このブログにはなるべくいいことを書きたいのだけれど、
関西特有なのだろうか、「変なご依頼」のパターンがある。
わたしはお断りすることにしている。零細業者のありかたとしてどうかと思うけれど。
「変なご依頼」というのは、
なるべく短い時間、たとえば2時間で「コーチング研修」をやってください、とか1日研修で「コーチングの承認・傾聴・質問・叱り方」までをやってください、というもの。
ちょっと考えても人間の生理でそんなの身に着くわけがない。
前にも書いたように自動車教習の技能講習と同じで、短縮できないものがあるのだ。短縮したら危険、というものがあるのだ。
で、そういうご依頼をしてくる人はどういう思考回路なんだろうか、と考えたときに
「2時間でコーチング研修」というのは、何かで離職防止にコーチングが効くとか、パワハラ防止にコーチングが効く、と聞きかじったときに、
「じゃあコーチング研修を1回」とまず短絡的にそう思い、
かつ、そこに割ける時間数はせいぜい2時間、それ以上だとめんどくさいから、と、なるべく「ゼロ」に近い時間数を割り振る。極端な話1時間でも30分でもいいのだと思う。コーチング研修の中身は何々で構成されていて、各構成要素にどれぐらい時間が要るか、などという計算ははなからしていない。
それは、わるいけど「言い訳研修」「アリバイ研修」という類のものだ。ひところメンヘル研修がそうだったように。
どれぐらい「早回し」でやればその目的が達成されるのか知らないが、
わたしが思うに、うちはやらないがよその業者さんがときどき無料で「お試しセミナー」をする。たしかにそういうところでは、「コーチング2時間研修」みたいなものを、傾聴も承認も質問も全部ちょっとずつ早回しで盛り込んだ形でやる。それは「習得」を目的にしていない、単に人事担当者が予備知識をもったり雰囲気を知ったりすればいい、というものである。
往々にして、そうした現実的な意味のないセミナーを受講した人事担当者は、「コーチングの普通の講義スピード、学習スピードとはこういうものだ」と思い込む。ちがいますって。できるようにならなかったくせに。だから当社、お試しセミナーはしてないんだ。
最近の例では他府県の公的機関(1つ前の記事の中西さんのところではない)で、その「コーチング2時間研修」の依頼をしてきて
「研修の見積もりを出してください。競争入札なので予定入札価格内の最安値のものを採用します」
と言ってきたので、
「え、品質はどうでもいいんですか」
とききかえした。
「そうです」
と言われるので、じゃあうちは事前アンケートも宿題もするし学習の定着のために最善を尽くすことをやるけどそれは価格に反映されないわけだからわるいけどやーめた、となった。
「コーチング2時間研修」・・・話を聴きましょうね、承認しましょうね、質問しましょうねというのを早回しでしゃべる。実習が1つ2つは入るかもしれないが普段と違うハイテンションでやらされるので、日常に戻るととたんに出来ない。
―当社の「承認研修」のばあい、参加者が実習の中で本物のよろこびを味わえるように実習を設計して丁寧にやってもらうので、ひとつの実習だけで30分オーバーぐらい時間がかかってしまう―
そして、
「コーチングって前、やったけど、あれ実際にはできないよねー」
と言い合い、業者がわるものにされる。
イヤだよ、わるものにされるのなんて。
そういう依頼の仕方をする担当者も、結果なんて別にどうでもいいのだ、「やりました」っていう痕跡を残せれば。
あとあとみんながコーチングを嫌いになろうがコーチングの悪い評判が立って二度とつかいものにならなくなろうが、彼らの知ったことではないのだ。
今年度のはじめ、本気で「コーチング」という看板を下ろそうと思っていた。それは別の理由だったけれど、昨今「言い訳研修」「アリバイ研修」としてのコーチング研修、というジャンルもあるようなのを見聞きするとますます嫌になる。
****
また他府県の社会福祉法人さんからのご打診があり、きくとそこは一昨年から離職防止に取り組んでゼロにすることができたので、今は管理職研修を夜間でなく日中にやっているのだそうだ。だから2時間という縛りはないですよ、3時間4時間でもOKですよ、と言われた。
離職が多かったころは現場が忙しく、夜間にしか研修ができなかったのだそうだ。
「それはご立派です」と素直に私。
何が言いたいんだろうか―、
この状況を言い表すことわざとか慣用句がありそうな気がする。
うーん、本県だいじょうぶかなあ。。
****
3年ぶりに開催する当協会の「事例セミナー」は今年11月7日、関係者と会場の仮予約をしました。
直近で活躍した3名のパネリストのほか、コメンテーターとして当協会会員でもある元銀行支店長の松本茂樹さん(関西国際大学准教授、経営学科長)にきていただくことになりました。
アカデミズムの立場から発言していただき「承認現象」にお墨付きを与えていただけるのはありがたいことです。
え?出来レースじゃないかって?
何せ大学の先生ってごく一部を除くと品性下劣な人が多くて、当協会流のぶっ飛んだ効果発現にたいして正確かつ謙虚なコメントができる人はほとんどいない。常識で考えれば徹底して良い品質の研修をすれば、理の当然だと思えるだろうにね。ただ世間にはほかにないというだけで。
(また過去にはまっとうだった人がある時期を境にとんでもないタイトルの本を書き始めることもある。それは余談)
松本さん(先生)は経営学の中でも正確にこうした組織論系のご専門ではないと思うけれど、とにかくご自身が経験者なので―。
「すごくいいもの」がわが国の地方都市で正しく評価されるのは、本当にむずかしいことです。
100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
関西特有なのだろうか、「変なご依頼」のパターンがある。
わたしはお断りすることにしている。零細業者のありかたとしてどうかと思うけれど。
「変なご依頼」というのは、
なるべく短い時間、たとえば2時間で「コーチング研修」をやってください、とか1日研修で「コーチングの承認・傾聴・質問・叱り方」までをやってください、というもの。
ちょっと考えても人間の生理でそんなの身に着くわけがない。
前にも書いたように自動車教習の技能講習と同じで、短縮できないものがあるのだ。短縮したら危険、というものがあるのだ。
で、そういうご依頼をしてくる人はどういう思考回路なんだろうか、と考えたときに
「2時間でコーチング研修」というのは、何かで離職防止にコーチングが効くとか、パワハラ防止にコーチングが効く、と聞きかじったときに、
「じゃあコーチング研修を1回」とまず短絡的にそう思い、
かつ、そこに割ける時間数はせいぜい2時間、それ以上だとめんどくさいから、と、なるべく「ゼロ」に近い時間数を割り振る。極端な話1時間でも30分でもいいのだと思う。コーチング研修の中身は何々で構成されていて、各構成要素にどれぐらい時間が要るか、などという計算ははなからしていない。
それは、わるいけど「言い訳研修」「アリバイ研修」という類のものだ。ひところメンヘル研修がそうだったように。
どれぐらい「早回し」でやればその目的が達成されるのか知らないが、
わたしが思うに、うちはやらないがよその業者さんがときどき無料で「お試しセミナー」をする。たしかにそういうところでは、「コーチング2時間研修」みたいなものを、傾聴も承認も質問も全部ちょっとずつ早回しで盛り込んだ形でやる。それは「習得」を目的にしていない、単に人事担当者が予備知識をもったり雰囲気を知ったりすればいい、というものである。
往々にして、そうした現実的な意味のないセミナーを受講した人事担当者は、「コーチングの普通の講義スピード、学習スピードとはこういうものだ」と思い込む。ちがいますって。できるようにならなかったくせに。だから当社、お試しセミナーはしてないんだ。
最近の例では他府県の公的機関(1つ前の記事の中西さんのところではない)で、その「コーチング2時間研修」の依頼をしてきて
「研修の見積もりを出してください。競争入札なので予定入札価格内の最安値のものを採用します」
と言ってきたので、
「え、品質はどうでもいいんですか」
とききかえした。
「そうです」
と言われるので、じゃあうちは事前アンケートも宿題もするし学習の定着のために最善を尽くすことをやるけどそれは価格に反映されないわけだからわるいけどやーめた、となった。
「コーチング2時間研修」・・・話を聴きましょうね、承認しましょうね、質問しましょうねというのを早回しでしゃべる。実習が1つ2つは入るかもしれないが普段と違うハイテンションでやらされるので、日常に戻るととたんに出来ない。
―当社の「承認研修」のばあい、参加者が実習の中で本物のよろこびを味わえるように実習を設計して丁寧にやってもらうので、ひとつの実習だけで30分オーバーぐらい時間がかかってしまう―
そして、
「コーチングって前、やったけど、あれ実際にはできないよねー」
と言い合い、業者がわるものにされる。
イヤだよ、わるものにされるのなんて。
そういう依頼の仕方をする担当者も、結果なんて別にどうでもいいのだ、「やりました」っていう痕跡を残せれば。
あとあとみんながコーチングを嫌いになろうがコーチングの悪い評判が立って二度とつかいものにならなくなろうが、彼らの知ったことではないのだ。
今年度のはじめ、本気で「コーチング」という看板を下ろそうと思っていた。それは別の理由だったけれど、昨今「言い訳研修」「アリバイ研修」としてのコーチング研修、というジャンルもあるようなのを見聞きするとますます嫌になる。
****
また他府県の社会福祉法人さんからのご打診があり、きくとそこは一昨年から離職防止に取り組んでゼロにすることができたので、今は管理職研修を夜間でなく日中にやっているのだそうだ。だから2時間という縛りはないですよ、3時間4時間でもOKですよ、と言われた。
離職が多かったころは現場が忙しく、夜間にしか研修ができなかったのだそうだ。
「それはご立派です」と素直に私。
何が言いたいんだろうか―、
この状況を言い表すことわざとか慣用句がありそうな気がする。
うーん、本県だいじょうぶかなあ。。
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3年ぶりに開催する当協会の「事例セミナー」は今年11月7日、関係者と会場の仮予約をしました。
直近で活躍した3名のパネリストのほか、コメンテーターとして当協会会員でもある元銀行支店長の松本茂樹さん(関西国際大学准教授、経営学科長)にきていただくことになりました。
アカデミズムの立場から発言していただき「承認現象」にお墨付きを与えていただけるのはありがたいことです。
え?出来レースじゃないかって?
何せ大学の先生ってごく一部を除くと品性下劣な人が多くて、当協会流のぶっ飛んだ効果発現にたいして正確かつ謙虚なコメントができる人はほとんどいない。常識で考えれば徹底して良い品質の研修をすれば、理の当然だと思えるだろうにね。ただ世間にはほかにないというだけで。
(また過去にはまっとうだった人がある時期を境にとんでもないタイトルの本を書き始めることもある。それは余談)
松本さん(先生)は経営学の中でも正確にこうした組織論系のご専門ではないと思うけれど、とにかくご自身が経験者なので―。
「すごくいいもの」がわが国の地方都市で正しく評価されるのは、本当にむずかしいことです。
100年後に誇れる人材育成をしよう。
NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp
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