急に古い話を思い出してしまいました。


 むかーし、IT企業様で若い社員さんのお世話をして採用にも関わりました。


 今と違って採用難だった年です。


 それはさておき、


 ある新入社員の男の子が、入社3か月で出先の勤務を1週間ほど休み、出てきましたがドロップアウトしかけていて、本社に詰めていました。



 その子をお昼に誘って「めしや」のカウンターで並んでお昼を食べました。


私「…ご実家はどっち?」

彼「奈良です」


私「ねえねえ、君さっきからきかれたこと1こにつき1つしか答えてくれないから、私際限なく次の質問考えないといけないやん。


 私あなたについて情報少ないからきいてるんで、質問1つにつき1こしか答えてくれへんかったら疲れるんやけど。


 相手が自分について予備知識をもってくれて、上手に質問してくれたら答える、なんてあなたの方で条件つけたらあかんよ。


 1こきかれたら3こぐらいあなたのほうから情報言ってごらん。奈良のなに市とかなに郡で、近くにはなんかお寺があってとか。でないと会話、続かないよ」



 そういって頭を「こつん」とやるまねをしました。はい、本当にはやってません。


彼「あっはいわかりました」


 それからは彼は少し口がほぐれて、子どものころは雑木林で友達と駆けまわって遊んでいた、といった話をしてくれました。



私「ふ〜ん、ワイルドだったんやねえ」



 そのときはそんな話をして、


 次に会ったときは彼のほうから話しかけてくるようになり、


 おいおい、なぜ会社不適応を起こしたのかも話してくれるようになりました。



 自分のIT専門学校で得意分野だったことに配属されなかったこと、配属先の先輩のだれそれさんが話を聴いてくれないこと。



 得意分野をすぐ仕事にできるのはごく少数です。


 先輩のだれそれさんについては、やや余裕のない人みたいですが、許容範囲と思いたまえ。



 かれは、その後新しい配属先に行き元気にやったそうです。


 
 うーんなんでこんな話急に思い出したんだろ。



(まあ、若手社員さんにかかわるのは、正田てきにはめずらしいんです。


 パーソナルコーチングでも、若い人を「市場」と考えたことはないんです。とくに勤め人の若い人だったら、自社の上司以外に権威と思う人を持つのは危険、というのが持論です。残念ながらこういう考え方はあまり一般的ではないようです。


 その分私のエネルギーは、上司世代の改善のほうに向かいます。)



 そう、確かに上のような話を、その当時の雇い主さんにいちいち言いませんでしたしほめられようとも思いませんでした。


「承認大賞」に、頼まれなければ応募しない上司たちの気分も、ちょっとわかった気になってみるのです。

 
 でも応募してくださいませ。人助けと思って。m(__)m



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