NPO会員で元銀行支店長の松本茂樹さんより、先月の通常総会向けにいただいたメッセージがありました。
 総会に出席された会員さんには配布していましたが、今回ご了解をいただいたブログにも掲載させていただきます。



銀行員時代の経験からコーチングの予防効果について考える       2011.05.22
株式会社アシストワン 代表取締役 
            関西国際大学 人間科学部経営学科准教授 松本茂樹

私は銀行員時代14回転勤して8回引っ越しをしました。それで、「松本引っ越しセンター」と呼ばれていました。(笑い)
さて、14回職場が変わることに加えて、約3カ月ごとに人事異動がありましたので、常にメンバーが変動していました。いつも、メンバーが一定していない中で成果をどのように出していくか。これには、一本筋の通った哲学と普段のコミュニケーションが必要でした。
「無意味な残業をしない、検査のための仕事をしない、泡沫の数字のための仕事をしない、常に王道を行く、世の中で必要とされる銀行、必要とされる人間になる。」
私は、変な上司に数多く使えましたので、自分が上司になったら人を馬車馬のようにこき使ったり、本末転倒するような本来の目的と行動の整合性のない指示命令をするようなことはやめよう。人を罵倒したり、精神的に追い詰めたりするようなことは絶対にすまいと心に誓っていました。
正田さんにコーチングを学び実践する中で、各人が自らの意思で能動的に行動し、かつ方向性にぶれがない組織作りを目指しました。毎日の声かけと承認によるコミュニケーション作り、個別面談での拡大質問等を活用したコーチングを意識して努力して続けました。
結果としてですが、営業成績では優秀賞を受賞できたり、監査では非常に高い評価をいただきました。何事もごまかさない王道を行くやり方は、ある意味しんどいこともありましたが、誰にとっても腹におちており納得のいくやり方で、不平や不満あるいは監査での
暴露等は出てくることもありませんでした。(支店長は格好良くあーいっていますが全然実態とは違うんですとか)
鞭ではなくコーチングという愛の力で王道を行く。これがコーチングを学び実践して得た信念です。
予防という言葉で考えましたが、病気にならないために「規則正しい生活をする、ビタミンなど豊富な体に良いものを食べる、バランスの良さを心がける。」ということを考えると、コーチングは一人ひとりの心の中に最良のものを目指すというプラス思考を生み出す
事になるので、これがビタミンのようにものごとが悪くなることを防いでいるのではないかと思います。




 「王道」という言葉が、今年とりわけ不思議と心に響くような気がしますね。松本さん、ありがとうございます。


 少し補足しますと、松本さんの銀行支店長時代の最後の2年とは2004~2006年のことでした。これが「コーチング期」であり、去年事例セミナーの時私はそれを「マネージャーとしての最高峰の仕事だったのでは」と言ったものです。

 1年目に優秀賞(トップ支店)、2年目に「目標達成率150%」という成績を残した松本さんは「コーチングの予防効果」「予防は評価されない」ということもしきりに口にされていました。監査で優秀な評価をかちとったように、コーチングは問題を小さな芽のうちに摘んでしまう働きがあるので、全体としては非常に大きな予防効果があります。しかし、「予防は予防したという証明がしにくいだけに評価されにくい」のでした。


 ・・・と、マネジメントではマネージャーがどういう動作や心のありかたを身につけていれば上手くいくか、そのためにはどういう訓練をすればいいか、というのはほぼわかっているのですが、それに「コーチング」と名前をつけてしまうととたんに胡散臭くなったり、不快に思われる人が出る、というのが悩みどころであります。




 今日はNPO理事で、よのなかカフェコンビの相方の山口裕史さんとお話。


 山口さんは釜山に2回の出張から帰ってきたところで、

「日本には残されている時間はあまりない」

「世界からみて日本はどうなんだ、という議論をしなければならない」

というところで一致しました。


 今後のよのなかカフェのテーマとしては、

8月4日 「男のプライド」、
9月1日「英語版カフェ 『日本人の英語力』」
10月6日「日本はスウェーデンを目指すべきか?福祉編」

 9月は、初の「英語版よのなかカフェ」です。「まずはハードルの低い話題でやってみて、必要な準備を見極めよう」ということになりました。

 10月はスウェーデン人福祉研究者(日本語が堪能)の方が出席される予定です。


 私たちが先走りすぎていないことを祈ります。



神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp