NPOの会員さんと3月の仕事のことで打ち合わせ。

 その業界でも飛びぬけて厳しい品質水準で仕事をする会員さん。


「うちの業界は、『主婦』感覚が抜けないとか他業種からの移籍組が多いので、ほんとのプロ意識がない人が多いんですよ。お客様からのクレームも、自分たちの改善ポイントとは考えないで『被害』ととらえちゃう」

 そういう業界のレベルを何とか引き上げたい、だから教育を、と考えるけれどなかなか理解を得られなくて。


 うん、なんだかわかるなあ。

 つい自分ごとにしながらきいてしまったが、その会員さんのところをプライベートな事情で辞めたスタッフから最近きいた話になった。

 「ごきょうだいと一緒に何かしたときに、『あら、なんでそんなに褒めてくれるの?』と言われたそうですよ、彼女が。もとは、うちの事務所にきたばかりのころは褒められても『やめてください』と身を引きたそうにしていた彼女やったんですけど」

 ・・・だから、ああ、つながってるなあと。プラスの連鎖が。


 幸せなひと時。こういう話をきくときが。

 厳しさと優しさ。

 このところ「体罰」のからみで文章をかくことが多かったので、最近のこのブログだけみると、

「正田さんって、優しさだけの甘々の教育をする人」

という風にみえるかもしれない。


 でも、私自身そんなに優しくはないし、「うちの会員さん」も仕事ではめちゃくちゃ基準の厳しい人が多い。そういう人達が、厳しさの中で部下を成長させる手法として、「承認中心コーチング」を選んでくださっている。


 先日の忘年会では、ある課長さんが

「厳しいばかりの、ボロクソに言う課長の下にいた部下が異動してきたあと自分のもとで伸びた」


という話になったので、思わずきいてみた。

「ボロクソ言う上司の下にいた人が、承認する上司の下にきたとき、『こんどの課長はゆるい』とか思って、ナメてきませんか」

 すると、

「それはあります。やはり締めるところは締めてますから。何かのときにガツンと言うと、それでわかってくれます」

 ようするに緩急のバランスを上手くとっているのだ。

 
 この人は、

「コーチングの本はたくさん読んだがピンと来なかった。正田さんの本が初めてピンと来た」

と言ってくれる人だが、そういうタイプの人が「うちの会員さんや受講生さん」である。


 正田は決してほめてばかりの甘々の人間ではない、ということを、いちげんの人にはなかなかわかっていただけないので、時々「叱り」に転じたときどんな風かというのもブログに書いている。


 たとえばこの記事―。

 「ギャグマンガ・市職員に合格したお坊ちゃまの躾け方」

 http://blog.livedoor.jp/officesherpa/archives/51553626.html


 (かなりどぎついです。怖いもの見たさの人は読んでみてください。まあ、「うちの会員さん」は皆さん、こういうのを承知のうえで当社の教育を支持してくださっているわけです)


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 閑話休題、きょうはゴルフの中島常幸プロの講演を聴きに行きました。


 3つのスランプをどう乗り越えたか。両親の他界、きょうだいの病気といった、中年期につきものの不幸とそこからの再起。

 ゴルフを知らない私でも楽しめました。さすがプロ。講演も相当ふだんから練習してると思われます。


 途中、

「皆さんゴルフを上手くなりたいですか?じゃあアプローチからやらなきゃいけません。皆さん立って」

 と、そこから

「足の裏の左半分で床を踏んで立って」

「ハーフスイングは9時から3時、アプローチは7時から5時。これが基本で、これが出来なかったら次のところ行ったらいけません」


 やっぱりね、と心の中で膝をうつ。たぶん天才型じゃない努力型の人で理論派だからだろうな、

「素人の人にとってはここが必ず通るゲートウェイだ」

 と見定めたらとことんその基本をやらせる。

 自分がプロとして何千何万時間と練習した中の試行錯誤を、素人の人に再現してもらうわけにはいかない。では最短距離でじょうずになってもらうにはどうするか、というのを、考え抜くと、

「基本を徹底して型でおぼえる」

というやり方になってくる。

 そんなのは邪道だ、という人には、素人の人には時間がない、という当たり前のことが見えていないのである。

 またどの世界でも、真剣に試行錯誤した人の言うことはばかにしたもんじゃない、っていうこと。


 ・・・というのもやはり我田引水で、「うちの教育」がそういう「基本を型で」のやり方だから。これも会員さんはよくご存知のことと思います。


 このほか他のレッスンプロをくさすシーンもあって

、「同じ業界のことを言ったらいけないんですけど、皆さん(レッスンプロ)自分の生徒が上手くなろうがなるまいが関係ないんです。永遠に自分の生徒でいてくれればそれでいいんです」

 これも言い得て妙。


***


 以前、これも多少古くなった胸痛む記憶だが、

 「承認」をふくむ2日間研修のあと、いつもの伝で「宿題」をお出ししたところ、返ってきた宿題にこんなのがあった。

 その「宿題」は、こちらの指示した「行動承認」ではなく「期待の言葉」をつかっていた。しかも当協会方式でわざわざ注意書きのある、困った使い方をしていて、案の定失敗していた。相手の部下はよい反応をしなかった。

 そして、その「宿題」をやったご本人は、感想欄に

「理論ではなく心が大事なのだと思いました」。

 なんだそれ。

 申し訳ないが、かなり厳しいコメントをそのご本人に書かせていただいた。

 自分が指示通りのやり方でやらなかったから失敗したのを、「理論が悪い、心が大事だ」なんて論理のすり替えをするのは言い訳もはなはだしい。見苦しい。そんなことでこちらが失敗のないように丁寧に教えているのにクレームをつけられては迷惑だ。

 ・・・とそこまでの表現では書いてないけれど。

 男性って(このご本人は男性だった)時々なんと頭が悪いのだろう。


 こういうことがあるとやはり「承認」も一歩間違うと危険行為なのだなあ、と思うし、テキストにある指示を守るよう徹底させる必要があるなあ、と杓子定規になってしまう。


 ありがたいことにこういうおかしなやり方で宿題を返してくる人はごくまれだ。管理職だからね、普通。

 今後出会う受講生さんが「男らしくない」言い訳をするのをみたくないので、再発防止のためにここに書いておきます。



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp