『脳が冴える15の習慣』などでおなじみ、脳外科医の築山節先生の講演を聴きました。


とても中身が濃く、おかいどくな講演。



主なポイントは:


●体調管理のたいせつさ

●歩く、書く、話すことのたいせつさ

●作業興奮、とにかくまずやってみる
(↑コーチングに通じるお話)

●禁句は「めんどくさい」

●最新の脳治療


さて、

いつも枝葉末節なことにとらわれる?正田が
個人的に興味をもったのは、

「意欲」に関する部分であります。


スライドから少し引用すると、

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・感情は大脳辺縁系が関係している
・感情担当部位
  扁桃核:好き嫌い
  視床下部:食欲、性欲
  側座核:やる気
・目標達成力は「欲の大きさ」に比例する

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なので、好き嫌い・食欲性欲・やる気は連動しているのだそうです。

おやっ、と思いませんでしたか。
正田、思いました。


質疑の時間に手をあげて

「この、好き嫌い・食欲性欲・やる気が連動しているということは、

たとえば好きなことをしたり好きな美術品を見たりするとやる気が出るというようにつながることも考えられるんですけれども、
逆にやる気があがると好き嫌いが激しくなるという見方もできますか?

リーダーの方が好き嫌いが激しいというのは困ったことなんですが、

ちょっと、経験的にそうかなと思うところがあるんですけれども」


築山先生はこの「重箱すみ質問」に、即座に


「そういうことは考えられますね。

大事なのは社会性、全体をみる目ですから、

たとえば各人の別の面が見えるようなイベントを企画して、違ったいいところを見せる。ある仕事のよい面わるい面を説明してわからせる、などの努力が必要ですね」


と、おっしゃいました。

あまりにも即答されたので、これはひょっとして築山先生も似たご経験あるのかな。
あるいは、こうした脳科学の知見が人材開発にすぐ応用されるということもご存知なのかな。


正田は以前から「人のやる気を高める」ことに潜む、一筋縄ではいかない問題に悩まされていたので、ちょっと答えが出たような気がしてほっとしたのでした。

ようするに、やる気が上がる初期の幸福感とはべつの、辛気臭い作業がそのあとあるんですよ。好き嫌いを克服したり「なぜこの仕事が必要なのか」説得してわからせたり。



さて、きのうから書き出したダイエットネタにちょうど関連したお話も出ました。

「なぜ歩くことが脳にいいのか」。

それは、足の運動をつかさどる神経が頭頂部に近いところにあるので、足を動かすためには心臓から脳の一番遠いところに血液を送り込まなければならない。

したがって、足を動かせば脳全体に血液が回りやすくなる、というのでした。

築山先生の外来では、欝で相談に来られた患者さんに歩数計を持たせ、「歩きなさい」というそうです。