このところブログがくらいのは、

「人前で話す仕事」に、正田が慣れてしまわないように、

ということもある気がしました。


仕事柄、

「経営者さんやマネジャーさんが人前で話す仕事が続くとどうなるか」

というのを、たびたび見ています。

こういうことってものの本には書いてないですね。



不思議なもので、

「人前で話す」という作業は、

続くと話し方が双方向性のないものに変わり、
ついで心のもちようも謙虚さを忘れてしまう気がします。


これまで知っている中では、

オリジナルの商品を持っているベンチャー経営者で、
取材が殺到しインタビューを受けるたび、2時間ぐらい一気にしゃべるということを繰り返し、

ついにふだんから部下にその調子で2時間ぶっつづけでしゃべり続けるようになり、

その結果本来業績が伸びるところを人心が離反して辞める社員が相次ぎ、伸びなかった、という例。



気をつけないと、特有の「ぶっ続け」、
切れ目のない話し方――
「。(まる、句読点)」のところも全部途切れず続けてしゃべり、

相手の反論や質問を許さない、双方向性のない話し方が出てきて、

時間や空間を自分の話と声で覆いつくすようになります。



全国1位をとられたマネジャーさんが、若手有望マネジャーとして社内の会議で体験を話するうち、

「自分は人生とはこういうものだと思う」

と、部下に説教するようになり、「コーチ型リーダー」じゃなくなり、急速に業績低下していった例。


そのあとも同様な立場のマネジャーさんがやはり「人前で話す仕事」が続いたために、話し方だけではなく心の持ち方まで「上から」人やものを見るようになり、



正田はどうしたかというと雷をおとしました。
あっちなみに何年も前の話です。








「自分は人前で話す資格がある」
とか、
「自分の話が人に感銘を与える」
とか、思ってしまうのがこわい。

多数の人に向かって話をするという作業は、麻薬です。



謙虚に、レクチャーしているときでも場全体の合意をとりながら、
アイコンタクトで確認しながらすすむ、
というのを忘れないでいたいと思います。

今週は水曜から土曜のCLS勉強会まで、「4日連続」になります。

主催者、事務局側も経験するというのは、多少救いですね。





とても気高いもの、偉大なもの、いさぎよいもの、
が、

「悪戦苦闘」
「じたばた」
「泥にまみれる」

ということと、同居していることがあります。

そういう時期を通り抜けた知人にもめぐまれ、

正田は、有難いことに
「みっともなくじたばた」
することを見下したりしないし、
自分自身そうすることをそれほど恐れないほうだと思います。

そういう知人がいなかったらどうだったかわかりません。