こんどの新型インフル騒ぎでひときわ目を引いたのが、

橋下徹・大阪府知事の

「ステートメント(声明)を出す力」

であります。


 16日未明に神戸の高校生の発症がわかり、その後兵庫県内と大阪に広がり、18日から大阪府も一斉休校にしましたが、そのとき橋下知事は、


「中高生のみなさん!休校中は外に出ないでください」

 TVカメラをまっすぐ見て、語りかけました。


 我が家の中高生3人(映画「メンインブラック」に出てくる3匹のエイリアンのようなかしましい連中です)も、

 これには「じ〜ん」「うるる」となったようで。

(兵庫・神戸にはおらんかったなあ、こういうこと言ってくれる人)


 そして、きょう午前の厚労省・内閣で決定した対応方針を受けて、

「実情に配慮した措置に感謝」

と述べるとともに、昂然と顔をあげ、


「大阪府はこれから『都市機能回復』にかじを切ります。まだ感染拡大の状況からして、様子を見ながらですが、その方向にかじを切ると思ってください」


 
・・・

「あのステートメント力って、結構すごいんちゃう」

 ニュースの後で家人に電話。


 実はオレもそう思っとったんや、と家人。


 ステートメントは、こうした刻一刻新しい情報が入り、状況がすぐ覆されるかもしれない、とみんなが緊張状態でかたまっている時、大きな力になります。


 ニュースの「橋下声明」をきいて、そうか!と新たな力が湧いたように感じた人も多いはず。


 いろんな場合がありますが、今回の場合は、

「まずは3日ぐらい、そういう(都市機能回復優先の)感じで、そのつもりで行こう。よほど新しい情報があれば、また考えよう」


 という、大まかな方向づけになります。


 人は、刻一刻出てくる情報に左右されてばかりで、一寸先は闇、という状況に置かれることに耐えられないのです。
 できればせめて3日ぐらいは、「こっち方向にしばらく行ってみよう」と、すこし長期の展望、よりどころにする指針がほしい生物です。


 橋下知事にしても、「これ以上感染拡大はない」とは到底言える状況でないにせよ、

「だれか責任と権限のある人にステートメントを出してほしい」

という民意をうまく汲んでタイムリーに発言した、と思います。


 そういう「勘」は天性のものなのでしょうか。

 あ〜、兵庫や神戸にもそういう人、おらんかな〜