コープこうべ顧問・兵庫県経営者協会副会長の有光毬子さん(69)へのインタビュー後編です。

 ここでは、有光さんがVAL21で9-10月と「承認」を学ばれて以来、みずから行った実践のお話を語ってくださいました。

 舞台は地域のとある活動ですが、まあ、その「成果」が半端ではないのです。

 高齢者にかかわるお仕事をされている方、またジャンルにかかわらず地域活動をしておられる方、必見です。


有光毬子さん物語 
後編・地域に「承認」を持ち込んでみた、「承認」について語った

■ラジオ体操の会参加者が100人に
■名前を呼びかけ、話をしてもらう
■高齢化社会、関心を持たれることで人は変わる
■男性が命懸けで組織を変えていってほしい



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■ラジオ体操の会参加者が100人に

有光:
 私も仕事をする中で色んなチャレンジをしてきたけれども、一番自分自身が関心をもち意識してやってきたのが、やっぱりリーダーシップということ。最初の上司が、理念とか仕事の価値とかいろんなことを語ってくださった、ああいうリーダー、私はすごく感動して、私もそういうリーダーシップのとれる産業人でありたい、と自分のライフプランにも描いたわけですよ。だから、リーダーシップということにすごく関心をもって仕事をずっとしてきたつもりなんですけれども、
 この間VAL21で(承認の)研修をおききして、改めて色々感じさせられるところがあってね。要はリーダーシップというのは、まず人にどれだけ関心が持てるか、ということなんだわと。人を駄目にするというのは、人を殺すのに包丁やピストルなんか要らへん、人というのは無視すれば駄目になっていく。関心を示してやらなければこの人は駄目になっていく、死んでいく、簡単なこと。私心底そう思えて、この間承認のお話をきかせていただきながら、またつくづくそういうことを感じていたんです。
 それで私が取り入れさせていただいたのが、もう企業という第一線にはいませんけれども、企業のような競争云々、というのじゃなくても、地域とか私的なところでも同じことなんだろうな、と。そこで地域のラジオ体操の会の中で少しそういうことを試みました。
 企業人の世界だけでなく、地域社会の中でもそういうことは必要なんだろうな、と思えたんです。

―ラジオ体操を呼びかけたら100人ですか、集まられたそうですが、すごいことですね。よろしければそこからお話いただけますか。最初どんなふうに立ち上げはったんですか。

有光:最初、ラジオ体操に私は参加してなくて、皆さんされてたのはされてたんです。大きな団地の中のグラウンドがあって、私も健康のためにそこを朝ウォーキングしていました。すると6時半ごろになるとラジオが鳴って、何名かが体操しておられる。そういうところへ参加したんです、最初はね。ウォーキングで自分でしばらく歩いて、6時半になって体操して帰る、と。
 そうしてずっと見ていましたら、やっぱりみんなで集まって体操して、という地域のコミュニケーションを、もっとみんなの中に濃いものにしていけないかな、と思ったわけです。だから先にやっておられた方はおられるんですよね。
 ところが神戸市が「年中無休ラジオ体操の会」というのをしていて、印鑑を押して100回になったらこの色のバッジ、300回だったらこの色のバッジとか、神戸市が提供してくれるんです。「せっかく体操をするんだったら、それをしよう」と、神戸市のサポートを受ける形をラジオ体操の会に持ち込んだんです。
 安物のバッジですよ(笑)だけどやっぱり目標をそういう形で与えられることによって、俄然増えてきたんです、参加者が。夏場、100人ぐらいになるんです。今、冬は寒いから40人か50人弱ぐらいになるんですけれど、また春からぐーっと増えてくると思う。
 人っていうのはラジオ体操して印鑑がいっぱいになったからいうてすごい賞金がもらえるわけでもなくて(笑)、そういう風に目標、目的があることによって随分違うな、と感じました。そこでその形でずっとやりよったんです。「いっぱいになったら言ってくださいねー」って。そして私が毎日印鑑を押すのは大変だから、自己申告で枠の中に日にちを書いて「いっぱいになったら持ってきて」と、バッジをあげるようにしてたんです。
 そうしてずっと続けていて、そこで去年の9,10月に承認のお話をVAL21で聴く機会があって、もっとみんなが活き活きと輝いてくれる方法はないだろうか、と思ったんです。そこで行ったのが、バッジを渡す時にみんな集まってもらって、「今日いっぱいになられた方がいまーす」と、みんなの前で渡す。そしてまたその方に一言喜びやとか感想を語ってもらう。というようにしたんですよ。そしたらね、もう全然会の雰囲気が盛り上がって、その話する人も「きのうからどう言おうか一生懸命考えてきたんや有光さん」(笑)

―可愛い(笑)

有光:本当(笑)参加者の方は70歳、年長の人で80歳、要は高齢者の方が多いんですよ。早い時間ですからお仕事してる人はラジオ体操参加しとられへんからか、高齢者の方が多い。そして1人で住んでるという高齢者の方も随分いらっしゃる。そういう方々がそこへ来て、みんなと「おはよう」って声かけて、元気が出かけて。そして話し合うからそこで友達同士ができて、「お茶飲みに行こう」って行かれる方も増えてるみたいだし、すごく盛り上がってるの。
 そして私思ったのは、大したことじゃないですよ、でも人の前に出て、みんなで認めて、「おめでとう」「100回おめでとう」「300回おめでとう」って認めて、そして自分が少しお話をされて、こういうことはやっぱり人に生きがいとかやりがいとか輝きを与えるんだというのを。だから研修はそういう演出を少し取り入れさせていただいたきっかけになったんです。

―まあよくそういう形に昇華してくださいました。


■名前を呼びかけ、話をしてもらう

有光:
それでこの間、もうバッジも大分渡しましたから、300回の人も随分増えてきているし、今度は私がもらう時だったんです。それでどんな挨拶をしようかなと思ったときに、「実は私、セミナーでお勉強してきましてね」と、この(承認の)話を少しして、「人というのは、こうやということを教わってきました」と。そして逆にね、何でもないところをちょっと歩いてて、「ラジオ体操始まるよ」て集まって、「おはよう、元気やった」とこの一言でね、人間というのは、「あなたのことをわかってますよ」ということいなる、これが大事なんや。「だから私こんなお世話してるけど、みんなが声掛け合っておられる、みんな一人一人が大事な役割を果たしておられると思う」という風に挨拶させてもらったんですよ。
 そしたらね、今まで何でもなかったものが、「明日は何々の用で出かけるのでラジオ体操来ないけど心配しないで」と、そんなことを言って帰られたりね。
 だからやっぱり、人というのは関心をもって、「あなた」と。
 そして何百回って表彰するとカードに住所や名前電話番号を書くようになっているから、それをいただいて、そこでお名前を憶えるわけですよ。そうすると「おはよう」でも、「○○さん、おはよう」と、名前まで言ったら、ただ単に「おはよう」だけ言っているのとは全然違うな、とかね。こんなこと今になって、この歳になって感じたっていう、ね。凄いですよ、人というのは。

―嬉しいでしょうね、皆さん有光さんに呼びかけられたら。

有光:勉強させていただいたんですよ(笑)いや気づかさせていただいたというか、ね。人というのはこんなに、「あなたに関心を持っています」というのを示せば、必ず反応がきて、そしてそれは相手が元気になったりいい方向に行く。
 企業はそれが競争力につながったりするわけやけど地域やからそんなことを求めてるわけではないんだけどね。みんなが元気で過ごせるような地域コミュニケーションができれば最高だし。

―本当にそうですね。

有光:私も地域のことには疎かったけど、あまり関わりもなくしてきたけれど、やっぱり地域でもそういうことをしていくことは大事だなあと。確かに地域でも1年間に何回か、70歳以上とか60歳以上のお食事の会とかしはるんだけど、私の考えはそんな年に何回っていうよりも、毎日が、暮らしっていうのは大事なので、ラジオ体操も毎日だから、顔を毎日合わして、そこで一言か二言か話する。「あ、これなんだ」と。
 だから「ここへ来なかったら1日誰ともしゃべらんといる」って言われる方も大勢いらっしゃるけどね。朝集まって「おはよう」「どうやった、元気やった」と言い合ってる、それがなんかみんなの元気の素になってるみたい。すごいですよ。
 この間なんか、80近い方にバッジお渡ししてみんなに一言、って言ったら、すごいいい話をね、それはもうびっくりして「すごい人やねえ」というぐらい。翌日お会いしたときに「いやーすごいいい話聴かせていただいた」と言ったらその人すっごく喜んでくださるんですよ。
 やっぱり大事なのは人に関心をもって、人がどうすれば活き活きとやる気・元気を出すんだ、ということを考えるということは大事なんだな、と。
 もっと若い時に真剣にそう思ってたらもっと出来ただろうに、と(笑)

