『大人の発達障害ってそういうことだったのか』(宮岡等×内山登紀夫、医学書院、2013年6月)を読みました。


 去年から今年にかけて発達障害関連の本が多数出版されています。従来の本と比べてそれらの方が、日常的に出会う実感に近づき、微妙な疑問が「そういうことだったのか」と氷解することも多いです。

 本書は臨床医2人による対談本で、とくに診断に関して専門用語が多出しそれらをあえて一般用語に直さないまま掲載しています。全体には平易で一般人にも読みやすい本です。


 臨床現場からみた非常に多数のポイントが出てきますのでご紹介させていただきましょう。(従来本と比べてやや「あけすけ」な口調でもあります)当事者の方にはあまり断片的にご紹介すると気になられるかもしれません。その場合はぜひ本書をお買い求めください。


●子どもの発達障害は確かに患者数が増えている可能性がある。出生時低体重や父親の高齢化が原因の1つ。虐待と関係しているとの説もある(内山)


●自治体の発達障害の施設で親の相談を担当しているが、発達障害の子どもを叩いている親はけっこういる。面接のときに「叩いている」という話が出たら、「どのくらいの強さで叩いてるんですか。机を叩いてみてください」ときくと、かなり強く叩いているお母さんもいる。母親の側にも不器用で力加減がうまくできないなどの発達障害にみられるような問題があるのかもしれない。(内山)

(正田注:女子柔道の暴力指導が問題になった時、知人で発達障害に詳しいある先生は「あの指導者は発達障害の目をしている。力の加減がわからず、相手の痛みがわからないのではないか」と言われた)

●疫学的には、患者数は非常に多い。発達障害全体については2012年12月に文部科学省が公立中学校通常学級で発達障害の可能性がある子どもの割合が6.5%と公表し、話題になった。
 自閉症スペクトラム障害(ASD)に関しては、最近の複数の疫学調査で1-2%の数字が出ている。ADHDは5-10%。学習障害(LD)も5%。(内山)


●病因には環境要因のほか、遺伝的要因が大きな役割を果たすのは確か。一卵性双生児の一致率は50-80%なので躁うつ病や統合失調症よりもはるかに遺伝性は高い。(内山)

●臨床で一番困るのは高機能ASD(アスペルガー障害)。高機能の意味は「知的障害ではない」ということ。IQ70やIQ85など定義には研究者、自治体によってもばらつきがある。(内山)

●「アヴェロンの野生児」(1797年頃フランスで保護された野生の少年)は明らかに自閉症の特徴をもっている。森の中で捨てられたが、実際にはおそらく自閉症で育てにくいので、親が殺そうとしたのではないか。(内山)


●自閉症の用語の定義。自閉症スペクトラム障害(ASD)という概念がいちばんシンプルだと思う。この言葉は、ウィングの1979年の疫学研究から生まれた。「社会性とコミュニケーションとイマジネーションの障害」を「ウィングの三つ組」といい、ASD診断の有効な根拠。(内山)


●ASDの人のスクリーニングツール。
 異性との付き合いは下手な人が多い。互いに満足のいく性的パートナーがいないというのがスクリーニングの1つ。
 エキセントリックな独特の感じがする。
 実行機能や社会性の問題があるため、着脱や身だしなみに問題があることも多い。流行遅れの服やサイズの合わない服を着る。
 特定のことに強い関心があり、いわゆるオタク。特定の領域のオタク的な知識があったりする。
 言葉づかいがペダンティックというか、奇妙で文語的な話し方をする。
 非言語性のコミュニケーションが明らかに異常で、視線の使い方が奇妙だとか、表情が硬い。あるいは逆に、非常に演技的な過度なジェスチャーをしたりする。
 ある意味で非常識な行動を悪気なくしてしまうことが多く、結果的に他人を巻き込んで迷惑をかける。
 能力のデコボコがけっこう多い。
 話している最中に話題とはまったく関係ないことを言ったりする。それが思考障害に見えたり、社会性がないので自分の考えにパタッと浸ってしまうこともあって、それが思考途絶に見えることもある。それで統合失調的にみられやすい。(内山)


●「自閉症スペクトラム障害の症状は健常な状態から連続性があり、程度の問題と考えてもいいですよね。では、どこからを病気と考えればよいのでしょうか」(宮岡)
 「それが、線がないんですよ。ASDは線がないのが特徴です」(内山)
 「そうすると普通に生活している人のなかにも、軽い人はいくらでもいるということになりますか」(宮岡)
 「いっぱいいます」(内山)

●子どもの社会性の障害でわかりやすいのは、人よりも物に関心がある。お母さんと遊ぶよりも、物を並べるほうが好きだとか。
 なかでもこだわり行動はいちばんわかりやすく、物を並べる、特定の物を集める。
 変化を嫌ってたとえばお母さんの髪型が違うと嫌がるという変化抵抗性。
 「注意共有の指さし(ジョイントアテンションの指さし)」がASDではかなり遅れる(内山)

●コミュニケーションの障害では、皮肉がわからない、言葉の裏の意味が読み取れないとか(内山)

(正田注:この特徴はひょっとしたら、「オレはすごい」と思い込む「ナルシシズム」にもつながるかもしれない。他人がほめてくれた言葉を全部言葉どおりに信じ込むとしたら。またASDの人には内省力が弱い、という特徴もある)


●イマジネーションの障害は大人では、「こうしたらこうなる」という結果が読めているかどうかがポイント。「こんなことを言ったら相手が傷つくんじゃないか」「相手が怒るんじゃないか」を想像できるかどうか。相手の立場に立って想像して行動できるかどうか。(内山)

●社会性の問題は聞き取りが一番難しい。普通の人が本能でやっていることも、発達障害の患者さんはラーニング、学習が必要。典型的なシチュエーションへの対処のしかたは教えることができるが、シチュエーションはそのときどきで違う。そのすべてを教えるのは不可能。


●「三つ組の障害」+「感覚過敏」の4つで大体診断がつく。感覚過敏は、聴覚がいちばん多く、ほかに視覚過敏、味覚過敏。母親の作ったおにぎりは食べられない、コンビニのおにぎりは塩分が一定だから食べられる。


●「薬は絶対に飲まない」と言い張る患者さんがいて、統合失調症の妄想でもなく副作用でひどく苦しんだのでもない。しかし発達障害にはそういうこだわりや非常に強い執着が出る人がいると知りしっくりきた(内山)

●アスペルガーは常識の欠如が診断基準の一つ。「これくらいはわかるだろう」ということが、相当知能レベルの高い子でもわかっていない。IQが100以上ある大学生でもゴミ出しができないこともある。歯ブラシを箪笥の中のタオルや下着の上にポンと置く。ものごとの優先順位をつけられず、大学の試験もこちらがびっくりするような理由で休む。(内山)


●統合失調症と発達障害の診断の見分け。「幻聴がありました」と紹介されてくる患者さんのなかには、よく聞くと幻聴ではなく、錯聴か聴覚過敏のような人がけっこういる。精神科医の問診が雑になっている、下手になっていると感じる(宮岡)

●発達障害の人はどんな場面で他人や家族に暴力をふるうか。多いのはやはりこだわり関係。ある青年が母親を殴ったときは、自分はこの順番にご飯を食べたかったのに、お母さんが別の順番で持ってきたから殴ったとか、7時に食べたかったの7時5分だったのが許せなかったとか。
 いわゆるイマジネーションの障害が関係しているのだと思うが、彼らはそういう状況で手加減ができない。だから高齢の母親を本気で殴って骨折させて、警察沙汰になってしまう(内山)


(正田注:「加減ができない人」という設定の落語の登場人物がいたな〜。思い出せない…あれを寄席できいたときすぐ障害を思い浮かべました)


●高機能の人に自殺企図はけっこうある。うつ病がからんでいるし、社会的にうまくいっていない。しかも考え方がわりとオール・オア・ナッシングなのである瞬間に絶望してしまう。(内山)

(正田注:なんかひとごとと思えない・・・)


●精神医学では内因性があって、その次が心因性(性格環境因性)とこれまで教えてきたが、性格環境因性の前に発達障害関連性が入ったほうがいいのかもしれないですね。(宮岡)


●「自閉症でも一見躁に見える人がいますね」(宮岡)
 「反応性にはしゃぐということはありますね。異様にはしゃいでしまうのは、情報処理がうまくできないからなのです。要求水準が高まって自分の能力以上のことをさせられると、急にはしゃぐ。それが躁に見えることがあるのです」(内山)

●強迫性障害の一部の症例はASDなのだと思う。ASD寄りの強迫の基本は構造化、つまり環境調整。本人にとってすっきりした環境をつくってあげること、環境をわかりやすくすること。本人の不安レベルを下げる。見通しをつける。CBT(認知行動療法)はASDの人にはうまくいったことがない。言語能力も要るし注意力も要るし内省力も要る。アスペルガーは基本的に内省は不得手ですから(内山)


●拒食症との合併の話。昔「ボーダー(境界性人格障害)+拒食」という診断をつけた子の中には「ASD+拒食」の子もいたかなと思う。非常にリジッドで、対人関係も乏しくて、ひたすら体重を減らすことやカロリーを制限することだけにこだわる(内山)


●身体表現性障害の心気的な症状は非常に多い。子どもの場合では頭痛や腹痛など不登校の子がよく口にするような普通の身体症状。成人でも頭痛、腹痛は多い。なかには特に所見がないのにずっと筋肉が痛いとか肩が痛いとか、いわゆる不定愁訴もある。
 アスペルガーは言語表現が下手ですから的確な訴えができない。自分の体内感覚もたぶん偏っているから回答も適切ではない。そのまま聞くと不適切な薬を処方してしまう(内山)

●典型的なうつ病の場合は一定期間経ったら治療しなくても症状がよくなってくることが多い。本当の典型的なうつ病なら自然寛解するはずなのに3-4年もうつが続く。こういう人が多剤大量処方になる(宮岡)


●高齢者の発達障害。70歳代ですごくこだわりが強くていろいろなトラブルの原因になっている患者さんがいた。治療法は特にないのでこだわりを認めるのがいちばん。アダルトボーダーと言われた患者さんの中に明らかなアスペルガーだという人がたくさんいる。難治という視点でみると難治だけど、治そうとするから難治になってしまうので、認めてしまえばいい。患者さんが困らないように環境設定を変えればいい(内山)


●発達障害では現在の問題は必ず過去の問題とつながっている。(内山)
 成育歴の聞き取りができない場合はどうしたらいいか。横断面の症状をできるだけきちんと聞くことか(宮岡)
 そうです、横断面の症状をしっかり聞く。いろいろなテストをやってみるのもよい。たとえば公園でいろいろな人がいろいろな状況にあるという絵を見せてみる。絵のある一部分にしか反応しない人は自閉症の確率が高い。映画を見せてどこを見ているかをアイトラックを使って調べる方法もおもしろい。普通の人が見るところとぜんぜん違うところを見ている。(内山)


●女性の発達障害はクリニックの受診者が増えている。診断基準を男女で同じにしてしまうと男性が多くなってしまうと思う。女性は行動がそれほど衝動的ではないので気づかれにくい。でも実際には、たとえば授業中にイマジネーション、白昼夢に浸っている子が多い。
 子どもを自閉症と診断したときに、母親が「私もそうじゃないかしら」と言い始めるというケースが最近、増えてきた。特に抑うつを合併している人が多い。女性の多くは潜在例で、そんなにペダンティックでもなく普通に話す。でもよく診るとノンバーバル・コミュニケーションに乏しいとか、打てば響く感じがないといった自閉症の特性はもちあわせている。男性のようにガチッとしたコレクションではないけれどもいつも同じ色の服を着ている。家を同じ色でコーディネートしているといった抽象的なこだわりはけっこうある。(内山)

(正田注:やっぱりひとごとではない・・・)


●職場で見つかった例としては、やはり場をわきまえない行動がいちばん多い。上司にタメ口で話しかけたり、スーツを着用すべきときにジーパンをはいて出社したり、お客さんをどなりつけたり。思ったことを何でも言っちゃう。「お待たせしました」とあいさつしたら、「本当に待たされました」と言った患者さんがいた。周囲に対して非常に怒る人も多い。彼らは被害妄想的になることが多いので、上司が親切心から丁寧に注意したことも「自分を否定された」と解釈してしまいがち。それで上司に食ってかかったり、極端な例では労働基準局に訴えたという人もいた。無理に治そうとせず、その人を上手に使う方法を考えればよいと思う。社交性を期待しなければ、仕事そのものはできる人がけっこう多い。何か注意して食ってかかってきたら、「ああ、これがこの人のクセなんだな」程度に受けとめてやり過ごす。あるいは仕事以外のことは要求しない。社員旅行や飲み会に無理に誘わない
 IT企業には多いですよ。逆に、営業が得意な人もいます。ある意味では非常に一方的なので、押しは強いし、本当に上手に説得します。お客さんから体よく断られたりクレームが来てもぜんぜんこたえないし、ある意味、しつこいですから(笑)。営業成績が抜群の人もいます。(内山)

(正田注:注目の職場関連のこと。だからね河合薫さんその人はこれを疑ったほうがいいって、今どきの「人間関係が希薄」っていう話にするより。叱られて逆ギレする人の中にも結構まざっていそうだ。「今どきの非常識な若いヤツ」として話題になるのは実は圧倒的にこれなのではないか。一方でこの人たちの行動パターンが職場のスタンダードになってしまうことは厳に避けたい。やはり、診断を受けてもらったうえで「別枠扱い」するのが理想だとおもう。個人的な経験としては、この人達には「偉い人ずき」「一番上の上司の方を向いて仕事する」「見下しや嫌悪の感情が多い」「男尊女卑」など、不愉快な行動・意識のパターンも大いにあるのだ。そんなものを許容して「清濁あわせのむ」とか「大人の態度」などと言わないほうがいいと思う。一番怖いのは、この人たちの「想像力のなさ」「ワーキングメモリの小ささ=忘れっぽさ」「時間管理能力の低さ」からくる仕事のレベルの低さにあわせて、職場全体にプロ意識がなくなってしまうことである)


(もうひとつ正田注:私はよく企業の人事の人と仲良くできないとお叱りを受けるが、私がみたところ人事とか研修に関わる業務をしている人にこの傾向をもった人は多い。そして彼らの特有の思考法、「全体目線がない=恐ろしく偏った議論のほうに共感する」とか「見下し」「男尊女卑」とかの被害を私はもろに受けるのだ。だから、リーダー研修のような大事なことは正直言ってトップと話したい。「司、司に任せる」「責任と権限」などと恰好をつけるトップは、自社の人事がいかなる資質の人びとで構成されているかよく知らないで言っているのだ)


●スクールカウンセラーは発達障害者に対して、普通の内省を求める精神療法はしないこと。やるべきことを具体的に指示する。その子のアセスメントをして、できることを指示する。そして、同じ内容を担任の先生や学科の先生方にも伝える。(内山)


●ASDに対して「少しゆっくりしなさい」といった曖昧な表現を用いるのはよくない。かなり知的に高い人でも「少しゆっくり」というのが「どの程度ゆっくり」なのかわからないようだ。うつ状態になって少し休ませたほうがいいというとき、「一日に休憩時間を何時間とりましょう」など、具体的に話す。
 「視覚で提示」のほうがよい。僕は字も絵も下手だが、それでも書いたほうがいいという患者さんはいっぱいいる。(内山)


●会社でうまくいかない場面を具体的に想像させるという手法はASDには難しい。想像はできるが、偏っている。発達障害の患者さんはメタ認知が悪いので、現場で起きていることとは違う方向に想像がいってしまう。同僚や上司から聞いた話と本人の話がすごくずれている。


●お客さんが喫煙不可のところで喫煙しているからと怒鳴りつけたASDの人がいる。もともと自閉症者は注意するのが好きな人が多い。「注意は上司がするので、君は注意しないように」というルールにしていっさい注意をさせないようにするのがよい(内山)

(正田注:ここの「自閉症者は注意するのが好き」のフレーズにはがんとなった。色々と身近な人も連想し…、マネジメントでいえば、私の直接の知り合いにはいないが「マイクロマネジメント」的に異様に注意したり報告を上げさせたりするマネジャーがいるが、それにも発達障害はかかわっているのかもしれない。賢い上司は何か起きてからではなく、起きる前に注意喚起する。この後に「視覚駆動」という話も出るが、想像力が不足で事前予防ができず、かつ視覚駆動で何か起きたときにカッとなる、というメカニズムなのかもしれない)


●物事の善し悪しの判断がなかなかできない人には、損得勘定で説明することがある。太っている人に「デブですね」と言って傷つけてしまうアスペルガーの人には、「そんなこと言うとあなたにとって損ですよ」「あなたが生活しづらくなりますよ」と説明すると、「じゃあ、やめようか」となる患者さんもいる。「何が悪いのかはわからないけど、損するのは嫌だからやめよう」となる人はいる。すべての人ではないが。(内山)

●反省しているのにちっとも反省しているように見えないところもある。裁判員制度が採用されてからどんどん重罰、重罪化するようになってきたように感じる。素人裁判官は「反省していない」言動にものすごく反応する(内山)

●ASDの強迫性障害には曝露反応妨害法はたいてい悪くなる。わざと汚すと、その段階でパニックになる。曝露反応妨害法は一定水準以上の内省能力や動機づけ、情動をコントロールする能力を想定した治療法。ASDはそういう能力が基本的に乏しい。そういう意味では精神分析療法も同じで、傾聴療法の場合はただずっと傾聴しているだけで終わってしまうことも多いので、あまり意味がない。(内山)

(正田注:私見ではパーソナルコーチングのお客さんにも、ASDやADHDの人は多いと思う。特有の「生きづらさ」を解決するために、半ばカウンセリングの代用物として使う。ただとくにASDの人は内省能力の弱さのため、「オートクライン」という、コーチングが効果発現する重要なメカニズムが起こりにくく、ただただ一方的にしゃべり散らかし、何の気づきも起きないことも多いようだ。正田はもちろんその手のお客さんは敬遠している。でもこの人たちは一方的にしゃべることは好きなので正田が普通に生活していても寄ってきて4時間でも5時間でも、都合のよい無報酬の聴き手にしようとするのは、このブログの少し長い読者の方はご存知のとおりだ)




 
●ASDはこだわりが強いが、こだわりというのは結局「切れない」障害で、時間を区切ることがdけいないから、注意の移行が難しい。注意の移行がしやすいようにするには、やはり視覚的スケジュールが必要。
 終わりの概念はすごく抽象的なのでシフトできない。それで、終わりの概念をこちらでつくってあげる。タイマーかもしれない、スケジュールかもしれない。あるいは誰か大人の声かけかもしえない。(内山)


●俗に言う「新型うつ」みたいな患者さんのなかにも発達障害合併うつ状態の人がいるはず。(宮岡)


●抗うつ薬のリフレックス、レメロン以降はプラセボとの比較がされている。どの試験でもプラセボでハミルトン得点が10点ぐらい下がっている。実薬のほうは12~13点。抗うつ薬は臨床的にどれくらいの意味があるんだろうか、もっと精神科医は検討すべきだと思う(宮岡)


●発達障害者が親を殴るなどの問題行動が出たら、叱ってもだいたいうまくいかないし、本人がますます混乱する。僕は、患者の混乱が激しい場合には家族に逃げるように言っている。視覚駆動なので、その場にいると刺激になる。お母さんがいるとイライラして叩いちゃう。だから母親が本人の視界に入らないようにする。それしかないです。(内山)

●アスペルガーの患者は内省が苦手だから告知が難しい。内省が乏しいだけに、診断に納得しないこともある。なかには「自分はアスペルガーじゃない」と診断してもらいたくて受診している人もいる。(内山)


●うまく使えば会社の役に立つ人たちが多い。能力にデコボコがあるから平均したら低いのかもしれないけれど、ピークをうまく使ってあげれば会社にとってもメリットがある(内山)

●告知の問題もからんできますよね。合理的配慮を得るためには、本人が診断を知っている必要があるし、診断をカミングアウトする必要がある。たとえば現在検討されている差別禁止法にしても、何か障害があれば配慮しなさいと言っていますが、障害を知らされていなければいっさい配慮しなくてもよいことになる。(内山)



引用は以上です。
ふーふー。

考えてみると「従来本」は発達障害の当事者に向けて書かれたものが多く、そのため当事者が受け取りやすいように手加減して書かれていたかもしれない。本書は「当事者」を読者としてあまり想定していないのか、結構シビアな内容が書かれています。ただ職場などで「当事者」の傍にいる人には非常に有用とおもいます。

マネジメント上の問題の気づきもありますがそれ以上に
色々と身につまされるところの多い本でございます・・・



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp