17日夜のNHK「クローズアップ現代」「女性は日本を救う?」を興味深く見ました。


 IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事が出演。今週、東京で総会を閉会したばかりのIMFは"Can Women Save Japan?"と題する緊急リポートを出しました。


 それによると、女性の社会参加により日本の1人当たりGDPは4〜5%上昇する。女性の潜在能力を引き出す取り組みが遅れることによって、日本の経済復興が遅れる、といいます。

 そして
 1)女性管理職・役員を増やす
 2)家庭と仕事の両立支援

を提言しています。


 日本では第1子出産後に働く女性の6割が退職。その後、

・いったん仕事を辞めると戻れない
・男性の育児参加が少ない
・保育サービスが他国に比べ少ない

などが壁になり就労を妨げています。


 日本での取り組みとして横浜市の例を紹介。2年前、待機児童数全国ワーストだった横浜市では、幼稚園―小学生の保護者の意識調査を行ったところ、現在働いていない保護者のうち7割が就労希望があることがわかった。しかしフルタイムではく、パートタイム希望だった。一方で既存の保育所はフルタイム就労を前提としている。


 ミスマッチ解消のため、市は一時預かりに重点を置きこれまでより安く利用できるようにした。これで就労率が上がったという。


 ”柔軟な働き方”を提言するIMFでは、お手本になる国としてオランダの例を挙げます。


 オランダでは、女性の就労率を上げることで「オランダの奇跡」と呼ばれるほどの経済成長を果たしました。国を挙げてパートタイムからフルタイムへ、またその逆へ移動できる「柔軟な働き方」を法制化し支援。かつてはヨーロッパで最も女性が活躍していない国であり40年前には就労率2割であったものが現在では8割と、世界で最も高い水準に。

 そこでは、週4日勤務のパートタイムだが管理職である2児の母親の女性、その夫でフルタイムからパートタイムとなり、夫婦で1.5人分の収入だが子どもと触れ合え充実していると語る男性などが登場します。


 「同一労働、同一賃金」の原則、社会保障の充実、パートにもどんどん責任の高い仕事をさせやりがいを持たせるなどの施策が活きています。


 そして、IMFが主張するような「働く女性が増えれば需要が喚起され、経済が潤う。それを起爆剤に経済成長する」というシナリオは、オランダで見事実現したのでした。


 一方日本では―、

 長谷川閑史・経済同友会代表幹事は、「日本が変わるにはいくつかのステップを踏まなければならない」と、やや歯切れのわるい口調で語りました。そのステップとは、

1)時間外労働の削減
  ホワイトカラーの生産性が国際的にみて低いと言われて久しいが、それを放置してきた。
  東京都の調査では、お父さんの帰宅時間のピーク時は23時。これでは育児参加などままならない。
2)育児中の女性にフレキシブルな働き方を許容する

というものです。


 この「歯切れの悪さ」が、なんとなくこの番組の「その先」を予測させるもので興味深くみました。

 長谷川氏の会社、武田薬品工業でも女性管理職比率は2013年に5%にするとかしないとか?ききのがしましたが非常に低い比率のようです。

 だいたい長谷川氏、キャスターの国谷裕子氏のことを名前でなく「キャスター」と呼んでるし。普通のこの番組の出演者は「国谷さん」と呼んでるよね。


 去年から「スウェーデン」を取り上げてきて思うのは、たとえば長谷川氏はオランダ事情のうちの「男性もパートタイムになり子どもとの時間をふやす」という部分に「ひいた」姿勢になり、「そこまでなるのはちょっと・・・」と、事前のステップを慎重に強調するような言い回しになったようなのですが、モデル国のうちにどこかエクストリームに見える部分があると、それ以外の学べる部分についてもすべて及び腰になる、という反応はよくみました。


 そうした、大義名分はあり、モデルもちゃんとあっても、それでも「変わりたくない」が先に立ってしまう、これが平成のびびり国日本です。

 なのでこの番組があっても、すごく変わるということは期待薄です。もうここ数年で何回目かだよなーこういう番組。国際機関から「女性の人権」とか「女性の就労・管理職比率」で警告めいたものを出されるのも何回めかだ。

 今回のは、「女性を雇用・登用したほうが『儲かる』よ」と促しているのが目を引くでしょうか。
 
 政府目標の「2020年には女性管理職率30%」は、もう8年後になっています。

(すみません、このくだりは最初間違えて「15%」と打っていまして正しくは「30%」でした。正確な文言は、、「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位(※)に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標(平成15年6月20日男女共同参画推進本部決定)でした。「期待する」と言っているし逃げ道はあるのだ)



 締めくくりにラガルド専務理事は、国谷キャスターから「女性は日本を救えるでしょうか?」との問いに答えて、

「もちろんです。急速に進む高齢化という現実があります。生産人口を増やさなければならない。そこに優秀で教育レベルの高い女性たちがいる。おのずと答えは見えています」
 


…でもラガルド専務、日本は定年後雇用延長して男性が長く働くようにして生産人口を増やそうとしてるんですが。と、TVに向かって心の声でつっこんでしまいました。



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