1週間前にコーチング講座を受講された、神戸市内のN社長をご訪問。


 出先の社員さんからの電話に、


「そうかそうか、それはよくやったな。よくそこまでできたな。…ご苦労さん!」


 明るい声で応対されています。


 講座が終了したその日に、一緒に受講した社員さんと4時間にわたって話し、

 翌日から朝礼を始め、社員さんに一言ずつ話してもらうようにした。


「少しずつ、できることからやろう、と話しています」

 
 どうしてどうして、社長から率先してすごい実践をされています。


「まず社長自身が受講しないとね。彼ら(管理職)だけで受講してたら、ぼくも何やってるかわかりませんもん」

 
 と、64歳のN社長。

 高校生の娘が、

「学校の家庭科の時間、NHK特集の『児童虐待』の番組をずっと見ていた」と言っています。

 
 親が子どもを叱る「懲戒権」を振り回すと、児童相談所は立ち入り調査や子どもの一時保護などができない。そうして虐待を受けている子を救えない現実がある。

 
 
母「…それ難しいとこやなー、お父さんお母さんもあんたらが小さいとき、よく怒鳴ったし叩いてギャーッと泣かせたこともあるし。ご近所から虐待だと思われてるんじゃないかと気が気じゃなかったよ」


娘「…あたしは、ああいう育て方してもらって良かったと思うよ」


母「そりゃどうも」
 (↑ちなみにこの子は3人きょうだいの長女で、すぐ下の妹とは年子なので、あまり手をかけて育ててやれず、今どきの子としてはさびしい思いをさせてると思います、はい)


娘「児童虐待はここ10年ぐらいで急増してるんだって。どうしてそうなるのかな」


母「うーん、IT化の影響もあると思うし。あとみんな一通り遊びをおぼえてから親になるから、親になると遊ぶ自由がなくなってしんどいとか。あと非正規社員の方が増えて、身分が不安定でストレスだ、っていうのもあるんちがうかな。

要するに、大人になれてない親が増えたんだと思うよ」


娘「大人になれてないって・・、もっと歳とってから子ども産んだら定年の問題もあるし、子どももかわいそうだよ」


母「うん、大人になるならないは、年齢の問題じゃなくてね。

 お母さんが、今コーチングっていうのやってる目的の1つにね、たとえば会社で一番若い方の人まで尊重されて、自分でものを考えるように仕向けることができたら、親になる世代の人たちももっと心が成熟して、虐待とかもしないようになるかも、っていう思いもあんねん」


娘「うん…」



 虐待の番組は、女子高校生にとっても相当なインパクトだったようです。

「あたし、ああいう風にはなりたくない」と言っています。


 これから親になる子たちに最初に触れさせる情報としては、生身の赤ちゃんのかわいさとか、おむつのかえ方とかのほうが良くないかな?という気もするのですが。


2016年2月5日追記:
 この記事では、娘が学校で見てきたTV番組をもとに「児童虐待はここ10年ぐらいで急増」という表現をしていますが、これは厳密には「相談対応件数が急増」としたほうがよいようです。

 2000年の児童虐待防止法の施行、04年と08年の同法改正・施行に伴い、児童虐待の定義範囲が広がり、従来は児童虐待とされなかったことも虐待とみなされるようになっているからです。

 純粋な発生件数は、現場の担当者も「増えているとも減っているとも言えない」と言います。
 ですので、この会話の中でわたしが「急増の原因」として説明していることも、妥当性があるかどうか不明です。ご了承ください。