3日、三宮・アロアロにて、第41回よのなかカフェ「『女性が輝く社会』には、何が必要?」を開催させていただきました!


 
4よのなかカフェ-2-2



 今回お集まりくださったのは自治体、高齢者施設から4名のマネジャーのみなさん。男性女性2名ずつ。

 登場人物を仮名でご紹介しましょう。
 カフェ中、「『男女』という言葉も男が先だし名簿の類は男女別の時は男が先だよね」という発言もあったので、ここでは「仮名を50音順で」という混合ルールにしてみました・・・


一郎さん(仮名):市営高齢者施設園長、元市役所課長、60代
恵理さん(同):市役所課長、40代
千草さん(同):市役所係長、40代
祐樹さん(同):老健施設室長(課長級)、30代


 
 ちょっと属性が偏っていまして社会全体を代表できるとはいえませんが、少人数ならではの深い気づきとその応酬となった、とても質の高い場となりました。

 貴重なその気づきを是非ご覧ください:


 冒頭、発起人の恵理さんより、「女性活躍推進」をめぐり最近発表された諸データの紹介。


 直前にHP掲載された、「神戸市男女共同参画年次報告書(抜粋)」や今年10月発表の関経連労働政策委員会ダイバーシティ研究会による「女性活躍推進のための提案」、それにスウェーデン事情や取組との比較の論考やYahoo!ニュースの意識調査、第12期市政アドバイザー第4回意識調査など、それぞれ大変興味深い資料。

 大筋、やはり依然として進んでいない先進国中最低ランクの女性活用度、それの背景となる家事労働などの男女の意識、また近年の行政の努力で保育所の待機児童が激減したこと、などのポイントがわかりました。


 大変早回しで手際よく的確にポイント、ポイントを紹介してくださった恵理さん、この場をお借りしてありがとうございます。またそれ以前の資料ご準備の労力にも。


 続いて、フリーで意見交換。


祐樹さん:こういうデータ自体初めてみました。日本でこういう状況なんだと、愕然としました。
 今日自分の施設できいてきた数字では、常勤者が男性33人女性41人、パートが同0人と女性36人、管理職は男性8人と女性6人と、大きく偏った状態です。育休取得は男性多分ゼロ、女性100%です。


千草さん:私の今の係は、珍しいんですけど男性が1人しかいない。女性が多いから和気あいあいとしています。女性が多くて育休が同時に重ならないかというと、重なりますね。その分を見越した職員数のゆとりがあるかというと、ないので、残りの職員はめちゃくちゃ長時間労働になります(笑) 休日出勤は当たり前、という状態。
 でも育休が白い目でみられるかというと、それはないですよ。「ちゃんとしっかり休んで出産してきてね」と送り出す雰囲気があります。


祐樹さん:子どもが生まれるとき、職場の上司に「私(育休を)とってもいいですか?」ときいてみたんです。そしたら「奥さんがとるでしょー。あんた働き」と。そういわれて無理にとるのも、と思いとれなかった。女性がするのは当たり前、という風潮があります。


一郎さん:家内は幼稚園の先生でしたが、出産の1年前に育休制度ができたんです。その当時は期間中無給でした。

⇒恵理さん・千草さんより「今も無給で、6割ぐらい手当がつきます」と補足

一郎さん:そうですか。当時は手当もまったく何もなかったんです。2年で復職しましたが。


恵理さん:役所で育休をとった男性を身近にみるかというと、身近には見ないですね。とった男性に体験を話してもらう場をつくることはあります。


千草さん:一つには、育休は休職扱いですので有休のように「明日とりたいです」と言ってすぐとるわけにはいかないんです。何か月も前から計画的に休みを申請しないと。それを知らないで、育休の希望を出して通らなかった男性の例はあります。


一郎さん:こういう男女共同参画のデータでやはりヨーロッパに比べて日本は遅れてるんだなあと感じますが、「男女」という言葉もそうなんでしょうね。男が先、があかんのやな。
 今、小学校でも男女入り混じった順序の「混合名簿」がありますが、あれも面倒ではありますが、根深い部分で日本は遅れてるんだなあと感じます。


祐樹さん:私の母は家業をしながら子供を育てました。
 今、私の家は共働きですが、子供を保育所に預けるのを母が「かわいそうに」と言い、いっとき嫁と母が険悪になりました。
 今は子供が保育所でのびのびと成長している姿をみて、母も「行かして良かったね」と最近言ってくれるようになりました。

 

恵理さん:私は育休をとり半年で復職したのですが、今の若い女性職員からは「半年で復帰すると子供がかわいそう。私は3年育休をとるんだ」と言われます。


―今、市では育休3年とろうと思えばとれるんですか。


恵理さん:とれます。フルにとるのは半分くらいの人ですね。普通は1年-1年半で復職します。


千草さん:関経連のレポートの中で「育休しているうちに女性が専業主婦化してしまう」という話が、私にはストンと腑におちました。復職したくないんです。「せっかく長期の休みなので休みたい」「子供と一緒にいたい」「子供がかわいそう」と。


(司会より「職場が十分に知的刺激に満ちた、チャレンジを奨励させる場だったらもっと職場に戻りたいと思うんじゃないでしょうか」という発言あり)
(注:あとになって思うとやっぱり「長時間労働」とか「家事負担」の問題も解決しないと身体がしんどいよね、とも。司会発言だけどそんなに権威ないと思ってくださいね;;)


一郎さん:姫路短期大学の先生がテニス仲間なんですけど、その先生が言うのに「子供はたっぷりだっこしてあげなさい」と。ずっと子供のそばにおりたい、というのも母性のなせるわざかな。
 一方で、社会復帰、復職するかどうかは、本人の希望とは別の保育所の事情とかめんどうを見てくれる人の事情で決まるところがある。そういうところが遅れてるかなあ。色んな事情が結局女性の肩にばっかりかかるところが、平等じゃないなあと思う。


★このあたりでお話はどんどん佳境に…。
 恵理さんが、今回のよのなかカフェを開催するもとになった疑問、「女性自身をパワーアップするってなんか違うんじゃないかなあ」について語りました。


恵理さん:女性の人生を切り取ったときに、背景をよく振り返ってみると、チャンスが与えられなかったり周囲の見方があったりと、本人以外のことで決まってしまう。そういうことを根本的に修正していかないと、自分の意志で決めていくということができないと思います。
 ダイバーシティという言葉が流行っていて「女性だけではないんですよ、外国人、高齢者、障碍者もみんな大事なんですよ」というけれど、私は女性については女性に特化した取り組みが必要だと思います。間口を広げると違っちゃうんじゃないかと感じています。


一郎さん:安倍さんが「日本社会がもっと活気を取り戻すために若い世代や女性がもっと活躍を」と言うが、GDPを上げるために女性をもっと働きなさい、もっと若い人の正規雇用を増やしなさいというのは、目的がおかしいんじゃないかと思います。
 同じように働くために今、沢山のハンデがある。それを1つ1つ取り除いていけばいいのに。


―もう少しそこをわかるようにお願いします。


一郎さん:安倍さんは国の力を盛り上げるために女性がもっと社会参画を、そのために施策を、と言いますが、そうじゃない。半分の女性が男性に比べてハンデが大きすぎます。
 女性管理職が少なすぎる、女性経営者が少なすぎる。如実にそういう結果が出てしまっている。GDPのために、というのは違うかなという気がします。
 ぼくたち男性には身に沁みてわかってはいないと思います。確かに女性はハンデがあるなあ。身をもって体験しているわけじゃないなあ。女性の立場では理不尽な体験をされていると思います。


恵理さん:アベノミクスの中で、「GDPを上げるために女性活躍推進を」というのは、中小企業などに女性を登用させるためのよく使う言い方ですね。
 ただそのためだけに女性を登用せよというのはどうかなと思います。


―それでは、身近に理不尽だと感じたことについて。


一郎さん:ぼくが勤め始めのころは女性が朝、みんなにお茶を入れていました。
 30-40歳ごろには朝のお茶くみは女性の仕事、というのはなくなりました。掃除当番も男女交代でやっていました。


千草さん:私自身は、民間企業に数年勤めたあと専業主婦を7-8年やり、それから市役所に採用された変わりダネなんです。
 女性が輝く社会というのは、その人が本当に色んな社会を知ったうえで選択していけるならいいけれど、女子大生に今、専業主婦志向がとても強い。色んな社会を経験しないまま、専業主婦が楽そうかな、と思ってしまう。
 公務員は比較的そのへんが平等だと思いますが、民間企業では女性が同じだけの努力を積み重ねたのに上に上がれないという差が大きくあります。


―(司会)民間ではトップセールスとかのハイパフォーマーの女性がいじめられるという話はよくききますね。数字が出る分、逆にいじめられたり陰口を叩かれたりする。数字を出す先輩の女の子より若い女の子を「かわいい」とチヤホヤしたりする。


恵理さん:よく働く女性にロールモデルがいない、と言われますね。うちの市ではすごいパイオニア的な女性の大先輩がいるんですが、その人たちから話がきけないんです。
 その人たちは男性と同様にバリバリ働いてきた。今、その人たちに体験談を話して、とお願いしたくても、周囲が「あんたと同じようにみんなが働けるわけじゃないんだから」と止めるんだそうです。本人も、「私は仕事も家庭も両立したわけじゃないから」と出たがらない。そんなふうにして素晴らしい先輩が前に出られないという現実があります。


―(司会)以前きいたことがあります。団塊世代ぐらいの女性の方で、本庁から自ら希望して出先に行きバリバリ働かれた、すごい仕事のできる、という方。でも周囲の男性からは「あの人変な人だよね」とけむたがられていた。私はその人の下で働いた男性部下からきいたのですが、すごい厳しいけど公正で働きやすい上司だった、ということでした。


祐樹さん:男性ってダメですねえ…。
 男性が女性の足を引っ張っているのでは、という事例がありました。
 うちの施設の上司が女性ですが、市の検査が入る前に設備を色々直さないといけない。厨房の設備に不備があって外注業者さんに来てもらっているのですが、その中でペーパーホルダーを取り付ける作業を一向にしてくれなくて。以前は私は、その男性業者を「仕事サボりやなあ」という目でみていたのですが、最近「(女性)上司の足を引っ張っているのではないだろうか」と思うようになりました。
 そのペーパーホルダーは、絶対ないと検査が通らないというものではないんです。ほかの絶対やらなあかんことはしてくれるのですが、ペーパーホルダーみたいな些細なことに限ってやらない。そして女性上司に責任転嫁をしている。
 今日その上司と実は食事をしまして、「足を引っ張られているようにみえるんですが?」と水を向けました。上司は「こんな愚痴を言えるのは祐樹さんぐらいしかいないわ」と言っていました。
 意識してないと、みえてないものは沢山あるんだなあ。
 自分は女性を差別しているつもりもないけれど、でも考えてないことによって自分がそれを引き起こしていることもあるなあ、と思いました。


―(司会)それは大事な気づきですね。
 これまでも当協会受講生のマネジャーが、部下の男性が女性の足を引っ張っている、嫌がらせをしている、というストーリーを見抜いて解決した事例がありました。下手したら女性の退職というケースを救った事例がありました。そういう人の心の汚い部分を見えるようになることもマネジメントの中では大事ですね。


一郎さん:男性側の意識も大事ですが、それだけでは解決できないことがあると思います。
 女性は仕事と家庭の両立、仕事と子育ての両立を求められます。
 そこで日本の仕事のやり方、長時間労働の問題があります。
 そもそも1日8時間労働が既に長すぎるのではないかと思います。長すぎてそもそも両立できない。
 私は1日4時間でも正規雇用として、制度として保障されないといけないのではないかと思います。みんなが8時間では無理です。


千草さん:うちの部署には短時間勤務の人が2名います。
 現実には、フルタイムの人と短時間勤務の人がいると、他の職員に(仕事が)かぶってしまうことが起こります。。
 「長時間労働」に関しては、男女共同参画課にいるとみんなわかっているので長時間労働をすることが評価されたりはしません。
 しかしほかの部署では、課長によって長時間労働の人を評価する発言が出たりはしますね。


一郎さん:ぼくの若い頃の部長さんで、年休をとってない職員がいいかのように勤務評定をつける人がいました。「彼は1年間2日しか年休をとってない」と評価して。
 へー、歳いってる人はそういう考え方をするのかな、と思いました。ぼくは若かったから、年休をとりまくって遊んでたんですけど(笑)



★このあたりで時間となりました。「最後に一言タイム」。


祐樹さん:私には小さい娘が2人います。娘たちの将来のために世の中が変わってほしいです。そのために私自身が行動したい。気づかない問題がたくさんあると思います。

千草さん:最近つい業務に追われがちになって女性活躍についてじっくり考える時間がとれませんでした。
 管理職として後輩や部下を育てていけるようになりたいと思います。

恵理さん:みなさんの公平な視点からのご意見がきけて良かったです。

一郎さん:目先の施策を求めがちですが、この問題は長いスパンでみて取り組まないといけないことだと思います。



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 晴れやかな表情のみなさん



 雨模様の寒いお天気の中、すばらしい対話をしてくださった皆さん、そして会場のアロアロさん、ありがとうございました!


 その後後だしジャンケン的なよのなかカフェと女性、ファシリテーションなどについての来し方や感慨は、またこのあとの記事に書きたいと思います。



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