『エスリンとアメリカの覚醒―人間の可能性への挑戦』(W.T.アンダーソン、誠信書房)の前半部分を読んでいます。


 1960年代、アメリカが人間の可能性の開発を目指した「ヒューマン・ポテンシャル運動」に湧いたとき、その運動の核になったのが「エスリン研究所」。


 「ゲシュタルト療法」のフリッツ・パールズ、人間性心理学のマズローといった、当時のきら星のような人たちがそこに出入りし、


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という、エスリンの三つの目玉商品が完成し、


 さらにLSDなど薬物によって神秘体験・至高体験を得る試み(サイケデリック運動)も入ってきました。


 
 現在、たとえばコーチングや類似の心理学セミナーで使われる「ワーク(エクササイズ)」のほとんどは、このエスリン研究所で開発されたものだといいます。


 ずっと以前、日本のある研修機関の創始者によるセミナーに行ったときのことが、ふと頭をよぎりました。


 50代のその人物は、背の高いスツールに参加者からみて正面よりやや斜めの角度に腰かけ、足が床につかないのでスツールの脚の途中に乗せていたという姿勢でした。


 何人かの参加者が壇上に上がり、「悩み」を相談しました。

 ―カリスマと「悩める信者」は、相性がいいのです―


 カリスマは、信者の「悩み」をしばらく「いじり」、そのあと必ず

「それは全部あなた自身が引き起こしていることだよね」


と、「いなす」のでした。

 
「すべてはその人の主体的な選択だ」

という宗旨なのでした。(それ自体は間違ってないと思う)


 で何がどう嬉しいのかわからないけれど、信者は

「ああ、前に座って言葉をやりとりしただけで、エネルギーが伝わり電気が走ります」

というのでした。


 …たぶん、このセミナーは半日程度のものでしたが、当時ブログで取り上げなかったのではないかと思います…


 解決する気もない「悩み」を延々と話し続ける信者、それに

「すべてあなた自身が引き起こしているよね」

と一喝するカリスマ、


というのは、みのもんたも細木和子も基本的に同じ構造なのだと思う。

ある種「小宇宙」といいますか、サイズはごく小さいけど一種の「思考体系」なのでしょう。


 ほんっっとに、小さい。


 細木和子ブームのときはコーチングもそういうものだと勘違いする人がおられて、CLSではないけどよそのセミナーではお会いしたことがあります。


 この「思考体系」が成立するためには、カリスマをつくるある種のスター・システムのようなものが要ります。


 でまた、それに憧れる人も出ます。


 なにがいいたいんだろうか…、

 
 私が築いていきたいものと、慎重に切り分けたいものがあって、


 正田は自分のことを「宮大工」とよぶように、「つくる」ことに関心があります。それも丁寧に、時代を越えて残るような堅牢でかつ美しいものを。