この連休の中のある日の幸せ。


 午前、西脇市のお友達、エルソル広告相談所の内橋麻衣子さんを訪問。

 内橋さんが構想され、県の経営革新事業の認定もこのほどとった「起業女子会」の話を中心にしばらくおしゃべりしたあと、おしゃべりがエネルギーチャージになったのか、当初の予定を変更して一路北へ。


 出石に来てしまいました。


 目的地は、宗鏡寺(沢庵寺)。


 
投淵軒



 写真は「投淵軒」。宗鏡寺を中興した沢庵和尚が48歳のときから8年間住んだという庵です。写真からもわかるようにめちゃくちゃ小さく質朴です。ここでの暮らしの中で、あの「沢庵漬」も生まれたのだそうです。

 この庵のたたずまいから、沢庵和尚の質朴さ、高潔さ、気概、を学ぶことができればよいのですが…、


 私は勝手に沢庵和尚を「江戸時代のエグゼクティブ・コーチ」と心の中で命名しています。といっても現代の商業主義的なそれではありません。逸話では将軍家光をさんざん空腹にさせたあとで沢庵と白飯を出し、粗食の美味しさや空腹の価値を諭したとあります。そういう、自らを徹底的に高潔に律した上で、辛口の言葉を高貴な人にもあえて言う人であったようです。

 
 ・・・なかなかそこまでは行けない・・・でも現代に生きてそれなりにモノに囲まれた暮らしの中でそういう指針はもっていたい、とも…(歯切れ悪くなる私)


 
 それはともかく、禅宗の歴史についても思います(といってもそれほど詳しくありません。詳しい方は是非ご教示ください)。

 ある時期百家争鳴的に花開いた禅宗は、自分個人の安心立命みたいな個人志向の教義のものが一世を風靡したあと、より戒律の厳しい、大きな世界観のものが結局生き残って今に至っているそうであります。


 これは、現代の心理学教育がナルシシズム志向になるか利他志向になるか(もちろん当協会はあとの方を志向しています) ―商業的には現在前者が成功しています― とも、もちろん相通ずるものがあります。


 去年ぐらいから「100年後に誇れる人材育成をしよう」というスローガンを当協会が打ち出していることの背景をわかっていただけますでしょうか。


 逆にわからない人はどうぞお引き取りいただいて結構です。冗談ではなく。

 なお戒律の厳しいほうは、他宗派に対して結構手厳しいことも言いました。見方によっては排他的とも言えました。しかし厳しいほうがそのことの良さを守らなければならないとき、安きに流れることを防ぎたいとき、それは必要悪だったかもしれません。

 私も時には、他心理学流派について歯に衣着せぬ物言いをします。だってほんとに「有害」なんだもの。


  
 さて、禅宗の宗鏡寺をあとにしてすぐ近くの浄土真宗の本覚寺に来ました。

 本覚寺は「てっさい寺」の異名をもち6月に満開になるてっさいという花で知られます。

 境内に入ると、屋外で花の棚を大工仕事して作っているご老人がいました。最初大工さんだと思って花をみていましたが、とにかくお寺の建物だけがあって賽銭箱もご本尊もそのへんに見当たらないので思い切って
「あの、こちらのお寺はどうやってお詣りしたらよろしいんでしょうか」
と声をかけると、
「ああ、そこから障子を開けて入ってご本尊様を拝んだらいいですよ。終わったらごろっと畳に寝転がって天井をみてください。花の写真がありますから。寝たほうがゆっくり見られますよ」
と答えた、それがご住職さんでした。
 なんとも粋な計らい。

本覚寺



こちらがその本堂の天井。外陣はクレマチス、内陣はてっさいの花の写真がいっぱい。

 良い天気なのに連休の中日だったので他に誰も来ず、本当にごろんと大の字になって花々の顔を堪能させてもらいました。

 「宗教者のあり方」なんてことに思いを馳せました。



 この日は本来エルソルさんからほど近い、加東市の花のお寺、「播州清水寺」に行く予定でした。出石から車を飛ばし、やっと夕方4時半、閉門の30分前に清水寺に着きました。


しゃくなげ1


しゃくなげ2



 しゃくなげの季節でした。残りの連休あとわずかですが、読者の皆様是非この季節のうちにご堪能ください・・・。



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp