NHK・BSで、大リーグ・レッドソックスに移籍した左腕、「岡島秀樹投手」についてのルポをみました。


簡単にいうと、「イチローの振り子打法が認められるストーリーのもうちょっと複雑版」という感じです。


岡島投手は、高校時代に、ボールを投げる瞬間打者のこともキャッチャーのことも見ていない、独特の「下向き投法」を完成させます。左腕で投げきったとき、顔は思い切り右下を向いています。


全身のしなりを活かした、威力のある投法。
しかし、素人でも思うように、
コントロールが定まらない。
TVでみたとおりストーリーをなぞっていくと、

岡島投手は高校卒業して巨人に入団して先発投手に加わるも、
予想通り荒れだまでファームに落とされます。


このときであったのが、鹿取義隆コーチ。
鹿取コーチは、
選手の個性を活かすアプローチをし、また常識にとらわれない発想のもちぬしでした。


ビデオ解析したところ、鹿取コーチは、

「岡島投手の左腕は『下向き投法』のとき、ほぼ真上から出る。岡島投手の得意球である、カーブやフォークを最大限に活かせるのはこの投法のときだ」

という結論に達します。
つまり大胆にも「下向き投法オッケーだよ」ということを言います。


そして、課題であった「ボールコントロール」については、

「右手のミットを踏み出した右脚の上に構え、上体をブロックして左手のリリース・ポイントを安定させる。これがちゃんとできていれば、顔がキャッチャーの方を向いてなくても構わない」

とアドバイスします。

ファーム落ち前後、97年と復活した99年の岡島投手のフォームを比べると、見事にこの「ミット位置」が直っているのがわかります。


これらのエピソードは、何を意味するのでしょうか。

「本人さんの一番いいところを活かすためには、ほかの瑣末なところをかなり色々直さなきゃいけないっていうことかもしれないね」

「一流になるって、そういうことなのかもね」


一緒にみていたダーリンとそんな話をしました。
最近身辺で起きたいろんなことを振り返り、自分にも突きつけられる問題なのかな、と思いながら。


(これがイチローのストーリーだと巨人出身の土井監督時代認められなかったけど仰木監督と新井コーチのもとで矯正されなかったから開花したとかそういう話だったと思います)


その後の岡島投手は・・というと、

2000年の日本シリーズでは、「下向き投法」と大きなカーブでダイエー打線をきりきり舞いさせ、

2001年には25セーブを稼ぎ、

しかし2002年に就任した原監督の若返り策のもとでぱっとせず、2006年春に日本ハムにトレード。

そこで昨年のヒルマン監督のもとでの優勝に貢献します。

そして大リーグから目をとめられ、今季からレッドソックスへ。


「人間万事塞翁が馬」を地で行っています。


ちなみに岡島投手の「下向き投法」の起源は、高校時代むさぼるように読んだという漫画の『エース』で

(ちなみに正田は読んだことありません。巨人の星―ドカベン世代です)

主人公が、一球一球帽子を飛ばしながら投げていたのを

「かっこいい〜」

と夢中になってまねしていたところから来ているそうで、
三つ子の魂おそるべし。
作者もそんなふうにまねされて嬉しいことでしょう。



NHKでは、3年ぐらい前、「メジャー移籍初年度でスランプに苦しんだゴジラ松井とNYヤンキース・トーリ監督の物語」も、イイお話だったでございます。




きょうは朝から7度4分の熱を出して家族に向かって「おねつなの〜」とおおいばりの私です。

CLSのMLのアドレス移管作業を終わり、正会員継続(予定)の方は11名になりました。