『U理論〜過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術』(C・オットー・シャーマー、英治出版)をやっと読みだしました。


 時間があるのに任せて去年、『環境世界と自己の系譜』(大井玄)を読んだときのような続きものの「読書日記」にしたいとおもいます。



 「U理論では、未来は過去とまったく違うものにならざるを得ないと主張する」


 序文で、ピーター・センゲは言います。



 「『搾取し、製造し、廃棄する。取り、作り、捨てる』という産業モデルが成長を続けることは不可能だ」、


 そして


「産業化を進めた考え方や行動パターンは、我々自身が作り上げてきた社会構造の中に長年の間に組み込まれたものだ。我々には違った社会構造を作り出す能力が備わっている」

(p.23)

 ―産業化が限界に達する中で、それを変える力は私たち自身に備わっている、というのです。



 そして「三段階の『気づき(アウェアネス)のレベル」があるとします。


 「自分たちがどのようにものを見ているかを観る」には、開かれた思考(マインド)、開かれた心(ハート)、開かれた意志(ウィル)が必要だ。


 最初の開かれた思考(マインド)はそれまで当り前のように信じていた仮定を捨て去り、これまではっきり認識してこなかったものに耳を傾け、見ることから始まる。それがあらゆる学びの始まりであり、たとえばビジネスでは、重要な環境変化を読み取る鍵となる。

 しかし新たな発見が必ずしも行動の変化に結びつくわけではなく。新たな行動にはさらに深い気づきが、それまでの経験の枠から踏み出し、知的な思考を超越したところで心から「感じる」こと、開かれた心(ハート)が必要となる。たとえば、数え切れないほどの企業が、環境の変化に気づき、自ら変わらなければならないと頭では分かっていながら、そうできなかったことがよい例だろう。どうしてそうなるのだろうか。このことを、シェルのプランニング・コーディネーターを務め現在は作家であるアリ・デ・グースは次のように語っている。「新しい現実の兆しは企業の免疫システムにはじかれてしまう」


 逆に変わりつつある現実の中にある人々がこれまでは見えなかったものを「見始め」、自分たちが古い体制を維持し新しいものを禁じ否定するのに手を貸していると気づいたとき、雪崩を打つように変化が生じる。これは会社単位でも国単位でも起こりえることだ。


(略)


 
 一方、第三のレベルで「観る」ことにより、我々の心の一番深いところにある願い(コミットメント、すなわち何を大切に思い、何に全力を尽くそうとするのか)が明らかになる。この開かれた意志(ウィル)は三つの変化の中で抽象的な言葉で表現することがもっとも難しいのだが、しかし具体的な状況を見ればその意味するところは自明であり、強い説得力をもって迫ってくる。


 二十年前の南アフリカで起きたのは、白人も黒人も自分たちが「祖国を愛している」ということに気づいたことだった。政府でも、権力構造でもない、自分たちの国そのものへの愛である。(pp.25-26、太字原文)






 ・・・とこうしてセンゲの序文でこの本の全体像をみた気になったところで、著者自身の「はじめに」に入ります。


 感動的な一節があります。



 それではいったい何が荒削りな岩の中から「現れよう」としているのだろうか。この変容にどう対処したらよいのだろうか。私には小規模なグループやネットワークから新しい形態のプロセスや力が沸き起こるのが見える。それはこれまでと違った性質のつながりであり、違った形で互いに結び付き、これから出現しようとするものに対処しようとするものだ。真の未来の可能性から行動しようとするとき、グループは通常経験するものとはかけ離れた質の社会的な場(ソーシャル・フィールド)に入っていく。考え方や対話の仕方や集合的行動が明らかに変容していく。こうした変容が起きたときに人々は深い創造力や知恵の源(ソース)に結びつき、過去の行動パターンの限界を超え、ほんとうの力すなわち真正の自己(オーセンティック・セルフ)の力を発揮できるようになる。私はこれを社会的な場(ソーシャルフィールド)の変容と呼んでいる。なぜなら、社会的な場とはあるシステムに属する人々が互いに関係し、対話し、考え、行動するつながり全体を総称したものだからだ。


 (略)


 社会的な場の変容は単に感動的な瞬間にとどまるものではない。それが起こったとき、往々にして、個人のエネルギーや意識は最高レベルにまで高められ、その人の真性さ(オーセンティシティ)や存在(プレゼンス)が持続的に深味を帯びる様にになり、方向性が明らかになることから、仕事でもプライベートでも大きな成果を挙げることができるからだ。

(pp.34-35「はじめに」)





 さて、私の愛する教え子さんたちはこのような変容を遂げたといえるのでしょうか。あるいは遂げている途上なのでしょうか。

 いずれにしても、そのこと(変容)の値うちに気づかなければ振りだしに戻ってしまうことでしょう。



 
 今回はここまで、次回はさらに著者の「はじめに」の途中から読み出します。お正月中に終わるのでしょうか・・・




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