、ひたむきに学んでくれたこの人たちは、いま新しい職場経験を積んで、どんなステージにいるでしょう。

最近ビジネス書を読んで「胸いっぱい」になる経験をすることが多いように思うのは、私だけでしょうか。


『イノベーションの作法』(野中郁次郎・勝見明著、日本経済新聞出版社)。

現代版「プロジェクトX」の集大成のような本。


「人はハンコをつく際、存在意義を示そうと何か注文をつけ、プランはどんどん原型を失っていく」(サントリー「伊右衛門」)

「未来創造戦略は、競争相手との比較優位に基づく相対価値ではなく、自分たちの価値観、自分たちが信じる真・善・美に基づいた絶対価値を追求する。そこにあるのは、傍観者の視点ではなく、強い当事者意識を駆り立てる、きわめて主観的な思いである」(マツダ「ロードスター」)

「とかくエリートは・・・・・・八方美人で誰もが満足できるような車をつくろうとして、切り捨てる勇気を身につけていない」(同上)


こういう本を読むと、「安心して、寝る」のが最近の私であります。



さて、「未来」を予測することが極端に苦手な人、というのも世の中いるようです。


あるところで、工場にたまっている不良部品、廃番部品を整理することになり、2日がかりでトラックを呼んで運び出しました。

するとその翌日、ある資材担当者が「実はあの一角も・・」と、まだ残っていた廃番部品を指したので、大目玉をくいました。これだけで何十万の損失です。


予測能力のない人は、「部品整理」という新しい事態を、工場の一角がきれいさっぱりなくなった、という「絵」でみるまで、理解できなかったりします。翌日ぐらいになって慌てて、
「じゃあ、あの一角もその対象だった」
と気がついたりします。


残念ながら、これは「仕事できない人」の典型的なパターンです。
つめたいようですが、正田はこのタイプの人の「100%の味方」になってあげたいとは、あんまり思いません。


こういう人にどうやって「未来」をみせることができるのか。

映像世代には、意外と増えているのかもしれません、このパターン。