「強み」の第一人者、森川里美さんとの対話。


 森川さんは私より2こか3こ上のとてもフランクで優しい女性。10月2日に神戸で1日セミナーをしていただきます。


 毎回、人に対して思わぬ視点を提供してくださいます。



 今回は


「『人間関係』の資質を多くもった人だと、認知症にはなりにくいでしょうね。逆に『思考系資質』ばかりに固まった人は認知症になりやすいかも。あ、『学習欲』『着想』をもった人はべつですけれど」



(ちなみに手前みそですが、正田は2年前にMRIをとってもらった結果、脳画像診断の先生に

「非常にいい脳の状態だ」、

加齢にともなう変化がほとんどない、とおほめの言葉をいただいたことがあります。

 その先生の推測では、「人」を相手にする仕事をしているのが、いい脳トレになるのだろう、「人」は世界一複雑な存在だから、というのでした。


 それからするとたぶん「コーチ」の方は平均的にいい結果が出るでしょう。

 「企業内コーチ」の方も…。)



 森川さんのお話の続きです。


「『最上志向』『達成欲』『責任感』はどれも、エネルギーの強い資質で、これがそろった人には

『あなたの周りはあなたになぎ倒されて死屍累々でしょうね。血の海でしょうね』

とFBしたことがありますよ。ご本人まったく気づかなかったらしいです。50代の方で」


 などなど。


 「自分について知る」ことは、大事ですね。



 1人で聴いていてはもったいないのでメモメモ…、




 


『個性のわかる脳科学』(金井良太、岩波科学ライブラリー)は、


「個人差の認知神経科学研究の最前線を見る」入門書。「人」に興味をもつ人にはおすすめです。



○脳の構造MRI画像でみられる、神経細胞が集中している灰白質の局所的な分布量を計算するVBM解析が、今の脳の構造の個人差を検出する手法。

○社交性の高い人は主に脳内の報酬と関わる部位が発達していることがわかった。社交的な人は人との交流を通じてより強く心理的な喜びを得ているのかもしれない

○衝動性の高い人は意思決定が速いが、そのかわり前もっての計画性がない傾向が認められる。衝動性はバラット衝動性スケール(BIS)に自己評価で答えてもらうことで測ることができるが、BISの得点が高い人ほど眼窩前頭皮質の灰白質が局所的に少ないことがわかった。

○脳はトレーニングによって鍛えられる トレーニングによる脳構造の変化は構造MRI画像でとらえることができる。ただし、灰白質の量が測定可能なほど変化するには、持続的なトレーニングが必要。

○tDCSという微弱電流刺激によって脳のある機能を一時的に高めることができる。家庭でも使える安全性の高い装置なのでアルツハイマーのリハビリなどにも使える。

○右側の前頭前野の背側外側部は、衝動的な行動を抑制する働きをもつ。もしその部位の活動をtDCSで高めることができれば、ハイリスク・ハイリターンなギャンブルに手を出してしまうような個人の「リスク追求傾向」を抑えることができるのではないか。実際にこれを実験した人がいて、リスクを避けるようになることが示された。(⇒お相撲さん必見?!) ダイエット中の人の食欲や、禁煙中の人のタバコを吸いたいという衝動を抑える効果も見つかっている

○アルツハイマー病などの人の記憶力をtDCSで増強する実験もある。側頭頭頂接合部の両側へtDCSで刺激を与えると刺激後に単語の記憶力が上がった。ただし現実的に意味を持つようになるにはもっと刺激時間と強度を上げていかないといけない。

○自分自身の能力を正確にはかる能力をメタ認知という。ほとんどの人は自分の能力を過大評価する傾向にある。主に評価の対象となっている能力が低い人ほどそのことに気づいていない。論理的思考能力などさまざまな認知能力のテストをしたところ、どのテストにおいても最下位の25%の人達が、自己評価で自分は平均以上だと考えていることを発見した。これを「平均以上効果」とよぶ。

○笑いのセンスにも「平均以上効果」がみられた。つまらないオヤジギャグばかり言ってまわりを困らせている人も、もしかしたら自分は平均以上におもしろいことを言っていると思っているのかもしれない。

○トレーニングによって個人の持つ能力を上げることで、自分の能力をより客観的に評価できるようになるということも実験によりわかってきている。

○孤独感は認知能力を低下させる。将来自分が社会的に孤立してしまうかもしれないと考えただけでも、かなりの認知能力の低下がみられる。また、忍耐力もそこなわれる。

○孤独感が強まると不快な状況をみたとき脳の反応の仕方が違い、他人の気持ちを理解する能力が落ちる。また、社会的に微笑ましい状況、幸せそうな写真などを見ると、腹側線条体という社会的報酬と関わる部位が活動するが、孤独感の強い人ではその活動が低い。つまり他人の幸福に対して、あまり喜ばしいと感じることができないのではないかと考えられる。

○したがって孤独感が強まると、他者と共感することが苦手になり、ますます他人と仲良くやっていくことが難しくなるのではないかと推測される。

○主観的に孤独感を感じやすい人がいるので、そういう人を思いやることが必要ではないか




 最近はまた理研の人のBMI(Brain Machine Interface, 脳機能を機械で補うやつ)の話を聴いてきて、脳の足りない機能を補うために機械をはめこむ時代になるのかなーと思っていたところです。でも理研の人の話より、脳の機能を補い研究は随分すすんでるんだなー。


 正田いろいろ補ってもらいたいところあります…(片付けの能力とかほかにも。「愛嬌」とかも;;)



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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