日経BP社の「ヒューマンキャピタル2010」へ。


 お目当ては、初日の野中郁次郎・一橋大名誉教授の講演とパネルディスカッション。


 世界でもっとも影響力あるビジネス思想家トップ20の20位に入っている野中教授の講演を聴くのは、2年ぶりであります。


(ちなみに8位にEQのダニエル・ゴールマン、9位にマネジャー論のミンツバーグ、10位に「7つの習慣」のスティーブン・コヴィー、11位にシステム思考・学習する組織リーダーシップのピーター・センゲが入っています。ミーハーな私;;)


 前回の記事:


「ヒューマンキャピタル2008 野中郁次郎氏講演」
http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51370837.html


 このときの講演の目玉は「フロネシス(賢慮)のリーダーシップ」というお話でありました。


 
 今回は…、


(今回も「フロネシス」には触れ、「風呂、寝、死す」と同じダジャレで笑いをとってはりましたが)


 講演の最後に近いころに、

「我々の今の時点の結論は『徒弟制』です」


 きっぱりとした口調で言われました。


 
 このほか印象的だった言葉を記録しておきますと:

●持続的なイノベーションをどう維持するか。研究開発費とイノベーションは相関しない。大事なのはプロセスのマネジメントの質だということがわかっている

●知識創造の前提は身体性にある。相互主観性の基盤は間身体性(Intercorporality)つまり、知識創造のコミュニケーションは触れ合うこと(touching)でなければならない。セクハラと言われるようなことではなく、声を聴き、姿を見る。全身で向き合う、受け入れ合う。目を観ることも触れ合いのうち

(なので、正田が最近「椅子にすわる姿勢」にもこだわっているのを、わかっていただけますでしょうか)

●イノベーションはSECIスパイラルである。直接経験を通じて現実に共感し(S=共同化)、気づきの本質をコンセプトに凝縮し(E=表出化)、コンセプトを関係づけて体系化し(C=連結化)、技術、商品、ソフト、サービス、経験に価値化し、知を血肉化する(I=内面化)と同時に、組織・市場・環境の新たな知を触発し、再び共同化につなげる。このSECIの「高速回転化」が創造性と効率性をダイナミックに両立させる知の綜合力(Synthesizing Capability)である。

(このへんのお話は、話だけでは腑におちないかもしれません。この方向に回転しだした人にはわかるお話なのかも)


●実践知のリーダーシップが組織の全レベルで必要 全社員がビジネスモデルのプロデューサー、イノベーションのプロモーター、次世代リーダーのメンターとなる

●生き生きとした知を創発する場づくり 相互主観性intersubjectivity 全人的に他者を受け容れ関わり合う主観的なあり方。思いのマネジメント(MBB, Management by Belief)

●実践知リーダーシップの6能力 
1.「善い」目的をつくる能力 
2.場をタイムリーにつくる能力 
3.ありのままの現実を直観する能力 
4.直観の本質を概念に変換する能力 
5.概念を実現する能力 
6.実践知を組織化する能力


そして最後に
●今の結論は「徒弟制モデル」。リーダーは訓練を通じてしか育たない



…あとは、2年前の講演とかぶる部分もあったのではぶきます。
 

 野中先生のお話をきくと元気になれるのは、最後に心の声で

「先生、それコーチングですよね」。

ツッコミを入れられるところであります。

 誰かこの人を何とかしてください。


 いえ、上記のお話がイコールコーチングなわけではないんですけど、この経営学にたどり着くための有効な道筋は、やっぱりコーチングとかそれ的なものである。


 (私の経験では、ばら売りしたりほかの名前をつけて売るより、コーチングというパッケージで学習してもらったほうが、レベルの高い学習になり高い成果につながるようであります。)



 講演、パネルディスカッションのあと勇気をふるって野中教授にご挨拶しました。

 勝手な感触だけどこの先生は、コーチングに対して見下してないな。


(学者さんの中には、意味もなくコーチングを見下して、自分がなぜ見下してるかわかってない人がいるけど)


 そんなわけで帰り道に野中先生の2冊の本、『流れを経営する』と『思いのマネジメント』を注文してしまいました。先生、本たかいです…;;




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp