「10周年感謝のつどい」では、NPO代表の正田からもご挨拶をさせていただきました。

 こちらにその全文をご紹介します。


「<謝辞>
 ご参加の皆様に改めて感謝いたします 皆さんとともにいられることは限りない幸せです

<どんな10周年か>
 今年はNPOの前身の任意団体設立10周年 企業内コーチというコンセプトを提唱して10周年 事例セミナーを初めて開催して10周年 1位マネージャー輩出が始まって10周年 いわば私どものこんにちの教育がぼんやりと輪郭ができてきたのが10年前なのです
 この10年は平坦な道のりではない 悪質な妨害、差別、無視を受けてきました
現在も決して財政的に良い状態ではありません
 ご存知のように私どもは10年来極めて高い業績向上の成果を挙げてきました もちろん業績向上は そこに働く従業員さんの物心両面の幸せということも含んでいます この10年間どれほど受講生様方からご報告いただく成果に力づけられてきたことでしょう

 しかしどんなにやっても企業の教育研修の門戸は開きませんでした たまに開いてもたちの悪い妨害を受けることも続いています この場では実感しにくいかもしれませんが、一歩出るとそこは血も涙も道義心もない戦いの場です

 私自身としてはすべての日本人をこの手法で幸せにしたいという気持ちにかられます ちょっと移動のために電車に乗ってもバスに乗っても 周りの人の顔をみて「この人は会社で幸せかな」「この人はどうかな 鬱屈した気持ちでいないかな」と考えます そしてすべての人を幸せにすることが叶わないだけに しょっちゅうこの仕事を投げ出したい気持ちにかられます

 私は自分だったらこんな教育を受けたいと思うものをご提供してきたと思います そして残念ながら、今流通している教育のほとんどは私からみて物足りないのです
 私を狭量だと責める人もいますが また決して最初からこんな不遜な人間だったわけではないですが
皆さんが挙げる成果は従来のものを否定し反面教師にすることによりつくられた品質がもたらしていることも 忘れないでいただきたいです

 「100年後に誇れる人材育成をしよう」今、署名などあらゆるところに使っています これは2012年の年頭から言いだしたスローガンです
 これまでに得た成果に鑑みて、この手法、承認中心コーチングは歴史に残る重要な手法だと思っています 歴史的には、さまざまな要因で日本人の質が劣化してきた、その歴史を巻き戻し日本人のもっともよいところを発揮させるようにする、そこまでの力をもつ教育はわたしどものこの教育しかないと思っています
 しかし公的な助成金などは出ません 助成金審査の場でも大学教授たちの陰湿な差別を思い知らされてきました


<教育の負担について>
 受益者負担 教育もまた経済行為であり 相応のお金を出して買っていただくことが必要です でないと私個人の生活も立ち行きません ブログ執筆もいつまでも続けられません 性差別の1つとして「そんなにいい教育なら無料で教育を提供すればいいじゃないか」というのがあります
 皆さんの会社を含め、どの事業体も経費はかけたくない できればゼロにしたいのは当然のことと思います しかし良い教育には相応の投資をしていただきたい 教育投資をどんどん絞った結果、もちろん皆さんのことではないが質の悪い上司と質の悪い部下、質の悪い組織になっていっている こういうことを叫ぶのは決して私ども本来の仕事ではない 本筋の教育のほうをやっていきたいのです


<現役マネージャーを受講生にもつことの制約>
 この10年、後継者をつくれないできました 今も「何人でやっていますか」という問いに「実質ひとりでやっています」と答えるしかありません
 私自身も現役マネージャーである皆さんが仕事や家庭を放りだして私と行動をともにすることなど望んでいません 
 ただもし後継者になりたいという人が現れたら、私とともに承認中心コーチングを教えるしごとをしたいという人が現れたら、その人には非常に厳しくあたると思います 元々「スパナで人の頭を殴る性格」と自分で言っていますから お客様のため品質を何よりも大事に考えているのでそれは当たり前のことだと思ってください

 本日の準備に関しては 10周年ということで あえて心を鬼にしました イクメンの柏原さんを準備段階から巻き込みました これまでの私だったら 仕事も家庭も立派にやっている人だから、大変だからと会員にも理事にも一切仕事らしいことをさせないできました こういう場の事前準備も司会進行もこういうスピーチもすべて1人でやってきました でもいつまでもそれではいけません このNPOと教育とそして仲間を大事に思っている人が汗をかくことが必要です 柏原さんが男気で初めて身を持ってそれを示してくださったと思っています ほかの方も 是非これからも何かのときにはお力をお貸しください


<恩師の遺したもの>
 少し個人的な話をお許しください 今年は2月に恩師を亡くし またその後肉親を亡くしたりもし、精神的にはつらい年でした 恩師中嶋嶺雄を亡くして改めてどれほど大きな存在であったか知りました 先月のある雑誌記事に恩師の設立した秋田国際教養大学が特集され その中で学長だった恩師自身が 就活難航中の学生の親御さんに電話をし、「われわれ大学も全力でサポートしますから最後まであきらめないでください」と言ったというエピソードが紹介されました そこで改めて涙が出ました そこまで丁寧に1人ひとりを思いやる先生だった、私もそうして見守られてきた、と
 また恩師が、教え子であるゼミの先輩たちの各界での活躍を誇りにし自慢していたことも思い出しました 私は学生時代「また先生の自慢話が始まったよ」と内心笑っていましたが、ふりかえると先生のそうした自慢話は、確かに私自身にも励みになっていたことを思います 「自分もいい仕事をしなければならない、先生や先輩方に恥じないように」と だから、皆さんも私が皆さんを誇りに思うことを許してください 皆さんを自慢することを許してください


<日本人であることの痛みと喜び>
 このところマネージャー教育の仕事にからめて 「日本人とは」について発言することが多くなりました 今年はおこがましくも「武士道」について言及しました 私自身女性であり、若い頃から日本社会で厳しい差別を受けてきました それは日本人特有の不安感の高さが関連していると思います この場の皆さんが今後とも決して女性差別を含むあらゆる差別に手を貸さない、コミットしないことを切に願います 私たちの語る「承認」は、反差別、公正という意味合いも含んでいること それは代表の私自身の50年間の痛切な体験がこもっていることを忘れないでいただきたいです 
 一方で皆さんの活躍ぶりをみていると、また皆さんのもとで働く人たちの笑顔をみていると、本当に心底日本人てすばらしいな、と思う瞬間がよくあります そんな風に思わせてくださる皆さんに改めてありがとうと申し上げたいです
 皆さんはわが国の文化の変わり目のところにいます 世界的にも大きな変化が起き、今から若い人たちにどう働いてもらうか、共通の課題です 変えるべきを変え、変えてはならないものを守る、その見極めをしっかりとしていってください 皆さんはひとりではありません 皆さんの勇気の源がわたしたちの教育とこの場の仲間にあるならば大きな幸せです

<再び謝辞>
 この場におられない沢山の方々に感謝したい 経理の山口さん デザイナー、イラストレーターの村岡正司さん・幹子さんご夫妻、WEBをお願いしている株式会社ウエストデータプロの方々、またご寄付をいただいている方々、その他多数の有形無形のお力を貸してくださった方々、皆さんのお蔭で10年間、やってこられました。本当にありがとうございました」




100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp



・・・さて、ある人から「夢みる少女」とよばれたことについて本人の感想はというと、
この素晴らしい壮年期の人たちがたかが「夢みる少女」のために奮闘するなどあり得るだろうか。それは彼ら彼女らに失礼だ。彼らの現実にやっていることの凄さに対しても。
以前にも書いたが私にあるのは「やり続けるのみ」という「暗い意志」である。
望みがあろうとなかろうと。
そして邪魔するものはともにいない、排除する狭量な人間だ。

どうしていちいち「女」という字が入っている言葉を使いたがるかなぁ〜。
10年以上、認められなくても何かをやり続ける人を、
「鉄の意志の人」と呼んでなぜいけないんだろう。
私自身は自分のことをそう呼ぼう。
私が味わってきた屈辱や苦痛も引き受ける言葉として。


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「頑張ってるね」のおじさんの後日談があった。
その次に会ったところ、
「正田さん、いつも気を遣って参加してくれてありがとう」
ときた。
何だろう、その舌をかみそうな日本語は。
「いえ、別に気を遣ってません。
いつもいい勉強をさせていただいてます」
と無愛想に答えた。
喧嘩上等。ちがうか。