第18回よのなかカフェ「人口減少社会。それでも経済成長は必要ですか?」


 21日、神戸・三宮のカフェ「アロアロ」にて、開催しました!


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「世界の人口は今年で69億人、去年から8000万人増えた。日本は20万人減っている。

 人口減がマイナス経済成長に結びつく。もしかしたらこれから マイナス成長があたりまえの時代に。

 どうですか 皆さんマイナス成長が続くかもしれないというのはどんな感覚?」


 このテーマを提起したファシリテーターの山口裕史さん(フリーライター)から投げかけ。



「マイナス成長 仕事につかれへん人がおる 日本の適正人口は何人や?

職にあぶれる人がおり 一方スーパーでは売れ残りの食べ物がおる 動ける人がどれだけいるかや 」


61才の人にとっては、

「われわれの世代は万博があり、走ってればすごい未来が待っている 走りを止めたらあなたおくれちゃうよ という世代 ちょっとのんびりしたら?」

「われわれ小さい頃は50ぐらいが寿命と言われていた。今は80歳代。この30年という開きはすごい。人口のバランスという点でどうなの?」 


 団塊の世代の方が急激に人口が増えたのが今の人口減少につながっている。歴史上みないほどの急速な高齢化のすすみ方。




「医療費が増えていくので その分を持てなければ仕方ない 規模を維持しないといけない。問題は1人あたりGDP、生産性を伸ばしたい。そうすれば日本としてもリスペクトされ生き残っていける。規模では中国にはかなわない」


と、「人口減少社会」に詳しい企業の友人。



「適正な人口はどれくらいだと思う?江戸時代なら6千万 その規模なら日本は養える。 

 今の1億3千万は多すぎる。少子化は自然減だろう」


「2004年くらいから日本の1人当たりGDPはがーんと下がって19位 上の方は北欧諸国 幸福度が高い 1人当たりGDPを維持してみんなが幸福を感じられるようにするのが理想。」


 中国も1人っ子政策で2020年から人口が減り始めるという予測。

「われわれの世代が晩婚、晩産 僕の同期もまだ結婚していない」(藤井)


「晩婚 晩産も生物の自然な流れ。2050年に9000万になる予測 問題はそのとき高齢化率40%。がまんの時代ですね」


 長期予測では2100年ぐらいに4000万になるのではないかといわれている。





「成長の尺度とか 幸せの尺度を GDPとかとは別に考えないといけないのでは?」


という声が出て、「幸せ」の話に。



「中国も富が偏っているので 1人あたり幸せでは まだ日本の方が上ちゃうか」



「アメリカみたいな医療を受けれない人が何十%もいる 比べると日本は幸せ」


「北欧は税が重いが 高福祉 向こうの役人は明朗会計?」

「幸せ度ということを考えるいいチャンスかも」 


「幸せ度 フィンランド スウェーデン デンマーク スイスなどが上位に来てますね」 

「北欧は四国ぐらいなんですね 経済規模が フィンランドで兵庫県ぐらいですね」 

「幸せ 何があれば幸せなんですかね」 

「健康で長生きというのが一番ええんですけどなー」


「せめて70ぐらいまで健康で働ければいいなあ。そういう場が提供されれば 私の場合は幸せだなあ。 

これだけあればええやんという対価で満足しない。団塊の世代は倍々ゲームを経験してきた人達。そこを切り替えると幸せになれるじゃないか。 

ビルの掃除 窓ふき 対価は少ないけれど収入はあるやんという ある種のプライドを捨てれば」 






「日本はたとえば現実にサンマが南下してきてない そこへ至るまで地球が変わるんじゃないかと 人口どころじゃない住める面積が減るんじゃないか」 


「地球温暖化は地球がかわいそうというが 人間が住みにくいだけで 地球には氷河期もあったし」という小学生の作文を神戸新聞が載せていた よく載せるなあと思った」





「全体の成長がマイナスになると何が起こりますか?」との問いに、


「パイが減って行くから 1人あたりの分け前が減るのかなと」



「印刷屋は大ロットで売れる時代ではなくなった。ターゲットは絞りにくい時代。」 

「普通の消費者としても 買い替えを延ばそうかとか」


「ニトリでは修理をしている部署に勤めている。 まったく新たなものを持って行くより直してよくする。ニトリはめちゃくちゃ儲かってる」



 「進歩のスピード」というキーワードも出ました。



「北欧に行ったことある。30年40年たっても街並みがほとんど変わらない。日本は変わりすぎる。それが問題」

「マイナス結構。そこで何を提供できるか。たまに旅行に行って ゆっくり回っている社会をみるといいなーと思うと」

「足るを知るという言葉。ノーベル賞をとった人は常に前に、ということを言われますが。

脳科学者の茂木(健一郎)さんは、『自分はあきっぽい』という人の悩みに応えて、『あきることはいいことですよ、だから脳が進歩するんですよ』と言われる」 


「携帯電話の製造現場にいた。 四半期に1回モデルチェンジの嵐。それを要請してるのは消費者なのかメーカーなのか。仕掛けとして売る側がどんどんつくって売るからではないのか」

「そういうモデルチェンジの激しいところで働いている人は非常に厳しいたたかいを強いられますね」 


「小手先の新しいものより、まったく新しいものなら欲しいなーと思いますね」



「技術の進歩はすごいもので 止めてはいけないんだけれど 精神面ではスローライフの価値を認めないといけない時期ですね。 


ノーベル賞とか 技術や科学の世界はがんがんやってほしいと思いますが 精神面はスローライフを目指してほしいですね」



「レアアースが足りない。何に使われているかというと Ipadをスクロールするのにも使われているけど なければ元に戻るだけ ちょっと不便になるけれど」


「消費者から変わっていかないと難しいですね なかなか企業から変わるというのは」 


「売り手と買い手のコミュニケーションという問題があると思う 消費者としてはTVでみたから買う チラシでみたから買う 本当に欲しいのか」



 労働力不足の解決策として・・・ 


「労働力は減ってるんだけど 元気なうちはまだまだ働きたいという人に活躍いただいて というのも解決策ですね」


「アイデムなんか見ても ある年齢から消えますよね 職安に行ったら 性別、年齢をカウンターの向こうの人がすごく見てる。びっくりしました。

ヘルパー2級とろうとしたが 職安で書いたら 「男性はむずかしいですよ とっても就職口ありませんよ」 絶対に(年齢、性別)頭の中にあるなーと」


「藤井(淳史)さん雇う側になったらどうする?」との問いに、 


「性差、年齢差で人をみることはしない 毛利マークの未来にとってどんな人が必要か」と藤井氏きっぱり。


「TV、ネットで記号化され、人間理解のステロタイプ化はすすんでいると思う」と正田。


「コミュニケーションはやはりキーワードでしょうね。仕事をするということが生身のコミュニケーションをとりたいという願望」


「いやなことを見なくなるでしょうね ええものはええ わるいものはわるい 辛抱がなくなった それが便利の功罪かな」


「好きな人だけで固めてるとさいごだれも居なくなる、ということを最近感じた」



 今の政治家について注文―。


「いまの政治家でマイナス成長ということを旗印にしたら かみつかれるでしょうか?」 


「貧乏人は麦を食え とか言える政治家は今いない いいことばかり言って」


「そろそろ出てきてもいいんじゃないかと思うんですよね。日本という国はこうしないといけない、こうしようよ。マイナス成長の下でこういう生活の仕方 どや!という政治家出ないか。もっと前向きの話してよ」


「東国原知事 「俺らは寝ずにやっとるんや!」すごいなーと思いましたね」

「マスコミも含めて やったことが成果につながらないと すぐ非難、批判する」

「子どもが少ないことも経済も みんなつながっている だれか1本線を通してほしい」 


「携帯の機種変更とおなじで 政治家が流してるところがあると思う 1人1人考えているかというと みんなが考えて話し合っている中でのリーダーシップが必要」


「ヒーローとか カリスマが出てくる そういうのが出てくるとしたら非常に危険なこと 小泉改革が構造改革を志して結局失敗した マスコミもわれわれも足をひっぱる

今は中国に文句言うとき。日本の首相に文句言うときではない」


1人1人思考し、話し合う中のリーダーシップが必要」



正田からは

「マイナス成長が目の前にきている時期、悲観主義とともにあらぬ夢をみせられたらばーっとそっちへいちゃうかもしれない。

1人1人自分の足で立って思考する時代 周りに流されずに。

臓器が周囲と癒着しているのをはがすように、一度周囲とはがして自由に動けるようにした上で、今いるところを再確認する、再度足を踏みしめる、という作業が必要なのではないか」



山口ファシリテーターからは、


「大事な価値観が変わる時代。1人1人自分で思考を」




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 話題はあちこち飛び火し、1時間半があっという間でした。


 皆さん、ありがとうございました。



 よのなかカフェ次回は11月18日(木)、


「今どきの『かっこよさ』って何?」


というテーマで行います。



 今回も話題になった、「1人1人自立して思考し」、「話し合う」


 ということのために、よのなかカフェは存在するのでした。



 まだ体験されてない読者のみなさんも、ぜひ足をお運びくださいね!



主催:特定非営利活動法人企業内コーチ育成協会

協力:(株)毛利マークアロアロ


神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp