初詣をかねて家族で「天神天満繁昌亭」に行きました。



繁昌亭


ドラマ「ちりとてちん」の舞台にもなった、常設の寄席演芸場。

上方落語ブームとあって、大入り満員です。


3が日のこの日は一日3回公演で、「夜席」は古典落語の合間に「立体紙芝居」と奇術の色物が入り、7人の出し物でした。


直前の「昼席」には桂三枝が出ていた皆さんご愁傷様と、中の1人がネタにしていたように、有名な人こそ出ませんでしたが皆さん芸達者ぞろい。


「ゴキブリと目と目が合って情が通い・・」の露の新治に笑い転げ、立体紙芝居シンデレラに受けまくり、桂都丸の酔っぱらい芸に感銘し、と飽きる暇もなく最後は桂春之輔がレアものの古典落語でしめました。


帰り際には劇場口に出演者総出でありがとうございましたをされ、末っ子のイツキは露の新治に握手してもらって「また行こう!!」とノリノリ。


ちょこちょこ連れていかないといけなさそうです。



さて、この前日にわが家であったちょっと不粋な会話。

おととしオープンした真新しい「繁昌亭」の客席は飲食厳禁です。
実は暮れにこっそり1人で行った私は、休憩時間にあめを食べていた前の席のおばちゃんが会場係りの人に注意されたのをみました。

「包み紙の音や匂いをほかのお客様が気にされますから」
というものです。


「おかしいやないか、東京の寄席は飲食自由で、お弁当とかみんな食べとったで」

と過去1年間の単身赴任で寄席を見まくった?うちの夫。

どうやら関西、あるいは繁昌亭特有のルールらしい。

他のお客様が気にされますから、というフレーズに、つい

「今時のお客様」

との距離のとり方を感じてしまったのは私の勝手。



お客様にはいろんな人がいます。
人の迷惑かえりみない、ポリポリ、ガサガサ音立てまくり、匂いのきついもの食べまくり、という傍若無人系の人もいて、そういうのも寄席見物の楽しみのうち、という考えもあるでしょう。


一方でそういうのを気持ちわるい、集中して演しものを楽しみたい、という人もいるでしょう。
あとのほうの人からはクレームがでます。
今時の人は容赦なくクレーム言います。

どっちもお客様。どっちも大事。でもどっちか取らなあかんとしたら・・、

あとの人のほうを大事にしましょ、
それが最大多数の最大幸福、
ひいては自分らが愛されて生き残る道、

ひいてはよそにない厳しいルールをお客様にのんでもらいましょ、

と、なったんと違うかな。


「楽しい」

という言葉にはいろんなとり方があるけれど、

ルールあっての楽しさ、楽しさの裏のルール、みたいなのは
お客様を笑い転げさせる寄席の会場にもしっかりあったのでした。