息子の小学校の卒業式。


 とうとう、これでわが家には小学生がひとりもいなくなります。


 卒業生入場。
 思い思いの式服を着た卒業生が、体育館の前のステージの左右から出て降りてきます。

 
 恒例・式服ファッションショー。

 
 今年の傾向はというと、
 男の子は上下スーツのフォーマル派が2割程度、あとはカーディガンにチノパンなどのカジュアル系。
 女の子は、やや丈長の体にピタッとしたシルエットの上着に膝上15cmのチェックのミニスカというのが定番で、8割ほどを占めていました。

 男の子のほうがばらつきが大きく、この年頃は女の子のほうが「ピア・プレッシャー」が強いといえるのかもしれません。


「だって、店に売ってるのああいうのばかりなんだぜ」


 先週慌てて「式服」を買いに走らされた夫がいいます。


 


 全体の式のあと、クラスに分かれて、先生と懇談。


 お世話係さんの発案で、クラスの子全員がスポンジに花を挿していき、見事なこんもり丸いフラワーアレンジメントができ、先生に贈呈しました。


 先生は

「ぼくはこういうとき泣かないつもりなんです。…でも、やばいです」


言葉をつまらせ、

父兄から


「先生、がんばって」

声がかかりました。


 この先生には息子は5年、6年と続けてお世話になりました。


 やんちゃでしょっちゅう羽目をはずす息子に、

「いい意味で昔の小学生みたいですよね」

「ぼく、こういう子大好きなんですよ」

と、温かい眼差しをかけてくださった先生でした。


(きっとすべてのお子さんに対してそうだったと思いますが。あと、そうはいっても節目節目でだいぶ怒られてたみたいですが)


 この先生の下で息子は大きく成長し、人がいやがるような役職に率先して手を挙げるようになったのでした。


 
 卒業式の少し前、クラス全員にメールアドレスや携帯番号を教えてくださり、

「つらいことがあったらかけてきなさい。相談に乗るよ」

と、いわれたそうです。


 
 卒業式のこの日も、

「ぼくはここにいますから」

といわれました。


 
 午後、息子が

「クラス全員を家によびたい」

と言い、

実際に10数名がきて映画をみたりゲームをしたりしました。


(こういうのもやりようによってはいじめの温床になるので、

「全員に声かけたやろな」

と、念押ししたりするのでした。)


 
 息子とよそのお母さんがたの話を総合すると、いくつかの家で時間差でともだち全員を呼んでいて、何人かのともだちは実際にわが家に最初きて、そのあと別のともだちの家にはしごしたりしたそうです。


 ようするに仕切りたがりの子がクラスに数名いて、お互い尊重しあっている、という状態みたいです。


 それが派閥形成ということにつながらないのは、先生の腕かもしれない、と思いました。