28日、NPO法人企業内コーチ育成協会の第3回通常総会・第11回例会を開催しました。


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 例会では「今、なぜ『承認大賞』なのか―マネージャー育成10年の軌跡とルーツ」として正田が珍しく講演をさせていただきました。


 当協会の成り立ちについて、また現時点の日本の企業・組織のとくに人材育成・リーダー育成についての考察を盛り込んだお話になりました。

 
 2回シリーズで内容をご紹介させていただきます。


 最初に、当協会の理念(ミッション、行動規範)を確認。


ミッション:
・企業内にコーチを育成する活動を通じ、活き活きした人の創出と経済活性化に努めます。
・自主・尊重・友愛の精神に基づき、人と人とのよりよい関わりを模索します。
・企業内の活用事例を社会へ向けて発信し、コーチングの一層の普及定着を図ります。
・コーチングとリーダーシップの調和を図り、21世紀にふさわしい新しいリーダー像を確立します。

行動規範:
・私たちは、組織の上下、内外にかかわらず、互いに尊重し、承認しあいます。私たちは、人としての基本の礼節と思いやり、誠実と正義を大切にします。
・私たちは、約束を守り、行動する勇気を重んじます。私たちは、つねに自己責任の感覚をもち、社会、顧客、仲間、自己それぞれに対して力の限り責任を果たします。
・私たちは、理性と感情の両方を重んじます。私たちは、よき社会人として節度をもち、法令を重んじ、倫理と規範ある行動をとります。私たちは、他者の感情を思いやり、自己の感情を認識し制御し、適切な形で伝えます。
・私たちは、つねに謙虚に、あらゆる場面で学び続けます。



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 その後、「NPOの現在」として、企業内研修が(外部)講座受講につながらないこと、経験的に講座受講こそが本当の学びであり、そこに注力したいこと、など。


(「企業内研修と講座の違いは、いわば市販医薬品と医療用医薬品のようなもの」といういいかたをしました。ただ薬に例えるのは適切かどうか)


 NPOの歴史。

 2003年より「マネージャー育成」に着目(業界では一番早かった)。かつ、「教育の非営利性」を重視。
企業内コーチ育成団体「コーチング・リーダーズ・スクエア」を設立(任意団体)。

 04年ごろより「1位マネージャー」輩出が始まる。パネルディスカッションを4年連続実施(コーチングを活用するリーダーによるパネルディスカッションも全国では初めて)、うち05,06年は「コーチング関西」として大規模実施。
 07年、企業・自治体などで連続講座受託。ただし正田家には鬱の家族2人。(翌年治る)08年、リーマンショックの直前にNPO設立。

 NPO設立後、2009年春よりコーチング講座を毎月開催。この年、システム思考の小田理一郎氏、教え方の関根雅泰氏など大物講師を例会によぶ。
 同年秋、応用コース開講。
 しかし基礎コースの集客に苦しむ。
 10年6月より某社研究所の大型研修受託。成果は挙がるも人事・研修担当がそっぽを向き、継続に至らず。
同年秋、応用コース開講断念。


 一方で外部環境、とりわけコーチングと日本の企業・組織の関係について、。


1997 某研修機関がアメリカからコーチングを輸入。
    当初はパーソナル(P)コーチング中心のビジネスモデル。
    「コーチング=Pコーチング」のイメージ形成
    交流会でクライアントを漁る新米コーチたち
    Pコーチングのクライアント獲得を目的としたコーチングセミナー
     ⇒口当たりが良く、組織には適合せず
    面白おかしい、楽しいコーチングセミナー
     ⇒真剣なマネジメントに応用するものとはみなされず
    「コーチング」は一巡、今は真剣・誠実でスタンダードなものとしてイメージ向上を図る段階。
    コンサル業界からは悪質な妨害、あるいは手を組む動きも。
    (コンサルの下請としてのコーチングには、「面白おかしいコーチング」が馴染む
2008ごろ 他研修機関も「社内コーチ」「マネージャー育成」に転換
    このころ、
    コーチングより遥かに高度な心理学・脳科学、「卓越性」を追求したプログラムが隆盛。


日本の企業・組織における人材育成の不幸な現状。


人事・教育担当者とラインマネージャーの乖離。
「人開に言っても何もしないですから、社内の友人に話します」(某マネージャー)
研修計画に信念と継続性、見識が不足⇒企業内研修への不信感
中には「学びすぎ」で組織に必要なものを見極められなくなる人も

経営層の人材育成・組織への無関心
ある世代以降の育てる文化断絶 
「育てない」が当たり前で「育てる」は過剰なヒューマニズムとみられる

一方で、国際的に日本のマネージャーは評価が低い(日米比較調査、労働生産性調査、中国進出企業の日本人マネージャーの評価の低さ)

東日本大震災で組織・リーダーシップの弱さを露呈
⇒「承認大賞2011プロジェクト」につながる


後半は「正田のルーツ」「当協会の教育の特徴」「1位マネージャーになるのはどんな人たちか」というお話です。


神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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