気を良くして、8月10日に施設で「承認研修」をおこなった昨年度「承認大賞」の林義記さんにその後の様子をうかがってみた。


 法人の2施設から20数名のリーダーが集まった、夕食後のわずか2時間半の研修。

 しかし事前の意識づけが良かったため、大変良いムードで受講していただいた。


 残念ながらこの施設では統計調査のエビデンスはとっていないが、林さんのお話では、やはり非常にいい雰囲気になっているとのこと。

「コミュニケーション量が増えていますね。職員同士で相談をもちかけている、相談しあっている件数は格段に増えていると思います」

と林さん。

「とにかく『承認』が共通言語になっています。『承認してみてん』とか、普通に会話に出てきます」


「研修後に個別に相談していた人も、その後表情が変わりました。1人は有能ですが『こわい』と言われていたリーダーでしたが、柔らかい雰囲気になりました。もう1人はぼくから見て行動が早くなっていると思います」


「利用者さんも、できなかったことができるようになったり、喜ばしい変化がありました。そのケーススタディーの発表のときにも、『今の発表で良かったことは何ですか?』と参加者に問いかけ、1人3つずつ言ってもらうように促しました。そうして何が良かったかの振り返りと、もっと上を目指すためにはどうしよう、と次の目的意識が出るようになっています」


「職員も利用者さんの強みに目を向けよう、という機運が出てきています。問題行動を『強み』の表れとしてみれないか、というお話があったと思うんですけど、そういう見方をするようにぼくからも促しています。環境を整えてやれば、強みが問題行動でなくちゃんと強みとして発揮することができ、問題老人なんかではない1人の能力のある人として生きていただけるように。」


「今、病気や家庭の事情でお休みしている人が出て、人繰りの苦しい状態です。私自身も休みを返上して出ている状態で、何人かそういうしんどい人がいるんですが・・・、何とかいいムードを保っていますね」


「『承認』で悪いことが出ているというのは、特にないですね」


 気働きの人・林さん、「私もまだ修行中なんです」と言いながら細やかに職場のようすを報告してくださった。


 私からは、1つ前の記事に出てくる施設のデータをお伝えし、


「承認は決して新興宗教のような怪しげなものではない。自信をもって引き続きやってください。私は1回しか関われませんから、施設の皆さんで声をかけあって続けていってね」


と言った。



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