『U理論』の著者C・オットー・シャーマーの語る「リーダー」と「リーダーシップ」について。


 ・・・現状に対処するためにリーダーに求められるのは過去の行動パターンにはまりこむことではなく、未来の最も高次んる可能性をもとに行動する方法を身につけることだ。ちなみに、ここでいう「リーダー」とは、組織化された構造内での肩書きにかかわらず、変化を起こし未来を創り出そうとするすべての人々を指している。


 (略)私は創造的な仕事をする人や第一級の専門家がいかに深いプロセスを経て仕事をしているかにしばしば感動し、このプロセスを「Uプロセス」と名づけた。(略)それは単に過去の経験に反応したり、振りかえったりすることとはまったく異なっている。しかしこのプロセスを体現するためには、私たちは、リーダーシップや日常生活に潜む「盲点(ブラインドスポット)」に気づく必要がある。(pp.36-37「はじめに」)



ここでいう「盲点(ブラインドスポット)」とは何か。著者はこれを「行動の源(ソース)」と言い換えています。

 
 同様にリーダーシップについても同じような三つの観点が可能だろう。まず、リーダーが何をしたか。これに関してはすでに数多くの著作の中に記されている。次にどのように行ったか。すなわち、リーダーが実施している過程についてであるが、これについても過去15~20年の経営、リーダーシップに関する研究はこの観点からなされている。


 (略)しかし、第三の観点、空白のキャンパスの観点からリーダーの仕事が体系的に研究されたことはない。「実質的にリーダーたちの行動の源(ソース)となっているものは何か?」は問われたことがなかった。


 (ハノーバー保険の元CEOであるビル・オブライアンは)何年ものあいだ組織学習のプロジェクトを経験し企業の変革を促進してきた人物だが、彼は組織に対する介入が成功するかどうかは介入者の「内面の状況(インテリアコンディション)」にかかっているという非常に優れた洞察を語ってくれた。(p.38)




 源(ソース)というと、私たちは自動的にソースワークショップや「価値観」を連想しますが、ここではそうでないようです。



 私は組織学習の分野でキャリアを積み重ねてきたが、そのキャリアを通じて得られたもっとも重要な洞察は、人には二つの異なる源(ソース)による学習があるということだ。それは「過去」の経験からの学習と、出現する「未来」からの学習だ。(p.39)



 過去からの学習は、ビジネススクールのケーススタディーや、歴史小説、成功した経営者のセミナーなど、枚挙にいとまがありません。


しかし「未来」から学習する??


 このひじょうに新しい考えが本書『U理論』の核になっているようです。


 著者は出現する未来から行動することを「プレゼンシング(presencing)」と名づけました。プレゼンシングとは「プレゼンス(presense: 存在)」と「感じ取る(sense:感知する)」から成る造語だそうです。



 「もっともすぐれたリーダーや巨匠は(過去からの学習でなく)未来の可能性に向けて行動している」


 と著者はいいます。



 社会的な場をみるとき、さまざまな厚みの、まったく違った意識の層(領域(フィールド)構造)があるといい、


 意識の領域構造の違いを生み出すスタンスや立ち位置は四つに分類できるとします。


(1)私の中の私―習慣的なものの見方、考え方でものごとを認識する。
(2)それの中の私―感覚や思考が大きく開かれた状況でものごとを認識する。
(3)あなたの中の私―開かれた心(ハート)で同調し感じる。
(4)今の中の私―私という存在の源(ソース)から理解する。


 そして上記の4つはそれぞれ、習慣、開かれた思考(マインド)、開かれた心(ハート)、開かれた意志(ウィル)から生まれているとします。

(p.43より抜粋)


 これらは続いて「話の聴き方」にも関連していくのですが―、


 よくトレーニングに出てくる「共感的傾聴」の段階のつぎに現れるものとして、「第四の聞き方」(「生成的(ジェネラティブ)な聞き方ともいう)があると著者はいいます。


 「未来が出現している領域(フィールド)から聴く」、「開かれた心(ハート)と、開かれた意志(ウィル)にアクセスすることが必要」、「そうして出現しようとする未来の最も高次なる可能性につながっていく」


 このへんになるとちょっと「仙人」の境地なのかな・・・。



 うーむ、最後までついていけるかどうか不明ですが何とかp.45まできました。


 この時代の真剣な思考のいとなみが文革とか紅衛兵的なものにつらなるものでないことを祈りつつ。(ワリとその世代なので、それ的なものには境界線を引きたがります)



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