―いえいえ、逆に本当にすごい方だなって思います。有光さんほどの蓄積があって、これだけやってきたという積み重ねがおありになって、そのあとでこんな若輩者の研修を聴かれて「あ、これだ」と思ったときに「あなたの言われること、取り入れましたよ」と言ってくださる、その懐の深さがすごいと思います。本当にどうしてそんなことができるのか、って思います。

有光:いえいえそんなおっしゃってるようなレベルの高いアクションを起こしているわけじゃないんですけど、私はあの考え方というのは今、地域の中でこういうやり方でしたら自分自身も活かせるんだ、と思ったんですよ。同じことしてもちょっとした工夫とか、相手への動機づけとか、それで人というのは変わる、というように思ったときに、「やってみよう」と思って。

―リーダーのお力ですね…。有光さんがそこに入られて今最大100人という集団になられたときに、そういう関わり方をされる方が有光さん一人ではなくなっていて、それ以外の方同士も「おはよう、元気やった?」という声掛けをし合うようになられている、というのが凄いです。

有光:うん、あれがいいですね。100人もおれば、気の合う者もできてくるんでしょうね。話して、楽しそうにしておられるのがね…、


■高齢化社会、関心を持たれることで人は変わる

有光: また嬉しいなと思ったのは、私がノートを出して「今日はこの方が」とやっていたら、何人かの方が「一緒に手伝うわ」と言ってくれたんです。そこで「1人じゃきびしいけど何人かだったらできるな」と思ったのが、今年の最後、12月31日。「1年間頑張ったね、喜ぼう」と言って、コーヒーの紙コップを私家でバーッと並べて、コーヒーの粉を入れて。微糖のスティックのを。まあ平均的やから微糖がいいかなーと思って。冬場だから50何個用意したらみんなに当たるわ、と思って。
 そこではたと困ったのは、お湯。うちのポットの容量では50何人分もないから、そしたらみんな「持ってきてあげる」と持ち寄ってみんなでお湯を注いで、そしてラジオ体操が終わった後みんなで立って熱いコーヒー持って「今年1年間頑張れたねー」と言ってね、

―わあー(拍手)

有光:うちの夫も協力してくれて一緒にやってるんですけど、夫が言うにはそのみんなの前で「よう頑張ったね」と声をかけてもらうのを、「お前が言ったらあかん」と。だれか頼んで、その人が前に出てもらうように、と。それである人に頼んだら「はいやります」。そしてみんなの前で1年の頑張りを感謝するような、たかがコーヒー1杯ですけどね(笑)。
 だから「いい会になりかけたねえ」って。

―本当に素敵なお話。皆さん笑顔になられて、きっと細胞レベルで若返ってらっしゃいますね。

有光:うん、でしょうねえ。私、感じるようになりましたもの。
 初めは黙々と何名か、ラジオ体操が始まる前グラウンドを歩きますからね、皆さん挨拶はするけれど「おはようございます」と言うぐらいだったのが、もう違う、会話になってきてるでしょ。だから全然違ってくる。
 「もうあと1週間で有光さん、一杯になるからね」と予告してくださる。「でもようしゃべらんけど」って言いながら、結構嬉しがってしゃべりはる(笑)

―嬉しいんですね、きっと(笑)

有光:だからね、勉強させていただいたことをそんな形で取り入れさせていただいて、真似ごとみたいなものですけど、良かったです。

―いえいえ、素晴らしい実践でいらっしゃいます。
 ありがとうございます。こういう形のこういう場でのご実践というのは、私初めてお伺いしますので、嬉しいです。高齢化社会にこういう形でお役に立てるんだ、と逆に励みに思いました。

有光:うん、うん。もちろん職場でも求められるし、でも地域には地域の中で結局は「人」ということを軸に考えたら一緒なんだ、って。やっぱりまず自分に関心を持ってもらう、ということが一番の喜びなんだ、って。そうするとそういうことは少し演出したほうがね、それは実感できる。そうすれば必ず元気になれる。
 近所に高層の団地があってここに運動場があるんやけど、あんまり大きい声出しよったら朝早いのに(笑)「団地からクレーム来いひん?」っていうぐらいみんな元気で、声掛け合うというのは変わってきましたね。
 ですから間違いなく、同じことやっとっても、そういう考え方を少し取り入れて工夫していくことで、状況はコロッと変わる、というのはねえ。

―そうなんですねえ…、びっくりします。


■男性が命懸けで組織を変えていってほしい

有光:
私自身のときも「こんな勉強してきてね」って話ができて、ああよかったなと思って(笑)みんな色々と工夫してお話してきておられるけれども。

―有光さんなんか他にもいっぱい、お仕事の中のご経験もおありになるし。

有光:いやいや、リーダーというわけではないけれどお世話役している者があんまりぱっと上に出て難しい高飛車なことをすると、やっぱりちょっと敬遠されるというのがあるので。そこらもうまくしないと(笑)
 やっぱり相手に受け入れられて初めて伝わっていく。どうしても一方的だと敬遠されて構えられてしまうけれど、やっぱり自分から入っていって気持ちのうえで受け入れられて初めてそこに本当のコミュニケーションみたいなものが出来ていくんだなあ、と。こんなことを通じてでも勉強させてもらいながら。うん。
 みんなにはよく言うんですよ、色んな講演会だとかセミナーで勉強しても「習ったわ」「きいたわ」で終わってしまったら絶対もったいないと。習った場で「あっ」と思ったら、それを必ず自分の行動として実践する、でないとあかんと。聴いて勉強してきたら知識は残るかもしれんけどそれはあくまで知識で、やっぱり実践に変えていかんといけない、という。実践に変えていくというのは必ずそれを体験することやと。だから1回「あ、これ」と思ったものは何らかの形で自分自身でやってみる。行動してみる。でないとせっかくの色んなお話を聴いても「あっ」「良かったわ」で翌日から忘れてる、それはもったいないですね。
 まあ本当いいことを学ばせていただいて、こちらこそ感謝しているんですよ。

―すみません押しつけがましくて。
 …まだまだ特に男性の方々は、これとは真逆のことを言ってる方も結構おられますので。

有光:ああなるほどねえ。うんうん。
 でもあんまりもう、のんびりゆっくりということでは、これだけ色んな環境が変わってきてるから、やっぱり早く、重要なこと価値観を取り入れる、そして間違った、まあ過去には正しかった観念なのかもしれませんけど、今の状況に合わない固定観念を捨てられる勇気を持てないといけないんでしょうねえ。
 固定観念で動いてたら楽ですけどね。今までやってきた通りにしてたらいいし、それを壊すということは非常にしんどい。けども変えなければ、やっぱりそういう状況変化に対応できなければ、やっぱり人は滅びるというか、ですからね。
 だから勇気をもってチャレンジをして、今の時代に必要なことを早く理解して。
 ワークライフバランスなんかも、女性だけが論じてるだけじゃなくて男性が大きな社会の問題として捉えないといけないですね。
 これ叱られるんですけど、企業でもまだまだ、ワークライフバランス云々ということに力を入れてる、と言わなければ、企業評価が落ちるからいうて取り入れているところがあるんですね。まだ建前で取り入れてる男性の方がいっぱいいらっしゃって、そうではないんだということまで言って、そして男性が本当に命懸けて企業風土を変えていく、そうしていただいたらありがたいですけどね


―そうですね…。
 いやー、なんかやっぱり感動に包まれてます。本当に私の生まれたときからお仕事されてきた方なので、その頃から志をずっと曲げずにやり続けて今があられる方にこんなにお話をうかがうことができて。

有光:いえいええらい雑談みたいなことで申し訳ないです。
 自分自身はそうやって無理もしながらしてきたけど、でも考えたら、たくさんの人に支えられて、そして作られてきた。最初の上司の方は忘れられないものね。もう亡くなっていらっしゃらないけど。本当に、あの人が色々と話してくださった。うん、あれで自分自身の人生観なり、「私もこうなりたい」と思ったのが、あれがスタートやもんね。だからやっぱり、人にも助けたり影響を与えてもらいながら、自分も少しでも人に影響を与えられるような生き方ができたら最高なんだろうけどねえ。

―いえいえ。そのルーツをお伺いして、「ああ、それでなんだ」とちょっと合点がいったような気がします。ありがとうございます。有光さんが私どものような者に何くれとなく言葉をかけてくださるのが。

有光:そうね…、まだ、まだ頑張らんといけない(笑)色んな頑張り方があるから。
 私もね、随分いい内容の企業内研修をやっていただいてるんだなあ、と初めてお話を聴いて思いました。例えば10人聴けば10人がみんな反応してくれるということはないかもしれない、でもその中の2人でも3人でもそのことを消化してくれればそれはもうすごいことやと思うので。是非頑張っていただきたいと思いますね。

―ありがとうございます。あと10年か20年、お言葉を励みに頑張らしていただきます。


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 有光さんインタビュー、いかがでしたか?

 前編も「鳥肌たつくらい」すごいお話の連続なのですが、この後編はまた違った意味ですごかった。

 地域活動の中でも「ラジオ体操」は毎日のことなので、もっともおとしよりと近い距離にある活動といえるだろうと思います。

 それを毎日続けておられる有光さんならでは、またお若い頃から「日本生協連会長賞」をとられたほどの勉強の虫・有光さんならではの学習能力で、ラジオ体操の世界に「承認」をもちこみ、そして皆さんの笑顔と活発なおしゃべり、感動的なスピーチのある世界に変えてしまわれたのでした。

 「1日1回ここでしか人と話をしない」というおとしよりたちの、それまではどんなに灰色の日常だったことでしょうか。

 また、これほどまでにおとしよりを活性化させる「承認」というものを考えます。
 よくあるのです、現役男性リーダーたちが口を「へ」の字に曲げたまま、

「ふ、若い人にはこういうのは喜ぶんでしょうね、『ほめる』っていうやつはですね」

なんていう。そう言っているご本人が実は自分もほめられたくて一生懸命見栄をはり背伸びをしているのが見えたりもするのですが、

「承認欲求」はなにも若い人だけのものではなく、としをとって死ぬまで一生のものなのです。人はこれほどまでに「認められたい」存在なのです。

 いい悪いではなく、そのことを「認め」なければなりません。

 途中わたしが言った、「細胞レベルで活性化されているでしょうね」というのは、かなり本気で言っているのですが、どなたか理系の研究者のかたそういうことにご興味をもってくださらないでしょうか。

 哲学者の河野哲也先生もいみじくも言っているように、たとえば「フロネシス(実践知)」を体現している人の脳の状態に関心をもつ脳科学者などいない、なぜなら一般人がそれに興味をもたないからだと。これは寄り道^^;

 また心正しいリーダーがそれを使ったとき、場に隔てなく清らかなエネルギーが横溢することを思います。それはきっと、ナルシシズムの勢いで地域活動を牛耳ろうとするリーダーがつくる場にはないような、だれもが足を向けたくなるような場、だれもが「自分の居場所だ」と思えるような場であろう、と思います。



 最後のほうの有光さんの言葉、

「男性が本当に命懸けて企業風土を変えていってくれたらありがたい」

 これは、男性に比較的強いことになっている(女性にはあんまり強くない;;)わたしへのエールでもあり宿題でもあるな、と気を引き締めたのでした。

 当協会の受講生様、会員様方、よろしゅうございますね。



 ともあれ、有光さん、このたびは貴重なお話をありがとうございました!



有光毬子さんインタビュー前編
「志を曲げなかったわが人生」

(1)上司の言葉でライフプランを持てた私

(2)商品に触りたい!職域拡大へのチャレンジ

(3)ロールモデル不在でなぜ頑張れたか

(4)男性と女性でつくる社会へ向けて


後編・「地域に『承認』を持ち込んでみた、『承認』について語った」
 


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