さて、「うちの協会」 −NPO法人企業内コーチ育成協会−では、

「承認論を核とするコーチング」というのを提唱しています。
これは、世間一般の「コーチング」を、「目標達成中心のコーチング」と考えて、それと対比させたものです。


目標達成について、重視していないというわけではなくて、ちゃんとそれも講座の中で扱うのですが、

それが何よりも大事だというスタンスはとらない。


「承認」−ほめる・認めるというスキルおよび精神−が、重要だとして、講座の中では一番丁寧にじっくり扱います。


「承認論」の提唱者である太田肇教授に出会ったからかというと、それだけでもない。


なんとなく、「だってわれわれ日本人はこれでしょー」という感覚があった、のです。


そこだけを見ると、

「これに決めた!これで行く!」

と言ってる世間のトップダウンの経営者さんと私もなんら変わるところありません。


言い訳になりますがそういう「うちの団体」−前身の任意団体「コーチング・リーダーズ・スクエア(CLS)」の時代以来 −の勉強会に、ポケットマネーで来て学んでいたマネジャーさんたちは、極めて高い成果を挙げられていました。

つまり、ある程度「承認論中心のコーチング」が有効だ、と検証されている、と考えていいと思います。



さて、そういう

「だってわれわれ日本人はこれでしょー」

の感覚は、最近では文化人類学や文化心理学、保健学の立場から裏付けられているようです。


(脳科学は…、実験デザインの限界からか、ここではあまり役に立ちません。通常の脳科学では、やればやるほど、人は「個体」としてみなされ、文化的・社会的つながりとは切り離されてしまいます。自己啓発セミナーの方向に行ってしまう、ということです)


というわけで、最近でインパクトのあった本、『環境世界と自己の系譜』(大井玄著、みすず書房、2009年7月)から、すこし長々と読書日記の形でご紹介しようと思います。


著者は1935年生まれ、元国立環境研究所所長、専門は社会医学、一般内科、在宅医療、心療内科、環境医学、です。


続きは次の日記で…。


シリーズ『環境世界と自己の系譜』、インデックスを作りました!!
2015年10月現在読み返してもなかなか面白いことを言っております。
よろしければご覧ください:

日本人の自己観と幸福観(1) −『環境世界と自己の系譜』より
http://c-c-a.blog.jp/archives/51515101.html

日本人の自己観と幸福感(2)−「つながりの自己」と「アトム型自己」
http://c-c-a.blog.jp/archives/51515159.html

日本人の自己観と幸福感(3) −心理学が強化した「アトム的自己」観?
http://c-c-a.blog.jp/archives/51515163.html

日本人の自己観と幸福感(4)− ふたつの幸福感、離脱肯定とつながり肯定
http://c-c-a.blog.jp/archives/51515305.html

日本人の自己観と幸福感(5)―エイズパニックにみる、自我拡張と自我縮小の出会い
http://c-c-a.blog.jp/archives/51515882.html

日本人の自己観と幸福感(6)―江戸時代に完成された「閉鎖系」の倫理観
http://c-c-a.blog.jp/archives/51516148.html

日本人の自己観と幸福感(7)―アトム的自己観を前提とする不幸
http://c-c-a.blog.jp/archives/51516790.html

日本人の自己観と幸福感(8) ―「つながりの自己」は万能か
http://c-c-a.blog.jp/archives/51517365.html

日本人の自己観と幸福感(9)―不安にみちた現実世界と世界仮構のいとなみ
http://c-c-a.blog.jp/archives/51517379.html