「うちに生まれてよかった?」

ふいに、キッチンで横にいるアイにききました。


「うん良かったよ。なんていうかー、全体的にいいかんじだよ」


アイは今日、自分でタルトを焼いて友達の家に持っていったところです。


「そうかー、そう言ってもらえたらよかった」


相変わらず、自分自身には夢がないけれど、

子どもたちには、まずまずの家を提供できているようなのでした。


「いいおかあさんだった」と言われたら、

それで人生OKかもしれないのでした。