「承認の先生」をやっているけれどたぶんうちの会員さんの中でも一番人間ができていないのは私だと思う。

 告白してしまうと、ギャラップ社のストレングス・ファインダーにも「苦手な強み」というのがある。

 
 「調和性」が苦手だ、というと師匠の森川さんに「珍しい人ですね〜」と驚かれた。

 「なんで!?」

 「うん、性差別的な人が多いし予定調和すきで変化きらいだし研修やってても変な抵抗してくる人にそういう人多いし」

(注:ストレングスファインダーで「調和性」が出る人に必ずそういう行動がみられるわけではありません。ただ、「高い確率で出る」とは思います。気をつけていただければ、出ません)


 調和性がなんで性差別と結びつきやすいのかというと、とくに男性の場合、「同性同士でつるむのが好き、同性の価値観の中で生きていたい」というのが強いので、女性をそこにまぜる、ということに抵抗があるのだ。また、既存の価値観がすきで変化がきらい、という傾向もそこに拍車をかける。

 もちろんけっして性差別に結びつきやすいのは調和性ばかりでもなくて、競争性がからむこともあるだろうし自我がからむこともあるだろうし、いくつか高い確率で結びつく資質がほかにもある。


 先日話した「経済部長」氏も、私がみたところこの「調和性」が一見して高そうな人だった。不決断、不作為もやりそうな人だった。

 ―なおGEのリーダートレーニングの中にもストレングスファインダーはちゃんと入っているそうです。これも10年以上検証されているツールだからね―

 そして「経済部長」氏は私に

「性差別なんて今、そんなにありませんよ。気のせいですよ」

と言ったのだ。ほうほう。あんたの不作為そのものが性差別だろうが。ぬくぬくした中にいるから気づかないだけだ。

「K新聞さんの中は確かに先進的でそうなのかもしれませんけどね、日本人の80%は中小企業にお勤めしてるんですよ。その中小企業の性差別って今でもすっごいんですよ。だから私も苦しむんですよ。あなたが知らないだけでしょ」

と私。


 よく考えたらこの「経済部長」氏は、去年の秋の兵庫労働局雇用機会均等室主催の私の講演も聴いていたはずだ。私はこのときの「働く『なでしこ』の活躍を妨げるもの」という題のスライドを事前に雇用均等室に送ったところ、担当者は「先生、まったくこの通りです。ぜひこの話、してください」と言ったのだ。じゃあおっさん、私が正しくないことを人前でしゃべる講師だとでも言うんか、言いがかりつける気か。


 私は受講生さん方に「差別はするな」と教えるし、受講生さん方は言われなくても、例えば製造業に厳然と残る、女性作業者に高い評価をつけない悪しき慣習も変えようとしたりしてくれている。そういうの、あんたら取材したことないんでしょ。


 だから「調和性」の人ってきらい。調和を貴ぶあまり、問題を「ない」ことにしてみようとしない、頬かむりする。ストレングスファインダーで調和性が出た人、よくよく気をつけてくださいね。セミナーの冒頭でよく強み診断の簡易版をするが、そこで調和性のとこに手を挙げた人も、正田はじろっとにらんでるかもしれない。中には自分でそうと思い込んでるだけの「仮性調和性」の人もいるから、そういう人だと救いがある。


 ちなみに私は以前、34の強み全部のランクが出るやつをやってみたら調和性は一番さいごのほうだった。きらいだと自分でどんどん下げるらしい。だから正田は競争性とかも高くないのに喧嘩っぱやい。正田が一見いい人そうにみえるのは親密性個別化などその他の「人」系資質のせいらしいです。「まあまあ」とか言って表面的におさめるより、徹底的にやりあって問題解決してしまうほうがすきです。

 はい、「少女」って言われると反発するけど、おとなではないことは確かですね。
 

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 4日は、垂水区の佐野記念アットホームにお邪魔し、林義記さんに約2年ぶりにインタビューしました。そろそろ受講生さんも入れ替わっているので、協会サイトトップページの「受講生様インタビュー」もリニューアルしないといけません。
 林さんのことは最近私がかげで「介護職の承認王子」とよんでいます。34歳、もう承認歴3年になり、4人の部下をもつようになり、「叱る」ことも課題になり、色々と新しい話題がありました。


 こちらは録音起こし・校正のうえブログアップさせていただきます。どうぞお楽しみに!!


 31歳から34歳まで、ひとりの真摯な人の「成長」に、「承認」が装備品となってお役に立ったんだなあ、と正田はちょっと感無量です。
 


100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp