第17回よのなかカフェ「今、『食べる』は大丈夫?」を、神戸北野のカフェ「アロアロ」にて、開催しました。



 食アドバイザー、エステティシャン、フリーライター、主婦・お母さんの方など多彩な顔ぶれで…。


 さあ、どんなお話が出たでしょうか。


よのなかカフェ100916




「今子ども達が食べているものはナチュラルではないものが多いのではないか 正しい味覚をもって育たないのではないか」


 司会・祐末正士氏の投げかけから始まりました。



 たとえばおふくろの味って何?という問いに


 26歳参加者は


「ぎょうざ。うちの母のぎょうざは美味しいと有名だった。野菜をミキサーにかけてたっぷり入れた。お祝い事にはぎょうざが出た」


 若い世代の体型の特徴で、骨格が細く顔が小さくあごが小さい。かまないで食べることで骨格も変わってきているという。


 戦中世代のころは食料自給率100%、正田らの属する世代のうまれたころで90%、現在はカロリーベースで40%。


「ぼくの家の冷蔵庫には調味料とかウェイパーとか入っていて、それを使って自炊しています」(太齊さん)


「日本古来の調理法を知ったうえでそういうのを使っているならいいんですよ。じゃなくて、それしか知らなくてそれを使っているのなら悲しい。100知っていて20使うか、40だけ知っていて20使うかの違い」(祐末)



 農水省の説では、生活の洋風化により農業が衰退した。一方女性の社会進出を背景に、ファストフード、コンビニなど便利なものが次々生まれた。


「コンビニがおにぎり、弁当、お茶などを売るのは売りたいからじゃない。社会にニーズがあるから」と祐末さん。



 食アドバイザーの中村さんは、かつては一切台所仕事などしなかったが、今はこどもカフェを主宰し子どもたちに料理を教え、自ら包丁も握るし皿洗いもするという。


「男性が食のことを手がけるようになったのは最近でしょ それはすごい進歩だと思う 食の事に対してみんなが向かい合う 」


「美味しい食事をつくること、美味しい食を囲んでコミュニケーションしながら食べるということが連動しないといけない 隣三軒いっしょに食事するような」


(以上中村さん)


「若い頃はジャンクフードすきでしたし 一番画期的なのはカップヌードル。 あれは食べちゃいけないものとして教育を受けていた だからご馳走だった」


「次の世代をみて感じだしたのが この子たちがちゃんと育ってくれるんだろうか 特にここ数年の食材メーカーさんのウソとか 本当にちゃんとしたものを食べさせてくれるんだろうか 不信がある」


(以上祐末さん)


 祐末さんは、「ライブファーム」と題して能勢の農家と組んで神戸市内数か所で朝市をする予定。


「ぼくスーパーで売る野菜は工業製品だと思うんですね 色のいいものを 早いうちに刈り取って商品にする。近隣の農家さんでとれたものを朝市で皆さんに届けるとができたら 確実に普通に育てたものを普通に届けることができる」


「切ったときにしなっと包丁が入るのとさくっと包丁が入るのと 切り口なんかもね なすのあのなす色。全員にそれを経験してもらおうと思わないけど、ぼくの知っている人には経験してほしい」




――一方でふだん、というのがありますよね。食べるって生活に直結してるじゃないですか。毎日毎日の主婦の営み。だれかが作ってだれかが食べる。


女性参加者:「(今の子育て世代でも)家による。毎日毎日ロイホとかマクド夕食代わりにいく家もある。それは働いてる家に限らない。生活に余裕があると家で作るようになる」



 その後「好き嫌い」談義にもなり…、


「子どもの味覚教育にすごく興味がある」(太齊)

「好き嫌いってどこから来るのかな。ぼく魚介類が苦手なんですけど。煮魚はダメ、焼き魚と刺身は大丈夫」(藤井)

「子どもの頃嫌いなものも食べなさい、っていう教育だった。ピーマンとかも。それは有難かった」(祐末)

「彼女(寺田親子)は味覚がいい。今の大勢は コンビニに売っている 甘くてやわらかいもの、小さく切ってあるもの。歯の機能とかどんどん落ちている」(中村)

「食べた後の感想も『美味しかった』としか出ない。風味の感覚とかどんどん落ちている」(同)

「何でも手作りのものは美味しい。周りのお母さん連中みな言ってます。愛情とペーソス、思いやり。大学の学食なんかでもなぜまずいのか。シーチキンのカンひとつとっても、油をカンふたでちょっと切って入らないようにする。すると脂っこくならない。そんなひと手間が、愛情があったらかけられる」(寺田)

「選食(せんしょく)能力が問われてるんです。これは美味しくない、とぺっと出すぐらいが健全」(中村)

「ぼくの会社の後輩もハッピーターン(お菓子)で生きている。美味しいけど化学調味料のかたまり。そういうことを許している家庭があるとか、その子に既に子どもがいるという事実。みんなそこに片足つっこんでるんちゃうかな」(祐末)



最後に「ワンデイシェフ」の話になり。


中村「ぼく単身赴任生活長かったでしょ。1人で作っても美味しくないから近所の家にピンポーンって押して、持ってくんですよ。『これ作りましたので召し上がってください』って。カレーとか」


それはびっくりされたでしょうねえ。


太齊「今、毎日自炊はしんどいから、友達7人ぐらいと、この曜日はこいつの家に行って食べさせてもらって、この曜日はぼくの家に来てもらって食べさせて、というのをやりたいんですよ」


中村「それいいねえ。私はワンデイシェフの契約をしたいんですよ。ここ(アロアロ)のようなカフェと契約して、この曜日だけ厨房に立ちます、っていうの」


祐末「それはビジネスとしてやってみたいですね」


締めの言葉で

「景気も悪いですから、家でお母さんが安く食材を買って家でつくろうという流れもある。それはおふくろの味につながり、いいことだと思う。弁当王子、自炊王子、水筒王子…。景気が悪いから逆にあるべき姿に戻るということもあるのではないか」(祐末)




 実は今回のテーマ「食」は、正田の発案であります。


 自分でごはんを作れない日が2日続くと気分がわるくなるつくり魔の正田。


 子どもの小さい時代には、お母さん方の不毛なおつきあいで延々と子ども達にお菓子を食べさせ続けるシーンも経験したあと、



「今どきの子育て世代の『食』に関する感覚はどうなんかなあ」


 という興味で、企画したのでありました。



 「お母さん」も参加されて意見を言っていただき、何より。



 参加者の皆様、スタッフの皆様、そして熱いファシリテーターの祐末さん、ありがとうございました!



 よのなかカフェ次回は硬いテーマです。


「人口減少社会。それでも経済成長は必要ですか?」



 フリーライター山口さんが司会を担当されます。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp