27日、和光市・理化学研究所本所で開催した「脳と道徳(Moral and Brain)」シンポジウムへ。



 「人間のやさしさ、他人への配慮、正義感、芸術についての感情はどこからくるのか?そのような人間らしさはどこから作られ、脳とどのような関係にあるのか?」


 定員150名、〆切日前に満席となりました。



 イエール大学心理学部教授のポール・ブルーム氏は、まず


"we are nice(われわれは生まれながらに他人に優しい)"


と言います。


 優しさ、慈善、寛容性、チップを上げる行動、それらはどこからくるのか。赤ちゃんのときはどうだったのか。


 発達の非常に早い段階で、niceness(やさしさ)はあらわれる、とブルーム教授は言います。



 1−2歳の幼児でさえも、キャビネットの前で両手がふさがって立ち往生している大人をみて、走り寄ってキャビネットの扉を開けることができます。



 アニメーションを使ったさまざまな実験で、赤ちゃんはよいことをしたキャラクターを好み(選好し)、わるいことをしたキャラクターを嫌うことがわかっています。



 よいことへの選好は、それに先立ってあらわれるわるいことへの嫌悪から生まれることもわかりました。わるいことをしたぬいぐるみを罰する(叩く)行動も積極的に行います。



 また、わるいことをした者にごほうびをあげる人と、わるいことをした者に罰を与える人がいた場合、後者のほうを好むこともわかりました。



 ・・・しょうだは著書に「コーチング云々以前に『公正な厳しさ』のほうが大事かもしれない」的なことを書いていますが、実はそれが正しいようです。リーダーの公正さは、根源的に大事なようです。わるいものに対して弱腰のリーダーはきらわれます。



 さて、人は親しい人に対して優しくすることは生得的にできますが、見知らぬ人に対する反応は、恐怖、憎しみ、嫌悪感、さげすむ気持ち、です。


 互いに行き来のない者の間の暴力の歴史。宗教戦争、人種間・民族間対立、同性愛者への差別。・・・


 しかし、18世紀―19世紀―20世紀と、人類間の殺し合いは数的には減っているのだそうです。


 交通や情報技術の発達がそこに寄与しているのでしょうか。



「道徳観は相互関係によって育つ」―取引をすることによってはぐくまれる、とブルーム教授は言います。


 優しさはどこから来るか。


 生得的なものと後天的に会得したものとがあり、


「知らない人に親切にするのは生得的ではなく、私たちが聡明だから」


と、ブルーム教授は結論づけます。



「知る」「理解する」ということは大事ですね。


(つづく)



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