大晦日の今日はまじめに労働をしている日なのだけれど、合間に思いついた、「判断を歪めるものとの闘い」
シリーズに付け加えたい1章を、メモ書き的に書きたいと思います。

 これはわたしがこの10年間独自に見聞きした「ナルシシズム」が組織中の人びとのものごとの認識を歪める現象について。ですのでタネ本はありません。オリジナルコンテンツです。

ナルシシズムは、別名自己愛性人格障害、そこまでいかなくても高い自己愛、高すぎる承認欲求、傲慢、ストレングス・ファインダーの⚪⚪、などと言い換えられます。

 これまで「ヒューリスティック」「認知科学」「無意識」とシリーズでみてきましたが、それらのより根底に「ナルシシズム」(これとは別に発達障害も)があるのではないかと思いました。ナルシシズムが視野を曇らせ捻じ曲げる強力なバイアスになるのです。

 全部でどんなナルシシズムがあるかというと―。

 過去の「ヒューリスティック本」が「〇〇ヒューリスティック」と名前をつけて分類していた例にならって命名していきたいと思います。


■高い地位ナルシシズム(役員ナルシシズム)。

 社長、役員、部長、なんでもいいのですが偉い肩書がつくと人は尊大になる。経営者に近づけば近づくほど「共感能力」が低下するという現象がみられるそうです。
 とりわけ、私がみてきた範囲では「役員になると人は変になる」という現象は顕著にみられました。
 
 うちのNPOの前任者の経理の女性が、実は地域でも錚々たる大企業の社長の奥さんだったのですが(そのことは採用したあとでわかった。採用面接のときには「うちの主人も管理職です」なんていっていた。お金には困っていないがNPOではたらいて社会貢献したかったのだそうだ。偉いでしょうちのNPOの人たちって)

 彼女のご主人が「役員って変な人間が多いなあ」と言ったので、彼女が「あなたもそうでしょ」と言い返した、という話があります。

 たぶん、変な人間が役員になったんじゃなく役員になったから変になったのだと思います。というわけで当協会の受講生様、会員様で「役員」の肩書がついている人はくれぐれも気をつけてくださいね。


■権限ナルシシズム

 権限にも色々ありますが、「自分は決定権をもっているのだ」と思うと、人は他人に意地悪になり、頼まれたことをやろうとしない。他人が望んでいることをわざと遅延させるなど不快な行為を無意識にするのは、心理学で「ゲーム」という名前がついています。うちの親もよくこれをやったんだ。

 これも言いつくされたことで、「ゲーム」を行うのは承認欲求の高い人物、承認欲求の表れが「ゲーム」なのです。じゃあ、ほめてやればいいのか、というと、そうでもない。この人物の望みは自分の優位をみせつけることにありますから、ほめてやる/承認してやる、というのはほめる側の人格的な高さをみせつける行為ですから、かえってコンプレックスを感じてねじくれる場合もある。
 とにかく望みはあなたの時間を浪費し、あなたを消耗させ、自分が優位だと確認することにあります。要は「めんどくさい人」です。スルーできるならスルーしましょう。

 決定権は、大事なことを決断するためにあるんで、人に意地悪するためにあるわけじゃありません。


■大企業ナルシシズム

 これもわかりきったことで、たまに大企業の人とお話ししてきちんとお話をしてくださる人に会うと「偉いなあ、よく躾が行き届いてるなあ」と思いますが、決して多くの場合そうではない。「野武士」を自認するタイプの大企業にも傲慢な人は多い。(私の接した経験のある範囲では、消滅した「S電機」の人なんかはそうでした)

 このブログに頻出する「大企業から中小企業とかに天下った人」にも高い確率でこれがみられます。わたしがみてきた中ではそうした役員がパワハラの担い手にも高頻度でなっていました。
 
 また、女性で大企業勤務の人の言葉の端々に現れる傲慢さ、というのも、男性より感じる頻度が高いかもしれないです。やはり「女の敵は女」なのでしょうか。


■国家公務員ナルシシズム

 これも上のと同じようなものですが、ちょっとわけときたいと思います。国家公務員のナルシシズムと「省庁の壁」、省庁エゴのようなものも組み合わさっていてめんどくさい人たちです。


■採用担当ナルシシズム

 私の出会った範囲では圧迫面接のように睨みつけて「まっすぐ見返し続けた人間を採用した」と言った人がいます。私は「何?この人気持ち悪い」と思ってすぐ目をそらしましたけど。

 まっすぐ見返すのは、事前にそういう予備知識をもっていてトレーニングしたか、あるいは「凝視傾向のある」テストステロン値の高さの現れです。「頭の中筋肉」の人にもそういう人がいますし、当然発達障害にもそういう人がいます。


■研修担当ナルシシズム

 もう1種類「人事」の人に関連するナルシシズム。色々な種類の研修に大量に曝露し、今どきの研修は受講者のナルシシズムを煽る、講師も絵に描いたようなナルシスト、というものが多いのですが、それに完全に感染してしまっていて、自分も社内講師としてやれる、あるいは独立して研修講師をやれる、と大いなる勘違いをしているものです。
 下手をするとこの人たちは、大手コンサル会社に再就職を夢みているかもしれませんから注意が必要です。私の知っている範囲では地方の一大企業の研修担当で、中央の大手コンサル会社の理事をつとめている例がありました。それでなくても結構中小〜中堅企業なのに大手コンサル会社とおつきあいする例も多いのですが、それはこの担当者の方々の「大手とおつきあいしている」というナルシシズムを満足させるためです。

 基本この人たちは、「当社の研修は業績が向上し、パワハラもメンヘルも女性活用もそのたもろもろの問題が治ります」なんていう能力の高い研修機関は採用しません。だって、そんなものが存在するということを認めた時点で、自分の今までの選択は間違いだった、ということになりますもの。問題が解決しないほうがかれらは嬉しいんです。


■ひらひら服ナルシシズム

 以前にこのブログで取り上げたことがあります(同時多発的に日本で起こっていた現象のようで、同時期に日経新聞でもだれかがコラムに書いていました)

 節電の夏、熱がこもらないようにとファッション誌が胸元のあいた服を推奨し、それを主に大企業の内勤の女性たちが着る。ひょっとしたら公務員の世界にも以前からあった現象かもしれないけど。

 私などは「内勤の女性」ではないので、そういう服は着れないし訪問先で来客対応にそういう女性が出てくるとイラッとしたほうですが。男性に話をきくと、「いや、やっぱり目のやり場に困るよ(嬉しいけど)」とのことでした。


■お勉強ナルシシズム

 立派なお勉強をしているからってあなた自身が偉い人なわけではない。自戒を込めていいます。

 とりわけ多く観察する現象は、高額な心理学セミナーを受講した人が傲慢になり、当協会の中でルールを破ったりおかしな振る舞いをすることでした。「現実から学べ!!」と正田はこのブログで絶叫したことがあります。
 その人たちがイヤガラセ的に当協会の講座に入ってきて、実習の指示などに従わず指示してないことをやっちゃったりそれを平然とほかの人の前でしゃべったりする、で講座運営ができなくなる現象というのもあり、そういうのを防止するためにもただ同然だった受講料を見直し値上げせざるを得ませんでした。私の優しさからすると、安くしたいのに。

 ビジネススクールで学んだとか、有名大学卒、というのもナルシシズムのもとになりますね。

 これは儒教とか武士道のお勉強でも一緒です。いくら先人の立派な言葉を頭の中に詰め込んでいても、それがために目の前の現実を謙虚にみる姿勢を忘れてはいけません(実はよくあるんです)


◼専門用語ナルシシズム

一つ上のナルシシズムの亜種のようなものです。難しい言葉を習ったりどこかで知ったりすると、ことさらそればかり使ってさも高級なことを話しているように装います。

セミナーから帰って来た人がそのセミナーで習った言葉をやたら使うようになり、理解しない周囲の人にいら立つという現象もあります。

カタカナ過剰の上滑りな言葉遣いとか漢字過剰のかちんかちんの言葉遣いもよくあります。お役所語とも似ています。

当協会ではテキスト、教材、このブログとも、極力使用する専門用語を厳選しています。とりわけカタカナ語を徹底して減らしているのですがお気づきになったでしょうか。


■過去の栄光ナルシシズム

 過去に社長を歴任していたとか華やかな経歴があるために、今うまくいってないことを虚心にみれない現象。


■団塊ナルシシズム

 このブログでは何度となく槍玉にあげてきた。こどものころから激しい競争にさらされ勝ち抜いてきた、日本史上まれにみる悪い人格の人びと。もちろんその世代でも例外の人もいるから、すべてがそうなわけではないが。

 下手に日本がかつてなく好景気だった時代を知っていて、イケイケドンドンで世界に物を売り込んだので、自負がすごい。今の時代にそのノウハウは通用しないよ、ということにいつまでも気がつかない。

 しかしまたこの世代の人はコンサルになる人も多く、いつまでも過去の価値観を企業に吹き込むのだ。通用しないっちゅうのに。ちなみに今年の夏、私のもとに脅迫状を送りつけ「研修中断」のもとになった人物も団塊です。


■大学の先生ナルシシズム

 私は仲良くしている大学の先生もいるしその方々が気をわるくされないことを願うが、「大学の先生」の肩書とか活動もナルシシズムのもとになります。
 客観性のないぼやきレベルの言葉も、「大学の先生」がいうと事件事故のとき新聞をにぎわせたりする。自分の言葉の影響力を過信してしまうことになる。「ははあ、そうですか」とか、新聞記者がかしこまってきいてくれる。
 (でもよく見るとつっこみどころ満載だったりするのだ)

 私が近年迷惑しているのは、現・元「大学の先生」が、よく私を「女子大生」と間違えているふしがあることです。光栄ですがそういう人びととは距離を置いています。

 言ってはわるいですが大学生さんに教えるというのは、企業でマネジャーさん方を指導するよりははるかに簡単な作業だと思います。たまに若い人に教えるしごとをすると、正直「赤子の手をひねるようだ」と思うもの。


■新聞記者ナルシシズム

 まあ、新聞にかぎらずマスコミ全般にあると思います。名刺をみせると、こちらがどんなぺーぺーでも海千山千の社長さんがチヤホヤしてくれる、こんな職業はほかにないのだから。


■男ナルシシズム

 少し前、10月だったか、藻谷浩介氏の講演をとりあげましたが藻谷氏も同様のことを述べています。「自分は男だ」という貧弱なアイデンティティを当てにしている日本の男性たちが女性の社会進出の壁になっている。もちろん、当協会の会員さん方はそうではありません。
 これが「人事ナルシシズム」と結びつくと、「彼は『男』だ」というすごい曖昧な根拠で、採用したり昇進を決めたりしてしまう。いいけど、その人発達障害だけど、っていう。
(だから、根本の「悪」をなしているのはこの人たちかもしれないのだ)

 日本の男性は子育てから逃げる人が国際比較でも多いのだが、そういう人はよくこの「男ナルシシズム」カードを出す。「男がおむつ替えなんかできるか!」って。(若い人ではだいぶ減ったらしいのだが)

 いや、できないのはあなたの能力が低いだけだから。



 本当はまだまだあったと思いますがこのへんで手仕事のほうに戻ります。あとで気がついたら補足します。

 かなりバカバカしくて笑えましたが、これが平成日本の現実ですからね。
 こういうことも「100年後」のために記録しておきましょう。
 いつもの伝で会員様、クライアント様、受講生様、こんな人にならないでください。当協会理念で「謙虚」という言葉もうたっていますが、ものごとを正しくみるために「謙虚」であることは欠かせないのです。



100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp