「ご挨拶回りと答弁」の日々の合間にある人に正田が書いたメールです。
頭が早回しでメールを書いていても「答弁」になっています。


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○× 先生

あの本をまだ手元に置いてくださっていますか。
あの本について冷静客観的な本だと賞賛してくださった、
あれは間違いなく真実です。

わたしはビジネススクールでEQの低い人たちが論理を振り回す愚をみました。
私見では本当の論理性はEQも兼ね備えた人がもつものだと思います。
自分の感情をわからない人には本物の客観性は備わらない。
それはビジネススクールでも ロジカルシンキングを習いながらつねに感じていました。
自分の感情認識ができない人がロジカルシンキングという武器をもっても
人を傷つける凶器にしてしまうだけだと思いました。
ビジネスの世界の奇妙に人格のわるい人はこうしてできるのかと思いました。
そして退学しました。

一方で心理学系の研修で「感情」が過度に強調されているのもみました。
「感情」を過度に強調するとどうなるか、というと、
疲れたとかめんどくさいとか言ってやるべきことをやらなかったり、
正しいことを言う人への反発心でやらなかったり、
という、「やらない」方向へのだらしない「不作為」が起こる、というのもみてきました。
脳科学でいう「感情優位」という状態です。
また野放図でルール軽視、他人の感情軽視、
職場の秩序としては明らかに困ったことが起こる、
というのもみてきました。

それをみて思ったのが、
結局行動することは価値のあることだ、
わざわざ行動すると身体が疲れたり葛藤に出会うことだからこそ
「行動」こそ価値あるものだ、と位置づける必要がある。
ある会社がうまくいくためには、
理念に沿って人々が行動することが必要です。
その「理念に沿った行動」を増やせば、業績が上がる。

一方でやはり「行動」一本槍では人は息切れする。
どれほど大変なチャレンジだったか、
それをみていて嬉しい、
あるいは安心できる、助かる、
そうした「Iメッセージ」を添えることで人間らしい表現になる。

そうして「行動承認+Iメッセージ」の形が生まれました。

この形に定まったとき(正確にいつ頃定まったのか定かではありません)
きわめてコンスタントに成果が上がるようになりました。

行動承認に添えるIメッセージ、というのは
決して「感情」が主役なのではありません。
よい「行動」がまず第一であり、
それに添える感情、とデザインすることで、
「感情こそが何よりも大事」と位置づけたときに起きる
怠惰や野放図を避けることができます。

ただ、やはり行動承認だけが大事なのではなく
そこにIメッセージもあるから、
温かい言葉がけとなり部下のこころに響くようです。


そのように、わたしなりに「論理か、感情か」の問題をクリアしました。
どちらか一方ではない。
脳科学者さんは、大脳旧皮質の存在を挙げて
「人間は感情の存在だ」
という言い方をしがちです。
しかし教育によって社会的存在をつくる、という立場からいうと
これは誤りです。
「行動承認」によって大脳新皮質(理性)のほうを
つくっていかなければなりません。


※ただし、発達障害の人の場合は
体内感覚を認識する力が弱いので、
スキルトレーニングより、「感情認識」を先に重点的にやらないといけないようです。
この点、定型発達の人とは教育の順序が逆になるようです。
それは最近になって友人たちの示唆で知りました。


そのように、「行動承認+Iメッセージ」は、人類にとって新しい発見であるはずです。
わたし自身がどんな人間かに関わりなく、
それを見出した○×先生もまた、誇りにしてくださっていいものです。

(一部改変の上掲載)



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