以前、設備関係の会社で研修させていただいたときにきいた話。


 技術者には、「機械屋さん(機械工学)」と「電気屋さん(電気工学)」の2種類あって、大学時代から専門が完全に分かれている。


 
 そしてそれぞれ性格が違い、機械屋さんは機械の外形を決めるのだがアイデア豊富でポジティブ。ただし細かいところまで考えてない。


 電気屋さんはそれに比べて、電気回路を設計して機械が最後に動き出すところまで面倒をみるので、緻密。回路がちゃんと閉じてないといけない。設計しながら絶えず、「これでちゃんと動くのか?」と考える。そして、動かないような、あるいは動いてから問題が起きるような形状に設計した機械屋さんをなじる。



 …というのは、もちろん電気屋さんからきいた話。

 それをきいて私は、「私は同業者の中でも電気屋さんタイプだなあ」と思ったのだった。


 先日のトヨタの常務の会見は…、


 と、妙に「常務の会見」にコダワルけれど、結局あの会見が不十分で批判を招いたから、創業家の社長までが出てきたことになったのだ。


 常務さんの表情の動かし方をみていると、かなり「ポジティブ」な人だなあ、とみえた。


 たぶん機械ずき。機械のある分野に関しては恐ろしく詳しくしゃべれるのかもしれない。


 だが、使っている言葉が「運転者」「顧客」と、およそ生身のユーザーを想定していない言葉だった。


 ポジティブな人は、共感能力が低いことが多いのだ。経験上。



 豊田社長は翌日、


「顧客目線でないと言われたことはまことに遺憾」

と、言ってたけれど、「言われた」んじゃなくて、ホントに顧客目線が不在だったんですよ。そこにもお坊ちゃま性がみえかくれする。


 そこで身内をかばってはいけない。



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