17日、よのなかカフェ「たくましい若者の作り方―獨協大生にガッツを!」を姫路・ロバストにて開催しました。


 
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 姫路獨協大より元学長の大塚健洋教授(播磨総合研究所所長)が出席、その他地域の大学関係者・経営者・管理者・人材育成担当者・若手社員、経営支援団体より12名が参加。


 熱気のこもった議論になりました。

 (今回は、大学関係者・経営者は実名で、管理職・社員は仮名で掲載させていただきました)


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 姫路経営者協会・村瀬専務理事より趣旨説明。

 「子どもの教育というものが最近しっくり来てない。会社に入ってくる若手にガッツがないなーと感じている。くらいついてくるようなガッツのある子は育てられないのかな」


 当初はうっかり口を滑らした、ということが話が大きくなり、この集まりになった、と村瀬氏。

 この話題がこんな広がりを見せるのが姫路の良さでしょう。


 大塚教授より姫路獨協大の現状。


「地方の私大共通の悩みで、学校は多い、子どもは少ない。するとどうしても偏差値で輪切りになっているので、学力レベルの低い学生も入ってくる。すると今までの大学の教育システムでは育たない学生も入ってくる。ただマッチングすると大化けする学生もいる。教育システムを作り直す時期に来ている。」


 具体的には、医療関係の学部では国歌試験合格を目標にすることにより、また外部での実習があることによりモチベーションを持たせ高い合格率を出している。文系ではそれができていない、という問題意識がある、とのこと。

 地元出身者の比率は25%〜3分の1。留学生が現在150人程、圧倒的に中国から。

 獨協大学を誘致したのは姫路工業大学がなくなり地元に大学が1つもなくなった時期。当時、「産業都市から文化都市へ」と転換を図った時期だった。また優秀な若者が他地域に流れ、「地元に優秀な若者を定着させたい」という問題意識もあった。いわば「地学地就」を当初から掲げた大学。


 インターンシップは、姫路経営者協会などの協力を得、姫路市役所などに行かせている。ただ受け入れ数に限りがあり、予備選抜もあってすべての子を行かせるわけではない。


 Hさん(会社員、卒業4年のOB):「地元出身、近いから獨協大を選んだ。法学部出身だが、やりたいことはやらせてもらえた。周囲には勉強しない人もいたがぼくは自分で頑張って勉強し、何人か一緒にやる友達がいた。やる気のある子にはいい大学。」


 
 ここから企業サイドの方々の現状認識―。


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井上さん(製造業経営者):「中小企業だが20年くらい前から学卒の人を採用する取り組みを始めた。そのための体制として会社の外観、内装や設備も一新した。今後は技能伝承をしっかり出来るよう、社員の教育もすすめていきたい。

私は企業で採用を担当する一方、今春大学へ行ってマナーの講師もした。そのとき『知識だけではなく、企業はこういうところをみてるよ。現場ではこういうことがあるから、こういうところに気をつけなくちゃいけないよ』という話をした」


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竹原さん:「最近の若者はと言われるが、頑張る若者は頑張る、頑張らない若者は何とかしてあげないかんなあと思う。期待をしてあげれば頑張ると思うんでなるべく姫路市内の企業が採用してあげて若者に働く場を提供してあげる。県立高砂南高校の評議員を10年ほどしていた。周囲の高校に比べ成績のわるい子とレッテルをはられていたが、躾をきっちりやり、約束を守る子、あいさつのできる子をつくろうという教育をした。三菱重工高砂製作所では高砂南高校の学生が入社率100%だった。学生さん、生徒さんの良さを引き出すよう、世の中のほうを少し変えていかなきゃいけないんじゃないか。」


村瀬専務:「メーカー勤務時代は最後は総務だったが大半は設計。そこで見た若い人でいうと、本当に賢い、成績優秀な人は研究職へ行って伸ばしていけばいいんですけど、一般的な四年制の大学を出た技術職の人は、機械であれ電気であれ、そこそこのレベルなんですね。会社に入ってからが勝負。そういうときものに取り組むときの姿勢とか心構え、そこに尽きるなあという感じがしてました。もっとわかりやすく言うと、大学出てきてもお前やる気あるんか!っていうのがよくありまして、ぼくは実は高卒の元気のいい奴が大好きで、そういう奴をこつこつと頭を叩きながらいじめながら育てるというか、それで育つ奴が今でもやっぱり可愛いですね。会社に残ってるやつでも『ああお前ええ感じになったな』と。そういう人を育てる人になりたい、というのが私が会社時代に思っていたこと。そこから今日のこういう話題の提供になった」





メーカー経営企画:「連続TV小説(朝ドラ)で梅ちゃん先生をやってますね。その中で梅ちゃんの隣の家が典型的な町工場で片岡鶴太郎が親父さんで、東北からの集団就職の話が出てきます。鶴ちゃんが『大事な息子さんを預かってるんだから一人前に育てなきゃ』と言ったり家族同然に住み込んだり。その若者が朴訥で本好きで、いつも『自分は役に立っていない』と思って夜中にこそっと仕事をしたりする。それをまた鶴ちゃんが『そんなことせんでいい。ちゃんと一人前に育てたるから』みたいに言う。そういう育てる文化、伸ばす文化が今はなくなって、即戦力を求めるようになった。私の会社でも人が足りないとなれば派遣を使いコストを削減する。そういうところをやっぱり変えていく必要がある。それは企業側もそうですし、はたらく側も意識を切り替えて責任ある態度を養っていく必要があるんじゃないか。」


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Tさん(営業会社総務部長):「言われた通りで、私自身が入社した当時は3年かけてじっくり育ててもらった気がする。しかし今は創業4年目の中小企業で、即戦力ということを求めざるを得ないというのがジレンマ。自分が育ててもらったように育てられたらいいが、営業会社なので目の前の数字を作ってくれる人を求める。現実に入ってくる子は、我が社の場合中途採用で、転々としてる子。すごい素直でいい子。具体的にどうやって営業成績を上げられるかがテーマ。」


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正田:「2つのことを感じた。今お2人の言われた、育てながら使うという視点はとても貴重だと感じる。今日は企業の現場からこういう人を育ててほしい、という注文をきくときに、『完成品を作ってほしい。うちでは育てないから育てる必要のないやつを作ってほしい』という話になったらどうしよう、と思っていた。皆様がそう思われているということは本当に貴重。先日江戸時代の商家の職業倫理の話をメールニュースでご紹介したが、そこでは企業が教育機能をもっていた。小学校ぐらいの歳で丁稚奉公にあがり、奉公先で徳育も知育も全部教えてもらう。それが結構機能していた。その後明治維新、工業化で職住分離が起こり企業と教育が分断された。今それが機能不全が起きているのではないか。


また、Tさんの今のお話の後半部分は、転職市場、第二新卒市場にいる子たちというのは大人しい子が多いということでしょうか?」


Tさん:「私が採用を決めているわけではなく、うちでは営業責任者たちが面接をして決めている。その責任者たちも若く、自分が育ててもらった経験をしていない子たちで、色々模索しながらやっている。その責任者が『この子なら、この子と一緒に仕事したい』と思う子を入れるので、各拠点によっても違うが営業未経験でも素直でやる気がありそうな子を採用していると思う」


 ここで、少し違う視点からの問題提起がありました。「頑張りたいのに頑張れない、そういう若者を置き去りにしていないか?」とても大事な視点です。


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Uさん:「私も6年ぐらい前まではそう思っていました。いま思うのは、学生さんも本当は頑張りたい、一生懸命働きたいと思っているだろうと思うんです。その中でどうしたらいいのかわからなくてつまづいてる。そこを1人ひとり探らないと前に進まないんじゃないかと思う。これは私が親として思うことで、学生さんたちがつまづいている。それは何かというと自信がない。踏み出すきっかけがない。だれか後押しをしてくれる人がいない。こうすればいいんだよというところを示してくれない。それともともとの障害があるかもしれない。親がそこにどうかかわってきたのか。小学校、中学校、高校、そして大学の先生はどう関わってきたのか。そこをわからないでただ『ガッツがない』と言ってしまうのはちょっと酷なんじゃないか。『そうしたいんだ、でもできないんです』と訴えてる子が沢山いるんです。実は私の子どももそうなんです。一時期働いていました。でも疲れてしまってはたらけなくなり、いま家にいる状況です。学問はあるんだけど対人能力が低くてうまくやれない。頭でものを憶えるんだけど五感で感じることはちょっとできない、だから仲間外れにされた。うまく協調できない。若い人から見たらそういうこともあるんだよ、企業の採用する側の論理だけじゃなくそういうこともみてほしいと思う。学生さんがどう感じているのか聴いてやってほしい。

社会的に人をどうとらえるか。ある分野でとんでもない能力を持っている人もいる。金太郎あめのような人ばかりではない。そしてそういう人を捨てていくことはできなくなっているのではないか。そういう人は増えつつあるのではないか。

先ほど企業研修(インターンシップ?)のお話がありましたがそういう形で人物から体験させてもらうというのは非常にいいことなのではないかと思う」


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高見すま子氏(短大講師、社会福祉専攻):「私の見てきた短大の学生さんはコミュニケーションがとれない人もいるし、それにダメダメばかり言われていまだかつて褒められたことがないという学生さんもいます。短大の2年間で勉強よりも自分に自信をもって社会に入ってほしいと思う。本当に胸が痛くなる、この人たちの責任なのか?ということをずっと思います。褒めてあげればいいやん、って思うんです。少しでもいいところを見つけてほめてあげたらいいのに、あかんあかん、態度が悪い話を聴かんとか。話を聴かへんというのはそれは教える側の責任ではないかと思ったりもします。聴いていようといまいと話を進めるというのを大学の授業ではなされるんですけど、私は双方向の授業をしたいと思うんです。だから(学生が)本当に色んな話をしてくれます。私は8歳のときに父親を事故で亡くしまして、貧困の母子家庭で育ちましたので、そういう話も平気で学生にします。そうすると男子学生が研究室に来て、突然『先生おれんちも母子家庭。おとんがいつの間にかいなくなった』とか、それから大きな体格の男子学生が、ぽろぽろ泣くんですね。小学校5年生のときに両親が突然離婚したと、何にも言ってくれなかったと。でも20歳だからそれをとっくに解消できてるのかと思ったら、その思いをずーっと引きずってるんですね。いまだに元に戻ってほしいって。だから彼は小学校5年生のときから全然その思いを消化できていないっていうか。

 だから今、即戦力になるような学生さんを送り出してほしいと企業の方ではそうお思いになるかもしれないが、私が接している学生さんは本当に、本当にさまざまなことを抱えています。

 それと、私が育った年代と今の平成生まれの学生さんでしたら、世の中もコロッと変わっていますから、私たちの価値観をそのまま学生さんに押し付けていいのかなという思いもすごくあるんです。男性も女性もおじさんもおばさんも、マナーとかすごく悪くなりましたよね。電車で向い合わせの4人掛けの席で、奥の窓際の席に『失礼します』って座る人はまずいない。そんなときに『失礼します』って言ったら本当に心が和む。どうしてそういうことを忘れちゃったのかなあ。だから学生にはいつも、『ひと言失礼しますって言ったら、男前がより男前に、べっぴんがよりべっぴんに見えるのよ』って言うんですけど。社会が変わってしまったなあ、これは学生さんだけの責任ではない、といつも感じております。どうしたらいいんだろうと。」


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大塚:「学生と接していていつも感じるんですが、自分を見つめることができていない。いい素材を持ってるんだけれども、自分はいいものを持ってるという自覚を得られないんです。自分を対象化することを今までやってこなかったんだなあと。

 つい最近の例ですが消防士になった学生がいるんです。1年の時から私のゼミをとってまして、最初は金髪に染めてヤンキーでした。でも2年生ぐらいからだんだん変わってきまして、消防士になりたいんだと。なんで?ときいたら、実はおばあちゃんが自分の目の前で心臓発作を起こして倒れて、救急隊員の人が一生懸命救命してくれた。亡くなってしまったけれどその姿が忘れられない。それをきいて『この学生は通る』と思った。最初の初一念がありますから。それに向けて何をしたらいいか、というのを色々アドバイスしました。学生も自分で考えて普通救命講習に行ってきました、とか言うんです。次には東北大震災の現場に行きました。そして学内のそういう受験のための講座をとって、頑張れよ頑張れよと声をかけていたらとうとう最後、通った。これほど化けるとは思わなかったですねえ。通って就職したら、『先生、これ初任給で買ったビールや』とビール6缶ほど持ってきてくれました。お母さんも『先生に合わなかったら子どもはこうはなってなかったと思う』と言ってくれました。これは教育の醍醐味だなと思いました。

 そういう幸運な出会いばかりじゃないんですけれども、その子の相性のあう先生に当たるとぐっとその子の良さを引き出してあげられる。良さを引き出して次のステップどうしたらいいのかとアドバイスをしてあげる。と、本人もあとで考えてその通りと思ったら実行するんでしょうね。

 大学の教育の中では色々なことがあります。同じような先生ばかりだとダメですんで、いろんな個性の先生がいて、学生がその中で選べるような形にする。そしてゼミで育てていくと。そういう接し方ができれば、悩む学生も少なくなってくるんじゃないかなあと思っています。」


正田:「ありがとうございます。高見先生、大塚先生に出会われた学生さんはお幸せでしたねえ。誰かがいいところを見つけてあげれば、伸ばしてあげれば、寄り添ってあげれば。」


高見:「『先生変わり者』って言われるんです。大抵、先生方みんな上から目線っていうんですね。でも先生は人の話聴いてくれるやろ。人の立場になって聴いてくれるやろ。だから変わり者って。

 でも本当に学生さんが愛おしいんです。本当に愛おしいんです。何とかして頑張って就職してほしい。

 『先生、ぼく結婚する』って言うんです。やっと20歳で就職したばかりなのに。ぼくパパになる、やっと守る者ができたって。でも介護福祉士だから、現実には食べていけない。そういう現実もあるんです」


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田中さん(製造業経営者):「私も大企業にいて中小企業にきて、結局『即戦力はダメだ』『即戦力は幻だ』ということを思います。やっぱりそれぞれの企業、それぞれの職場で合うようにするには育てるしかない。私はいまたまたま2人入れましたけれど、幼稚園と一緒です。私は大学ノートを作りましてね。これは以前、10数年前にある社長の息子を預かりまして、いまひとつ出来が良くなかったので、大学ノートに毎日日誌を書いて、あったことを書いて、1年半ぐらいやりました。
その経験を活かして今、同じようにしているんですけれども、その中で学校の先生にもお願いしたんです。やっぱり今の学校は偏差値だけで価値判断をされてるんですが、人間は高見先生が言われたようにいいところを見てあげれば伸びるんで、指導者はどう人のいいところを見てほめていくか。上から見ればダメです、というのはいくらでも言えるんですけど、その人を育てるという気持ちがないと良さがみえてこないんでね。それを言うとその人たちが心を開いてきいてくれる。高見先生の言われるように、上から目線で「オレが上司だ」という気持ちで言っていては、自己マスターベーションだけで相手本人の心に入っていってないね。

 学校のほうにお願いしたいのはやっぱり今の人たちはコミュニケーションがとれない。基本はなにかというと、挨拶ができない。私がいつも『おはよう』と言っても返ってこない。返ってこなくてもとにかく言い続ける。言ったことに対しては必ず返事しろと言ってね。返事ができないんです。これはやはり基本的なことで、核家族になったからとか、ひとつの現実だと思う。とにかくいろんなことをするとき挨拶を言って次にいくんですね。挨拶抜きでいきなりストレートに言ったらなかなかぱっと入っていかない。こういうことを学校のほうで指導していただければいいのではないか。

 それから、わからなければ訊くということ。質問が出てこないんです。何かすると『きいてなかった』と。お前わからんかったんか、と。挨拶と、わからなければ訊くという、この2つがあったらどこへでも行ける。

 ものづくりをしてますから専門知識も欲しいんですけど私は人間性をみて決めまして、何を見るかというとやっぱり目です。面接して短時間で決めるのはなんで決めるか、騙されもしてきましたが、良さをどう見つけるか。

『君は何でもくらいつくところがあるから、決めたんや』と言っています。そのためには知識がなくても教えることもしながらね。そういうふうに言うとごっつやる気をもってしてくれるなあと。

 育てるということは本当に気が長く要るなあと。偏差値、研究者ならそういうのが要るんですけど。あとはただ訊いてくれて、くらいついてくれるなら、なんでもできるんちがうかなと思うんですが。」


村瀬:「私の会社時代のことで、若干語弊は覚悟、ある面非常に厳しいことはあるんだよということで。育てる、これは絶対大事なんですけど、鍛える。鍛えざるを得ないんです。勝負に負けてはならないんです。勝たないといけないんです。

 ですからちょっと極端な表現ですけど、25年前のわたしのいた部署では死屍累々、それを踏み越えてでも前に行くしかなかった。それも問題はあると思うんですが、そこで刀を打つがごとく、打って打って鍛えられたものが通用して、会社の総合力になっていく。厳しいんですがそれが現実としてはあるわけです。そこからはみ出るヤツはたくさんいて、それは会社のほかの部署に出るわけですけど。

 そういう厳しい場面でたたかうということは現実にあります。そういうことも私の経験から。」


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Nさん(人材育成・採用担当):「採用の担当になって5年ほどになります。企業が求めている人材と自分自身個人的に一緒に仕事をしたい人材とは別のものだな、というジレンマはあります。企業が求めるのは即戦力とか、将来的に先に立つ人材とか。人柄、人間性というところは結構2番手、という感じは受けています。私が担当しているからには基本的な人間性、挨拶、行動・言動をみながら採用していきたい。

 地元の中小企業なので、アットホームなやんわりした人間が多いのですがトップに立とうとしている企業もありますので、どういった企業が合っているのか学生の間に見極める必要があるかと。学生さんの個性を見出していただくことを大学様にもお願いしたい。大塚先生のお話にもあったような、『この子はこっちが向いてるんじゃないか』と言えるような、1人1人とのかかわりを積極的にもってほしい。

 私も個人的に、甥っ子が大学を中退して消防士になったんですが、そのきっかけもやっぱり同じで、大学に入ったんだけど自分が何をしたいのか何をしようとしてるのか良く見えてない。そこで話をする中で自分がやりたいことがわかってきた。そこで方向転換したということなので、大学に行くことが働くことにつながるわけでもないと思ってますし、色んな人とのつきあいの中で人を育てていくんじゃないかと思っている。大学様だけに学生の成長を求めるのはきびしいかなと。

 面接をしていても、会社に来たときの姿を見ても、個人差はあります。10分、20分の面接で人を決めるような力は私どもも持ってません。どのところを見るかというと、最初の会った印象や挨拶、身ぶりそぶり、姿勢、といったところを第一に見るようなことになります。普段の行いが何かのときに出る、そういった考えをもってますので、基本的なところをもう少し見てやってほしい。やはり勉強できるできないでは人を判断できませんので、そういうところをお会いしてみて判断するようにしています。やはり就職活動のときだけいい恰好してもそれはばれると思うので。

 インターンシップのお話も出たが、学生様が企業で仕事をして社会人としての自覚をもつ。企業にとっては1−2週間、あるいは1日学生様をお預かりして仕事をしていただくということでは、学生さんとお会いできていい機会ですが、学生さんにとってそれが本当に就労、社会人の勉強になってるかいうのは、そのかたの意気込みにかかっていると思う。

 インターンシップよりはアルバイトのほうで社会経験をされる方もおられるので、インターンシップだけがウエートが重いということではなくて、社会勉強をされるうえではアルバイトなどもされてはどうかなと。

 あとは部活動の中で上下関係であるとか、規律面などの勉強も必要ではないかと思う。」



竹原さん:「先ほどから即戦力の話が出ているが、一部の中間採用、通年採用を除いて、即戦力を望んでも詮無いのではないかと思う。上の人が、村瀬さんがおっしゃるように鍛えるしかない。学校側が、『社会に役立つ大学』を掲げているケースもありますけれど、企業の立場から言うとそんなのほとんど役に立たないので、学校がすべきことは2点だと思うんです。大学院の博士課程を除いて小学校から大学院の修士までは、基礎的な学問、基礎的な学力をきちっとする。あとは人間力、自分のためでなく人のために頑張ろうと。大学はその2点をすべきです。世の中の動きを追っかけても、世の中の動きが早くて企業もめまぐるしく変わるから、追っかけようとしても追っかけきれないです。」


正田:「大変重要なポイントをありがとうございます。」


ここで、大室さんと竹原さん、お2方からそれぞれ「私案」を発表いただきました。


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大室さんは「農業」に軸足を置いた就労機会創出について。

また竹原さんは、「クラブ活動・ゼミを活性化し一流化(ブランド化)」「他大学のベンチマーク」「市民サポーターづくり」など、本格的な詳細にわたる大学活性化案を出してくださいました。

それに対して、大塚元学長からこれまでの施策(取組み)について説明などがあり、また今後の取り組みについて意欲を見せました。


・・・・


 ここでお時間となりました。


 非常に貴重な、企業の皆様からの実感のこもった「若者観・育成観」、そしてよのなかカフェとしてはエポックメーキング的な私案の発表、と盛りだくさんの、熱気あふれる2時間でした。名言がいっぱい出ました。


 ご参加の皆様、本当にありがとうございました。また会場のロバストさん、写真撮影・Ustream担当スタッフの手配などもしていただき、本当に助かりました。ありがとうございました。



 今回のよのなかカフェは、Ustreamでこちらから視聴いただけます:

(1) http://www.ustream.tv/recorded/24766320(前半1時間30分)


(2)http://www.ustream.tv/recorded/24767668(後半30分)




 さて、途中で司会の役割を逸脱して「企業の教育機能」について私見を述べてしまった正田ですが、その後また新たに思ったこと。
 
 今月はじめのこのブログの記事で


 「見えない競争力」を磨く―工業会・池田会長講演(8月5日、※講演は7月31日)

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51819670.html


 こういう視点が、必要なのではないかなとぼんやり思いました。これは企業にも、大学にも。我田引水めくでしょうか。

 (このブログを続けて読まれている方なら、おわかりですよね・・・)


 あと、「女性」がやっぱり正しいことを言いますね(私の事じゃないですヨ)「女性」抜きでものごとを語ったり決めたりしてはいけませんね。改めて実感でした。




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp