「今の親って、すっごい『不安』なんですよね」
快活な眼をきっ、として話すのは塾経営の「のりこ先生」(50代)。
のりこ先生は西宮市で個人塾を経営。塾では、幼児〜高校生の、あまり進学志向の強くない子どもさんを指導しています。土日は親御さんとの面談で大忙し。社会人となった2人のお子様のママ。
過去に「企業内コーチ育成講座 基礎コースA」および「応用コース」を受講されたことがあり、当協会方式の「コーチング」にもご理解の深いかたです。
「私たちが親だったときも不安は不安でした。でも質が違う気がする。不安にかられて教育している。
不安だから頼りたい、はっきり教えてほしい。教えてもらえると安心する。
例えば、お母さん方に”私学信仰”が強い。自分に核がない。
若いお母さんも不安だし、そろそろ子育て終わりかけてるお母さんも不安。
『先生、何か言い切ってくださいよ』
と、面談で期待されている。
言い切っているところは、商売が上手くいっているでしょうね。うちはそれをやりたくないので・・・、
その『答えが欲しい』という親御さんの姿勢は子どもさんにも伝染ります。今の子どもって答えをもらいたがる。でも子どもに責任がある場合って全くないの。親御さんなの。
親が求めてるものをこちらが与えてあげるのがいいことかというと、求めてるものを供給するのがビジネスでしょ?でもそれをすると、私の思ってる子どもは育たない。
どういう子どもであってほしいかというと、
何のために勉強してるの?―大人になる練習でしょ。
社会に出たら答えはないよ。正解をだれかが出してくれることなんてないよ。
自分で考えるってすごく難しいけど、考える時間が少なすぎる。与えてもらう情報量が多すぎて。
うちの娘は普通高校から通信制にかわって高卒で働いているし、上の子ももう社会人。自分で考えてやってるから、それでいいのかな。
考えられるようになったらOKなんだけど、しかし親はそれをみて別のことを求めたがる。
この2-3日のうちに4人ぐらい面談したんですけど、同じことを言いましたね。
『95点じゃなぜだめなの?』
って。
そのないほうの5点のことを言う前に、95点のほうをほめて受容してやれるでしょ?って。なんで100点とらないといけないの?
でも『くやしいと思ったら、次、100点とれるかもしれないじゃないですか』って言うんです、親御さんは。
うまくいってるときって、考えてもらえないじゃないですか。問題が起きて初めて考えてもらえる。だけどそのときは問題が大きくなって枝分かれしてるので、その枝ごとの対症療法しかできない。ほんとに根源的なところに取り組めない。
私はビジネスでは捉えられない、お母さん方のニーズに合わせたくない。だから自分が食べていく(収入)だけ。
子どもが家を出て、私何のために仕事してるのかなーって悩みましたけどね。
『挫折』ってキーワードですよね。子どもは挫折するというのはいけないことだと思っている。親は95点じゃダメって話になる。
『挫折してもいいのよ、今挫折しないでいつ挫折するんですか?』って、話すんです。でも理解できないみたいですね。
教育って、社会から独立してないじゃないですか。
私は勝ち組ではないよね、と思います。今の社会の中で勝ち組になりたくない。
親御さん方に不安があるとしたら、勝ち組になりたいのかも、あるいはマジョリティになりたいのかも。
あんまり外国の人って、年齢とか学歴とかこだわらないんでしょうか。
この間、イスラエルの23歳の女性と話しました。日本を旅していて、めっちゃしっかりしている。視野が広い。
私は子育てしてても他の人みたいになりたくないっていうのがありました。
幼稚園でお母さん同士べちゃべちゃしゃべるのが嫌だったから、子どもを保育園に入れちゃった。今はつるまないと不安なんですね。
今のお母さんは、情報源ってまわりだけなんでしょ。自分一人でどっかへ行って情報をとろうとか、本を買って読もうとか、しない気がしますね。
イスラエルの子は、ほんとにそういうの(人とつるみたいなど)が出なかった。
軍隊とかもあるからね、国を守る意識を植えつけられるから。
日本は平和なんかな。
はたらくお母さんが増えると子育てはどうなるでしょう?
いいことなんですけど、みるとこをみなくなるでしょ?
どこかへ預けてお金を払って。
しつけとか、話を聴いてあげるとか、本来しなきゃいけないことを十分にできないでしょうね。
ファミレスで子どもさんが走り回って親御さんが注意しないというのはよくみますね。
社会のルールを教えてない。叱らないといけないんじゃないか。
何割ぐらいの親が「叱る」をできてるだろうか。
私自身は、「人を傷つけない」「迷惑をかけない」といった、一番外枠のところだけを教えたつもり。
例えば自分がジャイアンの母だったら?
勢いの強い子、自分がやられたことがない子だと、相手の痛みがわからない。
やっぱり、相手の痛みをわからせるでしょうね。
それは、人目を気にしちゃうとできない。
自分の子どもの更生と自分の見栄とどっちが大事か、ということだけど、
人目を気にするのが現実ですけどね。
どなるからあかんと思うんですよ。
どこかに連れていってとことん叱るでしょうね。
前、親塾ってしてたんです。
傾聴とか大事ですよね、って話しても、『でもね』って納得してない。
2回目のとき、なんでおこるんですか?ときいたところ、
そこで自分の感情に気づいた。
『私、別のことで怒ったんですよね』と親御さん。EQですよね。
親の話を聴くことをしたいなーと思う。
親塾をやっていると、涙を流される方がいる。
『今から帰って子どもを抱きしめます』という方がいらっしゃる。
いいことやってるねって言われるけど、
宣伝してもなかなか人が集まらない。
うちは大丈夫ってみんな思うから。
つまづいたとき、個別の対応になる。
私、そういうのヘタなんです。広告ヘタ。」
「言い切るのがヘタ、広告するのがヘタ」
というのりこ先生。
「私、勝ち組になりたくはないし」という恬淡としたスタンスだからこそできること。
商業教育にならざるを得ない私塾の中で、こういう姿勢を維持する先生に出会えた親御さんは幸せです。
*****************************
旧知の教育関係者の中には、ヤンママを相手のビジネスを広げるなかで、非科学的な「言い切り」の話法を身につけた人もいらっしゃいました。
「子どもって生まれたときはみんな同じなのよ!!お母さん次第なのよ!!って話してやると、若いお母さん方はほ〜ってなるの」
・・・いや同じじゃないから、すべての子どもが個性的な脳、個性的な遺伝子をもって生まれてきてるから。病気とか障害とか発達遅れとか、何か起きたとき「自分の育て方が悪いんじゃないか」とお母さん方を追い詰めるもとです、「同じだ」とか言っちゃうと。
(そんなこと言ってるうちに大阪市の家庭教育支援条例が大変なことになってるようです。
こちらのブログ記事をご参照ください http://michiaripsy.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html?spref=tw )
少し前霊能力者と称する人の言いなりになるタレントの話題がワイドショーをさらい、「判断停止」する有名人、が話題になりました。他人に判断してほしい。「この色の服を着なさい」とか、「あの人と付き合ってはいけない」とか、言われたい。
でもその「判断停止」は多忙を極め、運不運に左右されストレスの高いタレントに限ったことではなく、普通の不安なお母さん方にも(ひょっとしたらお父さんにも)巣食っていて、そのお子さんたちに影響を与えるのです。
そのためにプロの教育者が恫喝とか言い切りの作法で自分を大きくみせようとしたら・・・、いや、ビジネス上手い人はそれをやるんでしょうけど。どのくらい今、蔓延してるんでしょうか。
のりこ先生は5月13日、よのなかカフェ「子どもたちが危ない!」にも出席してくださる予定。
歯に衣着せぬ(本当は品の良い美しい方です)のりこ先生のトークに触れたい方、是非いらしてくださいませ!
よのなかカフェ詳細とお申し込みは
⇒http://c-c-a.jp/cafe/
神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
快活な眼をきっ、として話すのは塾経営の「のりこ先生」(50代)。
のりこ先生は西宮市で個人塾を経営。塾では、幼児〜高校生の、あまり進学志向の強くない子どもさんを指導しています。土日は親御さんとの面談で大忙し。社会人となった2人のお子様のママ。
過去に「企業内コーチ育成講座 基礎コースA」および「応用コース」を受講されたことがあり、当協会方式の「コーチング」にもご理解の深いかたです。
「私たちが親だったときも不安は不安でした。でも質が違う気がする。不安にかられて教育している。
不安だから頼りたい、はっきり教えてほしい。教えてもらえると安心する。
例えば、お母さん方に”私学信仰”が強い。自分に核がない。
若いお母さんも不安だし、そろそろ子育て終わりかけてるお母さんも不安。
『先生、何か言い切ってくださいよ』
と、面談で期待されている。
言い切っているところは、商売が上手くいっているでしょうね。うちはそれをやりたくないので・・・、
その『答えが欲しい』という親御さんの姿勢は子どもさんにも伝染ります。今の子どもって答えをもらいたがる。でも子どもに責任がある場合って全くないの。親御さんなの。
親が求めてるものをこちらが与えてあげるのがいいことかというと、求めてるものを供給するのがビジネスでしょ?でもそれをすると、私の思ってる子どもは育たない。
どういう子どもであってほしいかというと、
何のために勉強してるの?―大人になる練習でしょ。
社会に出たら答えはないよ。正解をだれかが出してくれることなんてないよ。
自分で考えるってすごく難しいけど、考える時間が少なすぎる。与えてもらう情報量が多すぎて。
うちの娘は普通高校から通信制にかわって高卒で働いているし、上の子ももう社会人。自分で考えてやってるから、それでいいのかな。
考えられるようになったらOKなんだけど、しかし親はそれをみて別のことを求めたがる。
この2-3日のうちに4人ぐらい面談したんですけど、同じことを言いましたね。
『95点じゃなぜだめなの?』
って。
そのないほうの5点のことを言う前に、95点のほうをほめて受容してやれるでしょ?って。なんで100点とらないといけないの?
でも『くやしいと思ったら、次、100点とれるかもしれないじゃないですか』って言うんです、親御さんは。
うまくいってるときって、考えてもらえないじゃないですか。問題が起きて初めて考えてもらえる。だけどそのときは問題が大きくなって枝分かれしてるので、その枝ごとの対症療法しかできない。ほんとに根源的なところに取り組めない。
私はビジネスでは捉えられない、お母さん方のニーズに合わせたくない。だから自分が食べていく(収入)だけ。
子どもが家を出て、私何のために仕事してるのかなーって悩みましたけどね。
『挫折』ってキーワードですよね。子どもは挫折するというのはいけないことだと思っている。親は95点じゃダメって話になる。
『挫折してもいいのよ、今挫折しないでいつ挫折するんですか?』って、話すんです。でも理解できないみたいですね。
教育って、社会から独立してないじゃないですか。
私は勝ち組ではないよね、と思います。今の社会の中で勝ち組になりたくない。
親御さん方に不安があるとしたら、勝ち組になりたいのかも、あるいはマジョリティになりたいのかも。
あんまり外国の人って、年齢とか学歴とかこだわらないんでしょうか。
この間、イスラエルの23歳の女性と話しました。日本を旅していて、めっちゃしっかりしている。視野が広い。
私は子育てしてても他の人みたいになりたくないっていうのがありました。
幼稚園でお母さん同士べちゃべちゃしゃべるのが嫌だったから、子どもを保育園に入れちゃった。今はつるまないと不安なんですね。
今のお母さんは、情報源ってまわりだけなんでしょ。自分一人でどっかへ行って情報をとろうとか、本を買って読もうとか、しない気がしますね。
イスラエルの子は、ほんとにそういうの(人とつるみたいなど)が出なかった。
軍隊とかもあるからね、国を守る意識を植えつけられるから。
日本は平和なんかな。
はたらくお母さんが増えると子育てはどうなるでしょう?
いいことなんですけど、みるとこをみなくなるでしょ?
どこかへ預けてお金を払って。
しつけとか、話を聴いてあげるとか、本来しなきゃいけないことを十分にできないでしょうね。
ファミレスで子どもさんが走り回って親御さんが注意しないというのはよくみますね。
社会のルールを教えてない。叱らないといけないんじゃないか。
何割ぐらいの親が「叱る」をできてるだろうか。
私自身は、「人を傷つけない」「迷惑をかけない」といった、一番外枠のところだけを教えたつもり。
例えば自分がジャイアンの母だったら?
勢いの強い子、自分がやられたことがない子だと、相手の痛みがわからない。
やっぱり、相手の痛みをわからせるでしょうね。
それは、人目を気にしちゃうとできない。
自分の子どもの更生と自分の見栄とどっちが大事か、ということだけど、
人目を気にするのが現実ですけどね。
どなるからあかんと思うんですよ。
どこかに連れていってとことん叱るでしょうね。
前、親塾ってしてたんです。
傾聴とか大事ですよね、って話しても、『でもね』って納得してない。
2回目のとき、なんでおこるんですか?ときいたところ、
そこで自分の感情に気づいた。
『私、別のことで怒ったんですよね』と親御さん。EQですよね。
親の話を聴くことをしたいなーと思う。
親塾をやっていると、涙を流される方がいる。
『今から帰って子どもを抱きしめます』という方がいらっしゃる。
いいことやってるねって言われるけど、
宣伝してもなかなか人が集まらない。
うちは大丈夫ってみんな思うから。
つまづいたとき、個別の対応になる。
私、そういうのヘタなんです。広告ヘタ。」
「言い切るのがヘタ、広告するのがヘタ」
というのりこ先生。
「私、勝ち組になりたくはないし」という恬淡としたスタンスだからこそできること。
商業教育にならざるを得ない私塾の中で、こういう姿勢を維持する先生に出会えた親御さんは幸せです。
*****************************
旧知の教育関係者の中には、ヤンママを相手のビジネスを広げるなかで、非科学的な「言い切り」の話法を身につけた人もいらっしゃいました。
「子どもって生まれたときはみんな同じなのよ!!お母さん次第なのよ!!って話してやると、若いお母さん方はほ〜ってなるの」
・・・いや同じじゃないから、すべての子どもが個性的な脳、個性的な遺伝子をもって生まれてきてるから。病気とか障害とか発達遅れとか、何か起きたとき「自分の育て方が悪いんじゃないか」とお母さん方を追い詰めるもとです、「同じだ」とか言っちゃうと。
(そんなこと言ってるうちに大阪市の家庭教育支援条例が大変なことになってるようです。
こちらのブログ記事をご参照ください http://michiaripsy.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html?spref=tw )
少し前霊能力者と称する人の言いなりになるタレントの話題がワイドショーをさらい、「判断停止」する有名人、が話題になりました。他人に判断してほしい。「この色の服を着なさい」とか、「あの人と付き合ってはいけない」とか、言われたい。
でもその「判断停止」は多忙を極め、運不運に左右されストレスの高いタレントに限ったことではなく、普通の不安なお母さん方にも(ひょっとしたらお父さんにも)巣食っていて、そのお子さんたちに影響を与えるのです。
そのためにプロの教育者が恫喝とか言い切りの作法で自分を大きくみせようとしたら・・・、いや、ビジネス上手い人はそれをやるんでしょうけど。どのくらい今、蔓延してるんでしょうか。
のりこ先生は5月13日、よのなかカフェ「子どもたちが危ない!」にも出席してくださる予定。
歯に衣着せぬ(本当は品の良い美しい方です)のりこ先生のトークに触れたい方、是非いらしてくださいませ!
よのなかカフェ詳細とお申し込みは
⇒http://c-c-a.jp/cafe/
神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
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