25日、神戸で久々の「よのなかカフェ」を開催しました。

 通算第36回、新会場のシェアオフィス&コワーキング「コロコ」さんでの記念すべき第1回です。


 コロコさんの入口


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 白を基調に、グリーンを差し色に使った明るくおしゃれな内装。従来のコワーキングスペースにどちらかというと男性的なイメージがあったのに対し、女性も利用しやすい雰囲気です。


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 内装を手がけた石川仁生さん(prescape)。最近税関前にオフィスをお引越ししたそう。磯上通り界隈が再びトレンドになるのカナ?

 
 「神戸」をテーマにしたこのたびの新生よのなかカフェには、Facebookなどでの呼びかけで男女9名の方が集まりました。主催者側3名と合わせ12名で賑やかに話し合いました。


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 冒頭、正田から日銀資料などをご紹介してデータから神戸の現状(凋落ぶり(涙))をふりかえりました。その後は皆さんで丁々発止のやりとりとなりました。

 さて、どんなやりとりだったかというと・・・(抜粋)


森下さん(男性・不動産業):神戸って昔はもっと元気があったと思う。震災後に急にというのではなく、震災後でも、直後はもっと団結していた。
 神戸には東京ほどビジネスチャンスはない。しかし生活するにはいいところ。住むのは阪神間、仕事は大阪。


スガコさん(女性・東灘区在住。新長田に個人塾開業を準備中):神戸生まれ神戸育ち。神戸は二極化している。(国道)二号線を挟んで海側と山側と。また、長田、兵庫方面に行くとガラッと雰囲気が変わる。殺伐としている。神戸をもっと1つにしたい。


ヒラタさん(女性・大阪在住):外から神戸をみるとオシャレだと思っていたがそうでもないと感じる(笑)。また外国人が多いというイメージだったが少ないなー、と。

大和さん(男性、三田在住):三田市に12万の人口がいるが大半は大阪に通勤している。篠山もそう、神戸には行かない。JRで行けるから大阪に行く。神戸にもっと魅力があれば、大阪に行こうと思っている人を神戸に行かせられるのでは。
ぼく自身は高架下がすき。アメ横チックなミリタリー物の店が多い。また神戸は意外と本屋が多い。漫画やとか。文化面、サブカル面がすき。

ヒラタさん:西宮がこれだけ住みやすかったら西宮に住むよね。

田中さん(コロコ運営元の(株)六甲商会総務部長):西宮に住んでおります。大学時代は大阪の大学にJRで通いましたが超満員でした。方向が逆で電車がすいてるから神戸。
 神戸の人って大阪に行くのを怖がりますよね。

森下さん:大阪のおばちゃんみたいのは神戸にはいない。娘さんとお母さんが大丸でゆったりお買い物のイメージ。大阪はごちゃごちゃ人が多すぎる。

大和さん:オシャレっていうのも敬遠されるのかなと思う。東京の近郊に横浜があって、オシャレな街で成り立ってる。しかし大阪の近郊に神戸があったとき、大阪の人たちはオシャレだからといって行きたがらない。

キヨミさん(女性、会社員。神戸在住):大阪は私も昔苦手だった。理由は東西南北がわからなくなるから。
「中央区で生まれ灘、東灘で住んでます」というのが典型だが、東のほうの子は、中央区より西は神戸と認めていない。
 最近、阪急御影界隈がスノッブだと感じている。駅前ロータリーの工事が終わり、古い御影人じゃない、新興成金の街になってる(笑)。
 神戸では昔からお金持ちのおばさまは気合入れたかっこはしない。近所を歩くのはつっかけとかで。元町に行くのはやたら気合入れるけど(笑)。

片山さん(男性、高校教諭、神戸在住):神戸っ子はパリジェンヌに似ていると思う。江戸っ子でもない。昔「月刊神戸っ子」という雑誌があったけど、やたら文化人が文化的なものを書いてる。パリに留学した時、違和感がなかった。がんばって何かするというのがない。だけど自分をすごく持っている。

スガコさん:こないだ東京の友人夫婦が転勤の話が出て、「神戸だったら住んでもいいけど大阪はイヤ。」という話になったそうだ。ほんとはファッションは大阪なんですけどね。ヘアメイクさんとか全部大阪の人。

ショウコさん(女性):ネーミングは大事ですね。「六甲のおいしい水」だったら飲みたいけど「淀川のおいしい水」だと飲みたくない。神戸の人は程よい距離感。他から見ると冷たく見える。転勤の時、「神戸だったらいいけど大阪なら離婚する」とまで言うケースもあるそうですよ。大阪は吉本のイメージになってしまう。

森本さん:ワールドグループ、JAVAグループ、それに開港したみなとの街だとか、雑誌に取り上げられて東西ファッション対決とか、神戸コレクション、東京コレクション、イメージの世界ですよね。大阪は吉本、たこ焼き、お好み焼きになる。

片山さん:おしゃれイメージがファッションに行くからおかしくなるんじゃないですか。風景ってあるじゃないですか。淡路島は秋津島、神話のふるさとの島です。開港のイメージを言うと古い神戸の人は「違う」っていう。今清盛をやってるけど清盛も違う。神代の時代から神戸は特別だという意識をもっている。
(一同「へ〜」)

キヨミさん:求女塚(もとめづか)、処女塚(おとめづか)というのが灘にあります。その由緒を知るとやっぱり古いんだなあと。
 ところでうちの会社の人は地元の人がいない。加古川、明石の人が多い。

片山さん:神戸の人が神戸で仕事したら全然秘密の部分がないじゃないですか。会社の顔、地元の顔、使い分けないと。
 神戸はそぞろ歩きが似合います。元町に昔、三越がありましたが、三越〜大丸〜そごうと1日かけてそぞろ歩いてほしいものを買った。

大和さん:大阪からの人は神戸は冷たいという。イベントしても盛り上がりに欠ける。サブカルは特にそう。斜にみる。興味があるんだけれどないように見える。大阪はくいついたらくいつきっぱなし。

キヨミさん:近所に外人さんが歩いているのはみる。原発で日本は危ないということになりかなり本国に帰りはった。神戸大の古い寮に外国の留学生がいっぱいいてるみたいでバスに乗っている。それを指さしたりはしないですよ。

大和さん:大阪は指さしますけど(笑)

ヒラタさん:外国の人と話す場は?

キヨミさん:最近怪談を語るイベントが北野の移民局のところでありました。盛り上がってたけど、来てるのは大阪の人達だった。

森下さん:神戸を概観すると、戦後すぐから重厚長大、港関連の産業が隆盛だった。その後アパレルも盛んだったが今はやや衰退、今はポートアイランドに医療産業都市で先端医療をやろうとしている。
 何が本当の産業かな?産業が育ちにくいのかな?と思う。
 三宮って駅前だけが商圏、あとは住居。商圏と言えるのは歩いて10分の範囲のところ。
 不動産の観点からみると、もともとビルがあったところがマンションにかわっていく。フラワーロードの加納町交差点より上の方は、アパレルの本社があったところだが、今、マンションになっている。地方に行くと駅前すぐがマンションというところをみるが、それに近い状態になっている。
 結局不動産価格の問題で、マンションで採算が合うようになっていく。企業の神戸支社が撤退して大阪に行って跡地がマンションになっている。

片山さん:新聞社が神戸支局だったところを神戸総局と呼ぶようになっているけど、あれはどうなんだろう?

森下さん:神戸の人は情報に関して閉鎖的だと思う。神戸が大好きだけど井の中の蛙。神戸を元気にしようというが、横と横が手をつながない。

大和さん:コミュニティは3年すると消滅するんだそうです。それ以上は専属の人でもいないと。またお金がないと。

石川さん:コミュニティが3年で終わるのは大阪でも同じ。結局新陳代謝が起きない、閉じたコミュニティだと入ってこれない。下町の自治会なんかで、新陳代謝が起きるようシステムができているようなところだといいんですけど。
 これまでの話では神戸は文化的、いいものがたくさんある、海・山・歴史があって、という話だったと思う。
 大阪は駅前再開発のようにお金があってかけている。お金をかけ続けないと続かないともいえる。

片山さん:神戸の人はプライドはないと思っているんですよ、自分たちは。ここに前から住んでここにいますよ、という意識なんですよ。

石川さん:それは傍からみるとプライドなんです。前から住んでいるということはほかの人にはできないわけだし。

片山さん:文化と文明の違いということでしょうか。入ってくるのはいいけど、ぼくたちそっとしといてね、という。

ヒラタさん:新しいまちになるには、若い人に結婚して子どもを産んでもらわないといけない。ライフスタイルのところで西宮と神戸を分けるのはなんでしょうか。神戸の住みやすさのキーポイントとしてアピールできるのは。

正田:いいお問いかけですね。でもお問いかけに逆行してしまうけど、神戸での子育てはお金がかかるんですよ。予防接種でも同じのがこっち7000円、西宮4000円とか。

大和さん:予防接種は、神戸は日本で一番高いです。水道料金も高い、税金も高い。子どもの医療費は、三田は中学生まで無料です。

フミヨさん(女性、神戸在住):神戸って自然を感じながら住める。
大阪もめっちゃ好きなんです。私は帝塚山に住んでたから、そんなに関わって(大阪のおばちゃん的に)ガーッと言う人はいない。帝塚山は静かだけど、西成にはすごく近いですね。
 神戸は横に長いので、海があって山があって、自然を感じて暮らしている。阿倍野から垂水区に越してくると、夜の明るさが全然違う。
 姫路生まれなんですが、姫路にはみんなで一緒に何かやりたいというのが強いですね。

キヨミさん:みんなで一緒にというのは神戸にはないですね。そっとしておいてという感じ。

ショウコさん:姫路では反対意見が出しにくい。城下町だから。

大和さん:篠山も城下町です。篠山の男の人は見かけがいかつい感じだけど、それは見かけだけ。

ショウコさん:松本、熊本もそう。上から言われるとNOと言わない。お殿様が言うんだから正しいんだろう、と思っちゃう

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森下さん:姫路の人は兵庫県の中心は姫路だ、と思っていますね。

大和さん:神戸は兵庫県民だと思っていないふしがある。それが神戸の発展を阻害しているかもしれない。大阪市と大阪府の対立もありましたが、神戸市程度の規模でがんばっても。

フミヨさん:モトコー6丁目とか駅のすぐそばなのに店舗がガラガラで怖いような雰囲気ですよね。大阪も通天閣のそばとか地元の人は行かないような場所なんですが。
 (神戸駅南側に)モザイクを作りました、人が集まるスポットを作るがそれ同士の動線がない。20代の人を集めることを何かすればいいのにと思う。垂水でお店出している若い子に「なんで垂水?」ときくと、繁華街にお店を出せない、賃料が高いから、と言う。垂水に今、いいお店できてるんですよ、でももうちょっと繁華街に出せればと思うが。

森下さん:賃料の話をすると、賃料は三宮センター街が一番高い。三宮一丁目は1坪10万以上。30坪なら月300万円、飲食なら1日1万円さばかないといけない。センター街は昔はあんなに広くなかった。30年前は普通の商店街、それをバブルの時に人に貸した。それをまた転貸した。それが今でもセンター街、センタープラザに残っている、賃料を下げたくても下がらない。
 大丸を挟んで向こうは三宮に進出する人に言わせると、神戸ではない、という。旧居留地は坪2-3万。大阪・梅田はお昼はサラリーマンのランチで賑わい、夜はのみやになる。神戸だと夜飲むには駅の北側。旧居留地ではランチ商売しかできない。神戸は賃料が下がらないので、飲食は儲からない。今、(賃料は)大阪より高い。飲食は神戸で成功したら全国どこでも成功するといわれる。元町に何軒かスイーツのいいお店があるが、あれはセンター街ではできない。ケーキ1切れ1200円とかの世界になってしまう。東京の代官山とかに行ったほうがいい。市場規模でいえば東京は神戸の10〜12倍です。だから神戸でちょっと成功したら東京に行く。
 集客スポットを結ぶ動線が確かになかった。メリケンパークからハーバーランドに行く手段がなかったが、それで作られたのがループバスです。縦の動線をつくった。あれは地元の人の足でもあるんです。


ショウコさん:買い物は今、ネットが多くなった。新しいものをみるには大阪に行く。食べ物は福島に行く。向こうだとお店の人もがんばろうとか雰囲気でビシビシ感じる。

スガコさん:阪急御影駅前は、きれいになって今賃料がすごく高い。飲食が入ってこないので個別塾ばかりになった。フランチャイズの塾は六甲道がやりやすいらしい。六甲道で成功したオーナーさんが御影をねらっているが。商売するのも住むのも神戸はお金がかかりすぎる。

森下さん:御影、岡本、芦屋、今回の公示価格は上がっている。全国は下がっているのに。上がるのは芦屋の大原町、御影、岡本、そのあと千里ニュータウン、江坂、箕面、帝塚山など。芦屋を中心にのの字のようにジワジワ上がる。

石川さん:乙仲通とか、いっとき人が集まってきた。あのとき個人、若者がきていて熱かった。それも3年ぐらいで力尽きてしまった。海が近く潮風、ボーダーの服、大阪の堀江に近い雰囲気。いかんせん駅に近くない、通り道じゃない、そのあたりが凋落した原因かな。

森下さん:ちょっと前、カフェがブームで磯上通りがクローズアップされた。それが乙仲通に移った。最初やろうっていう人がいるけどその人がつかれてくるんですよね。

スガコさん:堀江はタワーマンションがいっぱい建って若いお父さんお母さんがベビーカーを押してる。大阪って面だなーと思う。神戸って面じゃない、ぱーんと分かれる。

石川さん:堀江には住んでいる人がやっているというのが結構ある。京町堀に住んでる人が京町堀をやるとか。乙仲通の若い人は住んでなかった。住んでないと文化的に根づきにくいんかな。

森下さん:前はそこに住んで商売して、というのが当たり前だったけど、高度成長のときしごとと住環境が別になった。今それを小さなまちにしないと崩壊しちゃう。商売するとこと住むとこを一緒にしないと。

石川さん:外から入れることに柔軟だったらいいんですけど。

スガコさん:東灘に家を建てるとき大変だった。近所の人が意地悪して。すいませんすいませんと言い続けた。排他的とか閉鎖的。頭下げないと認めてくれない。高くても隣の米屋で米を買わないといけない。ほんとお金がないとしんどい所だな、と思った。

石川さん:そのやり方でコミュニティに入っていったのがすごいです。

スガコさん:土曜日になると御用聞きが来ますもん。その代り子どものこともみてくれるから、いいところも悪いところも。

森下さん:神戸はムラだよ。ムラ意識。

スガコさん:住んでいる人間にはそれが当たり前なんですよね。家から右にしか車を出せないんです、電柱が邪魔になって。すると右側の家の人が道路上で洗車してる。どいてくれません?というと、どこへいくんや。ここはわしの土地やったんや、と。

大和さん:東京や大阪にも田舎がある。ニュータウンにはそれがなくて楽。さみしくなる時もある。PTAなどをやってつながりを大切にしている気もする。
 とくに男性はコミュニティとつながりがないので孤独。話する相手がいないとどんどん孤独になっていく。こうやって話していることは私にとっていいことですし、こういう場があったらどんどん参加して発言しようと思う。

ヒラタさん:神戸にきてから横のつながりが強くってみんな知り合い。今日きたらそっとしておいて、というお声をきいたり、商売がやりにくい街や、ということを知った。みんな話し合っていれば動線ができてくると思う。

片山さん:神戸について発見した。住みやすいと思っていたら住みにくい町なんだ。

ショウコさん:魅力的なまちにするには人間しかないと思う。自分の周りだけでも、自分だけでも元気でいよう。

石川さん:今日は最初数字の話があったが、皆さんが関心のあることは内容、文化的なこととか雰囲気とか人の感じとか。結局町をよくするって人の魅力をどうやって上げていくか。
 今日皆さんが人に関心があったのが面白かった。

志賀さん(男性、大阪在住):西と東の垣根があるということが新鮮だった。それぞれの人が素性がわかるぐらい自己開示して話す。こういう場って人を知るうえで早いですね。

森下さん:内も外もみてきたが皆さんのご意見をきいて気づかされた。ものをつくりまちをつくり経済が回るという時代は終わった。人対人、ご近所づきあいのコミュニティの大切さをわかっているけど答えがない。皆さんの思いをもっともっと意見交換できればよりよい場になる。

スガコさん:武闘派がすぐばれてしまう(笑)自分が商売を始めるにあたり、若い人の年収をみていると、一生懸命働いても可哀想なくらい。自分にも子どもがいるし若い方が住める場所になるようにと思う。

キヨミさん:たしかにちっちゃいコミュニティが存在しているが、南北のラインがない。コミュニティもつながりがない。自分もがんばって参加したい。南北の交通網もつくってほしい。26日からHAT神戸から摩耶ケーブルまでを結ぶ「坂バス」ができる。

フミヨさん:いろんな気づきがあった。10人の力でこんなにしゃべれるなんて凄いやん。私たちが変わらないと子どもたちも変われない。何か一歩前に進めたら。

正田:今日ははなからまとめることは諦めていましたが(笑)皆さんが人生の次の一歩を踏み出されることが神戸を元気にすると信じましょう。今日はありがとうございました。

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〜話し合いは以上です〜


 非常に活発な、ビシバシのやりとり。途中出た不動産のお話、実際住んでいる人ならではの体験談も大変おもしろかったです。


 集まられた個性豊かな皆さん、そして会場のコロコさんに感謝です。どうもありがとうございました。



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