6日、東大・本郷キャンパス「福武ラーニングセンター」というところでイベント「対話をうみだす”実践知”をトップランナーから学ぶ」に行ってまいりました。

 スピーカーは、北九州の小学校教諭・菊池省三先生と組織開発ファシリテーターの加藤雅則氏。


 
東大セミナー20130706


(写真は東大大学院 学際情報学府 中原淳・准教授。菊池先生の写真がなかった〜話を聴くほうに夢中だったからだ;;)


 菊池先生は「褒め言葉のシャワー」「ディベート」など、小学校教育の中で「コミュニケーション」分野の数々の最先端の取り組みをされ、NHK「プロフェッショナル」などTVにも多数取り上げられています。


 その「プロフェッショナル」の映像を使いこどもたちを登場させながら、ひょうひょうとした口調でこどもたちが取り組みの中でどう変貌していったか、どんな発言をするようになったか、を語ります。


 知らなかった豆知識として今、こどもたちの世界でめちゃくちゃ盛り上がっている遊びがある。それは・・・ジャンケン。でも「さいしょはグー」ではなく「ギョーザ」という。肉、皮、にらを出し合う。出し合った手によって「肉がなーい」とか「にらがなーい」とか「いただきまーす」とか言う。いや〜むずかしいですね〜(汗)会場の大人、いきなりお手上げ。


 印象的だった菊池先生の言葉:

「今の子どもたちは人間関係ずたずたですから、こういうこと(褒め言葉のシャワー)をしないと対話の場に乗らないんです」

「この学年は崩壊学年でした。担任の先生がコロコロ替わる、1年間に学年全体で担任が6回替わりました。文句を言えば担任を替えられると学習してしまったんです。だから何か言われても『ちっ』『なによ?!』みたいな返事しかしない」


 想像がつくでしょうか。「学級崩壊」という言葉は1998年頃、メディアに取り上げられ初めて知られるようになりました。恐らく90年代を通じて静かに進行していたのだと思われます。

 
 「ちっ」「なによ?!」だった子たちも菊池先生の指導の下、規範に従ったり他人を思いやったりするようになるわけですが、そういう指導力のない先生にしか出会えなければ、一生にわたって「公」の感覚、「規範に従う」の感覚を身に着けずに終わる、何か権威めいたものには文句を言って相手を引きずりおろすかこちらが離れればいい、そういう感覚のまま一生を過ごす可能性があるわけです。

 そういう子をひたすら量産しているとしたら。
 うすら寒い思いがします。


 菊池先生は

「どんなに荒れている子でも褒められる、認められるのはすき」
「先生が褒めてあげて、みんな同士褒める認めるように持っていく」

ということも言われます。

 「褒め言葉のシャワー」という、みんな同士の褒め合いが映像になりやすいので、「褒め合いは『下』から」と思われやすいのですが、どっこい某団体のスライドでリーダー起点にピラミッドが作られその下に円ができる図のように、起点は先生が作っているのです。

 例えば学年初めの子どもの作文(1行しか書けない)に、先生が大量に補って書いてあげて、最後に「先生は〇〇さんの作文が好きです」なんて、ひと言付け加える、というように。そんな作文の写真も出てきました。


「マイナスの言葉ばかり使っていたらプラスの対話が生まれるわけはない」

と、菊池先生。

 例えば「あいつ」「こいつ」「お前」「おれ」などというのも、先生によれば「マイナス語」。相手と自分の境目がうまくついておらず、そして相手を落としている。この延長では対話にならない、といいます。

 そして、土台づくりができていない状態で対話をすると傷つけ合いになる可能性があるとも。


 対話ブームといいながら、本来はその土台つくりが必要であり、それは褒め合いのような相互肯定、相互尊重の取り組みが先んじるべき、ということなのでした。

 これは企業でもおなじ、とおもいます。

(なお褒め合いといっても「おきれいですね」みたいな歯の浮くようなやつではなく、基本1人のともだちのその日1日の行動について「〇〇を一生懸命していました」みたいに褒めるので、いわば「行動承認」「根拠のある承認」であり、素直に喜べるもののはずなのでした)



 そのあとの加藤雅則氏は組織開発の現場から対話のファシリテーションについて話されましたが、

 ひねくれ者の正田は、つい

「自分が会社員だとして、周囲がまったく信頼できない、裏表があって他者への見下しに満ちていて悪感情ばかりの職場だったとき、『対話』の場によばれても行きたいだろうか?心のうちを話したいだろうか?

 口実つけて当日休んじゃうんじゃないだろうか?」

と、考えてしまうのでした。


 加藤氏のお話も大変おもしろかったのですがまたどこかでお話しする機会があるでしょう・・・


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 なお蛇足ですが、最終ふりかえりの時間に数人グループで話し合うと、職場の「ほめる」今、かなり情けない状況になっているのがわかりました。

「上司がやたら褒めてくるがいつも同じパターン。『この人本当は私に関心なんかないんだ』とわかってしまった」
「会議のあと『君のあの発言良かったねえ』とほめ殺してくるがもう読めてきて何も感じない」

 「ほめる」も「コーチング」と同様に手あかがついてくるのか・・・、
 それにしても上司のほめ言葉を信頼できないというのはなんと荒涼たる情景。イヤだ、それ。


 受講生様方、「承認研修」を受けられたのはラッキーだったんですよ。



 ともあれ、素晴らしいイベントを企画され抽選に当選させていただきました、東大大学総合教育研究センター 特任研究員・舘野泰一先生、そして中原先生、菊池先生と加藤さん、そしてご一緒に学んでくださった皆様方、ありがとうございました。






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