神戸市長選が「現職勝利」で終わった。


 敗れはしたものの、新人の樫野孝人氏に15万6千票が集まったのは、むしろ「事件」と考えてよいのではないだろうか。


 民主単独推薦、民主党から小沢幹事長、前原国交相、鳩山幸氏などが応援に駆け付けるという現職の矢田氏に比べ、


 片や樫野氏の側は民主党にも、全国首長連合、橋下大阪府知事にも応援を断られ、ついたのは「神戸再生フォーラム」と「みんなの党」の渡辺喜美氏ぐらい。


 投票率は31.5%、前回よりわずかに上向いたのみ。民主党が矢田氏推薦に回った時点でかなり「あきらめ票」があったと言われる。それでも、ほぼ無組織に近い樫野氏に15万人が投票した。


 あきらめていなかったら、どうなっただろうか。



 
 人は「希望」をもつことで、力づけられる。

 だれが市政にあたるにせよ、「希望」を持てる神戸であってほしい、と願う。



 
 当選後の矢田氏は、「市職員の削減、外郭団体の削減」をまず口にした。

 恨みを買う仕事である。だからこそ自分が、との思い入れがあったのかもしれない。