東京都議会でのセクハラヤジ事件は、鈴木某という自民党都議(会派離脱)が名乗り出て謝罪して幕引きとなったようなのですが、

 これについてフェイスブックのある女性のお友達の投稿が目を引きました。

「ちょっとだけ私感。
東京議会のヤジ問題。飛ばした人は論外ですが、笑った周りはもっとひどいと思う…。

新聞の女性記者の『誰か一人でも人権侵害だと大声で反論して欲しかった。議事を止める動議を出して欲しかった』との記事に、私が感じてた違和感はココだったと納得…。

笑った人も同罪です。」


 そのとおりだ、とわたしも思ったので、引用させていただいてるわけですが、

 ひとりの攻撃が同調した追い打ちの攻撃を招く。いじめでよくみる光景です。そして「やめろ」という人が出てこない。
 

 わたしも以前にブログに書いた、地元某有名大学の某有名教授がパーティーで

「あなたに話を聴いてもらうのと飲み屋の女の人に話を聴いてもらうのとでは、どこがどう違うんですか?」

というセクハラ発言をし、周囲の男性新聞記者らがどっと笑って、背筋が寒くなったこと。

 
 また、ある回のよのなかカフェでは、汚い現場に行くことを自慢にしている男性コンサルタントが、

「お嬢ちゃんにはできないよ、お嬢ちゃんには」

と、「お嬢ちゃん(50女の正田のこと)」という言葉をねっとり絡みつくように2回繰り返したとき、その場の誰も、ファシリを含めて、その不規則発言を訂正しなかったこと。


 女だてらに「正しいこと」を主張する立場の正田は、往々にしてそういう目に遭います。

 そして、それを被害者に代わって修正できない、結果的に悪質な攻撃に同調してしまう人々への失望感も、よく経験します。

 まるでその人たちは内心「ほらみろ、女だてらに自分は何かをできるなんて主張するから、人の感情を逆なでするんだ。女は無能力者として生きていろ」と納得しているかのように。


 なのでここは、当協会の会員さんがたに向けた言葉なのですけれども、

 わたしに限らず、目の前で女の人が「女」を盾にとった醜い攻撃に遭っているのをみたときは、助けてあげてください。

 そうした「女」を盾にとった論法を言う人は、おおむね間違った側なのです。正しさに自信があれば、そんな論法を使う必要はないのです。

 そして、今の時代、男性の質がひどく劣化していますから(今回の鈴木某という都議が51歳ときいて暗澹とした。同い年ではないか。でも確かに、わたしの若い頃にも、仕事は大してできないくせに「男」というだけで、会社のおじさんたちに同調して優位にたっていた男性はいました。そういう人たちがそこそこの地位を得る年代になっています)、

「女」を盾にとって女性を攻撃する戦法は決して珍しくなく、芸もなく平気で繰り返し行われます。

 そういう時代に生きているのですから、その手の論法が目の前で行われたら、「きたきた」と思って、即やめさせてください。

「そういうことを言うのはみっともないですよ」「●●さんに失礼ですよ」「●●さんだけではなく、女性全体に対して失礼ですよ。撤回してください」

 適切な言葉で礼儀正しく、しかしきっぱりと伝えてください。


 男性同士であっても、それは遠慮をしてはいけません。なぜなら、それをしなかったらあなたは、人生で重要な方の友人を失うかもしれませんから。


 わたしもできれば自分で上記のような言葉を言えるようになりたいですが、いざその場になると心のダメージが大きすぎて適切に言い返せないかもしれません。実際、上記2つのケースでは言えませんでした。


 自分自身が直接ダメージを受けなかった人が、被害者に代わって反論する、そういうトレーニングをしておくのがいいと思います。

 
 この記事をNPO会員さんに向けて書くのは、わたしは基本的に会員さんを信頼していますし、期待もしています。予想される嫌な場面でも男らしく(女の人は、潔く)振る舞うことを期待したいし、もしそうでなかったら失望するだろうからです。

 またこれはマネージャー教育の団体である当協会でおこなう教育の一環なのですけれども、会員さん向けの同報メールでなくブログに書くのは、当社でおこなう教育が狂信的なものでないだろうか、自己点検したい意味合いもあるからです。


 もしご意見ご感想があれば、お気兼ねなくお寄せください。


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NPO法人企業内コーチ育成協会
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